2022年05月19日

期待値の違い

引き続きアメリカでの話。今回の主目的はビジネススクール(UCLA Anderson School of Management)のReunion(同窓会)に参加することですが、もう一つの目的はDisneyland Resortに行くこと。家族的にはこちらの方が主目的ですね。

さすが夢の国で、とても楽しかったのですが、印象的だったのが、乗り物がしょっちゅう壊れること。乗り物に並んでいると、列が全然進まなくなることがちょこちょこあるのですが、それは乗り物が壊れて一旦止まっているから。最悪の場合、一時閉鎖となってまた後で来てくださいとなることがあります。Disneyland Resortでは、Lightning Laneという時間帯予約の仕組み(FastPassの代わりに導入された仕組み)が導入されており、このLightning Lane予約については、別の時間帯への振り替えという救済措置があるのですが、普通に並んでいる(Stand-by Line)場合には、何の救済措置もありません。ですので、1時間並んでもう少し乗れるというところで、乗り物が一時閉鎖になると1時間を棒に振ることになります。

ある意味、もっと印象的だったのが、誰も文句を言わないこと。意外かもしれませんが、列が動かなくなっても大人しく(というよりはワイワイと賑やかに会話しながら)待ち続けますし、一時閉鎖になって待ち行列を解散させられても文句を言う人はいません。日本だったら、どうなっているんだ、とか、何とかしろよ、となりそうなんですけどね。

根底にあるのは、期待値の違いなのではないかと思います。アメリカの場合、壊れるのが当たり前。壊れるのが当たり前だから、文句を言ってもしょうがないよね(実際、そこに居合わせたスタッフに文句を言っても、自分の責任じゃないし、知らんがな、と言われて終わりです、笑)。

日本の場合、完璧に動くのが当たり前。新幹線で、到着が数分遅れただけで、「遅れて申し訳ございません」とアナウンスが入る国ですから。ATMが止まればニュースになる。日本のディズニーランドの場合、スタッフは自分では何もできなくても、とりあえず「申し訳ございません」とお詫びしますよね。完璧に動くのが当たり前だからこそ、問題があったらとりあえずお詫びする。

面白いなと思ったのが、壊れることが当たり前であり、それに対する備えも一定程度されていること。今回行きたかったStar WarsエリアのGalaxy's EdgeにはMillenium Falcon: Smugglers Runというアトラクション(あのMillenium Falconの操縦ができる!)があり、このアトラクションでは、まずHondo Ohnakaというキャラクター(Clone Warsというアニメシリーズでたびたび出てくる憎めない海賊)からミッションの説明を受けます。

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しかし、何回か乗ったうちの一回は、このロボットが壊れたようで、ロボットの上に布が被され、見えないようになっていました。その代わり、ビデオで「今日はそこにいれないのが残念だが…」というセリフが流れます。つまりロボットである以上、一定の頻度で壊れる、壊れた時はその場にいないことにして、代わりのビデオを流そう、と予め設計されているわけです。

日本の通販は、完璧なものが届くために全力を尽くす一方で、Amazonは何かあったらすぐ交換(問題は一定の確率で起きると割り切る)という違いも、やはりこの期待値の違いから来ているような気がします。

壊れるのが当たり前か、完璧に動くのが当たり前か。これは良し悪しですね。完璧に動くのが当たり前の国から壊れるのが当たり前の国に行くと、イライラするのも確かです。ただ、完璧に動くのが当たり前にするために、国全体としてかけているコストを考えると、もっと大らかでもいいのではないかとも思います。
posted by 岡本浩一郎 at 23:17 | TrackBack(0) | ビジネス

2022年05月17日

米国キャッシュレス事情

2年以上振りに国外脱出を果たし、アメリカに行ってきた感想としては、とにかく何でも高かったとお話ししました。一方で、高いと思いつつ、意外にも(?)あまり実感がなかったのが正直なところ。

