2018年05月23日

新元号は来年4月公表

先週、政府は来年5月1日に切り替わる新元号について、同年4月1日の公表を想定して準備を進めると発表しました。日経では、「新元号公表、改元1カ月前に システム改修対応促す」との見出しで記事となりました。

しかし、この見出しに違和感を感じたのは私だけでないはず。特にIT業界の人は等しく、「エッ?」と思われたのではないでしょうか。半年前に公表するからシステム改修の対応を、であればまだわかりますが、1ヶ月前で、改修せよと言われても。

システムで新元号に対応する範囲は大きく入力系と出力系に分かれます。入力系は、新元号で日付を入力できるようにする対応。出力系は、新元号で帳票等を出力できるようにする対応。一定の条件の下で、入力系の対応は相対的に容易ですし、ある程度見切りで準備を進めることもできます。一定の条件とは、明治以降と同様に、漢字二文字であること、また、頭文字がM(明治)/T(大正)/S(昭和)/H(平成)以外であること。漢字二文字はほぼ間違いないと思っていますが、万が一頭文字が重なったら結構大変です。

より大変なのは出力系。元号表記で出力する帳票一つ一つで対応が必要になります。弥生が提供する製品/サービスでは50以上の帳票で対応が必要になることがわかっています(なおかつ、デスクトップの弥生会計とクラウドの弥生会計 オンラインでは原則としてそれぞれでの対応が必要となります)。これも漢字二文字という前提に立てばある程度の事前準備はできますが、最終的には全帳票、実際に出力して確認し、必要に応じて調整する必要があります。また、元号をそのまま出すのではなく、選択肢から選んで丸で囲むといったような帳票については、新元号の発表だけでなく、新元号対応となった帳票の発表を待つ必要があります。

もともとはカレンダーの印刷が間に合わない等々の理由で、それなりに前倒しで発表されるという見通しもあったのですが、天皇陛下の在位30年記念式典をふまえ、式典(来年2月24日)以降で新元号を公表する検討が進められていました。今回は、「早く公表すると、国民の関心が新天皇に向かい、いまの天皇陛下を軽んじることになりかねない」との指摘があった、ということで、公表時期を可能な限り実際の改元に近づけることになったようです。

元号が単なる年号でなく、象徴的なものであることは異論はありません。「平成」も(それ以前の元号もそうですが)日本としてありたい姿を示す象徴だと考えています。そういった観点では、早めに新元号を公表すべきでないという考え方は理解できます。そもそも昭和天皇が崩御された際には、(当然のことですが)事後での新元号発表となりましたから、事前にわかること自体が異例です。

ただ、これだけIT化が進んだ中(それこそ30年前とは比較になりません)で、システムとして処理すべき対象が明らかにならないのは大きな課題です。いっそのこと、元号は純粋に象徴として位置付け、業務や日常生活で使用する年号はすべて西暦に統一した方がいいのではないでしょうか。以前も書きましたが、弥生としても、官公庁が西暦表示に変えて頂けるのであれば、喜んでそれに対応したいと思います。

象徴と位置付けるのであれば、事前に公表する必要性もないですし、新しい天皇陛下の即位と共に、新たな時代の幕開けを純粋に喜ぶことができると思うのですが。
posted by 岡本浩一郎 at 18:12 | TrackBack(0) | ビジネス