2015年10月30日

サポート・サービスでのマイナンバー対応支援

ソフトウェアは弥生が提供する価値の中核ではありますが、弥生が提供するのはソフトウェアだけではありません。

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前回は、「弥生給与 16」および「やよいの給与計算 16」でのマイナンバー対応についてお話ししました。「弥生給与 16」および「やよいの給与計算 16」でのマイナンバー対応は、来年1月からの税・雇用保険の手続きでのマイナンバーの運用開始に向けたものですが、再来年1月には社会保険の手続きでの運用も開始されます。当然、その際には月額変更届、算定基礎届、賞与支払届など社会保険関係の帳票でのマイナンバー対応も必要になってきます。弥生は、こういった法令改正にあわせて、ソフトウェアをバージョンアップし、タイムリーに提供していきます。常に最新のバージョンをご利用頂くことができる、それも、弥生が提供するサポート・サービス、あんしん保守サポートの大きなメリットの一つです。

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ただ、ここまでは当たり前と言えば当たり前。弥生はソフトウェアだけでは対応できない業務上の悩み解決も支援します。本ブログでもお話ししたことがありますが、業務という観点でのマイナンバー対応を進めて頂くために、既に7月から一連の「マイナンバー対応支援サービス」を提供しています。マイナンバー制度に関する一般的な質問や導入準備、対策方法などについて相談が可能な「マイナンバー相談」。「基本方針」「取扱規定」「委託契約書」のテンプレートや、マイナンバー導入準備ガイドなど、各種資料を提供する「マイナンバー規程集ダウンロード」。マイナンバー制度を理解するためのセミナー動画を提供する「マイナンバー社員教育セミナー動画」など。

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マイナンバー規程集ダウンロードについては、7月後半の提供開始から9月末までで既に延べ10万件以上も利用されています。10月に入ってからは、ダウンロード件数の伸びが加速すると同時に、カスタマーセンターへのマイナンバー相談の件数も着実に増えてきています。

弥生はソフトウェアに加え、サポート・サービスでお客さまのマイナンバー対応を継続的にフォローアップしていきます。
posted by 岡本浩一郎 at 19:27 | TrackBack(0) | 弥生

2015年10月28日

ソフトウェアでのマイナンバー対応支援


弥生の「あんしん」は、ソフトウェアとサポート・サービスの両面で、お客さまのマイナンバー対応を支援していきます。本日はまずはソフトウェアでのマイナンバー対応支援について。

今回、弥生は来たる10月30日(金)に発売を開始する、「弥生給与 16」および「やよいの給与計算 16」でマイナンバーに対応しています(なお、あんしん保守サポートご加入のお客さま向けには既にオンラインアップデートでの提供を開始しています)。

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対応内容としては、大きく3点あります。まずはマイナンバーを正しく管理するための初期設定。実際に登録されたマイナンバーは暗号化されて保管され、当然、マイナンバーを取り扱う権限を持ったユーザーのみがアクセスできるようになります。そして最終的に、マイナンバーの記載が求められている帳票への出力に対応します。

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マイナンバーは誰にとっても初めての経験だけに、弥生お得意のナビゲーション機能(マイナンバーナビ)で、制度の概要を理解することはもちろん、権限設定から、マイナンバーの登録まで、必要な手順を迷うことなく進めて頂けるようになっています。マイナンバー(個人番号)は厳密な安全管理措置が求められますから、まずはマイナンバーを扱うことのできる個人番号の事務取扱担当者を設定し、その担当者が従業員(およびその家族)のマイナンバーを登録する、という流れになっています。

マイナンバーを保管するのは、最終的には、マイナンバーの記載が求められている帳票へ出力するためです。ここはよく誤解されがちなのですが、マイナンバーは保管すること自体が目的ではありません。保管だけできても意味はなく、あくまでも、来年1月からの税や雇用保険の手続き、さらに再来年1月からの社会保険の手続きの際に、手続きに必要となる(官公庁に提出する)帳票にマイナンバーを出力できることが必要です。保管されたマイナンバーをデータでダウンロードして、年末調整のシステムにインポートといったやり方も全く不可ではないものの、中間で発生するデータファイルの安全管理措置には相当な注意が必要です(場所が異なる場合、保管システムから磁気テープで出力して、その磁気テープを厳重に警備して年末調整システムの所在地に輸送するといった対応もあるようです、まあ、現金輸送車のイメージですね)。