もちろん負担感は確実にあるのですが、99%の支払いがキャッシュレスなので、ピンとこないというのが正直な感想です。お札で払えば物理的にお札が減ることを実感しますが、キャッシュレスの場合、良くも悪くもレジやレシートに表示された数字に過ぎません。まあ、それが実際に口座から引き落とされて、激しく実感することになるわけですが(苦笑)。

改めて感じたのが、ますますキャッシュレスが進んだな、ということ。もともとアメリカはクレジットカードおよびデビットカードの利用が一般的であり、ほとんどの場所で使えますが、それがさらに進んだように思います。なおかつ、今回はほとんどの場合、タッチ決済(アメリカの表現ではTap)ができるようになっていました。日本でも一部のクレジットカード&一部のお店でタッチ決済ができるようになってきていますが、今回アメリカではかなりの確率でタッチ決済で済ませることができました。タッチ決済は端末に触れる必要もありませんから、新型コロナウイルス禍において、普及が進んだということもあるのでしょうね。

タッチ決済は便利なので、日本でも広がってほしいと思いますが、暗証番号を求められないので、万が一カードを落とした場合がちょっと心配です。落としたとわかった瞬間にカードを止めないと、被害が大きくなりかねない。特にデビットカードは銀行口座から直接引き落とされますから。ただ、その分、デビットカードの方がセキュリティのチェックは厳しいようで、特にネットの決済では支払いが通らないことも。そういった時のために、カードは複数持っていないと困るケースもあるように思います。

意外かもしれませんが、アメリカではいわゆるQRコード決済はほぼ存在していません。中国はQRコード決済大国になりましたが、アメリカにおいては、もともとクレジットカード/デビットカードが浸透しているので、QRコード決済ならではのメリットを示せないのではないかなと思います。アメリカの場合、クレジットカードはリボルビング払いが基本で、カード発行会社にとって高い金利収入が見込める分、多少低い信用力でもクレジットカードが発行されやすいとか、そもそもデビットカードであれば支払いの銀行口座の残高の範囲内でしか使えない(要は所持金以上に使うことができる信用力供与=クレジットが提供されていない)ので、入手が容易、といった事情もあるのでしょうか。

キャッシュレスが進んで困るのは、現金の入手が難しくなっていること。現金の用途は限られており、今回の旅行でもせいぜい数十ドルしか使っていませんが、必要な時は必要。用途としては、基本的にはチップです。レストラン等はカードで支払う際にチップの金額を上乗せすればいいのですが、荷物を運んでもらった時、預けていたクルマを出してもらった時、ハウスキーピング(毎朝)には現金でのチップが必要です。ホテルにチェックインする際に、小額紙幣に崩しておかないと、チップが払えないと慌てることになるので、注意が必要です(なおかつ$100紙幣はあまり一般的に使われていないので、ホテルですら両替を断られることがあるので注意が必要です。万能なのは$20紙幣ですね)。

基本的にはキャッシュレス先進国ですが、現金でのチップもあり(そういった意味では小切手も今でも現役ですし)。そういったまだら模様がアメリカらしいと言えばアメリカらしいように思います。ただ、最近ではVenmoZelleなどの個人間送金アプリでチップを払うということもあるようですし、逆にお店がservice feeやresort feeを請求することで、個々のチップを不要にするという動きもあり、現金でチップというのもいずれはなくなっていくのかもしれません。
posted by 岡本浩一郎 at 22:50 | TrackBack(0) | ビジネス

2022年05月13日

2.7倍!?

これまでお話ししてきたように、このゴールデンウィークに2年以上振りに国外脱出を果たし、アメリカに行ってきました。せっかくなので、その感想など。

まず一番強烈な印象は、とにかく何でも高かったということですね。デフレ経済の日本と異なり、アメリカはインフレ経済。値段は上がって当たり前。これにさらに1ドル130円という円安も相まってとにかく何でも高いです。

