2016年01月29日

スキャンデータ取込の精度

いよいよ今日からスキャンデータ取込機能の提供を始めました。レシートや領収書をスキャナーで読み取り、その画像データから会計(仕訳)データを生成することができます。これによって、会計業務の最初から最後までを一貫して自動化する会計業務 3.0が実現します。

ただ、現時点では、100%完全な自動化とはいきません。やはり確認、そして必要に応じて修正は必要。スキャンデータ取込の場合、画像データから、OCR(光学文字認識)処理によって、日付/店舗(会社)名/金額という取引データをどれぐらいの精度で読み取れるかが、自動化の精度を左右します。
現状がどのレベルなのか、実際にサンプルで見て頂くのが早いかと思います。

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まず一枚目の画像ですが、画面の下、左手にスキャンしたレシートが表示されています。この画像から、日付、店舗名(最終的な仕訳データでは摘要として扱われます)、そして金額が正しく読み取られています。これだけの情報があれば、既存のYAYOI SMART CONNECTの推論エンジンによって、仕訳データを自動で作成することができます。この例で言えば、店舗名の中にある「書店」という単語を手がかりに、「新聞図書費」という勘定科目が選択されますし、この後の例では「エムケイ」や「MK」といった単語から「旅費交通費」が選択されます。

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次に二枚目の画像ですが、こちらも日付/店舗名/金額が正しく抽出されています。実は、今回のスキャンデータ取込では、こういったレシートから正しくデータを抽出するために一つの工夫が盛り込まれています。OCR処理では、印字された数字はかなりの確率で正しく読み取ることができますが、それに比べると、文字はやや苦手。さらに、文字と言っても、最近のレシートではかなり一般的な、ロゴ化された店舗名はかなり苦手です。この画像のレシートでも、「宮きしめん竹三郎」という店舗名はロゴ化されていますから、このままでは正しく読むことができません(なんできしめんなんだ、という突っ込みはご容赦下さい、たまたま手元にあったものを使用しています、笑)。

実は、スキャンデータ取込では、店舗名を読むのではなく、レシート/領収書には一般的に印字されている電話番号を読み取っています。読み取った電話番号と電話帳データを照合し、電話帳データから店舗名を取り込んでいるのです。今回のスキャンデータ取引を開発するにあたって、店舗名を直接OCRで読み取る方法と、電話番号をOCRで読み取って電話帳データを参照する方法とで比較した結果、後者の方が圧倒的に読み取れる確率が向上したため、この方式を採用しています。

ただ、この方法も完璧ではなく、電話帳データが更新されていないために、その電話番号で以前営業していた店舗名が出てくるということも稀に発生します。特に、同じ会社が運営している別ブランドにお店が変わった場合(あくまでもイメージですが、例えば、スカイラークからガストに変わったようなケース)に、電話番号が変わっていないが故に、前の名称で出てくることがあります。

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次の画像ですが、これは店舗(会社)名こそ読み取れているものの、日付を読み取れておらず、また金額も誤っています。これは領収書画像を見ていただければわかりますが、日付や金額が手書きになっているためです。やはり、現時点の技術では、手書きのOCRは難しい(ただし、それこそ確定申告書のように、数字が手書きされるエリアが特定されており、なおかつ、OCRで読みやすい書体で手書きされれば読み取れる確率がぐんと向上します)。このように、読み取れない情報、あるいは誤った情報がある場合には、該当項目をこの画面で入力/修正する必要があります。なお、読み取れない情報がある場合には、データの編集エリアの「確定情報」という項目が「?要確認」となっており、そのままでは「確定して次へ」をクリックできないようになっています。

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最後の画像ですが、これは日付/金額は読み取れているものの、店舗(会社)名が読み取れていないケース。ちょっとわかりにくいかもしれませんが、これはホテルのA4サイズの領収書。サイズが大きく、どこにどんな情報が書いてあるかの判別が難しいために、電話番号を見つけられなかった(それゆえに店舗名も埋められなかった)ケースです。

このように、現時点でのOCR処理は完璧ではなく、そのため100%の自動化とまではいきません。ただ、100%ではなくとも、可能な範囲でデータ化されることにより、ほとんどの場合は、一から手で入力するよりは圧倒的に早く処理することができます。ほとんどの場合と書いたのは、プロである会計事務所の場合は、高速に入力することに慣れているが故に、手で入力のほうが速いケースも存在するからです。逆に言えば、プロではない一般の事業者の場合は、この機能をうまく活用することによって、大きな業務効率化を実現できます。

