2016年11月07日

マル扶再び

今年もあっという間に11月。年末調整の準備に取り掛かった事業者の方も多いのではないかと思います。年末調整といえば、「マル扶」。正式名称は、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」。給与を支払う際に、配偶者控除や扶養控除を反映させた金額で源泉徴収を行うために必要な書類で、実務上は、その前年末の年末調整の準備の際に翌年分のマル扶を収集することが一般的です。

昨年(2015年)10月のマイナンバー制度の開始に伴い、昨年暮れに収集された平成28年分のマル扶から、マイナンバーの記入欄が設けられました。しかし、実際には、昨年末(2015年12月)までに提出を受けるものについては、記載の必要がなく、2016年(平成28年)以降、従業員に従業員等の個人番号を補完記入してもらう必要もないとされたため、マル扶においてのマイナンバー記入は実際にはスタートしていないケースが多いのではないかと思います。

それでは、マイナンバー制度発足から一年経った現在ではどうなのでしょうか。今回の年末調整の際には平成29年分のマル扶を収集することになりますが、平成29年分のマル扶にももちろん、本人、配偶者、扶養親族のマイナンバーを記載する欄が設けられています。いよいよこれらに記載が必要になるのでしょうか。

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実は、今回も(そしてこれ以降も)マル扶にマイナンバーを記載する必要がない運用が認められています。この一年間の中で、マイナンバーの記載を一定のルールの下で極力減らす方向に制度が変わってきており、平成29年分(およびそれ以降)のマル扶については、二通りのマイナンバーの記載を省略する方法が認められています。

まず一つ目は、予め別の方法で従業員等のマイナンバーを収集しておいた上で、従業員が扶養控除等申告書の余白に「マイナンバー(個人番号)については給与支払者に提供済みのマイナンバー(個人番号)と相違ない」旨記載する方法。そして二つ目は、事業者が扶養控除等申告書などの一定の税務関係書類の提出を受けて作成した従業員等のマイナンバー(個人番号)等が記載された帳簿を備えておく方法。

方法が二つあると、どちらがいいのか迷うところですが、弥生としては、一つ目の方法を推奨しています。なぜならば、二つ目の場合、最初の一回はマル扶にマイナンバーを記載して提出することが前提となっており、結果的にマイナンバー記載のマル扶のやり取りが発生してしまう、また、帳簿に関する要件もやや厳しい(例えば、帳簿を電子保存するためには、そのために承認申請が必要)ためです。

現行の制度の下では、マイナンバーはやり取りすること自体がリスクです。そのため、いかにマイナンバーを紙で扱わないか、という工夫が必要になります。制度としても、マイナンバーの記載をできるだけ減らす方向には向かいつつありますが、マイナンバー制度自体がなくなったわけではありませんので、記載を省略する場合には、一定のルールに従って行う必要があります。上記でお話しした二つの方法にもより具体的な要件が定められており、それらを正確に理解し、実行する必要があります。詳細については、弥生の業務情報ページでも情報発信しておりますので、是非ご確認下さい。
posted by 岡本浩一郎 at 20:59 | TrackBack(0) | 業務