2019年09月17日

価格の見直し

いよいよ後2週間にせまった消費税率の10%への引上げと軽減税率の導入。弥生のカスタマーセンターでもお問合せ件数が顕著に増えてきています。

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10月1日を前に、改めてしっかりと考えておきたいのは、自社の商品やサービスの価格をどうするか、ということ。わかりやすいのは、消費税率の引上げ分をそのまま価格に転嫁するというもの。もともと税抜きでの価格表示をしている場合には単純明快で、本体価格が1,000円だとして、消費税率が8%の時は、本体価格1,000円+消費税80円、合計1,080円だったものを、消費税率が10%になるのにあわせ、本体価格1,000円+消費税100円、合計1,100円とするというパターンです。もともと、商品の値札を税抜き表示にしている場合は、値札の対応も不要ですし、合計金額に円単位の端数がでやすいという欠点こそありますが、一番一般的な対応方法かと思います。

これに対し、悩ましいのが税込みで価格表示をしている場合。例えば、税込価格で980円という商品があるとすると、これは消費税率8%時は本体価格908円+消費税72円という内訳になります。これを消費税率10%に単純にすると、本体価格はそのままで本体価格908円+消費税90円で998円という価格になります。おそらくもともとの980円という価格設定は、心理的障壁である1,000円を超えたくないということと、10円単位の価格設定にしたいという二つの狙いがあったのではないかと思いますが、前者の1,000円未満は維持できたものの、円単位の価格設定になってしまい、釣り銭が面倒になってしまいます。

逆に980円という税込価格を維持しようとすると、消費税率10%時には、本体価格が891円+消費税89円で合計980円ということになり、本体価格が908円から891円に、17円、率で言って約2%の値引きをしていることになります。たかが2%と言うなかれ。もともと利幅の大きい業種ではそれほど影響は感じないかもしれませんが、(少し古いデータですが)卸売業の平均売上高営業利益率は1.1%、小売業では2.1%ですから、これらの業種では何も考えずに税込価格を維持しようとすると、途端に収支トントンかあるいは赤字に転落しかねないということです。

もちろん色々と検討した結果、税込価格を据え置くということであれば、いいと思うのです。それも経営判断ですから。ただ、何も考えずに、まあどうにかなるだろうという安易な気持ちで税込価格を据え置くというのは避けるべきだと思います。

とはいえ、価格はキリよく10円単位にしたいし、(1,000円といった)大台も超えたくないなといった場合はどうすればいいのでしょうか。この場合は、メリハリをつけるというのも一つの手かと思います。スーパーマーケットでは冷凍食品、ドラッグストアーではトイレットペーパーのように、多少採算度外視でも客寄せのために戦略的な値付けをする商品がありますが、そういった商品は価格を据え置き、一方で、それ以外の商品はしっかりと消費税分を価格転嫁するという考え方です。

中には、うちは免税事業者だから関係ないよ、という方もいらっしゃるかもしれません。免税事業者だから、消費税は関係ないと。これは実は大いなる誤解。確かに、免税業者であれば売上から消費税を納付する必要はないのですが、とはいえ、仕入れ時に消費税を支払っていますよね。そしてその仕入れ時に支払っている消費税額は10月に入ると、基本的には増えるはずなのです。わかりやすいところでは、どんな事業者でも、何らかの水道光熱費がかかっているはずですが、その水道光熱費は消費税率10%がそのまま価格転嫁されるはずです。つまり、コストが増えるということですから、程度は別として、一定程度は売価を調整しないと、利益を圧迫することになります。

どんな事業においても、価格をどうするかは極めて重要。一方で、一度設定した価格をなかなか変えにくいのも事実。だからこそ、このタイミングで、改めて価格をどうするか、しっかりと考えたいところです。
posted by 岡本浩一郎 at 23:24 | TrackBack(0) | 業務