もっとも、現状の読み取り精度で満足しているわけではありません。今後とも改善を続けることによって、自動化の率を上げていきたいと思っています。これはOCRの精度を上げるだけではなく、POSベンダーと協力して、レシート/領収書上に2次元バーコードを印字してもらうといったやり方も考えられます。この先、軽減税率の導入とともに、レシート/領収書に法人番号のような事業者を特定する情報を印字するようになってくるかと思いますが、そのタイミングで、レシート/領収書上に日付/法人番号/(税率ごとの)金額を埋め込んだ2次元バーコードを印字することも日本全体として業務の効率化を進めていく上では有効なやり方なのではないでしょうか。もちろんその先には、そもそもレシート/領収書を紙で印刷せず、最初から電子データとして発行するという世界も目指すべきだと考えています。

将来的には、最初から全てが電子データとして自動処理されるようになる。それこそが、真の会計業務 3.0の世界です。ただ、一気にそこまでは行かなくても、まずはできるところからの自動化でも、これまでの業務から大きく効率化を実現することができます。実際に使えるかどうか。これは是非ご自身で試して頂ければと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 23:50 | TrackBack(0) | 弥生

2016年01月27日

会計業務 3.0

いよいよ今週金曜日にYAYOI SMART CONNECTの新機能として、スキャンデータ取込をリリースします。先週の発表以来、お客さまや家電量販店の方、会計事務所の方などにご紹介すると、とても好意的な反応が返ってくるのが印象的です。「すごい」「待っていました」と。

スキャンデータ取込が実際にどのように動作するかなど、本ブログでもご紹介させて頂きますが、今日はその前に、スキャンデータ取込を実現する原動力となっている「弥生が目指す世界」についてお話しさせて頂きたいと思います。それは会計業務の第三世代、いわば「会計業務 3.0」です。

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振返ってみると(正直もはや想像することも難しいですが)、会計業務は最初すべてが手作業でした。何か取引があって、領収書などを受け取る。まずは領収書の整理。よくあるのは白紙にペタペタ貼っていくというやり方ですね。これはもちろん手作業。そして会計伝票を手で起票。次に起票された伝票を基に、必要な帳簿(総勘定元帳など)に転記。そして帳簿を手作業(当初はそろばん、その後は電卓でしょうか)で集計。ここまでの手作業を地道に積み重ねて、ようやく自分の事業の現状を表す資料である、試算表ができるわけです。ところが、ここで誰かが、「すいませんこの領収書を忘れていました」となれば、集計は全部やり直しです。これが会計業務の第一世代、会計業務 1.0。

会計ソフトの登場は、会計業務の後工程を自動化することによって、会計業務を第二世代へと進化させました。転記は全て自動で行われますし、集計もボタン一発です。上の例に挙げたような、領収書が後から出てきて青ざめるといったことはもうありません。ただし、領収書の整理は引き続き手作業ですし、伝票を手で起票することはなくなっても、手で会計ソフトに入力する必要はありますから、前工程の業務効率は会計業務 1.0の世界から大きく変わりませんでした。とはいえ、後工程が自動化されるだけでも大きな業務効率化です。弥生会計は、圧倒的No.1の会計ソフトとして、この会計業務 2.0を広く世の中で一般的なものとするために貢献してきたと自負しています。

ただ、会計業務が2.0に進化してから数十年(Windows 95で弥生会計が広く使われるようになってからでも20年)、反省も交えて言えば、そこから再び大きく進化することはできていませんでした。もちろん問題意識がなかったわけではなく、限られた範囲ではありますが、入力を自動化する仕組みを模索してきました。代表例が2007年に提供を開始したMoneyLook for 弥生。これによって、銀行の取引(インターネットバンキングの明細)を取り込んで自動で仕訳に変換することが可能になりました。会計業務の前工程を自動化する時代の幕開けです。

弥生の問題意識と技術の進化がかみ合って、会計業務をさらに進化させる動きが明確化した年が2014年。2014年7月にリリースしたYAYOI SMART CONNECTによって、それまでも実現していた銀行の取引だけではなく、クレジットカードや電子マネー取引、さらには、POSの売上や請求の情報に至るまで自動仕訳が実現しました。