私が留学していた1995年から1997年はちょうどかなりの円高で、何を見ても安く感じましたが、その真逆という感じです。当時は一瞬ですが、1ドルが80円を切ることもありました。これが130円になった瞬間に、日本円で考えるアメリカの物価は1.6倍になります。さらにこの間日本は物価がほとんど上がっていない(1996年を1として、2021年に1.038と見事なまでに横這い)のに対し、アメリカは年平均2.2%で物価が上昇してきており、1996年を1とすると、2021年には1.73となっています。

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円安の1.6倍と、インフレの1.7倍を掛けると、2.7倍という実に恐ろしいことになります。それは何でも高く感じるわけです。

例えばDisneylandで水のペットボトルを買うにしても、日本だとディズニーランドでも200円ぐらいで買えるかと思いますが、アメリカでは4ドル! 今の為替レートだと500円越えです。日本だと1,000円で美味しいランチは選び放題ですが、アメリカだと軽く2,000円は超えます。

ああ日本は何でも安くていいねえ、と思ったりもしますが、本当にそれでいいのでしょうか。日本は安く売ること、安く買うことにこだわりすぎているようにも思います。安く売るためにはコストを究極まで削らなければならない、だから従業員の給料もなかなか上げられない。そして従業員も給料が上がらない中で生活を守るために1円でも安いものを求める。

それに対し、いいものを価値に見合ったいい価格で販売する。その売上をしっかりと従業員にも還元する。そして余裕の出た従業員は、多少高くてもいいものを買う。

どちらがいいのでしょうか。もちろん経営者として、後者が簡単なことではないことは重々承知はしています。ただデフレ経済の中で皆が(特に国際的にみれば)どんどん貧しくなっていく先になかなか明るい未来を描き難いと感じます。
posted by 岡本浩一郎 at 22:06 | TrackBack(0) | パーソナル

2022年05月11日

25th reunion

前回お話ししたように、ゴールデンウィーク中、4/29(金、祝)から5/5(木、祝)まで2年以上振りとなる国外への脱出を果たしてきました。目的地はLos Angeles。ビジネススクール(UCLA Anderson School of Management)のReunion(同窓会)に出席することが主目的です。卒業後5年に一度大きなパーティが開催されるのですが、今回は私が卒業後25年目となります。

ただ、これも前回お話しした通り、本当に行くべきなのか、行ってよいのか、最後の最後まで迷いました。ワクチン接種を3回済ませていれば、米国を含むほとんどの国からの帰国時に隔離(自宅等待機)が必要ないこととなり、行くための最低限の条件は満たされました。

しかし悩ましいのは、今回の主目的がReunionであること。要はパーティです。ご存じの方も多いと思いますが、アメリカのパーティはハグして挨拶はもちろんのこと、騒がしい中で、相当顔を寄せ合って会話します。そしてアメリカはもうpost COVID-19状態。すなわち、マスクはしないことが当たり前。地元からの出席者はそれでも何も困ることはありません。仮に陽性になっても無症状か、あっても軽い症状で終わり。強制的な検査があるわけではありません。これに対しこちらは帰国のために強制的に検査を受けなければならず、仮に無症状であっても陽性になった瞬間に極端に行動を制限されます。

家でもさんざん議論し、やはりパーティはリスクが大きすぎるということで出発一週間前には一旦キャンセルするという話にまでなりました。

ただ、それでも諦めきれませんでした。Reunionは5年後にもありますし、その時は必ず行くと思いますが、その際に家族3人揃って行くことができるかどうか。我が娘は今、14歳。ということは5年後は19歳。LA行くぞ、と言ったら喜んで行くという歳でもありません。家族揃ってLAに行けるのも最後かもしれない。何とか行ける方法を考えたいと思いました。

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で、結論ですが、確かにLAに行きました。そしてReunionにも参加しました。皆あまり変わらないなあ、というのが感想です。お互いに歳はとりましたが、一瞬で25年前に戻ることができます。ただ、私が参加したのは冒頭の1時間のみ。最初の1時間がレセプションで、その後に着席してのディナーだったのですが、私はレセプションのみの参加としました。周りは一切マスクをしていませんが、私はマスクを二重に着用。当然、飲み物等は一切に口にしませんでした。ディナーで着席するタイミングで、皆に5年後にまた会おうと別れを告げ、会場を後にしました(そのタイミングで入念に手洗いし、マスクも付け替え)。