2019年09月13日

一体資産

先月、行きつけのお店で消費税率の引上げと軽減税率導入への準備が進んでおらず、心配だと書きました。このお店は割烹ですから、基本的に外食。外食については、前回お話ししたように、軽減税率の対象とはなりません。ですから少なくとも軽減税率の影響はない…と思いきや、そうではないのです。このお店では、煮豆や栗の渋皮煮(どちらも美味しいですよ)などを持ち帰り用に販売しているのですが、これはテイクアウトの扱いになりますから、軽減税率の対象となり、結果的に軽減税率への対応が必要になるのです。このお店のように、外食のお店でも、テイクアウトがあったり、あるいは出前などがあれば、外食自体は軽減税率の対象にはなりませんが、お店として軽減税率の影響はない、とはならないのです。

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我が家はもう何年もこのお店にお節をお願いしています。これがまあ、とんでもなく美味しい(数量限定なので、この記事が発端になって買えなくなると困ります、笑)。お節もテイクアウトですから、基本は軽減税率対象……なのですが、実は対象とならないケースもあります。弥生の消費税改正あんしんガイドでも解説していますが、重箱入りの高級お節は軽減税率の対象外となるケースがあります。

それはなぜか。重箱自体に価値がある場合、飲食料品とそれ以外の物品を組み合わせて「一体資産」として販売しているとされるからです。わかりやすい例が、おもちゃ付きのお菓子ですね。

このお店のお節は、しっかりとした白木の箱に詰めて販売されています。ただ、この箱に資産価値があるかというと、ないという理解でいいかと思います。要は、取っておくのが当然であれば資産価値があるということになりますし、基本的には使い捨て容器として捨てることが前提であれば、資産価値がないということになります。我が家の場合、最初はこの白木の箱を勿体ないと取ってあったのですが、何年かするうちに、結局使わないので、捨てるようになりました。ということは結局資産価値はないということですし、結果的に一体資産ではないということになります。

この点については、消費税の軽減税率制度に関するQ&A(個別事例編)では、「飲食料品の販売に際し使用される包装材料等が、その販売に付帯して通常必要なものとして使用されるものであるときは、その包装材料等も含め『飲食料品の譲渡』に該当します」と解説されています。飲食料品の譲渡に該当するということは、軽減税率の対象となるということです。

ということで、お節を詰めて販売するのに一般的に使用される木の箱であれば、軽減税率対象ですし、それ自体に価値がある豪華な重箱であれば、一体資産として軽減税率の対象外となるということかと思います。この観点で言えば、通販で買うことができるフグ刺しについては、プラスチックの皿に乗ったものであれば軽減税率の対象。それ自体に価値がある有田焼の皿に乗ったフグ刺しは一体資産として軽減税率の対象外となりそうです(そもそも高級食品であるフグが軽減税率対象って、という声もありそうですが…)。

ただし、一体資産だから自動的に軽減税率の対象外となるわけではありません。一体資産であっても、1) 一体資産の価格が少額(税抜1万円以下)のものであり、2) 軽減税率の対象となる飲食料品が主たる要素を占める(2/3以上)場合には、軽減税率の対象外となります。ですから、おもちゃ付きのお菓子(税抜1万円以下)については、飲食料品の割合が2/3以上であれば、軽減税率対象である一方で、2/3未満であれば軽減税率対象外となります。具体的に言えば、ビックリマンチョコは軽減税率の対象、一方でミニカー付きのガム(←コンビニで見るとつい車種をチェックしてしまいます)は軽減税率の対象外となるようです。

この記事のために、改めて調べているのですが、実に複雑ですね。実務として、本当にこれが成り立つのか、正直、心配です。
posted by 岡本浩一郎 at 17:18 | TrackBack(0) | 税金・法令

2019年09月11日

テイクアウト

いよいよ10月に迫った軽減税率。前回も軽減税率の対象品について、お話ししました。軽減税率の対象となるのは、飲食料品と新聞。ただし、飲食料品については、酒類は対象外、また外食も対象外です。