そして、今回提供するスキャンデータ取込によって、既にデータ化されている情報だけではなく、ついに紙までも自動仕訳の対象とすることができるようになりました。さらに、電子帳簿保存制度(スキャナ保存制度)まで利用すれば、紙の原本を廃棄することが可能になりますから、領収書の整理も不要になります。スキャナでどんどん読み込めば、後は画像データとしていつでも参照できるようにシステムが保管してくれます。

これこそが弥生が目指してきた「会計業務 3.0」の世界です。つまり今回のスキャンデータ取込のリリースは、前工程も後工程も自動化された会計業務 3.0の世界の入り口にようやく到達したことを意味します。もっとも会計業務 3.0の世界はまだまだ始まったばかり。データとして取り込める情報をもっともっと広げたいと思っていますし、セキュリティの観点では、もっと安心してご利用頂けるようにしていかなければなりません。また、スキャンデータ取込にはOCRという文字読み取りの技術が活用されていますが、まだまだ100%の精度という訳にはいきません。

本当の意味で、証憑の整理から記帳、試算表/決算書作成までを一気通貫で自動化するためには、会計業務 3.0をもっともっと深化させる必要があります。それによって、お客さま、そして会計事務所を単純作業から解放し、より付加価値の高い業務にシフトできるようにすること。それこそが弥生の目指すものであり、弥生の原動力です。
posted by 岡本浩一郎 at 11:27 | TrackBack(0) | 弥生

2016年01月22日

弥生 確定申告ソフト専用アプリ

本日からiTunesストアに「弥生 確定申告ソフト専用アプリ」がデビューしています。これはやよいの青色申告 オンラインやよいの白色申告 オンラインをご利用の方向けのiPhoneアプリで、日々の取引入力をiPhoneで簡単に済ませて頂くことが可能になります。

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やよいの青色申告 オンラインや、やよいの白色申告 オンライン自体も、とにかくシンプルでかんたんということで好評を頂いていますが、iPhoneアプリを開発するにあたっては、用途をさらに絞り込んで、パッと見ただけですぐに使えることを目指しました。

やよいの青色申告 オンライン/やよいの白色申告 オンライン、そして弥生会計 オンラインはクライアントのインターフェイスがHTML5で構築されていますので、技術的に言えば、プラットフォームを問わずに利用することが可能です。ただし、技術的に可能といっても、使いやすいかとはまた別の話ですし、もっと言えば、使いたいかともまた別の話。iPhoneの小さな画面で確定申告書の作成というやや込み入った作業をしたいという方は多くはないでしょう。ただし、iPhoneという普段持ち歩いているものだからこそ、経費が発生したらその場で、あるいは、スキマ時間にちょっと記録を付けておく、というニーズは確実にあると考えています。今回のアプリはまさにそういった使い方に最適化されています。

これまでも、弥生と提携しているクラウドキャストがBizNote for 弥生オンラインというスマホアプリを提供していましたし、Taxnoteというアプリから、データを取り込むことも可能でした。ただ、弥生純正のスマホアプリとしては今回が初。是非試して頂ければと思います。

なお、弥生としてはお客さまに選択肢を提供することが大事だと考えておりますので、弥生純正のアプリだけではなく、BizNote for 弥生オンラインやTaxnoteも引き続きご利用頂くことが可能です。また、今回はiOSのみでのご提供ですが、今後はAndroid版のご提供も予定しています。
posted by 岡本浩一郎 at 18:16 | TrackBack(0) | 弥生

2016年01月20日

クラウドでもNo.1

月曜日にMM総研から、「クラウド会計ソフトの利用状況調査」というリサーチ結果が発表されました。昨年12月に、個人事業主2万2,125事業者を対象にWebアンケート調査を実施し、クラウド会計ソフトの利用状況をまとめたものだそうです。
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この中で、利用しているクラウド会計ソフトの事業者別シェアでは、「弥生」が50.5%と、二位(24.9%)のダブルスコアでNo.1を獲得することができました。本ブログでは、昨年の4月の「クラウドでもやっぱり弥生」という記事で、「一番利用されていたのは弥生(やよいの青色申告 オンライン/やよいの白色申告 オンライン)でした」と書きました。その時点でのシェアは29.5%。No.1ではありましたが、二位が20.7%と、まだ盤石なリードとは言えない状況でした。

