2021年01月18日

縁の下の力持ち

前回、新型コロナウイルス感染症に対する対応レベルの引上げにともない、大阪カスタマーセンターを在宅での受電とセンターでの受電を組み合わせるハイブリット運営に移行します、とお話ししました。これを可能にするためには、ITインフラ面での対応と、オペレーション面での対応の両面が必要になります。

ITインフラ面を担うのは情報システム部。情報システム部のこの一年の活躍には目覚ましいものがあります。思い返せば昨年の春。新型コロナウイルスの感染が拡大する中で、短期間でリモートワークへの移行を実現する必要がありました。弥生としてリモートワークへの取り組みはそれ以前から行っていましたが、ご家庭の事情のある方など、対象者は限られていました。一方で、東京オリンピックの期間中は極力出勤をしなくて済むように、そしてさらにその先、より自由度の高い働き方を目指したいということで、リモートワークの準備を進めようとしていました。本ブログでも、「オリンピック期間中はもちろんなのですが、その先も見据えて、より個人のライフスタイルに合った働き方を模索していきたいと思っています」とお話ししています。もっとも、今だから白状すると、当時は私自身、リモートワークでしっかりと成果を出せるのかは半信半疑でしたが。

そんな半信半疑を吹っ飛ばして、急遽リモートワーク対応を迫られたのが昨年の春。状況が日に日に悪化する中で、極めて限られた時間で、リモートワークが可能なメンバーを全員リモートワークに移行できるよう突貫工事で準備を進めました。機材の調達が難しく、また、回線速度も十分ではなく、完璧とは言えないまでも、緊急事態宣言発出の段階で、東京本社はほぼリモートワーク対応を完了できたのは、情報システム部の活躍あってこそ。

弥生では毎年社員総会を開催しており、その中で、顕著な成果を出した部署やチームの表彰を行っています。表彰にはいくつかのテーマがあり、複数の受賞チームが生まれるのですが、その中からthe Best of the Bestということで、グランプリを選出します。昨年秋の社員総会は完全リモートで実施したとお話ししましたが、この社員総会でのグランプリは見事情報システム部の皆さんが受賞しました(ちなみに、オペレーションの継続に貢献したチームも同時に受賞しています)。やはり、情報システム部の活躍あってこそ、事業を継続できた、と皆が実感していたということかと思います。

情報システム部自身も適宜リモートワークを続けながら、お客さま向けのサービスインフラの運営、社内のインフラの運営を継続しています。さらには、こんな環境下ではありつつ、先日お話しした札幌カスタマーセンターの移転という何年かに一度の大型プロジェクトも。カスタマーセンターはIT機器の塊ですし、何かあればお客さまからのお問合せを受けられないという致命傷につながります。そんなプレッシャーもある中で、予定通り無事にセンター移転オープンを実現しました。

弥生のリモートワーク環境の改善も続いています。手配に時間のかかる回線も既に大幅に増強され、快適にリモートワークできるようになっていますし、さらには、従来は困難だったリモートでの受電業務の準備も進めてきました。それがあってこそ、今回大阪が緊急事態宣言の対象になっても、慌てずにハイブリッド体制に移行できた訳です。

弥生の開発本部には、お客さまに提供しているアプリケーションの開発を中心に行っているシステム開発部と、サービスインフラ、社内インフラの開発・運営を中心に行っている情報システム部があります。お客さまから直接目に見えるのは、やはりアプリケーション。逆にインフラは目立たない存在かもしれません。しかし、そんな縁の下の力持ちが活躍しているからこそ、こんな困難な時期でも、弥生が弥生として機能できているのです。
posted by 岡本浩一郎 at 21:08 | TrackBack(0) | 弥生

2021年01月14日

リモートでもお客さま対応

ご承知のように、本日より、緊急事態宣言の対象地域が拡大されました。これを受けて、弥生では、先週の東京本社に引き続き、本日より大阪カスタマーセンター/大阪支店、名古屋営業所、福岡営業所が対応レベル4に移行しました。これとは別に宮城県についても一週間の検査陽性者数が基準値を超えたため、仙台営業所が対応レベル3に移行しました。結果的に現時点では、東京、大阪、名古屋、福岡がレベル4、札幌、仙台、広島がレベル3の対応となっています。