ということで外食は対象外なのですが、ここで言う外食とは、店内で飲食する場合。ですから、同じスターバックスでも、そのまま店内で飲食する場合には、外食として軽減税率の対象外となる一方で、テイクアウトする場合には、通常の飲食料品(要はスーパーで缶コーヒーを買うのと同じ)扱いとなり、軽減税率の対象となります。

ただ、基本はテイクアウトだけれども、時間調整で店内で少しだけ休憩がてら飲むことってありますよね。スターバックスでは店内で飲む場合にはマグカップになることもありますが、私は途中で持ち帰ることもあるので、紙カップでお願いすることがほとんどです。この場合は、かなり微妙なのですが、基本的にはお客さまの申告を信じるしかない、ということになります。

フードコートですとか、コンビニのイートインコーナーも微妙です。政府広報によると、「フードコートでの飲食料品の提供は、テーブルやいす等が設置されたスペースに隣接する飲食店が、顧客にその飲食スペースで飲食させるサービスを提供するものであるため、「外食」にあたり、標準税率(10%)の適用対象となります。」とされています。逆に、フードコートから少し離れたベンチで食べた場合は、お店が飲食スペースを用意したわけではないということで、基本的には軽減税率の対象となります。このため、コンビニのイートインコーナーを名目上(?)廃止し、あくまでも休憩スペースです、とする可能性があるとか、ないとか。弥生の本社がある秋葉原UDXには、ファミリーマートが入っており、このファミリーマートにはかなりしっかりとしたイートインコーナー? 休憩スペース?があるのですが、10月以降どうなるのか、興味津々です。

お客さまの混乱を避けるという観点から、店内飲食とテイクアウトで税込の価格を合わせるという動きもあるようです。例えば、店内飲食は本体価格が800円に消費税10%で税込880円だとすると、テイクアウトは本体価格を815円として、これに軽減税率8%の消費税65円を足して税込880円に統一するという方法です。こちらの記事によると、同じ牛丼チェーンでも、すき屋と松屋は税込価格を統一する一方で、吉野家は本体価格を統一し、結果的に税込価格が別になる予定だそうです。

この税込価格統一は一定の理解はできますし、政府としても混乱を避けるという観点で認める模様ですが、個人的には、なんだかなあと思います。店内で飲食しないというのは、お店のリソースを使わないということですから、テイクアウトの価格が安くなるのは理解できるのですが、この価格調整は、逆にテイクアウトの方が本体価格が高くなるので、合理的な説明ができないと思います。本来は、生活に欠かせない物品について、消費税率を低く留め置くという軽減税率の趣旨からすると、同じものなのに、店内飲食とテイクアウトで本体価格を調整するのは、趣旨に反するように思うのですが…。それに、税込価格を統一したとしても、消費税率は実態に合わせて変えなければならないので、結局お客さまに店内飲食か、テイクアウトか聞く必要はあるんですけどね。

正直どうなることやら、というテイクアウト問題ですが、当初の混乱は避けられないように思います。消費者の立場では、少し時間が経てば、すぐに慣れるのかな、と思いますが、販売する側は、最初から実態に合わせて消費税率を変える必要がありますから、まずはどのケースで軽減税率の対象になるのか、しっかり理解して準備することが重要です。
posted by 岡本浩一郎 at 22:53 | TrackBack(0) | 税金・法令

2019年09月09日

軽減税率の対象品

昨晩の台風の直撃は凄かったですね。音がうるさくて寝るどころではありませんでした。実は今日は福岡への出張だったのですが…、6時間かけて何とか根性でたどり着きました。起床したのが5時、風雨がある程度収まったのを確認して家を出たのが7時。ただ、公共交通機関が全て不通ということもあり、羽田までの道路が大渋滞。通常30分で着く距離なのですが、結局2時半もかかりました。羽田空港に着いても、乗員も羽田空港に着けないということで飛行機が出発できず、結局離陸したのは11:00。福岡空港には12:30に着いたのですが、ゲートが空いていないということで、降機できたのは結局13:00。日本の交通インフラは精緻に組み上げられ、運用されているだけに、一旦混乱すると影響が大きく広がることを実感しました。