それ以降も、やよいの青色申告 オンライン/やよいの白色申告 オンラインをご利用頂くお客さまが着実に増えており、それが今回の調査でのダブルスコアでのNo.1という結果につながったのかと考えています。一方で、弥生が目指すのは単なるNo.1ではなく、「圧倒的No.1」。圧倒的No.1として目安になるのは3人に2人、つまりシェア66.6%。デスクトップアプリケーションであるやよいの青色申告はこの領域に達していますが、今後はクラウドアプリケーションのやよいの青色申告 オンライン/やよいの白色申告 オンラインでも圧倒的No.1を目指していきます。

ただ、引き続き課題となるのは、そもそも会計ソフトの利用率が決して高くないこと。MM総研の調査では、調査対象となる個人事業主のうち、会計ソフトを利用している方は33.2%に過ぎませんでした。また、会計ソフトを利用しているという方のうち、クラウド会計ソフトを利用している方は8.1%に過ぎませんでした(デスクトップ型は80.3%、残りは「分からない」)。

No.1であり、マーケットリーダーとして、これらの率を上げていくことも弥生のミッションだと考えています。昨日お話ししたスキャンデータ取込のように、弥生会計は、これまで会計ソフトを敬遠されていた方でも簡単に使って頂ける、なおかつ業務を大幅に効率化して頂けるようになってきています。弥生が提供できる価値をキチンとお伝えすることで、弥生の圧倒的No.1達成はもちろん、市場そのものの拡大を図っていきたいと考えています。
posted by 岡本浩一郎 at 17:09 | TrackBack(0) | 弥生

2016年01月19日

スキャンデータ取込

本日、YAYOI SMART CONNECTの新機能として、スキャンデータ取込を発表しました。

YAYOI SMART CONNECTは、世の中のあらゆる取引を、会計(仕訳)データに自動的に変換する仕組みとして、2014年7月にリリースしました。代表的な例としては、銀行の取引明細やクレジットカードの利用明細を取り込んで自動的に仕訳データに変換する、あるいは、クラウド請求管理サービス(例えばMisoca)やタブレットPOS(例えばAirレジ)からのデータを取り込んで同じように仕訳データに変換する。

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、これは2007年から弥生が提供しているMoneyLook for 弥生の延長線上にある仕組みです。ただ、MoneyLook for 弥生は取り込めるデータが銀行の取引明細に限られていたのに対し、YAYOI SMART CONNECTはこれからの時代の会計業務を実現するために完全に新規で構築した仕組み。当初から、様々なデータを扱うことができるように設計されています。

大きな一歩を踏み出したYAYOI SMART CONNECTですが、これまではどうしても片手落ちの部分がありました。既に何らかの形でデータとなっているものを仕訳データに変換することはできても、データになっていないものは扱えない。例えば、現金で何かを購入した際に受け取る領収書は、YAYOI SMART CONNECTの恩恵を受けることができていませんでした。

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この1月29日にリリースするスキャンデータ取込はこの課題に応えるものです。紙で受け取ったレシートや領収書をスキャナで取り込むことによって、画像データ化し、さらにそれを仕訳データに変換します。これによって、世の中のあらゆる取引を、会計(仕訳)データに自動的に変換する仕組みというYAYOI SMART CONNECTの当初のビジョンが一通り実現したことになります。
また、このスキャンデータ取込機能を応用し、レシート・領収書を電子保存することができる(すなわち、原本を廃棄することができる)スキャナ保存制度にも対応します。

本ブログでも詳細をお話しさせて頂きたいと思いますので、お楽しみに。そういった観点ではネタバレになってしまいますが、スキャナ無償レンタルキャンペーンが本日からスタートしていますので、是非チェックしてみて下さい。
posted by 岡本浩一郎 at 16:19 | TrackBack(0) | 弥生

2016年01月15日

弥生の起業家応援プロジェクト

本日から弥生のウェブサイトで、「弥生の起業家応援プロジェクト」を公開しています。弥生の応援プロジェクトの代表例と言えば、確定申告応援プロジェクト。もともとは初めて青色申告をされる個人事業主の方を応援するという趣旨で、「弥生の青色申告応援プロジェクト」として2010年にスタートしました。その後、2014年にやよいの白色申告 オンラインの提供を始めたことにあわせ、白色申告も応援するために、「確定申告応援プロジェクト」と名前を変え、さらに内容も毎年アップデートしています。石の上にも3年と言いますが、確定申告応援プロジェクトは地道に継続して早6年ということになります。