対応レベル4では、お客さまの事業継続に短期的・直接的な影響のない事業活動は原則としてリモートワークで行うこととなります。東京本社での事業活動(主にマーケティング本部と開発本部)は、言うまでもなく弥生にとって非常に重要ではあるものの、基本的にお客さまの事業継続に短期的・直接的な影響のない事業活動に該当しますので、先週以来、再びリモートワークでの対応を徹底しています。とはいえ、対応レベル2や3でもリモートワークに軸足があり、これまでにリモートワークの経験を積んできていますから、リモートワークだからといって生産性が落ちることは基本的にはありません。

これに対し難しいのが、カスタマーセンターでの受電業務です。これは、お客さまの事業継続に短期的・直接的な影響のある事業活動に該当します。このため、昨年春の緊急事態宣言下では、感染防止対策として出社する人数を限定しつつも、カスタマーセンターでの受電を続けました。実際問題として、確定申告期限の延長もあり、お問合せの数は減るどころか増えた、というのは以前お話した通りです。

しかし、出社人数を減らすことは当然のことながら受電対応できる人数を減らすことにつながります。それに対しお問合せが減らなかなかったことから、サービスレベルとしては低下してしまいました。要は、いつもよりもお待ちいただく時間が長くなってしまったということです。状況的にお客さまもご理解されており、お待たせしたのに、「こんな時期なのに電話に対応してもらって有難う」という温かいお言葉を多くいただいたのは本当に有難いことでしたが、同じことを繰り返してはならないと考えています。

この半年間で、在宅での受電の仕組み/体制の構築を進めてきました。スタッフのスキル、および自宅の環境の観点から全員ではないのですが、かなりの数のスタッフが在宅でお客さまのお問合せに対応できるよう準備を完了しています。今回、大阪がレベル4に移行したことを受け、大阪カスタマーセンターは、在宅での受電とセンターでの受電を組み合わせるハイブリット運営に移行します。ざっくり言えば、在宅が半分、センターが半分というイメージになります。

昨年春の緊急事態宣言下では、出社人数を限定することによって、サービスレベルが低下してしまいましたが、今回の緊急事態宣言下では、在宅とセンターでの受電を組み合わせることによって、お問合せ対応能力は基本的には変わらない想定です。今の時期は年末調整関連(12月〜1月)、確定申告関連(2月〜3月)と年間でもお問合せが増える時期であり、その他の時期と比べるとお待ちいただくことが増える時期ではありますが、少なくとも緊急事態宣言を理由としたサービスレベル低下は避けられる見込みです。

在宅受電の一つの課題は、生活音がお電話に入り込んでしまうこと。ウェブ会議をしていても、参加者の誰かの家でピンポーンとインターホンが鳴ったり、あるいは遠くでお子さんの声が聞こえたりということはありますよね。この点が、お客さまにどう受け止められるのかは少々心配ですが、これも新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためですので、是非ご理解をいただきたいと考えています。
posted by 岡本浩一郎 at 20:57 | TrackBack(0) | 弥生

2021年01月12日

リモートワーク 2021

先週の金曜日から一都三県が緊急事態宣言下となりました。報道によれば、今週中には大阪・京都・兵庫も緊急事態宣言の対象となる見通しだそうです。緊急事態宣言の発出にあわせ、弥生は東京本社の対応レベルをレベル4に引き上げました。

緊急事態宣言と言えば、昨年の4月から5月。あのモノクロームな時期(表現が適切ではないかもしれませんし、あくまでも私の個人的なイメージですが、物事にリアルな感覚がない不思議な期間でした)に逆戻りか、と思ってしまいますが、それではダメなのだと思います。

良くも悪くも、これまで一年弱もの期間、新型コロナウイルスと共に生きることを経験してきた訳ですから、その経験を活かすべきなのだと思います。実際、今回の緊急事態宣言では、学校の休校が要請されておらず、その反面、飲食店の営業に関する制約が強められており、感染拡大リスクに応じた対応となっています。

私自身は、ここのところ平均すれば週に1〜2日程度の出勤を続けてきましたが、対応レベルがレベル4の期間は原則としてリモートワークを続けるつもりです。ただ、これも、単純に昨年春と同じではなく、これまでの経験を活かし、むしろお籠り生活を楽しみたいと思っています。