さて、前回は軽減税率の対象品について、お話ししました。軽減税率の対象となるのは、飲食料品と新聞。ただし、飲食料品については、酒類は対象外、また外食も対象外です。新聞も全てが対象になるのではなく、厳密には、「定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞」となります。

新聞はそれほど迷う余地はないのですが、飲食料品については、実際はかなり複雑な判断基準になります。例えば、みりん。みりんはどこの家にもある基本の調味料ということで、飲食料品であり、当然軽減税率の対象となるように思えますが、実はみりん(本みりん)は酒税法上の酒類となるため、ビールやワインといった一般的な酒類と同様に、軽減税率の対象外となります。ただ、似たような存在としてみりん風調味料というものがありますが、これは酒類の扱いではないので、軽減税率対象となります。一方でお酒を含む食品として例えばウイスキーボンボンがありますが、これはあくまでも食料品として軽減税率対象となります。

他には、ペットボトルの水と、水道水というのも難解です。ペットボトルの水は飲食料品に該当するので、軽減税率の対象。水道水も、生活に欠かせない物品について、消費税率を低く留め置くという軽減税率の趣旨からすると、当然対象になるように思えますが、定義上、飲食料品に該当しないので、実は軽減税率の対象外となります。水道水はお風呂にも使われますし、必ずしも飲むものではない、と考えればよいのでしょうか。

難解と言えば、栄養ドリンクやサプリメントなども注意が必要です。同じ「飲むもの」や「食べるもの」であっても、医薬品等に該当すると、逆に飲食料品ではないとなり、軽減税率の対象外となります。具体名で言えば、ユンケルリポビタンDは、基本的に医薬品等になるため、軽減税率対象外、一方で、レッドブルオロナミンCは医薬品等に該当しないため、飲食料品として軽減税率の対象となります。

正直、何が何やらという感じですね。とは言え、買う側は、お店で示された税率で買えばいいだけの話。ただ逆に、売る側としては、自分が売っている商品のうち、何が軽減税率となるのか、逆に対象外なのかをしっかりと分別する必要があります。

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ちなみに、日経電子版では今日から、「クイズで分かる軽減税率」という特集記事を掲載していますが、私は10問中7問正解にとどまりました。まあ、正直お恥ずかしい限りなのですが、逆に言えば、それなりにわかっていなければいけないはずの私でも、全問正解とはならない、それだけ複雑な制度ということです(言い訳ですかね、苦笑)。
posted by 岡本浩一郎 at 18:44 | TrackBack(0) | 税金・法令

2019年09月05日

そもそも軽減税率とは

少し前からお話ししている軽減税率対策補助金ですが、購入および導入、さらに支払いの完了が9月30日までとなっている要件の緩和が図られるべきとお話ししました。色々とやり取りはあったのですが、自分で購入・導入する請求書管理システム(C-2型)については、残念ながら要件の緩和の対象外ということになりました。今回の要件緩和は、供給が潤滑に行われていないケースに対処するものであり、供給に問題が発生していないC-2型については、対象外ということでした。

ただし、9月30日の支払い完了について、従前はクレジットカードで支払い、口座引落しが10月になる場合はNGという判断だったのですが、今回、「申請者の銀行口座等からクレジットカードの引落しが補助金の申請期限である2019年12月16日までに完了したものが対象」となり、救われることになりました(こちらの手引き(PDF)のP32参照)。一方で、同じページには、「法人の場合は、法人カード、個人の場合は本人のカードであることとします」ともあり、法人の場合でも従業員が立替払いをすることが一般的なのに対し、あまり実態に即さない要件が入ってしまっているのは残念です。

上記に限らず、かなり細かい決まりがありますので、申請にあたっては、手引きをしっかり読み込むことをお勧めします。しかし、税金を使っての補助金支給だけに、色々と厳しくなるのはわかるのですが、あくまでも達成したいのは、ソフトウェアの導入によって軽減税率の準備を進めることのはずであり、もう少し何とかならないのかなと思います(関係者におかれては、限られた時間の中、最善は尽くしていただいているとは思うのですが)。