Reunionに参加した翌日以降は、もう一つの目的であるDisneyland Resortを楽しんだのですが、この際にも常にマスク着用です。ちなみに、LAの街中はマスクをしていないのが普通ですが、マスクをしている人も一定割合ではいるという状態。ざっくり1割ぐらいでしょうか、意外にマスクをしている人もいるんだな、というのが正直な感想です。マスクをするもしないも、そこは個人の自由。このため、懸念していた、マスクをしているから指をさされるといういったことは一切ありませんでした。一方で、お話しした通り、パーティの際にはマスクをしている人は皆無。まあ、ワイワイ楽しむ場ですからね(ただし、パーティ参加にあたって、ワクチン接種証明もしくは48時間以内の陰性証明が求められました)。ちなみにDisneylandは、屋内はマスク推奨ということにはなっていたのですが、実際にマスクをしている人はほぼ皆無。やはり楽しむための場であり、何よりも夢の国ということでしょうか

ReunionからDisneylandまでマスク着用。正直何だかなあという思いはあります。クラスメートたちと一緒にご飯を食べたかったし、5年前のように日が変わるまでワイワイやりたかったというのが正直なところです。ただ、この状況を鑑みると、結果的には最善の選択だったのかと思います。とにもかくにも、日本から脱出し、アメリカの空気を吸うことができた。そして何よりもクラスメートたちに短時間でも会うことができた。そして家族でDisneylandを堪能することができた。そして全ての検査をクリアし、無事に帰ってくることができ、行動を制約されることもなかった。

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でもやっぱり次回の30周年は、マスク着用といったことを気にすることなく、心置きなく楽しみたいですね。
posted by 岡本浩一郎 at 21:47 | TrackBack(0) | 弥生

2022年05月09日

日本脱出!

このゴールデンウィークに、ついに2年以上振りとなる国外への脱出を果たしてきました。目的地はLos Angeles。そう、今年の1月に今年の抱負の追加分ということでお話ししましたが、私が卒業したビジネススクール(UCLA Anderson School of Management)のReunion(同窓会)に出席するためです。私がAnderson Schoolを卒業したのが1997年。それから実に25年ということになります(遠い目、笑)。Reunion自体は毎年、おおよそゴールデンウィークの時期に開催されるのですが、卒業から5の倍数に当たる年は、特別な年として位置付けられ、学校主催でパーティが催されます(と同時に、寄附に対するプレッシャーも高まります、笑)。

私はこれまで5年目(2002年)、そこからは子どもが小さかったことで間が空いてしまいましたが、20年目(2017年)のReunionに参加してきました。今回は前回から5年後の25年目ということになります。ただ、正直に言って、今回のReunion参加は一筋縄では行きませんでした。最後の最後まで迷ったのも事実です。実際問題として、出発一週間前には一度全てキャンセルすることも考えました。

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しかし結果的には、4/29(金、祝)に日本を出て、LAでReunionに参加、その後、もう一つの目的であるDisneylandのStar Warsエリア、Galaxy's Edgeを楽しんだ後、(私にしては)やや短めの日程となりましたが、5/5(木)早朝に日本に帰ってくることができました。

ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、この3月から国の水際対策が見直され、ワクチン接種を3回済ませていれば、ほとんどの国からの帰国時に隔離(自宅等待機)が必要ないこととなりました。とはいえ無条件という訳ではなく、まずアメリカ入国のために、出発前日にPCR検査を受け、次に日本帰国のために帰国便出発前の72時間以内に再度PCR検査、そしてダメ押しとして、日本帰国時の空港で抗原検査を受ける必要があります。どれか一つでも陽性になれば、行けないのはまだマシな方で、行ったが最後帰ってこれない、あるいは帰国時の空港で陽性になれば療養機関に直行と、どれも極めて嬉しくない結末になります。