お籠り生活をする上では、まず快適なリモートワーク環境が必要。そういった観点では、昨年の春には間に合わせで自宅のリモートワーク環境を準備しましたが、以降、着実に整備が進んでいます。昨年春に間に合わせで準備した作業環境がこちら。物置きと化していた寝室の机を、一念発起して片付けて、何とか使用できる状態にしたものです。

2021011201.jpg

これに対して、現状の作業環境はこちら。机の幅が130cm、奥行きが46cmと、決して広いわけではない机は作り付けがゆえに変えることはできていませんが、それ以外は着実に改善されています。

まず、ディスプレイとキーボードとマウス。これは一番重要なので、昨年の4月中には整備したものです。ディスプレイはEIZOのEV2785という27インチ、4Kのモニタをディスプレイアームで壁に固定しています。このモニターはUSB-Cに対応しており、PCとUSB-Cでつなげば、モニタはもちろん、モニタに接続されたデバイスとも一気につながり、さらにPCの給電まで行われるのがポイントです。

リモートワーク中はZoomやTeamsでのウェブ会議が増えますが、この際に、PC内蔵のカメラではやや力不足。ということで、当初の品不足を乗り越え、LogicoolのStreamCam(C980)というカメラを購入できたのが9月。Web会議用には過剰なスペックで、なおかつモノとして思っていたよりも大きかったという、ネット通販ならではのサプライズはありましたが、画質には文句のつけようがなく、満足しています。このカメラをManfrottoのミニ三脚を使って設置。

その後10月に発売開始と同時に入手したのは、ヤマハのSR-C20Aというサウンドバー(スピーカー)。本来はTVで映画などを見る際に使うものですが、とてもコンパクト(横幅60cm)なため、作業机のディスプレイ下にすっきり収まり場所を取りません。

Web会議では、カメラ、マイク、スピーカーの3点が大事になります。当初はPC内蔵のカメラに、昔買ったJabraのBluetooth対応ヘッドセットを使っていましたが、長時間付けていると耳が痛くなります。今では、C980がカメラ&マイク、SR-C20Aがスピーカーとして機能するため、とても快適です。

ネットワーク環境については、以前お話しした通り、マンション共有の光回線から、独自契約の光回線に切り替えました。思ったほどの爆速ではないものの、それなりに安定して上り下りとも(ルーターとWiFiのオーバーヘッド込みでも)少なくとも50Mbps程度は出るので、まあこんなものかなと。マンション共有の回線も残しているので、回線が安定しない場合にはいつでも切り戻せるようになっています。

これでリモートワーク環境としてはほぼ完備と言いたいところですが、一つだけ改善すべきものが残っています。それは椅子。当初は家に余っていたアントチェア(+クッション)を使っていましたが、やはり長時間は辛い。秋になって、これは何とかしようと思い立ち、この際一生(?)モノを買おうと考えました。しかし、実物を試して相談できるショールームがコロナ禍により予約制になってしまい、まったく予約が取れません。何とか予約が取れたのが、クリスマス、12/25(笑)。クリスマスにショールームを訪問し、相談の結果、発注に至ったものの、納期は3ヶ月ということで、届くのはおそらく4月に入ってしまいそうです。さすがにそこまで待てないということで、一旦は、会社から自分の椅子を一脚(これは以前自分の会社で使っていたものを弥生に持ち込んだもの)持って帰ってきました。

ということで、今回の緊急事態宣言下でのリモートワーク環境は、前回よりは大幅にグレードアップしています。環境がグレードアップしている分、アウトプットも前回より大幅なグレードアップを目指したいところです。
posted by 岡本浩一郎 at 22:07 | TrackBack(0) | 弥生

2021年01月08日

所変われば

前回は、1/4(月)に札幌カスタマーセンター(CC)が移転オープンするということで、札幌に出張したということをお話ししました。実は、この札幌出張にはもう一つのミッションがありました。

毎年神田明神への初詣は欠かさず続けてきました。例年、弥生のためでもありますが、それ以上に、弥生のお客さまである日本の中小事業者の皆さんの繁栄をお祈りしています。今回は、初詣での密を避けるために、先手必勝とばかり、12月半ばにお参りしてきたことは先日お話ししました。

これで済んだはずですが、新年を迎えるにあたってやはりちょっと物足りない。ということで、札幌出張のついでに、札幌新オフィスの安全と、日本の中小事業者の皆さんの繁栄を祈願して札幌で初詣に行こうということになりました。