さすがに軽減税率対策補助金の話はこれぐらいにして、10月に向けてどういった準備を進めるべきかについてお話しをしていきたいと思います。

10月1日より、消費税率が10%に引き上げられると同時に、軽減税率制度が導入されます。税率の引上げは約5年前の2014年4月にも行われています(5%→8%、この時の引上げは実に17年振り)ので、比較的記憶に新しいところですし、これが原因で極端な混乱が起こることはないでしょう。ただ、問題は軽減税率。海外では普通に存在する制度ですが、日本では初めて。何がどうなって、それに対し何をすればいいのか、さっぱりわからないという方も多いと思いますし、それが故に一定の混乱も想定されます。

そもそも軽減税率とは何でしょうか。弥生の消費税改正あんしんガイドもご覧いただきたいのですが、「軽減税率とは、一般に適用される税率(標準税率)よりも低く設定される税率をいいます」。言葉の定義としてはまあこうなるのでしょうが、なぜそもそもこういった制度が導入されるのか。政府広報によると、「所得の低い方々に配慮する観点から」と書いてありますが、やや漠然としていますね。要は、生活に欠かせない物品について、消費税率を低く留め置くことによって、生活への配慮を行うということかと思います。

このため、軽減税率の対象は、生活に欠かせない物品に限られています。具体的には、飲食料品と新聞ということになります。ただし、飲食料品については、酒類は対象外、また外食も対象外です。酒類にせよ、外食にせよ、生活に欠かせないわけではないということでしょう。その観点でいうと、今の時代に、新聞が生活に欠かせないかというと正直微妙です。まあ、これは色々な力学が働いたのだと思いますが…。ただ、新聞も全てが対象になるのではなく、厳密には、「定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞」となります。ですので、駅で新聞を購入した場合には、軽減税率の対象にはなりません。また電子版も軽減税率の対象外とされています。

まずは概要ということで簡単に書いていますが、具体的にはもっとも複雑です。次回は飲食料品についてもう少し細かく、対象になるもの、対象にならないものを解説したいと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 22:58 | TrackBack(0) | 税金・法令

2019年09月03日

芳根京子さん日経一面デビュー

いよいよ9月。10月1日の消費税率の10%への引上げ、軽減税率の導入までいよいよ一ヶ月を切りました。選挙でも大きな論点にはならず、正式表明もないため、なかなか対策をしなければという切迫感がないままここに至っています。

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とはいえ、一ヶ月を切ったということで、遅まきながらメディアでも取り上げられることも増えてきました。日本経済新聞では、昨日・今日と「点検・消費税10%」という特集記事を掲載しています。毎朝、起床後はまず日経を読むのですが、今朝の一面には何か見慣れたものが。写真のキャプションには、「家電量販店の店頭に並ぶ軽減税率対応のレジ」とありますが、そのレジの上に並ぶのは…、そう弥生シリーズです。やよいの見積・納品・請求書弥生販売。よく見れば、弥生のロゴも見えますね。目覚ましい活躍の芳根京子さん(弥生 イメージキャラクター、弥生社内では「弥生ちゃん」と言われています、笑)ですが、日経の一面デビューはさすがに初めてなのではないでしょうか。

確かに家電量販店での販売は勢いがつきつつあります。消費税の影響を受けるのは、弥生シリーズの中でも会計製品と販売管理製品ですが、8月の月間では、それぞれ対前年で150%、170%程度だったものが、先週一週間だけを見ると、190%、220%とかなりのペースになってきています。上述の記事中でも「カシオ計算機の4〜8月のレジ販売が前年同月比で2倍以上に」と書かれています。

とはいえ、これは想定の範囲内。もともとは6月ぐらいからはボリュームが増えるだろうという事前予想に対し、8月に入ってからようやくそれなりに動きが出てきた分、9月末に向けて、そしておそらくは10月も、動きが極端に激しくなるのではないかと思っています。