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今回公開した弥生の起業家応援プロジェクトは、ルーツとしては、2011年に公開した弥生の開業応援プロジェクトにあります。これは起業応援のためのプロジェクトではあるのですが、起業というよりは開業であればもっと身近に感じて頂けるのでないかと考え、あえて飲食業/フリーランス/理美容業に特化して「開業」応援としてプロジェクト化したという次第です。

その際には本ブログで、「上記以外の業種ももちろん応援していますし、今後さらに様々な応援/支援を立ち上げていきます」と書いたのですが、何だかんだと後回しになってしまい、今回ようやく、「弥生の起業家応援プロジェクト」としての公開に漕ぎ着けることができました。

起業家という意味では、株式会社のような法人、そして個人事業の両方がありうるわけですが、開業応援がやや個人事業に寄った内容だったこともあり、今回の起業応援は逆にやや法人に寄った内容となっています。ちょっと面白いコンテンツとしては、税金の観点から、個人事業として起業するか、法人として会社設立するかを比較するための「起業のかんたん税金計算シミュレーション」もご提供しています。

法人寄りではありますが、起業後の「お金の管理」といったコンテンツ(例えば、「請求・支払の期日 決め方の原則」や「売上の支払・入金管理 3つのポイント」)は個人事業でも十分参考にして頂けますので、是非一度ご覧ください。
posted by 岡本浩一郎 at 18:17 | TrackBack(0) | 起業

2016年01月13日

問題なし

お願いしている税理士の先生から、私自身の所得税申告について税務調査が入るようですと一報があったのは昨年の9月末。これまで、自分で設立した会社で一回、弥生で二回の税務調査を受けています(いずれも特に問題はなし)が、自分個人の申告に対する調査は初めて。

調査のタイミングは指定することが可能ですので、税理士を通じてスケジュール調整の上、実際に調査が行われたのが、10月の末。当日は午前10時から約2時間ほど、質疑応答の形で調査が行われました。特に回答に困るような質問もなく、関連する資料をいくつか提供しただけで比較的あっさり終了。ただ、結構以前の海外からの送金まで事前に調べられていることにはちょっと驚きました。

当日も問題なさそうですね、という結論は見えていたのですが、約一ヶ月後に税理士から、調査が終了し、問題は特になかったとのことですと報告があり、それからまた一ヶ月後の年末に「更生決定等をすべきと認められない旨の通知書」というものが送付されてきました。

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聞きなれない書類ですが、税務調査手続の透明性を高めるために、平成25年1月から税務調査の手続を定めた国税通則法の規定が施行されたことにともなって新設されたものです。端的に言えば、申告に問題はなかったという結果を通知するもの(それにしても回りくどい名称ですね、笑)。

私の場合、平成24年分、平成25年分、平成26年分の三年分の所得税の申告(正確に言えば復興特別所得税の新設により、平成25年分と26年分は、所得税及び復興特別所得税の申告)が調査対象となり、いずれの年も申告に問題はなかったと認めて頂いた訳です。

ご存知の方も多いと思いますが、申告の受付時には基本的に内容のチェックはなく、またある程度整合性が取れている申告書であれば還付も行われます。逆に言えば、申告が受付けられた、あるいは納付をした/還付を受けただけでは申告に問題がないというお墨付きにはなりません。忘れた頃に税務調査が入って問題を指摘されることもありうるわけです。

つまり、税務調査が入って「更生決定等をすべきと認められない旨の通知書」を受け取って初めて申告に問題がなかったというお墨付きを得たことになります。私自身は、毎年極めて真面目に申告をしており、後ろめたいところは一切ありませんので(何せソフトを通じてお客さまの申告のお手伝いをするという立場でもありますし、かなり保守的にならざるを得ません)、問題はないはずだ、と思いつつも、もし何かあったらどうしようと一抹の不安があったのも事実。そういった意味で、無事に問題なしというお墨付きを頂けたことでホッとしています。