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そう考えると、マイナンバーを安全に保管できるだけではなく、保管されたマイナンバーを帳票に出力できるところまで、安全に一貫して処理できた方が確実ということになります。弥生給与 16/やよいの給与計算 16では、法定調書合計表や扶養控除等(異動)申告書といったマイナンバーの記載が求められる帳票への出力をサポートしています。まだ様式が完全確定はしていませんが、給与所得の源泉徴収票の新様式にも対応を予定しています。給与所得の源泉徴収票は多くの方にとって馴染みのある帳票だと思いますが、マイナンバーの記載にあわせて、これまでのA6サイズからA5サイズになることが既に決まっています。

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弥生給与 16/やよいの給与計算 16では、これまでの弥生給与/やよいの給与計算と同様に、データファイルを自社内のPCで保管することが可能です(もちろん、マイナンバーを扱う段階で、そのPCに対する物理的安全管理措置が求められることになります)。一方で、弥生が提供するクラウドサービス、弥生ドライブを利用すれば、データをクラウドで保管することも可能です。ローカルでもクラウドでも、お客さまのニーズにあわせて選んで頂くことが可能です。

また、弥生ドライブを利用すれば、例えば、月々の給与計算は事業者が行っているけれど、年末調整は会計事務所に委託しているという場合に、事業者と会計事務所間でマイナンバーを含んだデータファイルを、弥生ドライブを介して安全に共有することが可能です。

弥生ドライブは、Microsoft Azureの日本のデータセンターで稼働しており、万全な物理的安全管理措置が講じられていますが、マイナンバーを扱うにあたり、細かい部分での安全管理措置を強化したバージョンを年内に提供する予定です。
posted by 岡本浩一郎 at 17:37 | TrackBack(0) | 弥生

2015年10月26日

弥生のマイナンバー対応支援

是非シリーズの第三弾で、「目指すところは大賛成、しかし、実際の制度としては、うーん」と歯切れ悪く(笑)お話ししたマイナンバーですが、このマイナンバー制度の導入によって、日本の事業者は全て、望むと望まざるとにかかわらずマイナンバーを取り扱う必要が出てきます。

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しかし、マイナンバーの中でも個人に付与される個人番号は、機密情報として漏らすことのないよう厳格な安全管理措置が求められます。組織として安全に管理できるような体制や規定を整備すること(組織的安全管理措置)はもちろん、組織は所詮人で成り立ちますから、従業員が正しい認識の元で正しく扱うことのできるようにすること(人的安全管理措置)も必要になります。また、マイナンバーは扶養控除等(異動)申告書などの書面に記載することになりますが、そういった書面を物理的に安全に管理するための対策(物理的安全管理措置)も必要になります。さらに、マイナンバーをシステムを利用して管理する場合には、システムへのアクセス制御など技術的に安全に管理するための対策(技術的安全管理措置)も必要になってきます。

実はこれらの安全管理措置はマイナンバーで新たに定義されたものではなく、これまでも個人情報保護法で義務付けられてきました。ただし、個人情報保護法では、取り扱う個人情報の件数が5,000人分以下の中小企業は規制の対象外でした。今回のマイナンバーではこういった対象外が存在せず、全ての事業者に安全管理措置が求められるようになります(なお、個人情報保護法については去る9月に改正法が成立しており、今後5,000件要件が廃止され、対象が全事業者に広がる予定になっています)。

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厳格な安全管理措置が求められると同時に、仮に漏えいが起きた場合の罰則も極めて厳しいものとなっています。故意による漏えいについては、「4年以下の懲役または200万円以下の罰金または併科」に科せられる可能性があります。これは今回私も初めて知ったことなのですが、懲役4年というのは、執行猶予が付かない(執行猶予が付く可能性があるのは懲役3年まで)のだそうです。つまり、故意に漏えいすれば、いきなり牢屋にぶち込まれる可能性もあるわけです(もちろん裁判はあるわけですが)。ただ、こういった刑罰以上に、事業者としては信用損失・取引停止・損害賠償など、社会的制裁のインパクトの方が大きいかもしれません。