カスタマーセンターへのお問合せ対応も含め、9月末に向けてどうなるのか、正直戦々恐々ですが、ここでお客さまをしっかりと支えてこそ、やっぱり弥生だよね、という信頼にお応えすることになります。本ブログも、今月は消費税で始まり、消費税で終わることになるかと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 19:02 | TrackBack(0) | 弥生

2019年08月29日

懸念点と疑問点(その2)

軽減税率対策補助金は、軽減税率に対応するためのレジや請求書管理システムなどで2019年9月30日(月)までに「導入または改修を終え支払いを完了したものが補助対象」であるとお話ししました。軽減税率に対応するためですから、軽減税率が始まる前、すなわち9月中に導入を済ませましょうというのは、もちろんそうあるべきではあるものの、実際にはかなり無理があると感じています。8月も終わりに近づき、今からレジの契約をしても、9月末までに導入が完了しないケースが考えられますし、ましてや支払いも10月に入る可能性もあります。

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と思っていたところ、上記の要件を緩和するという通達がなされました。「契約等の手続きが完了」していることを条件とする、逆に言えば、導入や支払いが10月以降になっても対象となりうるとのこと。来た、やはり手が打たれたかと思ったのですが、実は肩透かし。読めばわかりますが、この通達はあくまでも軽減税率対応レジのみを念頭に置いて記載されています。実際、弥生でこれまで確認している範囲では、お客さまが自ら購入し導入する請求書管理パッケージ(弥生製品では弥生販売、やよいの見積・納品・請求書が該当)については、本通達の対象外であるとのこと。なおかつなぜそういった差が設けられたのか、その理由も判然としません。

当たり前の話ですが、そもそも事業者間の取引は掛売になることが一般的です。つまり、契約・導入が9月末までであっても、支払いが10月以降となることは一般的に想定しえます。今回に限って9月末までに前倒しで払えばいいではないか、というのは事業者の実態を無視した暴論です。事業者にとって資金繰りは生命線であり、掛売によって支払いを可能な限り遅らせることは当然の常識。補助金のために、わざわざ支払いを前倒しすることは、結果的に中小事業者の資金繰りを悪化させることになります。そもそもこの補助金の目的自体が軽減税率制度の円滑な実施を図ることですから、事業者の資金繰りを悪化させることはまさに本末転倒になります。これは対象がレジであろうが、請求書管理システムであろうが変わりません。

これではあまりに不合理ということで、軽減税率対策補助金のすべての対象製品について、同じような要件緩和がされるよう働きかけをしようと思っています。どういった結論になるのかはわかりませんが、やれるだけのことはやってみようと思っています。
posted by 岡本浩一郎 at 22:58 | TrackBack(0) | 業務

2019年08月27日

懸念点と疑問点

消費税率の10%への引上げと軽減税率への準備を進めなければならないということで、前々回はキャッシュレス・消費者還元事業について、前回は軽減税率対策補助金についてお話をしました。いずれも10月を待つことなく早めの行動が必要です。これらについて、私なりに懸念点と疑問点があり、可能な範囲で確認してみました。

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まずキャッシュレス・消費者還元事業についてですが、懸念点としては、事業者の方が契約している決済事業者は必ずしも一つではないということ。問合せ窓口に確認したところ、ポイント還元の対象事業者としての登録は決済事業者ごとに必要ということです。つまり、例えばクレジットカードで2社と加盟店契約をしており、また電子マネーで1社、QRコード決済で2社と加盟店契約をしている場合、決済事業者それぞれに対し、合計5回の登録が必要になるということです。

正確に言えば、まずはどこか1社の決済事業者に連絡をして、加盟店IDを発行してもらうことになります。その後この加盟店IDを残りの4社の決済事業者に伝え、それぞれで対象事業者として登録をしてもらう必要があるそうです。仮にQRコード決済で1社の登録を漏らしてしまった場合は、クレジットカード決済はポイント還元の対象になる一方で、漏らしてしまったQRコード決済のみポイント還元の対象外になってしまいますので、注意が必要です。細かいことを言えば、決済事業者単位で登録がなされるので、クレジットカードは10月1日から還元対象だけれども、電子マネーは登録が遅れ、10月末からということも起こりうるのが何とも悩ましいところです。