正直ドキドキしましたが、幸いにして家族全員が3回の検査をクリア。5/5は早朝5時前に羽田空港に到着しましたが、一連の手続きを経て、約2時間後の7時ごろには、自宅待機等の条件なしで空港を出ることができました。

ドキドキしたと書きましたが、当然感染のリスクを下げるために、できるだけのことはした結果です。そのため、100%心置きなく楽しむという訳には行きませんでしたが、それでも、久し振りの海外、日本と異なる空気を吸うことは実に楽しかったです。少しずつでも着実にpost COVID-19の世界に近付いていることを実感したLA行きとなりました。ひとまずは無事に帰国のご報告ということで。
posted by 岡本浩一郎 at 21:57 | TrackBack(0) | パーソナル

2022年05月06日

そこまでシンプルではなかった解法

年明けに、私が通っているスポーツクラブで、ロッカーの利用方法が変わったとお話ししました。会員証をプラスチックカードではなく、入館の都度スマホの画面で表示するようにする、という変更にともなって、ロッカーの利用に際し、プラスチックカードを差し込まなくてよいようになりました。

その実現方法がロッカーの大幅な仕様変更ではなく、全てのロッカーに予め会員証と同じものを差し込んでおくというシンプルな解法だったことが驚きだったということをお話ししました。

それから何ヶ月か経っていますが、実際のところシンプルな解法による問題も明らかになっているようです。どのような問題が発生しているのかというと…。

1) 一人で複数のロッカーを使う人が発生

以前は、ロッカーの使用に際し、ロッカーに会員証を差し込むようになっており、結果的に一人で複数のロッカーを利用することはできませんでした(会員証と同じ形状のプラスチックカードを偽造しない限り)。しかし、現状では会員証を差し込むという行為がなくなったことにより、一人でいくつでもロッカーを利用できるようになりました。ただ、私自身としては、一人で複数のロッカーを使う理由が見出せませんが。

2) ロッカーのカギを持ち帰ってしまう人が発生

以前は、ロッカーに会員証を差し込むとはじめて、ロッカーのカギを取り外せる(=ロッカーに施錠できる)ようになっていました。しかし、現状では会員証を差し込むという行為がなくなったことにより、自由にロッカーのカギをかけられるようになりました。例えば、気に入った位置のロッカーがあったとすると、そのカギを持ち帰ってしまうことによって、そのロッカーを事実上占有することができるようになりました。

なぜこれらの問題が発生していることがわかったかというと、これらの行為をやめてくださいという張り紙がされたからです(笑)。

正直何なんですかねえ、という感じです。どんな仕組みにせよ、その裏をかこうとする人はいるものです。それを防ごうとすると、より複雑な仕組みにせざるを得ない。シンプルな仕組みが望ましくても、なかなかシンプルな仕組みに徹しきれないというのも、また現実かと思います。

先日、相続したマンションで路線価などに基づいた不動産評価が低すぎるなどとして課税した国税当局の処分の妥当性が争われた訴訟で、国税当局の処分を適法とした最高裁判決が下され、話題になりました。

誰にとっても税金は多く払いたいものではありません。このため税制の穴を突こうとする人が現れ、それを防ごうと対策を講じる、それでもさらに穴を突こうとする、それを再び防ごうとする、の繰り返しで、税制がどんどんと複雑化してしまう。この繰り返しにはきりがないため、用意されているのが、国税当局の「伝家の宝刀」である「著しく不適当と認められる財産の価額は国税庁長官の指示を受けて評価する」という例外規定です。今回はこの伝家の宝刀の妥当性が問われた訴訟でした。

税制も本来はシンプルであり、誰にとってもわかりやすいことが一番のはずです。ただ、シンプルな解法も万能ではない。シンプルでありながら、ロッカーを占有するように/過度に節税が可能になるように、誰かだけがトクをすることを許さない公平な仕組み。言うは易しいが、現実はなかなか難しい。これは完全に私見になりますが、やはり基本はシンプルであるべきだと思います。シンプルな仕組みの穴を突く、裏をかく人も現れるのだと思いますが、何が許されるのかは、良識/良心で判断すべき、というのは理想主義にすぎるでしょうか。
posted by 岡本浩一郎 at 19:17 | TrackBack(0) | 税金・法令