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厳格な安全管理措置が求められる。万が一漏えいが起こった場合には厳罰を科される。一方で、マイナンバーへの対応準備は待ったなしです。既にマイナンバー法は施行されており、日本の国民全員一人ひとりへの通知が始まっています。そして来年1月には早速、税・雇用保険の手続きでの運用が開始されます。そこから一年遅れて再来年の1月には社会保険の手続きでの運用も開始されます。事業者としては、手続きでの運用が開始されるのにあわせ、安全管理措置を構築し、従業員を教育し、そして個人番号を収集しなければなりません。

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しかし現実には、事業者の準備はまだまだこれからです。10月初に日本経済新聞が実施した調査では、調査対象となった中小企業のうち、マイナンバー制度への準備が「おおむね完了」「作業中」、すなわち、目処が立っている事業者は1/4にも満たないという結果がでました。実は、弥生でも7月に独自調査を行ったのですが、ほぼ同様な結果でした(ということは、この数か月でも準備はあまり進んでいないということです)。

そもそも難しい制度、求められる厳格な安全管理措置、一方で問題があった際に課される厳しい懲罰。正直、自分の会社は除外してほしいと思っても無理はありません。ただ、マイナンバー制度は法令である以上、守らなければいけないものです(例え、うーんと思うような法令であったとしても)。

弥生は、弥生のお客さまである中小企業、個人事業主、起業家の方が難しい制度であるマイナンバー制度にキチンと対応できるよう、弥生ならではの「あんしん」で支援していきます。

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弥生の「あんしん」は、ソフトウェアだけではありません。法令で求められる安全管理措置に対応したソフトウェアを提供するのはもちろんですが、これでは、求められる安全管理措置のうち、技術的安全管理措置しかカバーできません。残る安全管理措置(組織的、人的、物理的)にも、お客さまがキチンと対応できるよう、サポート・サービスでお手伝いをしていきます。

次回は、弥生のマイナンバー対策支援のうち、まずソフトウェアでのマイナンバー対応支援についてお話ししたいと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 17:53 | TrackBack(0) | 弥生

2015年10月23日

マイナンバーの是非

言えるうちに言っておこうということで、前回/前々回と軽減税率の是非、そして消費税率のさらなる引上げの是非について個人的な見解を述べさせて頂きました。軽減税率は反対(条件付き反対)、消費税率のさらなる引上げは、歳入を増やすために何かを引き上げざるを得ないのであれば、それは消費税という消極的賛成。

この勢いでマイナンバーについてもちょっとお話ししてみたいと思います。改めて説明するまでもありませんが、マイナンバーには日本の国民全員一人ひとりに付与される個人番号(12桁)と法人に付与される法人番号(13桁)があります。ただやはり注目は個人番号で、一般的にマイナンバーと言う時は個人番号を指すことが多いようです。

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マイナンバーには大きく3つのメリットがあると言われています。まずは行政の効率化。行政機関や地方公共団体などで、様々な情報の照合、転記、入力などに要している時間や労力が大幅に削減されます。複数の業務の間での連携が進み、作業の重複などの無駄が削減されます。二つ目が国民の利便性の向上。添付書類の削減など、行政手続が簡素化され、国民の負担が軽減されます。 また、行政機関が持っている自分の情報を確認したり、行政機関から様々なサービスのお知らせを受け取ることができます。そして三つ目が公平・公正な社会の実現。所得や他の行政サービスの受給状況を把握しやすくなるため、負担を不当に免れることや給付を不正に受けることを防止するとともに、本当に困っている方にきめ細かな支援を行うことができます。

これらのメリットは全て内閣府によるマイナンバー広報資料からの受け売りですが、個人的にも、社会全体の効率性向上は必須だと考えています。前回、高齢化によって社会保障費が爆発的に増えてきているとお話ししましたが、高齢化によって生産年齢人口が減る中で、経済規模(GDP)を維持拡大するためには、社会全体での効率化(生産性の向上)が不可欠。マイナンバーはそのために極めて有効な武器となります。