次に軽減税率対策補助金についてですが、前回もお話ししたように、2019年9月30日までに導入した場合に対象となります。ただし、厳密には、「導入または改修を終え支払いを完了したものが補助対象となります」となっています。つまり、発注したというだけでは不十分で、導入が完了していること、なおかつ、支払いが完了していることとされています。

疑問点としては支払いに関する判断ですね。例えば9月頭に発注し、9月中に導入が完了、しかし支払期限が10月末となっている場合に対象となるのかどうか。あるいは家電量販店で9月に購入、月内にインストールはした場合はどうか。現金で払っていれば全く問題はありませんが、クレジットカードで支払い、その口座引落しが10月に入った場合はどうなるのか。

現時点では補助金として対象となるという情報と、対象とならないという情報が錯綜しており、まだ最終的な確認は取れていません。現実問題として領収証の日付はあくまでもクレジットカードで支払った日になるでしょうし、口座引落しのタイミングによって左右されるというのは少々信じがたいと思います。

この点については、軽減税率対策補助金事務局に問合せをしているのですが、折返し対応となり、現時点まで折返しの電話は来ていない状況です。

一方で、まさに今日の話ですが、一部報道によれば、契約さえ9月中に終えていれば、導入や支払が10月になっても対象となるとのこと。また事務局による確認が得られていないので、断言はできないのですが、追って本ブログで発信したいと思います。ただ、いずれにせよ、早めに動くことによるマイナスはないので、早めの行動に移したいところです。
posted by 岡本浩一郎 at 22:20 | TrackBack(0) | 業務

2019年08月23日

軽減税率対策補助金

消費税率の10%への引上げと軽減税率への準備を進めなければならないということで、前回はキャッシュレス・消費者還元事業についてお話をしました。早いタイミングで対象事業者となるためにも、一日でも早く登録を済ませたいところです。

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同じく時間的制約があるということで、今日は軽減税率対策補助金についてお話ししたいと思います。軽減税率対策補助金とは、「消費税の軽減税率制度の実施に伴い対応が必要となる中小企業・小規模事業者等に対して、複数税率対応レジや券売機の導入や改修、受発注システム、請求書管理システムの改修等に要する経費の一部を補助することにより、導入等の準備が円滑に進むよう支援する制度」です。

前回のキャッシュレス・消費者還元事業については、ほぼ全ての中小・小規模事業者が対象となりますが、今回の軽減税率対策補助金は、日頃から軽減税率対象商品を販売・取引しており(また今後も継続する)事業者に限られることに注意が必要です。軽減税率の対象商品については、機会を改めてしっかりお話ししたいと思いますが、基本的に飲食料品になりますので、飲食料品を扱う小売事業者、卸事業者、また、テイクアウトのある飲食事業者と考えればよいかと思います。

補助金の対象となるのは、レジ(A型)や請求書管理システム(C型)など。弥生シリーズと連携するAirレジUレジスマレジなどはA型の代表例です。ただA型と言っても、A-1型からA-6型まであり、補助率なども細かい決まりがありますので、軽減税率対策補助金のサイトをご確認ください。とはいえ、手っ取り早いのはレジベンダーに問い合わせることですかね。

この間お話ししたお店では、たまたま(ちょうどよく?)レジが壊れて、レジを入れ替えたばかりでした。その際に軽減税率対策補助金の対象になるという説明はあったそうですが、その後の補助金申請をしていないとのこと。申請は、事業者自身が行うケースと、ベンダーが代理申請を行うケースがあるようなので、これもまずベンダーに聞いた方がいいですね。

少し前に弥生販売やよいの見積・納品・請求書が軽減税率対策補助金の対象となるとお話ししましたが、弥生製品はC型(基本的には自分でインストールするC-2型)となります。C-2型の場合、事業者自身で補助金申請をしていただく必要があります。

