2018年10月30日

前半戦終了

今月半ばから開催している弥生PAPカンファレンス 2018秋ですが、広島、大阪、名古屋を終え、これで前半戦が終了です。

今回のPAPカンファレンスのテーマは、業務の効率化。数年前から都市部では採用が難しくなってきているという声があがっていましたが、ここ一年ほどは全国どこでも、採用できないというのが会計事務所共通の悩みになってきています。そういった中で、事業者にとっても、会計事務所にとっても業務の効率化は大きなテーマです。今回のPAPカンファレンスでは、弥生の提供する製品/サービスを活用して大幅な業務効率化を実現した実際の事例を会計事務所から発表頂いています。

こうやって業務を効率化しましょう、というのはPAPカンファレンスに限らず弥生から日頃発信していることではあるのですが、やはり実践し、なおかつ結果を出している方の話は説得力が違うというのはカンファレンスの際にお願いしているアンケートの結果でも明らかです。事例発表では、弥生への要望などもかなりストレートにお話しして頂いています。弥生が変に歪めることなく、ありのままをお話し頂くことが何よりも大事だと考えています。

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ということで、メインのコンテンツは事例紹介なのですが、その前に、私の方から、「弥生の現況と今後の計画について」と題したプレゼンを行っています。ここ数年間、できるだけ現場に任せたいということで(ここは現場から異論があるかもしれません、苦笑)、私がプレゼンする機会を減らしつつあるのですが、今回に関しては、私がどうしてもお話ししたいと思った内容です。それは今見えている業務効率化の先にある世界。今ある業務を効率化することも大事ですが、2020年代には、そもそもその業務自体が劇的に変わっていく、極端な話、なくなっていくのではないかと考えています。なぜそう考えるのか、そしてその流れに対しどういった対応をすべきなのか、私なりの考えをお話ししています。出し惜しみをする訳ではありませんが、具体的な内容は是非PAPカンファレンスにご参加頂ければと思います。

後半戦の再開は11/8(木)の東京会場となります。その後は、札幌(11/13)、福岡(11/16)と続き、仙台(11/21)で千秋楽となります。後半戦でも多くのパートナーの皆さまとお会いできることを楽しみにしております。
posted by 岡本浩一郎 at 18:17 | TrackBack(0) | 弥生

2018年10月26日

お客さまのことを考える

今日は大阪でのPAPカンファレンスということで、早朝から大阪入り。大阪伊丹空港から、淀屋橋のオフィスまではいくつかのコースがあるのですが、モノレールで千里中央に出て、そこから御堂筋線(北大阪急行線)というのが典型的なコース。モノレールを降りると、野村證券の千里支店の前を通ります。この千里支店は私にとっては思い出深い場所。ある意味私のキャリアの一つの転換点になった場所です。

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私は毎月社内報に記事を書いているのですが、実は弥生の社長に就任して最初に書いた記事(2008年5月!)でこの千里支店のことを書いています。

--(以下引用)--
皆さんご承知のように、私は元々はエンジニアの出身です。エンジニアと言えば、オフィスにこもってコードを書くのが仕事と思われがちですが、エンジニアであっても、お客さまを理解し、そのニーズにお応えすることは絶対に必要なことです。私は野村総合研究所(NRI)という会社で社会人人生をスタートしました。NRIは野村證券と資本関係があり、野村證券のシステムを構築・提供しています。このため、NRIでは全ての新人エンジニアは一年目中に野村證券の支店での一ヶ月間の研修を義務付けられています。私の場合は大阪の千里支店でした。この一ヶ月の体験が私のエンジニアとしての価値観を大きく左右したと言っても過言ではありません。

支店で驚くと同時にショックだったのは、鳴り物入りで開発された機能が全く使われていないこと。どこの会社でもよくある悩みですが、当時の野村證券ではお客さまに関する情報を担当営業のみが持っていることが大きな問題になっていました。担当営業が異動になると、お客さまに関する情報が失われてしまい、後任の担当営業が一からやり直すという繰り返しでした。そこで、野村證券はお客さまとの接触履歴を記録するシステムを開発し、全店に導入したのです。これは1991年のことですが、今で言うCRM(Customer Relationship Management)の先駆けというべきものです。