以前本ブログでも税務調査について書いたことがありますが、国税庁の公式統計では実調率(と言うようです)が個人の申告で1.0%(平成25年分)。私は通算で20年以上は確定申告をしてきていますので、そろそろくじに当たるタイミングだったのかもしれません(実際には海外との資金のやり取りがちょこちょこあるのがアンテナに引っかかったようです)。平日の数時間を費やしてしまいましたが、結果的にお墨付きという安心感を得られましたし、仕事がら色々と勉強にもなりました。

ちなみに私は申告書を毎年自分で弥生会計を使って作成しています。今回、私の申告に問題ないとお墨付きを頂いたことで、弥生会計で作成した申告書にもお墨付きを頂いたようで、ちょっと嬉しいです。毎年何十万人もの方に弥生会計/やよいの青色申告で申告書を作成、提出して頂いていますので、当たり前と言えば当たり前ではあるのですが。
posted by 岡本浩一郎 at 17:22 | TrackBack(0) | 税金・法令

2016年01月08日

復活劇

日経ビジネスオンラインで、「復活TASAKI、さらば『ダサい真珠』」という記事が掲載されています。実は弥生とTASAKIには共通点があります。それは、ちょっと前まで、MBKパートナーズという投資ファンドが株主であったこと。弥生は一昨年の12月にオリックスグループ入りし、MBK学校を一足先に卒業しましたが、記事中にも書かれている通り、TASAKIもMBK学校からの卒業(=持ち分の売却)を始めています。

詳細は是非記事をお読みいただきたいのですが、「TASAKIのこれまでの復活劇は、ブランド再生の王道を、教科書通りに実践したとも言える。実際、最近の取締役会では、こんな言葉が交わされているという。『何でこんな当たり前のことを自分たちでできなかったのだろうか』」という下りが印象的でした。

弥生はさらなる成長を目指すステージ、TASAKIは再生のステージと、置かれているステージは異なりましたが、同じMBK学校の仲間として、比較的近いところから、TASAKIの再生の歩みを見てきました。正直に言って、最初は半信半疑。本当にうまくいくのかな、と。記事中でもMBKの池田さんが「正直、最初の1〜2年は数字が上がらず、やきもきした」と素直に語っていますが、私も同様に感じていました。

ただ、今こうやって振返ってみると、MBKに招聘されて、TASAKIの社長に就任した田島さんには最初から答えが見えていたのでしょう。タクーン・パニクガル氏をクリエーティブ・ディレクターに登用したこと、そしてその大胆なデザインをそのまま商品化したことも含め、打ち手がその後着実に結果につながっている様はあっぱれとしか言いようがないです。

まずは教科書通り、当たり前のことを当たり前にやる。これは弥生の成長の中でも実践してきたことです。TASAKIもある意味、冷静に考えれば当たり前のことをしっかりやってきた。ただ、TASAKIの復活は、それだけではないし、誰にでもできることではないと感じています。田島さんの先見性/リーダーシップと、COOである小川さんの実行力、そして株主であるMBKの理解(辛抱?)が組み合わさって初めてここまで来れた。教科書通りとも言えるし、同時にこれからの教科書に乗せたくなるような見事な復活劇です。
posted by 岡本浩一郎 at 20:42 | TrackBack(0) | ビジネス

2016年01月07日

商売の神様

以前にもお話ししたことがありますが、弥生では年末最終日も、年始初日もカスタマーセンターで通常通りにお問合せを受け付けていることもあり、会社としての年末最終日のイベント、あるいは年始初日のイベントというものは行っていません。年末最終日も年始初日もごくごく普通に仕事をしています。

もっとも、年末最終日には大掃除がありますし、年始には毎年恒例の神田明神参拝があります。昨年からはオリックスグループの年賀式も加わりましたが、これは私だけ。今年もオリックスグループの年賀式に参加した後、お昼から神田明神に向かいました。

神田明神は名前こそ「神田」ですが、最寄り駅は御茶ノ水(間違える方が多いのでしょう、年始の神田駅には「神田明神の最寄り駅は御茶ノ水です」という張り紙が掲示されます)。ただ、神田からも歩くことはできます。これまでは神田の旧本社から20分ほど歩いての参拝でしたが、昨年に本社を秋葉原に移転し、ぐんと近くなりました。何せ、会社のエレベーターホールから神田明神がよく見えます。神田明神を見下ろすというのは恐れ多い気もしますが、混雑状況が一目でわかるのがメリットです。