つまり、マイナンバーの目指すところという意味では私は大賛成です。国がマイナンバーを使って様々な情報を収集するということを警戒する向きもあるようですが、意図的に所得を隠している方はともかく(笑)、後ろめたいところのない人にとっては、メリットはあっても、特に困ることはありません。より正確に言えば、無論誤った方向で利用されないように注視していくことは必要ですが、メリットがそのリスクを大きく上回る制度だと考えています。

ただし…ここから一気に歯切れが悪くなりますが、目指すところとしてのマイナンバー制度は大賛成なのですが、実施に運用される制度としてはもろ手を挙げての賛成とは言えません。正直に言って、難しい制度としてのスタートになってしまったと感じています。目指しているところは正しくても、なぜ問題含みの制度になってしまったのか。

以前もお話したことですが、本来はID(識別情報)に過ぎないマイナンバーを、あたかも本人であることを証明するパスワード(認証情報)であるかのように扱うことから様々な無理が生まれてしまっていると考えています。カードという物理的な媒体に、目に見える情報として記載されているものを、最高レベルの機密情報として扱わなければならない。

とは言え、マイナンバーへの対応は、法令によって全事業者に義務付けられています。難しい制度にどうやって対応するか。それを支援することが弥生の付加価値だと考えています。

ということで、是非シリーズの第三弾、マイナンバーの是非は、目指すところは大賛成、しかし、実際の制度としては、うーん、ということになります。

次回からは、いよいよ来週金曜日に発売開始となる弥生給与 16/やよいの給与計算 16でのマイナンバー対応についてお話しさせて頂きます。
posted by 岡本浩一郎 at 09:07 | TrackBack(0) | 税金・法令

2015年10月21日

消費税か社会保険料か

この1週間ほどで軽減税率をめぐる議論は急展開し、昨日には自民党の宮沢洋一税制調査会長の(2017年4月の軽減税率導入は)「目指すと言うよりは導入する」という発言も報道されました。あっという間に2017年4月の軽減税率導入が既定路線になってきています。

前回、立場的に発言が難しくなる前に書いておこうということで、私は軽減税率には反対です、と書きました。少なくとも現状で想定されている消費税率10%の際の軽減税率8%という前提では。つまり条件付きの反対。ただし、前提が変われば、すなわち、将来的に消費税率が10%以上に引上げになるようであれば話は変わってきます。

前回お話しした通り、消費税率のさらなる引上げに関しての私の意見は消極的賛成です。つまり、引上げずに済むのであればそれに越したことはない、一方で、おそらく引き上げざるを得ないだろう(そしてそれを考えると、軽減税率もタイミングは別として必要となってくるであろう)と考えています。

誤解のないようにお話しさせて頂くと、もちろんまず優先されるべきは、(無駄な)歳出の削減のはずです。歳出削減によって、消費税率のさらなる引上げを避けるというのが本筋だと思います。ただし、歳出削減が進まない、追い付かないことによって、歳入を増やさざるを得ない(税金もしくは社会保険料を引き上げざるを得ない)とすると、それは消費税にならざるを得ないと考えています。

昨年4月の消費税率の8%への引上げは景気に大きな影響を与えたとして報道されていますが、実は、そこまで注目はされてこなかったものの、過去10年以上に渡って、考え方によっては消費税以上に景気に影響を与えうる引上げが行われてきました。それは、社会保険料、なかでも厚生年金保険料です。厚生年金は、平成16年の年金制度改正によって平成16年から毎年保険料率が上がっており、この先平成29年まで上がることが決まっています。この制度改正前の料率は、13.58%。それが平成29年には18.3%にまで上がることが決まっています。

料率ですとピンとこないので、例として、月の給料(正確には標準報酬月額)が300,000円の方で考えると、平成16年初は、月々20,370円の負担(会社負担分もあわせると40,740円)だったものが、平成29年末には、27,450円(会社負担分もあわせると40,740円)と、実に7,080円/月、年間で84,960円上昇することになります。会社負担分とあわせた総額では、14,160円/月、169,920円/年の上昇です(シンプルにするため、賞与はなしという想定ですが、賞与がある場合にはさらに負担が増えることになります)。

