2018年03月07日

仮想通貨の確定申告(その1)

3月に入って、確定申告も後半戦です(所得税の確定申告は3/15(木)が申告期限)。やよいの青色申告 18の販売本数も週ごとに着実に増えていますし、また、弥生オンライン(やよいの白色申告 オンライン/やよいの青色申告 オンライン)も顕著にアクセスが増えてきています。

さて、今年の確定申告での大きな話題と言えば、仮想通貨の確定申告。仮想通貨の代表格であるビットコイン(BTC)は2009年に運用が開始されていますので、もうそれなりな期間存在してきている訳ですが、昨年大きく値上がりしたこと(昨年初で1 BTCがUS$1,000以下だったものが、昨年末には$15,000前後に10倍以上値上がりした)を受け、税務上の扱いが注目されるようになりました。また、これを受けて、昨年に国税庁より仮想通貨の所得税上の取扱いが公表され、確定申告が必要であることが明確化されました。

こちら(pdf)は国税庁が昨年12月に公開した「仮想通貨に関する所得の計算方法等について(情報)」という資料ですが、冒頭に書かれている通り、仮想通貨を売却又は使用することにより生じる利益については、原則として、雑所得となります。雑所得というのは、他の9種類の所得(事業所得や不動産所得、給与所得など)のいずれにも当たらない所得をいい、公的年金等、非営業用貸金の利子、著述家や作家以外の人が受ける原稿料や印税、講演料や放送謝金などが該当します。

資産運用の手段としては、他に株式外国為替証拠金取引(FX)先物取引などがありますが、これらは、他の所得の金額と区分して税金を計算する「申告分離課税」という仕組みがあります。これらの申告分離課税は、所得税15%の税率に固定されています(この他、地方税5%および復興特別所得税が課せられます)。

これに対して、仮想通貨は雑所得として他の所得と合算の上、合計の所得金額に対して課税される総合課税となります。総合課税の場合は、最高で45%の所得税率(課税対象の所得金額が4,000万円以上)となりますから、地方税10%および復興特別所得税とあわせ、最大で利益の半分以上を課税されることになります。

こうやって見ると、仮想通貨は(少なくとも昨年は)大きく儲かった一方で、税制面では圧倒的に不利であることがわかります。ただ、これは税制が実態に追いつくまでの一過性の現象なのではないかと思います。FXには業者との相対取引になる店頭FXと取引所での取引となる取引所FXがありますが、かつては店頭FXが総合課税、取引所FXは申告分離課税と、税制上の扱いが異なっていました。しかし、これはFX取引の普及もあり、2012年に、申告分離課税に一本化されています。この例に倣えば、仮想通貨も、投機ではなく、資産運用の手段として定着するようであれば、申告分離課税として制度が整備されうるのではないかと思います。

とはいえ、少なくとも今年はまだ雑所得として申告し、総合課税を受ける必要があります。長くなってしまいましたが、次回には、雑所得としての申告について、もう少しお話ししてみたいと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 20:13 | TrackBack(0) | 税金・法令