新本社から神田明神は徒歩で10分もかからないぐらい。約40名ほどで、のんびり歩いて参拝してきました。昇殿して祈祷を受け、お客さまと弥生自身の商売繁盛を祈願し、その後恒例の記念撮影。

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近くなった以外は毎年変わらないと言いたいところですが、実は毎年ちょこちょこと変わっているものがあります。それは神田明神での参拝客の流し方。昇殿して祈祷を受けた人をどのように流すか、その後どこでお神酒を出すかというのが微妙に変わっています。何せ圧倒的な数の参拝客がほんの数日に集中しますから、おそらく前年の秋ぐらいから対策会議を開き、前年の反省も踏まえながらここはこう改善しようと議論されているのではないかと推測します。

以前、色んな物事を数字で考える癖があるといったことを書きましたが、こういった業務の組み立てについてもついつい考えてしまいます。いわゆるOperations Managementの世界ですね。工場でどのような工程でどう生産を組み立てるかはもちろん、お店やレストランでどのようにお客さま対応をするか。弥生で言えば、カスタマーセンターでのお問い合わせ対応もこの世界です。

今回はお神酒を出す場所が大きく変わり、そのすぐそばに神田明神公認のお餅(だったかな?)などを売る売店が2軒並ぶ構成になっており、思わずにやりとしてしまいました。改めて調べてみると、神田明神はFBページも、twitterも、LINEページもあり、相当イマドキな神社です。商売の神様だけに、商売のツボをわかっていらっしゃいますね(笑)。
posted by 岡本浩一郎 at 09:37 | TrackBack(0) | 弥生

2016年01月04日

新年のご挨拶 2016

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新年明けましておめでとうございます。

新春を迎え、皆様におかれましては健やかに新年を迎えられたことと、謹んでお慶び申し上げます。

昨年7月に、弥生の中核製品である「弥生会計」のクラウドアプリケーション、「弥生会計 オンライン」をリリースしました。2014年には「やよいの白色申告 オンライン」と、「やよいの青色申告 オンライン」を先行してリリースしており、昨年の「弥生会計 オンライン」により、会計製品のラインナップが揃い、お客さまの事業形態やニーズに合わせて自由に選択いただくことができるようになりました。

弥生会計はもっともっと進化します。昨年12月「YAYOI SMART CONNECT」の法人口座対応を皮切りに、今年は、OCR取込/領収書の電子保存対応、さらにはクラウドとデスクトップ版弥生会計の双方向データ連携と、クラウド/デスクトップの両面で継続的に機能強化を行ってまいります。

遡れば約30年前、初代「弥生会計」の誕生は、それまで手で行われていた転記や集計という業務を不要とし、会計業務を「2.0」の世界へと大きく進化させました。そして今、弥生会計は、証憑の整理から記帳、試算表/決算書作成までを一気通貫で自動化する「会計業務 3.0」の時代へ、お客さまの業務にさらなる進化をもたらそうとしています。これからの弥生会計に是非ご期待いただけますと幸いです。

弥生の強みは製品だけではありません。製品と両輪を成すサービスを通じ、きめ細やかな支援ができるのが弥生の強みです。昨年は、マイナンバー法施行に向け、カスタマーセンターによる「マイナンバー相談」や、基本方針や取扱規程、委託契約書を作成できるテンプレートのダウンロード提供など、事業者の皆さまが、最小限のコストで、できる限り自力でマイナンバー対応をおこなうことができるサービスを打ち出し、多くのお客さまにご利用いただきました。

今年はマイナンバーはもちろん、改正後の電子帳簿保存法の本格的な運用が始まります。今年もお客さまの業務効率化、そして事業の発展をご支援する「事業コンシェルジュ」として事業者に寄りそうサービスをご提供してまいります。

今年の干支「申(さる)」にあやかりつつも、全社一丸となって愚直な実践を積み重ねることによって、昨年に「勝る(まさる)」成果をお見せできる年にしたいと思います。

末筆となりましたが、皆様にとって本年が素晴らしい年となりますようお祈り申し上げるとともに、引き続き弥生株式会社をご支援賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
posted by 岡本浩一郎 at 11:42 | TrackBack(0) | 弥生