ここで注目して頂きたいのは、消費税はお金を使わない限り発生しませんが、社会保険料負担はお金を稼ぐ段階で発生しますから、同じ率であれば、実は消費税よりも負担が重いということです。例えば、月収(額面)が36万円で手取りが約30万円(扶養家族1名の想定)、うち家賃(これは消費税非課税)と貯蓄で10万円とすると、消費税がかかる消費は20万円です。仮に厚生年金保険料率が1%上がると、36万円×1%の3,600円の負担増(ただし、会社と折半で負担)、一方で消費税率を1%上げると、負担増は消費税がかかる20万円×1%の2,000円です。

上でお話ししてきたように、厚生年金保険料率は平成16年から着実に上がってきており、平成29年までには5%弱(4.72%)も上がることになります(さらに健康保険料も着実に上がってきています)。これらは見方によっては消費税率で5%以上に相当する負担増と言えます。10年以上かけてのじんわりとした負担増ですからあまり注目されてきませんでしたが、実は10年以上にも渡る景気の下押し要因になってきたのではないかと考えています。

ちなみに、これだけ保険料が上がっても、まだおカネは足りません。高齢化が進むことによって社会保障給付費、すなわち、年金の支給や医療費が爆発的に増えてきているからです。平成になる頃には40兆円を超えるぐらいだった社会保障給付費は、直近では100兆円を軽く超えるところまで膨らんでいます。100兆円を超える社会保障給付費のうち、実は保険料では半分程度しか賄えていません(平成26年の予算ベースでは、社会保障給付費が115.2兆円に対し、保険料は64.1兆円に過ぎません)。足りない部分は国や地方公共団体が負担しています。と言っても、国や地方公共団体は税金で成り立っていますから、結局税金で穴埋めしていますということです。

ここで注目が必要なのは、平成16年の年金制度改正によって決まった年金保険料率の引上げが平成29年で打ち止めになること。つまりこれまでは社会保障給付費の伸びを(ある程度)保険料の引上げで補ってきた訳ですが、それができなくなるということです。それでも伸びていく社会保障給付費は税金で補うしかありません。年金保険料率の引上げ終了が平成29年、すなわち2017年。消費税の10%への引上げは2017年。これは偶然でしょうか。

メディアは何が軽減税率の対象になるのかという話題で盛り上がっていますが、そういったわかりやすい(下手をすれば身勝手な)議論に留まるのではなく、今後の社会保障の費用負担をどう軽減するのか、軽減努力をしたにしても増える分をどう賄うのか、そういった本質的な議論がなされて欲しいと願っています。
posted by 岡本浩一郎 at 19:45 | TrackBack(0) | 税金・法令

2015年10月16日

軽減税率の是非

ちょっと前に日本版軽減税率として盛り上がった(?)、マイナンバーを利用して2%分の消費税を還付する制度ですが、あっさり撤回になったようです。まあ、率直に言って筋が悪いとは思っていましたので、早期に見直されたことは良かったかと思います。一方で、公平かつ効率的に売上を把握するための社会インフラとして考えれば、大きなポテンシャルもあり得た仕組みですので、その観点では残念だと感じています。

やはり軽減税率は政治的に必達ということで、ここに来て急に2017年4月に消費税率が10%に引上げになるのと同じタイミングで軽減税率を導入するという方向で動き出しました。まだ紆余曲折はあるものと思いますが、今後の議論を注意深く見守っていきたいと思います。

軽減税率に向けて具体的に動き出す中で、今後は立場的に発言し難くなると思いますので、今のうちに(笑)、軽減税率に対する個人的見解をお話しさせて頂ければと思います(本ブログは個人ブログですので、弥生の公式見解とは必ずしも一致しません、念のため)。

結論から申し上げると、私は軽減税率には反対です。軽減税率を導入すれば、物品によって異なる税率の処理が必要になり、事業者にとって大きな負担になります。また、よく言われていることですが、何が軽減税率適用になり、何はならないのかの線引きが極めて難しいことも問題です。もちろん、生活必需品での税負担を下げるという軽減税率のメリットも理解はしていますが、軽減税率によって発生する社会的コストと社会的メリットが釣り合わないと考えています。