ただ、これは会社の「こうしたい」であって、使う人(営業)の「こうしたい」とは全く一致していなかったのです。営業としてはお客さまとのやり取りこそが生命線であり、それを(システムを通じて)全社で共有するのは下手をすれば自分の業績にひびくと考えていたわけです。情報を共有することがお客さまと会社にとってどんな意味があるのかをキチンと示す、また情報を共有するインセンティブを提供していれば話は別だったのでしょうが、結果的には全く使われないシステムができてしまったわけです。エンジニアとしての自分に自信を持ち、良い物を作っていると思っていた私にとっては非常にショックな出来事でした。

弥生はテクノロジーカンパニーですが、お客さまに利用されないテクノロジーには何の意味もありません。お客さまに使って頂き、お客さまに喜んで頂くためには、やはりお客さまが何を考え、何を求めているのかを正確に理解する必要があります。これは製品に限ったことではなく、サービスの提供でも同じです。お客さまに利用されない、評価されないサービスは自己満足にしか過ぎません。

社員一人一人が常にお客さまのことを考え、何ができるかを考える。その積み重ねが弥生の将来につながっていくものと信じています。
--(引用ここまで)--

もう30年近く前のことですから、当時自分がどのように千里支店に通っていたのかすら覚えていない(豊中にあった寮にお世話になっていたことは覚えています)のですが、エンジニアとしての大事な学びは今でも自分の礎になっています。テクノロジーが進化し、ある意味何でも実現できるようになってきた中で、お客さまのことを考え、何ができるかを考え続けることの必要性はますます高まってきていると感じます。
posted by 岡本浩一郎 at 12:21 | TrackBack(0) | 弥生

2018年10月23日

ムーアの法則

先日ネットで懐かしいものを見つけました。X1turbo。「ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・マイコンたち」という企画の一環ですが、まさに私のPCライフの入り口となった想い出のPCです。以前アスキーでの連載でも書いたこともありますが、私にとってコンピュータの入り口となったのがPC-1251というポケコン。そして初のパーソナル・コンピュータとなったのが、このX1turboという訳です。

X1turboは、TVが見れる、そしてTVの画像とコンピュータの画像を重ねて表示できるなど、まだまだ事務機のイメージの強かったパソコンの常識を覆した存在でした。この記事に登場している実機はそんなX1turboらしく、赤色。ただ、私自身が購入したのは、地味なグレーでした。X1turboが登場したのが記事中にある通り1984年(正確には1984年10月)でしたが、購入したのは1985年の年明け。それまで溜めに溜めたお年玉をはたいての、まさに清水の舞台から飛び降りる思いでの購入でした(モニターとあわせて当時の価格で30万円越えですから、中学生のお買い物としては相当なものです、ただ中学生にとってパソコンにかこつけて自室でTVを見れることのメリットは想像して頂けるかと)。

これだけで終わると芸がないので、ふと思い付いて簡単な計算をしてみました。半導体業界では「ムーアの法則」という有名な法則があります。半導体は1~2年という短期間で性能が2倍に向上するというもの。私が1985年に購入したX1turboのメインメモリは64KB(そうです、「ギガ」でも「メガ」でもなく、「キロ」バイトです)。これが2年に2倍の割合(1年では1.414倍)で増加したとすると、2018年には、じゃじゃーん、5.66GB。最近のPCのメインメモリは少なくとも、2GB、しっかりしたものでは8GBぐらいが相場だと思いますので、5.66GBといえばこの中間ですから、まあだいたい当たっていることになります。

ちなみに、これが1年に2倍のスピードだと、2018年にはなんと524,288GB(524TB)になる計算になります。逆に3年で2倍のスピードだと2018年でいまだに0.13GB(128MB)にしかなっていない計算になります。1年で何倍という計算を30年以上分繰り返すことになりますので、1年では僅かな差が2018年には大きな差を生んでしまう訳です。