参拝したのは、北海道神宮。私が参拝するのは初めてですが、ここ何年かは札幌CCの有志で初詣に行っていたとのこと。冬の札幌だけに、雪に包まれた境内はとても風情がありました。仕事始めの1/4の夕方ということで、札幌と言えども結構混むのかと思いましたが、密を避けようという動きもあったのだと思いますが、それほど混んでおらず快適にお参りすることができました。

2021010801.jpg

昇殿してのご祈祷を予約してあったため、すぐに昇殿することができ、ご祈祷いただくことができました。「合理的な神様」シリーズで、神田明神における住所・代表者名の読み上げパターンをご紹介していますが、北海道神宮では、住所、会社名、代表者名すべてセットのフルバージョン、さらには、会社ごとに願意(商売繁盛ですとか、交通安全ですとか)をきっちり読み上げていただきました。

これまでずっと神田明神への初詣を続けていましたが、今回の例に倣って、神田明神は一足早く12月中に、その後1月に拠点のある地域で拠点メンバーと初詣というのも悪くないな、と感じました(笑)。例えば名古屋だったら熱田神宮とか。私の両親が名古屋出身のため、小さい頃は初詣といえば熱田神宮でした。来年あたりどうでしょう > 名古屋メンバーの皆さん。
posted by 岡本浩一郎 at 19:00 | TrackBack(0) | 弥生

2021年01月06日

新・札幌カスタマーセンター

昨年末にお話ししましたが、弥生の札幌カスタマーセンター(CC)はこれまでのマルイト札幌ビルから卒業し、この新年に日本生命札幌ビルに拡大移転しました。1/4(月)が仕事始めであり、同時に新・札幌CCのオープンということで、朝一便で札幌に飛びました。コロナ禍が拡大する中で、後一週間遅ければ出張自体が難しかったと思いますが、このタイミングでは無事に出張できて幸いでした。

新しい札幌CCは、JR札幌駅から徒歩4分の日本生命札幌ビルにあります。徒歩といっても、地下通路で直結しており、積雪しているこの時期にはその有難さを実感します。ビルに到着して21Fへ。偶然ではありますが、札幌CCは本社秋葉原と同じ21F。小さいことですが、覚えることが減って有難いです(ちなみに大阪は10・11F、仙台が5F、名古屋が2F、広島が9F、福岡が7Fとなっており、毎回どこだっけと迷います)。

エレベーターを降りてもどっちに行くのか迷いますが、周りも迷っている方が多数(みんな初めてだから当たり前ですよね)。無事にエントランスに到着。エントランスは東京と似た雰囲気です。

2021010601.jpg

フロアの8割以上を占有するということで、かなり広大なスペースとなっていますが、エントランスはその端っこに位置します。全体図はこんな感じ。

2021010602.jpg

ぐるーっと回って一番広いスペース(フロア図上側)にたどり着くと、こんな感じで、ずらーっと受電のためのデスクが並んでいます。一番向こうは、もはやはっきり見えません…。

2021010603.jpg

ただこの写真に収まっている部分でも全体の半分弱です。旧・札幌CCでは3フロアに分かれていたスペースが1フロアに収まったということで、面積の増加以上に圧倒的に広くなったように感じます。フロア図の右上に座る人が、フロア図左下のリフレッシュルームを見学して、「遠い」とつぶやいていたのが印象的でした。

新・札幌CCの売りの一つは、眺めがいいこと。JR札幌駅もこんな感じで見下ろします。このずーっと先はもう海です。

2021010604.jpg

そして北海道庁の旧本庁舎(赤レンガ)はこんな感じ。この方面のずーっと先は山が見えます(スキー場らしき場所も見えます!)。

2021010605.jpg

引越ししたばかりということで、また落ち着かない部分もありましたが、それでもとても気持ちの良いオフィスだと感じました。引越し初日ということで、設備のトラブルも心配していたのですが、無事にスタートし、夕方17時半には無事に電話受付を終えることができました。年末年始に取り組んだ方が多かったのか、個人事業主の確定申告に関するお問合せが多いようでした。

まだ給与系のお問合せも多い時期ですし、2月からは確定申告に関するお問合せが本格的に増える時期になりますが、新しくなった札幌CCと少し前(と言ってももう4年以上前)に新しくなった大阪CCとで、お客さまのお問合せにしっかりと対応していきたいと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 20:54 | TrackBack(0) | 弥生