2022年04月28日

大会エントリー

前回は、トライアスロンのトレーニングを続けているとお話ししました。でもトレーニングはいいけど、大会にはいつ出場するの、と思われたかもしれません。なにぶん新年の抱負ということで、社内でも本ブログでも「トライアスロンで、オリンピック・ディスタンス(OD: スイム1.5km, バイク40km, ラン10km)の完走を目指します!!」と宣言していますから。

ただ、以前「目指せ石垣島!」とお話しした石垣島トライアスロン大会については、受付開始からわずか1時間で定員となってしまったということもお話ししました。実は先週末が石垣島トライアスロン大会。私は参加どころか申込みもできなかった訳ですが、Facebook友達で参加かつ完走された方がおり、羨ましくて仕方ありません。もっとも今のトレーニング状況で、仮に参加できていたとしても完走できていたかどうかは自信がないのですが…。

でもこのまま有言不実行に終わるわけにはいきません。ということで、実は既に2つの大会にエントリー済みです。一つ目が6/19(日)に開催される木更津トライアスロン大会。二つ目が10/16(日)に開催される千葉シティトライアスロン大会

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千葉シティトライアスロン大会は、昨年初めて参加した大会です。昨年はスプリント・ディスタンス(SD: スイム0.75km, バイク20km, ラン5km)での参加でしたが、今年は満を持してODでのエントリーです。10月開催ということで、まだまだ時間はありますし、この大会へのエントリーは迷いませんでした。というよりも、年内にOD完走を目指すのであれば、この千葉シティトライアスロン大会がほぼラストチャンスです。

木更津トライアスロン大会は、陸上自衛隊木更津駐屯地で開催されるということで、バイクとランではなんと滑走路を走ることで有名な大会です。例年はSDとODの両部門があるのですが、今年はODのみの開催です。正直なところこの大会にエントリーするのはかなり迷いました。10月であればトレーニングをそれなりに仕上げることはできると思うのですが、もう2ヶ月もない中で、万全な状態に持っていくのは難しいのではないかと。

ただ、結果的にはとりあえずエントリー(エントリー締切りがこの土曜日ということで、ぶっちゃけ迷いつつ、今朝申し込んだのですが)。半年後だったら何とかなると思ってしまいますが、おそらくこの先トレーニングを積んでも、これだったら100%大丈夫にはならないのではないかと思います。結局万全の準備など積めない。

であれば、結果的に完走はできなくても、自分の弱点が明確になると思いますし、まずチャレンジすることがその先につながると判断しました。もちろん6月も完走は目指しますが、仮にできなくても、それが10月の完走につながると信じています(と自分に言い聞かせています、笑)。
posted by 岡本浩一郎 at 18:53 | TrackBack(0) | パーソナル

2022年04月26日

最近のトレーニング 2022/4

無事に本来の確定申告期間(~3/15)、個別延長後の申告期間(~4/15)が終わって、ほっと一息。久し振りにトレーニングの話でも。前回トライアスロンのトレーニングの話をしたのが2022/1ですが、以降もコツコツとトレーニングを続けています。

年末から1月にかけては、順調にトレーニングを積むことができ、1月は結果的に、スイムが20.5km、バイクが80.2km、ランが116.8kmとかなりのペースでトレーニングを積むことができました。一ヶ月のトレーニングとして、スイムが10km、バイクが40km、ランが50km、合計で一ヶ月で100kmというのが個人的な目安ですから、倍以上のペースです。これは私にしては少々やり過ぎです。

白状すると、Appleのフィットネスアプリで2022年1月の月間チャレンジとして、26,400キロカロリーの消費(アクティブエネルギーなので、安静時消費エネルギーを超えるエネルギー消費量、要は運動による消費エネルギー)を課されてしまい、何とかクリアしようとしたら、これだけのトレーニングになってしまいました(笑)。