ただし、これは現状で想定されている消費税率10%の際の軽減税率8%という前提での話です。2%の軽減は全く意味がないとはいいませんが、負担感の解消という目的をどこまで果たせるかというと疑問です。一方で、1%分でも2%分でも軽減税率を導入する限り、社会的コストは発生します。

もっとも、将来的に消費税率が20%という時代を考えたらどうか。一般の物品は消費税率は20%で、生鮮食料品は8%。ここまで差が付けば、負担感の解消という意味では有効でしょう。そうなってくると、ある程度社会的コストをかけてでも、軽減税率を導入する意義が生まれます。実際、軽減税率が導入されている欧州諸国も、通常の消費税率が20%前後になっているからこそ、軽減税率が必要になっているとも言えます。

政治的に軽減税率導入にこれだけ拘っているのも、将来的に消費税率10%以降の世界をにらんでいるからなのではないでしょうか。要は将来的には必ず必要になるものだから、このタイミングで、と。もちろん、そう明言される方はどなたもいらっしゃらないと思いますが。

そうなってくると、消費税率のさらなる引上げの是非ということになりますが、こちらに関しての私の意見は消極的賛成です。つまり、引上げずに済むのであればそれに越したことはない、一方で、おそらく引き上げざるを得ないだろう(そしてそれを考えると、軽減税率もタイミングは別として必要となってくるであろう)と考えています。

消費税に限らず税金は個人の可処分所得を減らすわけですから、個人消費という意味では明らかにマイナスです。ただ、実は消費税以上に可処分所得に影響を与えている存在があります。それは社会保険料。社会保険の代表格である厚生年金は、平成16年の年金制度改正によって平成16年から毎年保険料率が上がっており、この先平成29年まで上がることが決まっています。この制度改正前の料率は、13.58%。それが平成29年には18.3%にまで上がることが決まっています。これがこれ以上上がるよりは消費税を引き上げた方がいいというのが私の考えです。

もちろん、そもそも歳出削減が第一優先ですし、歳出削減によって、社会保険料にせよ、消費税にせよ引き上げなくて良いのがベストです。ただし、歳出削減が進まない、追い付かないことによって、歳入を増やさざるを得ない(税金もしくは社会保険料を引き上げざるを得ない)とするとそれは消費税だと考えています。

消費税か社会保険料か、という話は長くなってしまうので、また次回。
posted by 岡本浩一郎 at 10:59 | TrackBack(0) | 税金・法令

2015年10月13日

弥生 16 シリーズ、10/30(金)に一斉発売

先週金曜日に「いよいよ動き出したマイナンバー。弥生のマイナンバー対応支援もいよいよ具体的に動き出します」とお話ししましたが、かなりわかりやすい前振りでしたね(笑)。

本日、弥生株式会社は、弥生が提供するデスクトップアプリケーションの最新バージョン「弥生 16 シリーズ」を10月30日(金)に一斉発売することを発表しました

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弥生 16 シリーズのラインアップは基本的にこれまで通りですが、記者発表会で特に注目を集めたのは、「弥生給与 16」と「やよいの給与計算 16」。「弥生給与 16」と「やよいの給与計算 16」は、この10月5日から通知が始まったマイナンバーに対応しています。

いよいよ弥生もマイナンバー商戦に参入ということになりますが、実は弥生はこのいわゆるマイナンバー「特需」については冷静に見ています。何かあると(ややもすれば実態以上に)騒ぎ立てるのがITベンダーの(悪い)癖ですが、マイナンバーについても思惑先行になっているように感じます。もちろん、全ての事業者が法令に従ってマイナンバーを安全に取り扱わなければいけません。ただ、おカネさえかければ全ての問題が解決するわけではありません。

ソフトウェアを提供する会社としてはやや自虐的ですが、まだ制度が変わっていく可能性も高い中で、特に小規模の事業者の場合には、まずは紙ベースで最小限の管理を、というやり方もありだと考えています。もちろんソフトウェアだからできることも多くありますし、弥生はソフトウェアを通じて、紙ベースでの管理以上の利便性を提供していきます(それこそが今回提供を開始した「弥生給与 16」、「やよいの給与計算 16」です)。弥生は、お客さまが、お客さまの事業の実態に合わせた合理的な判断ができるように、さらには、最小限の労力とコストで実務的なマイナンバー対応を実現できるようにお手伝いをしていきます。
posted by 岡本浩一郎 at 17:30 | TrackBack(0) | 弥生