2021年01月04日

新年のご挨拶 2021

新年明けましておめでとうございます。

新春を迎え、皆さまにおかれましては健やかに新年を迎えられたことと、謹んでお慶び申し上げます。

2020年は、新型コロナウイルス感染症が世界中に大きく影響を及ぼした年でした。事業者の皆さまにとって、先の見えない暗闇の中を歩むような一年であったと拝察します。私自身も、経営者として、刻々と変わる状況の中で、お客さまに対する責任、従業員に対する責任、そして社会に対する責任をどのように果たすべきか思い悩んだ一年でした。

弥生にとって2020年は、この困難な時期に事業者の皆さまのために、何ができるのかを真剣に考え、微力ながらもお役に立つために取り組んだ一年でした。弥生のミッション(使命)は、お客さまの事業インフラとして、中小企業、個人事業主、起業家の皆さまの事業を支えることです。法令改正に対応し、業務を着実に成立させることはもちろんですが、皆さまの事業の存続と成長についても、私たちが多少なりともお手伝いすることができればと、給付金・助成金や各種相談窓口など、行政等による事業者支援について情報発信を継続しました。

新型コロナ禍のなか、弥生自身の事業においては一定の成果を出すことができました。クラウドアプリケーション、デスクトップアプリケーションともに順調に利用が拡大し、過去最高の売上を達成することができました。弥生の会計事務所パートナー「弥生PAP会員」は、2019年12月末に10,000事務所を突破しましたが、以降も着実に増加しています 。さらに、2020年9月には新たに「記帳代行支援サービス」を開始しました。このサービスにより会計事務所の記帳代行業務の作業負担を減らし、会計事務所と事業者双方の業務効率化を実現していきます。

本年は、法令改正への取り組みや業務効率化の支援はしっかりと続けつつ、デジタルを前提とした業務プロセス再構築による抜本的な業務効率化にも取り組んでいきたいと考えています。会計業務、給与・労務業務における行政手続きの電子化(電子申告・電子申請)は着実に広がっていますが、日本における現状の社会的システムの多くは、紙での処理を前提としたものに留まっています。今改めて、デジタルを前提として業務プロセスの根底から見直すデジタル化を進めることによって、社会全体としての効率を抜本的に向上させ、社会的コストの最小化を図るべきだと考えます。弥生はお客さまの業務効率化を第一に、社会全体としてのDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組むため、2019年12月に「社会的システム・デジタル化研究会」を5社共同で立ち上げました。さらに2020年7月には「電子インボイス推進協議会」を10社共同で設立し、業務プロセスのデジタル化に取り組んでいます。これらは中長期的な取り組みではありますが、一歩ずつ着実に前進していきたいと考えています。

また、弥生とオリックスが共同設立したアルトア株式会社が取り組んでいるのもデジタル化です。金融機関と協業し、事業者向け融資業務のデジタル化を実現することによって、金融機関には効率を、事業者には利便性をもたらしたいと考えています。

今年の干支(十二支)「丑」は、牛が大変な農作業をしっかり手伝ってくれる働きぶりから、「これから発展する前触れ・芽が出る」というような年になると言われています。弥生は「事業コンシェルジュ」としての挑戦と進化をこれからも続け、お客さまが事業を立ち上げて発展させる中で、お客さまが安心して業務を進められるようにバックオフィス業務、ひいては事業をサポートしてまいります。

末筆となりましたが、皆さまにとって本年が素晴らしい年となりますようお祈り申し上げるとともに、引き続き、弥生株式会社をご支援賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。

弥生株式会社
代表取締役社長
岡本 浩一郎
posted by 岡本浩一郎 at 11:34 | TrackBack(0) | 弥生

2020年12月28日

卒業

この度、本年12月末をもって、卒業することとなりました…。なんて、久し振りに思わせぶりな書き出しですが、私のことではありません(笑)。ただ、13年経っての卒業ということで、私の弥生歴とかなり近い存在ではあるのですが。