そう考えると、30年以上経てそれなりに言い当てている訳ですから、この2年に2倍というムーアの法則は非常に高い予見性を持っていることになります。ただ、1985年に64KB、1986年に90KB…と計算し、毎年、その年の典型的なPCのスペックと比較するとそれなりなずれが生じることもあるため、一定の時間の幅の中で、ある程度の幅を持った予見性があるということかと思います。実際、ムーアの法則で「1年に2倍」なのか、「18ヶ月に2倍」なのか、「2年に2倍」なのかは諸説あるようで、その真相を追ったこの記事もなかなか面白い読み物になっています。
posted by 岡本浩一郎 at 21:01 | TrackBack(0) | テクノロジー

2018年10月19日

弥生 19 シリーズ一斉発売

本日、10/19(金)に弥生は、弥生 19 シリーズを一斉発売しました。私は今日は大阪への出張ということで、恒例の部屋の模様替えは数日前に済ませました。毎年のことですが、部屋を模様替えすると、今年もこの時期が来たか、と気が引き締まります。

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今回もイメージキャラクターは芳根 京子さん。この一年での芳根さんの活躍には目覚ましいものがありますね。昨年のパッケージはほわっとした優しい感じでしたが、今年のパッケージは動きがあるシャープな感じ。これは是非家電量販店の店頭で見て頂きたいです。

今日は大阪の主要量販店を視察しましたが、店頭はなかなかいい感じ。ただ、郊外のお店については、展示が新製品に入れ替わるのに少々時間がかかるケースがあります。その場合も、在庫は既に入っていることがほとんどですので、旧製品が展示されている場合には、店員さんにご確認頂ければ幸いです。

弥生 19 シリーズのプレス発表を行ったのが先週のこと。今週には安倍首相による消費税率の予定通りの引き上げの正式表明があり、何ともタイムリーな製品発売になりました。もちろん、弥生 19 シリーズでは、来年10月からの消費税率10%、そして軽減税率8%に対応しています。

ただ、消費税率10%はともかく、軽減税率は相当な難物です。軽減税率8%での記帳はできても、そもそも何が軽減税率に該当するのかもまだまだ不透明な部分(コンビニのイートインが飲食禁止になる?、という不思議な報道もありましたね)があります。弥生はこれまでも、ソフトを提供して終わりではなく、業務面でどのように対応すべきか、お客さまのサポートを行ってきました。ひとまず弥生 19 シリーズを無事にリリースすることはできましたが、お客さまの業務を支えるという意味では、本番はまさにこれからです。
posted by 岡本浩一郎 at 18:34 | TrackBack(0) | 弥生

2018年10月17日

PAP9,000

弥生は先月末となる9月末でカレンダーより一足早く2018年度(FY18)を終えましたが、その9月末で一つのマイルストーンを達成することができました。タイトルでバレバレですが、弥生の会計事務所パートナー(PAP)がついに9,000会員を突破しました。もともとFY18中に9,000会員達成を目指していましたが、結果としてはギリギリ。期末となる9月末での9,000会員(正確には9,007会員)達成となりました。

PAP会員数が7,000を超えたのが2016年5月、7,500を超えたのが2017年1月、8,000会員が2017年8月、そして8,500会員が2018年2月。これまで最高のペースだったのは、2015年4月の6,000会員から2016年5月の7,000会員。実に1年1ヶ月で1,000会員増えたことになります。7,000会員から8,000会員は若干ペースが落ち、1年3ヶ月。今回は再びペースアップし、過去最高に並ぶ1年1ヶ月ということになります。

ただ、PAP会員数についてお話しする際には必ず触れていることですが、PAPはパートナー制度であり、数は最優先ではありません。一番大事なのは、パートナーとして、中小企業・個人事業主・起業家を支えるという志をキチンと共有できていること。そのために、特にこの数年は会員数を増やすこと以上に、パートナーシップを強化することに注力しています。

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はい、もうおわかりですね。そうです、PAPカンファレンスのご案内です。あれ、つい最近もやっていたのでは、と思われるかもしれません。確かに前回は6月から7月に全国5会場で開催しました(開催報告はこちら)から、それほど間はあいていません。