2月からは通常通りのペース。スイムが10.0km、バイクが61.9km、ランが65.3kmと、目安のペース+αで着地。3月はスイムが12.8km、バイクが55.3km、ランが60.8kmとこちらも目安は達成。バイクの55.3kmは実は1回での距離(距離としては新記録だが、逆に言えば月に1回しか自転車のトレーニングをしていない)と突っ込みの余地はありますが、月末に3回目のワクチン接種があり、一週間ほどトレーニングできなかった中では、まずまずでしょうか。

4月はまだもう少しありますが、スイムが10.0km、バイクが42.2km、ランが52.3kmと既に目安は達成。ただ、4月に入ってプライベートが忙しく、何とか最低限は達成したというところです。

実は1月以来はまっているのが、上でお話しした月間チャレンジの達成。そういったものがあること自体この1月までは知らなかったのですが、一度知ってしまった以上、自分に課題を課す習性のある人間としては、毎月何とかクリアしようとついつい頑張ってしまいます。

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結果としては2022/1以降(正確には知らずに達成していた2021/12以降)、3月まで連続達成です。ちなみに1月のチャレンジは上に書いた通りですが、2月のチャレンジはムーブゴール2倍を9回達成、3月は3つのアクティビティリング(ムーブ620kcal、エクササイズ30分、スタンド12時間)すべてを18回達成、といずれも結構なチャレンジです。この4月はエクササイズリングを23回達成とこれまたそこそこなチャレンジですが、本日(26日)無事に達成しました。

まあ、正直Appleにもてあそばれているような気もしますが、それでも自分の健康にプラスはあってもマイナスはない(多分)ので、あくまでも無理のない範囲でですが、本筋であるトライアスロンの練習とあわせ、月間チャレンジもクリアしていきたいと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 21:26 | TrackBack(0) | パーソナル

2022年04月21日

業務の区分欄

2020年(令和2年)分の所得税の確定申告書から雑所得の中に業務という区分(ここでいう区分は雑所得の中での「公的年金等」「業務」「その他」という分類の意味)が新設されました。またこの際には、新設された業務の行に区分欄(ここでいう区分は付加情報的な意味合い)が設けられました。

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ただ、実はこの業務の区分欄はこれまで記入不要とされてきました。しかし前回お話しした内容を踏まえると、来年の申告からはこの区分欄に記入が必要になってくるのではないかと推測できます。前回お話しした通り、来年の申告からは、業務に係わる収入が300万円を超えた場合には、領収書等の保存(5年間)が義務化され、また、1,000万円を超えた場合には、確定申告書とともに収支内訳書を作成し、提出することが義務付けられますが、例えば、前者の場合は区分欄に「1」を、後者の場合には区分欄に「2」を記載しなさい、といったようになるのではないかと思います。

厄介なのは、前回もお話しした通り、この判断の元となる収入は前々年の収入であるということです。つまり来年の申告(2022年(令和4年)分)であれば、2020年(令和2年)分が判断対象になることになります。

ここで勘のいい方はお気付きかと思います。そう、雑所得の中に業務という行ができたのが2020年(令和2年)分。2020年(令和2年)分の申告では業務を括りだして申告しているはずだから、その数字を見てくださいということです。つまり、2022年(令和4年)分の申告から領収書の保存や収支内訳書の作成が求められる、そのために、2020年(令和2年)分からしっかり仕込みがされていたということです。

もっともこれは当たり前と言えば当たり前。というのは、今回の領収書保存の義務化や収支内訳書の作成義務化は、令和2年度の税制改正(pdf)で定められたものだからです。つまり令和2年度の税制改正で決まったことが、まず2020年(令和2年)分から確定申告書に反映された。ただその段階では業務の区分欄は使われなかった。満を持して業務の区分欄が実際に使われるようになるのが、2022年(令和4年)分の確定申告(来年春)から、ということです。