本年12月末をもって、弥生の札幌カスタマーセンター(CC)はこれまでのマルイト札幌ビルから卒業し、新たに日本生命札幌ビルに拡大移転します。弥生が現在のマルイト札幌ビルに札幌CCをオープンしたのは、2007年7月のことです。それまで弥生のCCといえば大阪でしたが、事業規模の拡大および、事業継続性の観点から、札幌との二拠点体制とすることにしました。ただ、当初の札幌CCはわずか30席でのスタート。当初は二拠点というよりも1.2拠点といった状態でした。しかしその後札幌CCは増床と増員を繰り返し、2013年10月には一気に400席を超えることとなり、大阪CCを超える規模となりました。ただ、増床を繰り返した結果、賃借スペースが3フロアに渡ることとなり、ややスペース効率が悪くなっていました。

私が札幌CCを初めて訪れた時は、弥生の中で一番素敵なオフィスと感じたものです。しかし、その後東京本社が秋葉原に移転し、また大阪CCも淀屋橋に移転し、その際に働きやすい環境を作ることに注力した結果、当時は素敵だった札幌CCも今から見るとやや古びた感が生まれていたのも事実。

ということで、この度、日本生命札幌ビルに移転することになりました。日本生命札幌ビルは道内最大級ということで、1フロアが830坪。弥生が入居するスペースは710坪ということで、見事に1フロアに収まります。新型コロナウイルス禍により3月以降札幌に出張できていないため、私自身はまだ見ることができていないのですが、なかなか壮観だそうです。売りは北海道庁の旧本庁舎(赤レンガ)がキレイに見えること。働く皆さんからすると、札幌駅、大通り公園駅、すすきの駅まで地下通路で直結していることが大きなポイントでしょうか。特に冬場は地下の方が圧倒的にラクですよね。

2020122801.png

今日は業務終了後に、有志が企画した卒業式を開催しました。画像は卒業記念で制作されたビデオ(良い出来でした)からの一コマですが、ちょっと謎めいていますね。まるで私が好きな謎解きのようですが、種明かしをすると、北2条西1丁目(N2W1)のマルイト札幌ビルから、北3条西4丁目(N3W4)の日本生命札幌ビルということのようです。

私が弥生に入社したのが2008年4月ですが、それ以降事業の拡大とともに、東京大阪名古屋福岡を移転、広島仙台には新たに営業所を開設しました。唯一残っていたのが札幌ですが、これで全ての拠点を拡大・移転・新設したことになります。

さて、今年の営業日は本日で終了(注)。これまでにない辛抱を強いられた一年であり、本当にあっという間に終わってしまいました。それでも振り返れば、やるべきことはしっかりこなしつつ、将来に向けた取組みも着実に前進させることができたいい一年にすることができました。これも、お客さま、そして、パートナーの皆さまのお力添えのお陰です。同時に、チーム弥生の皆がチームとして困難に立ち向かってきたからこその結果でもあると思っています。みんな、本当に有難う。

新型コロナウイルス禍の収束が見通せない状況ではありますが、年明け1/4(月)には札幌に出張し、開所式に参加する予定です。久し振りに札幌の皆さんに会えることを楽しみにしています。
本ブログを読んでいただいている皆さま、本年もお世話になりました。良いお年をお迎えください。

(注) アルトアは事業者の資金繰りを支えるため、年末ぎりぎり12/30(水)まで営業します。12/30の朝一までのお申込みであれば、最短で年内のご融資が可能です。
posted by 岡本浩一郎 at 18:19 | TrackBack(0) | 弥生

2020年12月24日

なぜ後工程からなのか

前回は、インボイス制度をきっかけにどのように業務効率化を実現しようとしているのかお話ししました。目指すのは、見積〜受発注〜請求〜支払/入金消込業務という一連の商取引がデジタルで一気通貫となる世界。社内にとじたIT化ではなく、社外ともデジタルでつながる世界。一方で、このビジョン自体は弥生として少なくとも5年前から掲げつつも、なかなか進んでいないともお話ししました。

なぜ、進んでいないのか。この一連の流れは、ざっくり言って、見積〜受発注〜納品という前工程と、請求〜支払/入金消込業務という後工程に分解することができます。このうち、これまで注目されてきたのは前工程です。商取引の中で、直接的に付加価値が生まれているところは、発注から納品が中心になりますから、そこにフォーカスが当たること自体不自然なことではありません。いわば日なたの存在。それに対し、後工程はどちらかというと、それの付随工程。いわば日陰の存在。