ただ、これまでは弥生からの情報発信が足りていなかったという反省もあり、これまで以上にキチンとこういった場を開催していきたいと思っています。もちろん、単純にパートナーシップを強化したいという弥生の想いだけでは一方通行。今回も来て良かったと思って頂ける内容でなければなりません。今回は弥生の新製品発売のタイミングでもあり、新製品に関する情報も大きなテーマですが、メインはやはり業務効率化。これまでのPAPカンファレンスでも、事例紹介は、自分事として理解しやすい、刺激になると毎回好評です。今回も、業務効率化に取り組み、成果を上げている会計事務所に事例紹介をお願いしています。

今回は札幌、仙台も加え、全国7会場での開催となります。お申込みはこちらから(PAP会員ログインが必要です)。当然のことながら、私は今回も全参加。PAP会員の皆さまにお会いできることを楽しみにしています。
posted by 岡本浩一郎 at 19:53 | TrackBack(0) | 弥生

2018年10月15日

正式表明

既に報道等で目にされている方も多いと思いますが、安倍首相は今日午後の臨時閣議で、来年10月に消費税率を予定通り8%から10%へ引き上げると正式に表明されました

弥生がお客さまに提供している価値の大きな柱は、法令改正にしっかりと対応することによってお客さまの業務を支援すること。つまり、弥生として価値をしっかりと提供するタイミングがやってきたということで、身が引き締まる思いです。

ただ、来年10月の消費税率10%と同タイミングでの軽減税率導入は、法令という観点では既に決まっていたこと。ですから、来年10月の消費税率10%と同タイミングでの軽減税率導入については、弥生製品では既に弥生 17 シリーズから、法令で明らかになっている範囲において、対応済みです。また、既に軽減税率対応のための特設サイトも開設し、情報提供を行っています。

もっとも今回は、あくまで意向表明ということで、最終決断ではないとのこと。閣議後の記者会見で、菅官房長官は「リーマンショックのようなものがない限りは、引き上げる」、最終決断については安倍首相が「状況をみながら判断されるだろう」と話されていました(首相官邸サイト)。ですから、冷静に考えれば、法令的には決まっているけれども、最終的な決断は別途なされるという状況はこれまでと変わらないとも言えます。

それでも、このタイミングでの正式な意向表明は、消費税率10%への引き上げ前後で過度な駆け込み需要とその反動がでないよう、そして経済に悪影響がでないように万全を期すという強い意志の表れかと思います。弥生としても、この大きな法令改正を、お客さまである事業者の皆さまが、さらにもっと言えば、日本全体が乗り切ることができるように最大限の努力をしていきたいと思っています。
posted by 岡本浩一郎 at 22:02 | TrackBack(0) | 弥生

2018年10月11日

弥生 19 シリーズ、10/19(金)一斉発売

今日午前中に、秋葉原UDX 8Fのヤヨイヒロバで、弥生の新製品発表会を行いました。これまでもお話ししているように、ヤヨイヒロバは社内/社外のイベントなど多用途に使えるスペース。当然記者発表会での活用も想定されていましたが、実際に活用するのは今回が初めてです。

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今回は、弥生のデスクトップアプリケーション、弥生 19 シリーズについて発表させて頂きました。弥生シリーズには、デスクトップアプリケーション(弥生 XX シリーズ)とクラウドアプリケーション(弥生オンライン)の両方が存在しますが、今回発表したのは前者。ちなみに、もちろん後者も機能改善/強化を継続的に行っているのですが、明確なバージョンの切れ目がないため、なかなか新製品発表会といった形でお話しする機会が作れていません。これは要改善ですね。

今回の弥生 19 シリーズでの大きなテーマが法令改正対応。来年には、新元号に改元されること(2019年5月)、消費税率が10%に引き上げられると同時に軽減税率が導入されること(2019年10月)が決まっています。これ自体は広く知れ渡っている事実かと思いますが、ただ、それらが業務上どういったインパクトをもたらすのか、については必ずしも理解が深まっていないと感じています。また、法令改正という観点では、実は新元号と消費税10%/軽減税率はこれからやってくる大きな波の第一波に過ぎません。

今回の新製品発表会では、今後どういった法令改正が予定されているのか、そしてそれらによって、お客さまにどういった影響が生ずるのか、そして弥生はどうやってお客さまを支えていくのか、といった観点でお話しさせて頂きました。今後本ブログでも少しずつお話ししていきたいと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 19:16 | TrackBack(0) | 弥生

