2017年04月10日

メガトレンド

前回、BCG経営コンセプト(市場創造編構造改革編)という二冊の本をご紹介しました。内容の解説は私にとって荷が重いので、是非実際にお読み頂ければと書いたのですが、一点だけもう少し掘り下げてみたいとと思います。それは、市場創造編のP121でコラムとして紹介されている「メガトレンド」。

事業環境が劇的に変化する中で、将来の予測が難しくなってきています。そんな中で、どうせ将来を見通せないからと中期経営計画の策定をやめる会社もあるようですが、将来の予測が難しくなってきているからこそ、不確実な将来に備え、適応力を高めることが必要です。そのために有効な手法のひとつがシナリオプランニングであり、そのシナリオを作成する上では、「世の中の大きな変化を正確にとらえ、自社のビジネスにあてはめて考えることが重要」となります。

世の中の構造的な変化、それが「メガトレンド」です。「10〜20年の長期スパンにわたり非常に高い確からしさで発生することが予見される、非連続かつ不可逆な変化の潮流」。今日/明日を変えるものではないが、深いところで確実に人や社会のあり方、ビジネスのあり方を変える大きな流れ。

ちょうど今日、厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所は、長期的な日本の人口を予測する「将来推計人口」を公表しました。今から約50年後の2065年の日本の人口は、15年比3割減の8,808万人という試算。これでも近年の30〜40歳代の出生率の実績が前回推計より上昇していることを踏まえ、若干の上方修正だそうです。とはいえ、50年後には日本の人口が今より3割も減少しているというのは、将来のビジネス環境を考えると途轍もない程の影響をもたらします。単純に言って市場が3割も目減りすれば、多くの事業は成り立ちません(実際には、高齢者向けなど伸びる市場もあるでしょうし、採算性の悪い事業者が淘汰されることによって、残存者利益が生じるといったこともあるでしょうが)。

ただ、この人口減少というメガトレンドは今日/明日の市場、あるいは、今期の売上に直接的に影響があるわけではありません。そういった意味で無視するのは容易ですが、企業の将来戦略を考える上では、むしろ出発点として考えるべきです。

弥生の経営を考える上でも、こういったメガトレンドが出発点になっています。人口が減っていく中で労働集約型の業務がどうなっていくのか。今は人を採用することが比較的容易でも、5年後、10年後に同様とは限りません。ITの力を活用し、お客さまの業務をどのように効率化するか(もちろん弥生自身の業務も効率化する必要があります)。最近は、なんでもかんでもAI(Artificial Intelligence, 人工知能)と言われるので(コンピュータで処理するものは全て?)、やや食傷気味ですが、こういった技術を活用して、人間がやらなくてもよい業務を自動化し、逆にそれによって人間がやるべき業務に集中できるようにするべきだと考えています。

もちろんITは手段でしかありませんし、個人的には今の極端なAI万能論は行き過ぎで、そう遠からずAIバブル(?)が崩壊することもあるのではないかと考えていますが、それでも、本質的に価値を提供できる技術は残り、私たちの生活であり、業務を大きく変えていくでしょう。

弥生がクラウドに取り組むのも、流行りだからではなく、それが中央集中への回帰というメガトレンドだからと考えているからです。ただ、クラウドもあくまでも手段に過ぎませんから、クラウドという中央集中ならではの管理効率の高さと、ローカルの使い勝手の良さの組み合わせを目指すべきだと考えています。

弥生がなぜクラウドに取り組んでいるのか、その裏にどういったメガトレンドを見ているのか、については、本ブログでお話ししたつもりだったのですが、今確認してみるとキチンとお話しした記事はないようなので、また改めて書いてみたいと思います。AIについても、また機会をみてお話ししたいと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 20:25 | TrackBack(0) | ビジネス