2017年04月06日

BCG経営コンセプト

少し前に、「BCGのワザ」という記事を書きました。プレゼンの資料作成テクニックはボストン コンサルティング グループ(BCG)で学んだ、というもの。

これはこれで事実なのですが、BCGの価値はプレゼンや資料じゃないだろ、という突っ込みが内輪から入りそうです(苦笑)。はい、その通りです。前回の記事でも、経営コンサルティング会社にとって本当の成果物は、お客さまの業績であり、プレゼンではない、と書きました。プレゼンはあくまでも手段である、と。

本当の成果物は、お客さまの業績。そういった観点から、かつては正論を言うだけと見られがちだった戦略コンサルティングファームも、実践に力点を置くようになっています。Make It Happen。お客さまの進むべき道を提言するだけではなく、その際に必要となる改革をお客さまと共に実行する。どんなに価値のある戦略であったとしても、それが実行・実現されない限り、価値はありません。実際、私自身も経営者として、より多くの時間を割いているのは、圧倒的に「実行」、Make It Happenです。

一方で、正しい道を向いていない限り、どんなに頑張って実行したところで、結果につながらないのも事実。仮にマクロ的な力によって、どんどん市場が縮小しているような状況であれば、その市場の中でどんなにもがいたとしても結果にはつながりません。この場合は、市場の定義をどう変えるかを考えるべき。

つまり、何だかんだ言って戦略は大事。もちろん実行も大事。

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BCGがその名の示す通りボストンで生まれたのが1963年。東京オフィスができたのが1966年。昨年2016年はBCG東京オフィスの50周年でした。この機会をあわせて、出版されたのが、BCG経営コンセプト 市場創造編BCG経営コンセプト 構造改革編という2冊の本。前者は内田さん、後者は菅野さんといずれも私がBCG在籍中にお世話になった大先輩です。お二人は既にBCGを卒業され、今はお二人とも早稲田大学ビジネススクールの教授です。

内容の解説は私にとって荷が重い(苦笑)ので、是非実際にお読み頂ければと思うのですが、この二冊は二つの意味で味わうことができると思います。

一つはBCGが提唱する経営コンセプトであり経営戦略の進化を理解するという意味で。BCGはその誕生から、戦略に特化したコンサルティングファームとして実績をあげてきました。「エクスペリエンス・カーブ」「プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント」などの経営コンセプトは、経営戦略をかじったことのある人であれば一度は耳にしたことがあるのではないかと思います。これらの経営コンセプトは時代の流れを超え、今でも有効です。同時に、グローバル化やデジタル化といった時代の波にあわせ、新たな経営コンセプトも生まれてきています。こういったBCGの経営コンセプトの進化を理解するというのが一つの味わい方。

もう一つはBCG自体の進化を理解するという意味で。BCGもそれ自体が会社ですから、生き残りのためには進化が必要。戦略コンサルティングファームでも、かつての成功モデルを粛々と繰り返しているだけでは継続的な成功は実現できません。BCGの提供する価値は、かつては戦略でとどまっていたものが、やがて、実行にまで広がり、そして今、戦略、実行に加え、コンサルが一緒にいるからこそ実行できるのではなく、自社で戦略を立案・実行し、成果をあげられる組織能力の構築(Enablement)にまで広がってきています。つまりBCG自体も明確な戦略を持ち、進化してきたからこそ今があるわけです。

本当のBCGの「ワザ」を是非ご堪能下さい。
posted by 岡本浩一郎 at 18:35 | TrackBack(0) | ビジネス