2015年10月09日

動き出したマイナンバー

去る10月5日(月)にいよいよマイナンバー法が施行されました。これから日本の国民一人ひとりに個人番号の通知が始まり、来年1月には税と雇用保険の手続きにおいて利用が開始されます。ただ、通知が始まったとはいえ、一斉にではなく、自治体ごとに徐々に始まっていくそうで、なおかつ一般的に大規模な自治体ほど通知に時間がかかるようです。私は横浜在住ですので、実際に通知カードを目にするのはもう少々先になりそうです。

一刻も早く自分の個人番号を知りたいという好奇心旺盛な方は、10月5日以降住民票の写しを取得すると自分と家族の個人番号を確認することができます。ただ、個人番号の記載の有無は選べるようになっているとのことです(確認できていませんが、おそらく、通常は記載されず、明示的に記載を依頼する必要があるのではないかと思います)。好奇心旺盛な方は一定数いらっしゃるようで、10月5日の朝は、個人番号記載の住民票を取得する人がちらほらいたようです。

通知も本格化するのはまだまだこれからのようですし、日常生活という意味ではマイナンバーの影響を実感する機会はありませんが、事業者としては影響を感じる部分も出てきました。一つは弥生社内での規程の見直し。特定個人情報である個人番号の運用に向けて、就業規則や個人情報保護基本規程など、社内規定の見直しを9月中旬に実施しました。もう一つは、実は私個人の会社でのことですが、顧問の会計事務所との委託契約の見直しを行いました。私個人の会社は現在は具体的な活動はしていないのですが、会社としては存続しており、毎年決算も行っています。その会計業務を支援いただいている顧問の会計事務所から、マイナンバーを取り扱うにあたり、業務委託契約を見直したいというお話がありました。通知カードを見てみないと実感がわかないのが正直なところではありますが、マイナンバーは確実に動き出しています。

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弥生も、ソフトウェアとサポートを通じて、中小企業、個人事業主、起業家の皆さんのマイナンバー対応を支援していきます。ソフトウェアという意味では、マイナンバー対応の給与計算ソフトを間もなく発売開始します。正式発表前なのですが、こちらのプレスリリースでは既に新製品の名称が出てしまっていますね(まあ、驚きはないと思いますが、笑)。弥生は先般、弥生が提供する給与計算ソフトウェアの最新版において、CSAJ(一般社団法人コンピュータソフトウェア協会)によるマイナンバー対応ソフトウェア認証を受けました。

マイナンバー対応ソフトウェア認証は、個人番号を直接扱う業務アプリケーションが対応すべき必須項目について、ソフトウェア機能として実装されていることを評価機関がチェック・認証するものです。第三者のお墨付きで安心してマイナンバー対応を進めて頂くことができるという訳です。このマイナンバー対応ソフトウェア認証は、業務ソフトウェアのマイナンバー対応状況を可視化しようということで私もお手伝いして立ち上げた制度なのですが、9月に一回目の認証が行われ、弥生製品は無事に第一陣として認証を受けることができました。

サポートという意味では、マイナンバー対応支援サービスを既に7月から提供しています。中小企業、個人事業主、起業家の皆さんにご活用頂けるサービスはもちろん、会計事務所向けにも、上でお話しした特定個人情報を扱うにあたっての業務委託契約のテンプレートなども提供しています。

いよいよ動き出したマイナンバー。弥生のマイナンバー対応支援もいよいよ具体的に動き出します。
posted by 岡本浩一郎 at 17:09 | TrackBack(0) | 弥生

2015年10月07日

生命保険の見直し

昨年12月にオリックスグループ入りしてからやらなければと思っていたこと。それは生命保険の見直し。これまで生命保険は、新入社員の時代に加入したもの(当時メジャーだった定期保険特約付終身保険)を含め、4件の生命保険に加入していました。ただ、ライフステージも変わってきた中で、見直した方がいいかな、とは漠然と考えていました。