この種の仕組みは一般的にEDI(Electronic Data Interchange, 電子データ交換)と呼ばれており、大企業を中心に導入が進んでいますが、これらEDIは基本的に受発注が中心です。そして受発注を中心としたEDIは大企業を中心に業界単位では標準化されていますが、業界を超えて利用できる日本標準仕様は実現していません。これは受発注というプロセスには業界の固有性が大きいためです。例えば、電機製造業で必要とされる仕様と流通業で必要とされる仕様に差が大きい。このため、業界内では成立しても、業界を超えて利用できる標準仕様の策定が難しいということです。

これに対し、後工程は比較的業種による固有性が小さいのが特徴です。受発注は対象となるモノやサービスが多岐に渡り、標準化が難しいのに対し、請求〜支払は言ってしまえばおカネのやり取りですから、業種によるプロセスの差が大きくありません。だからこそ、業界単位ではなく、日本全体での標準仕様を策定しやすいと考えています。どちらかと言えば日陰の存在の後工程ですが、逆に日陰の存在であり、固有性が大きくないが故に標準化も実現しやすいと考えています。

もう一つ、電子インボイスという後工程から進めようとする理由は、電子インボイスの前提となるインボイス制度が2023年10月にスタートすることが決まっているから。標準化は望ましいものではあっても、明確な期限がなければ、なかなか意見がまとまらないもの。それに対し、電子インボイスについては、2023年10月という明確な期限があるため、個々の意見は脇において、皆で標準化を進めやすいと考えています。

とは言え、今回決めたPeppolをベースに、来年半ばまでに日本標準仕様を策定するまで(そしてそれ以降も)様々なハードルが待ち受けているものと考えています。ただ、この機会で誰でもが利用できる、利用することが当たり前の仕組みを作らないと、もう永遠に実現できないのではないか、という危機感も持っています。日本全体としてもデジタル化に対する機運が高まっているこのタイミングで、まずは後工程から、日本の商取引のデジタル化に取り組んでいきたいと思っています。

Happy Holidays!
posted by 岡本浩一郎 at 23:42 | TrackBack(0) | デジタル化

2020年12月22日

電子インボイスが実現する業務効率化

前回はインボイス制度についてお話ししました。そしてこれを単なる法令改正対応に留めるのではなく、電子インボイスを通じて圧倒的な業務効率化を実現したいということをお話ししました。どうやって業務効率化を実現するのか、まず現状を振り返るところから始めたいと思います。

2020122201.PNG

一般的な商取引(ここでは特にB2B取引を想定)では、特に中小企業においては、見積から請求、支払までの業務の多くが紙と手作業で成り立っています。見積書をFaxで送信し、それに対し発注書もFax。納品書は紙として納品物に添付し、請求書は別途郵送。請求に対し、入金がなされたかは、預金通帳の明細を逐次チェックして確認。ここでポイントになるのは、決してIT化されていない訳ではないということです。例えば、見積書や請求書は弥生販売Misocaで作成するというのは決して珍しいことではありません。つまり社内においてはIT化されている訳です。しかし、会社と会社の間では途端にアナログになってしまいます。これは会社と会社の間の見積や発注、あるいは請求といった情報をデジタルでつなぐための標準規格が存在しないため、誰でも確実に使えるアナログな標準規格であるFaxや郵便になってしまっているからです。

結果的に、社内のIT化は進んでも、業務効率はなかなか上がりません。売り手側には見積書のデータはある。ただ、それがデータとして買い手に渡ることはないので、買い手は、改めて発注データとして手で入力する必要があります。見積から支払、入金の消込まで、改めて手で確認する、入力するということが何回も繰り返される訳です。

2020122202.PNG

この一連の流れをデジタル化すればどうなるか。売り手から見積がデータとして買い手に渡る。それは(内容に問題がなければ)そのまま買い手の発注データになる。発注データは逆に買い手から売り手に渡り、売り手にとっての受注データになる。その後、納品と同時に、納品データも買い手に渡って検収データになる。請求データは買い手に渡って、支払データのもととなり、支払データは入金データになる。そして請求データと入金データをシステムで突合することによって、自動消込が可能になる。

全てがデジタルでつながる世界。この世界では、既に存在する情報を改めて手で入力するという必要がなくなります。そしてデジタルデータをもとに多くの業務が自動で処理できるようになります。