いずれの場合も、補助金の対象となるのは、9月30日(月)までに購入した場合。10月から軽減税率が始まりますから、もちろん9月中に準備しなければならないのですが、とはいえ、需要が集中して納期が遅くなっているケースもあるようです。そうなると最悪の場合、10月に間に合わず、同時に補助金の対象ともならない、という踏んだり蹴ったりになりますので、こちらもやはり早めに動くことをお勧めします。なお、申請については、12月16日(月)までとなっています。ただ、気が付いたらこの締切りを過ぎていて、あてにしていた補助金を受けられないとなる可能性も否定できませんので、やはり早めに済ませておきたいところです。
posted by 岡本浩一郎 at 17:39 | TrackBack(0) | 業務

2019年08月21日

キャッシュレス・消費者還元事業

消費税率の10%への引上げと軽減税率への準備を進めなければならないと書きましたが、ひとまず優先していただきたいのが、キャッシュレス・消費者還元事業への登録です。これは、2019年10月から2020年6月までの期間、本事業に登録済みの中小・小規模事業者で商品・サービスをキャッシュレスで購入すると、基本的に5%分のポイントが還元されるというものです。

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ここでいうキャッシュレスとは、最近はやり(というよりもバブルな気もしますが)のQRコード決済ももちろん含まれますが、クレジットカードやSuicaなどの電子マネーでの支払いも含まれます。

誤解されることがありますが、この事業は軽減税率に対する対策事業ではなく、消費税率10%への引上げによる景気悪化を防ぐための施策なので、ポイント還元となる商品・サービスは多岐にわたります(軽減税率のように飲食料品に限られるわけではありません)。7月末で既に登録が済んでいる事業者のリストが公開されていますが、この手の施策への感度が高いのか、いわゆる電気店が多いように見受けられます。もちろん電気店に限られるということではなく、一般的な小売店から飲食店、サービス業までが対象となりえます。

なかには、会計事務所で本事業への登録を済ませたという事例もあるようです(笑)。会計事務所は一般的に毎月の顧問契約で、支払いは口座引落しが多いかと思いますが、場合によってスポットでのコンサル契約の支払いをキャッシュレスとすれば、ポイント還元もありえることになりますね。

ただ、注意が必要なのがポイント還元を受けるためには、事業者側での事前の登録が必要となるということ。実は10月から対象となるためには、7月末までに登録を、と呼びかけられていました。これからの登録で10月に間に合うかどうかはわかりませんが、おそらくこれから駆け込み的に登録が増えるでしょうし、そうなれば登録がずるずると遅れる可能性もありますので、一日も早く登録を済ませてしまうことをお勧めします。

残念ながらこの制度が限られた準備期間の中で進めてられていることもあり、何をどうすればいいのか、情報は十分とは言えません。事業者向けのWebサイトがこちらですが、まだ「よくあるお問い合わせ」も公開されていません。問い合わせ窓口も用意されているようですが、いずれにせよ登録自体は利用している決済事業者を通じてになるということですので、直接決済事業者に問い合わせをするのが手っ取り早いのではないかと思います。対象となる中小・小規模事業者の定義、また還元対象となる商品・サービスに関しても注意が必要なので、ひとまず決済事業者に問い合わせてみることをお勧めします。

現時点でクレジットカード等の支払いを受け付けていない場合は、PaypayやLINE Payなど、この機会に自分でも使ってみてもいいかなと思える決済方法についてまずは調べてみると良いのではないでしょうか。

情報不足は消費者向けも同じで、5%還元というのがクレジットカード利用でこれまで得られていたポイント(ですとかマイル)とは別に5%となるのか、あるいは、それらも込みでの5%となるのか、判然としません。おそらく走りながら色々と明らかになってくるのだと思いますが、この還元事業が期間限定だけに混乱が収束した頃には還元も終わりとならないか少々心配です。
posted by 岡本浩一郎 at 18:27 | TrackBack(0) | ビジネス