要はだいぶ前から既にレールは敷かれていたということになりますが、今回の領収書保存の義務化や収支内訳書の作成義務化については、正直、現段階ではほとんど認知されていないと思いますので、注意が必要です。特に領収書の保存という意味では、今から心がけておかないと来年春の申告時の際に、ない!ということになりかねませんので。

ただ前回もお話ししましたが、雑所得で収入(売上)が300万円、ましてや1,000万円という方は、雑所得ではなく、事業所得として青色申告ができる状態を目指すべきなのではないかと思います。それはすなわち、営利性と継続性が必要であり、その結果として社会通念上、事業を営んでいると認められる状態を目指すということです。
posted by 岡本浩一郎 at 22:08 | TrackBack(0) | 税金・法令

2022年04月19日

事業所得か雑所得(業務)か 2022

今年の確定申告期間は終了しました(ただし新型コロナウイルス感染症の影響が続き、申告等ができなかった場合には申請により個別に延長が認められる措置はあり)が、もう少しだけ確定申告の話題を。

昨年、確定申告書の雑所得の中に業務という区分を新設されたということをお話ししました。弥生のお客さまであれば馴染みのある事業所得ではなく、雑所得の一区分としての業務。以前お話ししたように、雑所得とは事業所得等、他の所得のいずれにも当たらない所得とされており、その中で、業務に係るものに該当するものとしては、「副業に係る所得(原稿料やシェアリングエコノミーに係る所得など)」と説明されています。

実は、この業務に係る雑所得について、今年(2022年分、令和4年分)分の所得税(=来年の確定申告)から求められることが格段に増えています。まず業務に係わる収入が300万円を超えた場合には、領収書等の保存が義務化されます。また、業務に係わる収入が1,000万円を超えた場合には、確定申告書とともに収支内訳書を作成し、提出することが義務付けられます。

雑所得には、税金が軽減されるなどの税務上のメリットはないのですが、一方で、帳簿付けも要らず、領収書の保存も要らずということで、申告が簡単というのがメリットでした。これが変わるということです。少し厄介なのは、業務に係わる収入が300万円(1,000万円)を超えた場合、というのは、実は今年分ではなく、前々年の数字が判断基準になります。ですので、そうか、今年はちょっと稼ぎを抑えるかと言っても、実は既に遅く、前々年である2000年の収入が300万円超であれば、来年春の確定申告に向けて、領収書の保存が必要になり、1,000万円超であれば、さらに収支内訳書の作成が必要になります。また、この判断基準は「収入」に基づいています。例えば、利益は50万円しかなくても、収入(売上)が300万円超であれば、領収書の保存が必要になります。

こうなってくると、雑所得ではなく、事業所得の方がいいのではないか、という考え方もあるかと思います。とくかくラクだったのが雑所得のメリット。それが変わった以上は、多少手間がかかっても事業所得(青色申告)で積極的に節税メリットを取りに行くというのもありかと。事業所得で青色申告であれば、最大65万円の青色申告特別控除が得られますから、圧倒的な節税メリットがあることはこれまでにもお話ししてきた通りです。

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難しいのは、雑所得と事業所得は自由に選べるわけではないということ。これも以前お話ししたことですが、事業所得として認められるためには、営利性と継続性が必要であり、その結果として社会通念上、事業を営んでいると認められる状態である必要があります。つまり、継続的に儲けるつもりで、儲ける一定の確からしさがある場合は事業所得になりうるということです。

それに対し、儲かったらラッキーぐらいのつもりの場合は、雑所得ということになります。ただ、収入が300万円超であれば事業として認められる可能性はあると思いますし、1,000万円超であれば、それはもう立派な事業のように思うのは私だけでしょうか(もちろん収入が1,000万円でも、原価が1,000万円超で常に赤字であれば、継続的に儲けるつもりがない、ということになるのでしょうが)。

今回、雑所得の手間が増えることによって、雑所得か事業所得というのは今後より大きな論点になっていきそうです。
posted by 岡本浩一郎 at 23:52 | TrackBack(0) | 税金・法令