あれ、でもこの話どこかで聞いたことがあるな、という方。実に鋭い。実は2016年2月に弥生がMisocaを買収した際に、弥生がMisocaともに実現したいビジョンということでお話ししました。もう5年近く前の話になります(遠い目)。ただ、残念ながら、Misocaとともに掲げたビジョンを実現するには至っていません。

今回の電子インボイスで実現するのは、このビジョンのうち後ろ半分ということになります。すなわちまずは電子インボイスを通じて、請求〜支払/入金消込業務の一気通貫を実現することになります。この部分だけでも大きな業務効率化になるはずです。さらには、まずは電子インボイスが一般化することによって、後工程が自動化され、それが呼び水となって結果的には前工程、すなわち受発注もデジタル化すべきだという流れにつなげていきたいと考えています。

次回は、なぜビジョンの実現に時間がかかっているのか、そして今回なぜ後工程から進めていくのか、についてお話ししたいと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 20:47 | TrackBack(0) | デジタル化

2020年12月18日

インボイスって?

月曜日に電子インボイス推進協議会(EIPA)を代表し、平井卓也デジタル改革担当大臣を訪問し、日本における電子インボイスの普及を通じた業務デジタル化に向けた提言を行いました。これを受け、翌日には平井大臣が記者会見において、EIPAの取り組みについて、「デジタル化を通じたバックオフィス業務の効率化の実現は非常に重要な課題でありますので、デジタル庁の設置を待たずして、官民連携の上、早急に進める必要のある、デジタル化のフラッグシッププロジェクトだと考えております」と言及いただきましたこちらの動画ニュースでも取り上げられており、私もしっかりと映り込んでおります(笑)。なお、蛇足ですが、このニュース中の「会計データを標準化」というのはミスリードで、正確には「会計データのもととなる電子インボイスを標準化」です(個人的には会計データの標準化も取り組みたい課題ではありますが)。

2023年10月のインボイス制度導入に向けて、大きな一歩を踏み出すことができた、と感じていますが、一方で、一般的な受け止め方としては、「そもそもインボイスって何だ?」ということではないでしょうか。

インボイスというのは、消費税法上、正式には適格請求書と言います。消費税を納めるのは、消費者。ただ、消費者が直接納税するのではなく、事業者が消費者から受け取った消費税から、仕入れ時に支払った消費税の差額を差し引いて納めるということは、以前お話しした通りです。仕入れの際に支払った消費税を差し引くことができるのは、仕入税額控除が認められるからです。

この仕入税額控除を認める条件を、適格請求書等を受領した場合に限るというのがインボイス制度です(適格請求書に加え、適格簡易請求書なども認められるため、適格請求書「等」と総称されます)。仕入税額控除というのはもちろんこれまでも存在したわけですが、これまではいわゆる一般的な請求書等でよく、その請求書は誰でも発行できます(厳密に言えば、軽減税率の導入を契機に、軽減税率の適用を明記する区分記載請求書等が必要になっています)。

これに対し、適格請求書については、発行できるのが、登録された課税事業者のみであるということ、また、記載すべき情報が明確に定められていることが特徴です。例えば、適格請求書には、発行した事業者の登録番号を必ず記載する必要があります。受け取った事業者は、この登録番号によって、発行事業者が確かに登録された事業者であるかどうかを確認することができます。

そういった意味で、インボイス制度は、これまでになかった全く新しいドキュメントが必要になるわけではありません。あくまでも今現在普通に存在している請求書の延長線上にあります。しかし、管理という意味では確実に煩雑になります。これまでは、請求書の発行者が課税事業者であるかどうかを意識する必要はありませんでしたが、今後は、課税事業者であるかどうかを明確に峻別する必要があります。

インボイス制度を法令改正という観点だけで見れば、事業者としては何も嬉しいことはありません。これまで以上にしっかりと管理する必要がある。まあ、一言でいってしまえば手間が増えるということです。これに対し、むしろ手間を減らし、業務の効率化を実現しようというのが、今回取り組む電子インボイスです。

2020121801.PNG

EIPAでは、EIPAが目指すべきこととして2つを掲げています。一つは、事業者が法令である「適格請求書等保存方式」に対応できるようにすること、ただそれ以上に重要だと考えているのが、二つ目である、デジタル化によって圧倒的な業務効率化を実現することです。では、どうやって圧倒的な業務効率化を実現するのか。次回以降じっくりとお話ししたいと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 19:16 | TrackBack(0) | デジタル化