2015年10月23日

マイナンバーの是非

言えるうちに言っておこうということで、前回/前々回と軽減税率の是非、そして消費税率のさらなる引上げの是非について個人的な見解を述べさせて頂きました。軽減税率は反対(条件付き反対)、消費税率のさらなる引上げは、歳入を増やすために何かを引き上げざるを得ないのであれば、それは消費税という消極的賛成。

この勢いでマイナンバーについてもちょっとお話ししてみたいと思います。改めて説明するまでもありませんが、マイナンバーには日本の国民全員一人ひとりに付与される個人番号(12桁)と法人に付与される法人番号(13桁)があります。ただやはり注目は個人番号で、一般的にマイナンバーと言う時は個人番号を指すことが多いようです。

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マイナンバーには大きく3つのメリットがあると言われています。まずは行政の効率化。行政機関や地方公共団体などで、様々な情報の照合、転記、入力などに要している時間や労力が大幅に削減されます。複数の業務の間での連携が進み、作業の重複などの無駄が削減されます。二つ目が国民の利便性の向上。添付書類の削減など、行政手続が簡素化され、国民の負担が軽減されます。 また、行政機関が持っている自分の情報を確認したり、行政機関から様々なサービスのお知らせを受け取ることができます。そして三つ目が公平・公正な社会の実現。所得や他の行政サービスの受給状況を把握しやすくなるため、負担を不当に免れることや給付を不正に受けることを防止するとともに、本当に困っている方にきめ細かな支援を行うことができます。

これらのメリットは全て内閣府によるマイナンバー広報資料からの受け売りですが、個人的にも、社会全体の効率性向上は必須だと考えています。前回、高齢化によって社会保障費が爆発的に増えてきているとお話ししましたが、高齢化によって生産年齢人口が減る中で、経済規模(GDP)を維持拡大するためには、社会全体での効率化(生産性の向上)が不可欠。マイナンバーはそのために極めて有効な武器となります。

つまり、マイナンバーの目指すところという意味では私は大賛成です。国がマイナンバーを使って様々な情報を収集するということを警戒する向きもあるようですが、意図的に所得を隠している方はともかく(笑)、後ろめたいところのない人にとっては、メリットはあっても、特に困ることはありません。より正確に言えば、無論誤った方向で利用されないように注視していくことは必要ですが、メリットがそのリスクを大きく上回る制度だと考えています。

ただし…ここから一気に歯切れが悪くなりますが、目指すところとしてのマイナンバー制度は大賛成なのですが、実施に運用される制度としてはもろ手を挙げての賛成とは言えません。正直に言って、難しい制度としてのスタートになってしまったと感じています。目指しているところは正しくても、なぜ問題含みの制度になってしまったのか。

以前もお話したことですが、本来はID(識別情報)に過ぎないマイナンバーを、あたかも本人であることを証明するパスワード(認証情報)であるかのように扱うことから様々な無理が生まれてしまっていると考えています。カードという物理的な媒体に、目に見える情報として記載されているものを、最高レベルの機密情報として扱わなければならない。

とは言え、マイナンバーへの対応は、法令によって全事業者に義務付けられています。難しい制度にどうやって対応するか。それを支援することが弥生の付加価値だと考えています。

ということで、是非シリーズの第三弾、マイナンバーの是非は、目指すところは大賛成、しかし、実際の制度としては、うーん、ということになります。

次回からは、いよいよ来週金曜日に発売開始となる弥生給与 16/やよいの給与計算 16でのマイナンバー対応についてお話しさせて頂きます。
posted by 岡本浩一郎 at 09:07 | TrackBack(0) | 税金・法令