2016年03月03日

スキャナ保存制度対応

Misocaのグループ会社化というビッグニュースに霞んでしまいましたが、実は先週末(2/26)に待ち望まれていた機能をリリースしています。

それは、スキャナ保存制度対応。先立つ1/29にはスキャンデータ取込機能をリリースしています。本ブログでもお話ししていますが、これは、レシートや領収書をスキャナーで読み取り、その画像データから会計(仕訳)データを生成することができるという機能。画像データから、OCR(光学文字認識)処理によって、日付/店舗(会社)名/金額という取引データを読み取り、それを基に仕訳データを生成するという仕組みです。

これもお話しした通り、現在の技術では100%の正確性、100%の自動化とはいきません。特に使い始めは意外に時間がかかるのも事実。ただ、慣れてくると、手で一から入力するよりも圧倒的に効率化できます(会計事務所のプロの方にはなかなか敵いませんが)。先日、事例取材のために、実際に300枚にもなる領収書の取込を拝見させて頂いたのですが、最初の一ヶ月分はそれなりに試行錯誤。ただし、二ヶ月目に入ると一気にペースアップされていました(とは言え、最初の試行錯誤に関しては、使い勝手の改善が継続的に必要だと感じています)。

弥生のスモールビジネス応援プロジェクトブログでも、手入力とスキャンデータ取込で入力の速さを競うという企画を実施していましたが、やはりスキャンデータ取込の勝ち。経理経験者であり税理士有資格者のSさんより速いという想定外の速さでした(プロの方の名誉のために付け加えると、Sさんは経験者/有資格者と言えども、弥生社内では日頃実務をしている訳ではないので、決して速くはないということかと…)。

うまく使えば入力作業を圧倒的に効率化できるスキャンデータ取込ですが、スキャンした領収書はキチンと保管しておく必要があります。画像のデータ自体は保管されているものの、あくまでも作業用のデータ。正式な証憑としての領収書は後で参照できるように、キチンと整理して確実に保管する必要があります。

ただ、領収書の保管をしなくても済む(つまり処理後は廃棄することができる)制度があります。それがスキャナ保存制度。実はスキャナ保存制度自体は2005年から存在していました。ただ、スキャナ保存が認められるための要件が厳しかったために、ほとんど活用されてきませんでした。それが2015年の税制改正によって、一気に身近なものとなったのです。2015年の税制改正では、1) 3万円以上の契約書や領収書もスキャナ保存可能に、2) 電子署名の付与が不要に、という大きな要件緩和がなされました。

もっとも、要件が緩和されたとはいえ、それなりにハードルはあります。保存されるデータの真正性を確保するために、タイムスタンプの付与、電子化文書検索、第三者承認、操作ログの保存という機能が必要になります。

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これらの機能を正式に提供開始したのが、今回の2/26のリリースということになります。これによって、単にデータを取り込むだけなく、元となった証憑の廃棄(逆に電子的に保存)までもが実現できます。入力の自動化はもちろん、証憑の整理/保管という業務もなくす。会計業務の前工程も後工程も自動化された、会計業務 3.0の世界がさらに広がったことになります。

実は、今回リリースしたスキャナ保存制度対応はスキャンデータ取込の当初リリース時(1/29)には一応完成していました。ただし、証憑の代わりとなる電子データを最長10年の長い期間、法令に確実に基づいた形で保存することになりますから、万が一にも不具合があってはいけません。そのため、いつも以上に長い検証期間を経ることとし、ようやく2/26に正式なリリースの運びとなりました。

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スキャナ保存制度は、業務的に求められる要件(第三者承認など)もあり、誰でもがすぐに導入できるわけではありません。また、業務の流れを変えることになりますから、それなりに慎重に検討すべきものです。ただ、一度定着すれば大幅な業務効率化につながります。是非多くの方にご利用頂きたいと思っています。
posted by 岡本浩一郎 at 16:06 | TrackBack(0) | 弥生