オリックスグループにはオリックス生命がありますから、グループ入りした以上は、やはり優先的に検討したい。もちろん個人としての加入ですから、あくまでも経済合理性があれば、ですが。その点、オリックス生命の保険はかなり評価が高いようです

とはいえ、なんだかんだバタバタとして具体的な行動に移していなかったのですが、人間ドックも問題なく終了し、生命保険を見直すならこのタイミングということでようやく具体的な検討を始めました。

ただ、保険を考えるのは難しいですね。考え始めると、万が一のために、こういった保障があった方がいいかな、とついつい増やす方向に行ってしまいます。保障が充実していることはいいことではありますが、当然それに見合った費用が発生します。それだけの費用をかけても補償を求めるべきか。保険は本来、なかなか起きないけれど、起きた時の影響が大きいリスクに備えるもの。自分のこれからの人生でどんなリスクがあるのか、それに対し、(公的な社会保障制度も踏まえ)自分がどれだけ備えられているのかを冷静に考える必要があります。

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今どきですから当たり前ですが、必要な情報はネット上で入手できますので、助かります。保険料のシミュレーションをしてみたり、比較という意味で他社の商品情報もチェックしてみたり。色々と悩みつつも、最終的にこれまで4件の生命保険のうち、1件だけ残し(いわゆるお宝保険です)、新たに2件をオリックス生命で加入することにしました(結果的には合計4件→3件)。これでようやく一安心です。
posted by 岡本浩一郎 at 22:30 | TrackBack(0) | オリックスグループ

2015年10月02日

内定式

前回は「FY15期末」というブログ記事をアップしました。アップしてから気が付いたのですが、実は本ブログ841回目の記事でした。841、そう、「やよい」です(笑)。今年3月に777回の節目で記事をアップしましたが、そこから毎月10回のペースでコツコツと続けています。このままのペースで行けば、2017年1月ぐらいに無事1,000回となりそうです。

さて、昨日10/1は、いよいよ2016年度(FY16)がスタートした大事な一日でしたが、同時に、長い間待ち侘びた日でもありました。昨日、10/1の夕方に来年4月の新卒入社予定者の内定式を開催しました。

色々と報道もされていますので、ご存知の方も多いと思いますが、今年の就職活動は例年に比べスケジュールが大幅に変更になりました。公平・公正な採用の徹底と、正常な学校教育と学習環境の確保を目指し、経団連がこれまでと大きく異なる指針を示したためです。この指針では、広報活動が3月1日以降、選考活動が8月1日以降、そして採用内定日が10月1日以降とされています。

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(入社前ということで、個人が特定できないように小さな写真のみです。)

弥生でもこの春から会社説明会を開催し、段階的に採用活動を進めてきましたが、この度学生6名の内定が正式に決まりました。今年4月の入社は開発4名、マーケ2名でしたが、今回の内定者も同様に開発4名、マーケ2名。今年の就職活動は上記のスケジュール見直しに加え、企業の採用意欲が高まった(つまり就活生からすると内定を得やすくなった)こともあって、内定辞退が続出しているという報道もありますが、弥生は内々定を出していた6名全員が無事に内定に至りました。内定辞退が大変なことになっているらしいという報道が続き、人事担当者は(正直に言えば私も)かなり心配していましたが、無事に全員に内定通知書を手渡しすることができてホッとしています。内定式後の懇親会で一番ノリノリだったのは人事メンバーだったような気もしますが、ホッとしたのが表に出てしまったのかもしれません(笑)。

ただ、来年4月に向けた採用活動は実はまだ継続中です。元々の採用枠は、目安が開発3名/マーケ3名で、良い方とのご縁があれば、若干名のオーバーもありとなっていました。幸いにして開発に関しては、目安を超える4名の方とのご縁がありました。一方で、マーケ側はまだ2名。枠があるので基準を下げてでも採用とはしませんが(あくまでも弥生として期待する基準は変わりません)、今後も活動は継続し、良いご縁を得たいと考えています。まだ運命の会社と出会えていないという就活生は是非コンタクトしてみて下さい。

中途採用活動は通年で実施していますので、こちらも是非どうぞ。
posted by 岡本浩一郎 at 16:37 | TrackBack(0) | 弥生