2018年10月09日

2年振り

昨年は買おうかどうしようかと思いつつ結局買わずに済ませてしまい、今年もどうしようかなと思わせぶりなことを書きましたが、結局買いました。iPhone XS。iPhone 7以来、2年振りのiPhone購入ということになります。

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正直なところ最低でも12万円以上というお値段もあり、かなり迷いました。iPhone 7で特段困ることはありませんでしたし、iPhone 7でも、新しくリリースされたiOS 12をインストールすれば、さらにサクサク動くという評判もありましたので。結局のところ、テクノロジーを商売としている上で、イマドキを体感していないことは宜しくない、という高度に政治的な(笑)判断の結果、2年振りの買い替えとなりました。

購入してちょうど一週間。感想としては、良くも悪くも違和感がないな、というところ。色々と変わってもやはりiOSは使いやすいな、と感じます。ボタンがなくなってFace IDになることを心配はしていたものの、意外に人間は慣れるもの。これはこれでありだな、という感じです。

ただ、机の上に置いたまま使う、例えば、ちょっとメールを確認したいとか、ちょっと計算機を使いたいという時に、これまでは指を伸ばしてTouch IDでロックを解除でき、用件を済ますことができていたのが、Face IDでは、自分の顔を画面の前まで持っていく、もしくは、iPhoneを自分の顔に正対するように持ち上げる必要があるというのが、ちょっと面倒くさいように感じます(怠け者の悩み?)。

一方で大きく進化している(はず)といえば、カメラ機能でしょうか。週末のキャンプの際はデジカメを持参せず(忘れただけ)、iPhone XSで済ませましたが、これでも十分かも、と思うレベルです。ただ、暗い中での撮影は、やはりちゃんとしたデジカメの方がいいようには思います(まだiPhone XSを使いこなせていないだけかもしれませんが)。

カメラもそうですが、まだ使いこなせていない機能が色々とありますので、もう少しいじってみたいと思います。この値段だと、毎年買い替えはなかなか痺れるので、2年間はしっかりと使い込むことになりそうです。
posted by 岡本浩一郎 at 23:51 | TrackBack(0) | パーソナル

2018年10月05日

シンプルでわかりやすいのが一番

前回は、国税庁の消費税軽減税率制度に関するパンフレットを「わかりにくい」と突き放してしまいましたが、これはパンフレットの作り方の問題というよりは、そもそも制度自体が複雑だから。

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消費税率の引き上げも含め、増税の方向性にある中で、国としても、税制をしっかりと理解してもらおうという努力はしていると思います。税制がしっかり理解されてこそ、税負担の納得感が生まれる訳ですから。そういった意味で、今年6月に作成された「もっと知りたい税のこと」というパンフレットは比較的わかりやすく、かつコンパクトにまとまっていると思います。この冊子の8ページ目を見れば、平成に入ってから国の収入(税収)と支出(歳出)のバランスが大きく崩れはじめたことがよくわかりますし、同時に高齢化が進む中で勤労世代など特定の者に負担が集中せず、高齢者を含めて国民全体で広く負担を分かち合うために消費税が重要になってきている(P6)といったことも理解できます。

一方で、本当の意味でわかりやすくするためには、そもそも制度としてシンプルであることが大事だと思いますが、現実の税制はそうなってはいません。むしろ以前も書いたように、逆の方向に行っているような気がします。例えば、平成30年度税制改正で決まった基礎控除の変動化。これまで基礎控除は一律、誰でも同じ金額でした。誰でもに認められるから「基礎」な訳です。しかし、今後(2020年から)は、合計所得金額2,400万円超で基礎控除額が逓減を始め、2,500万円を超えると基礎控除がなくなることになりました。つまり本来は誰にでも認められる基礎控除だけれど、実際には認められない人も出るということです。

基礎控除は所得控除であり、税率が高い人ほど税の低減効果が高い(例えば税率が10%の人にとっては3.8万円の低減効果があるのに対し、税率が40%の人には15.2万円の低減効果がある、つまり逆進性がある)ということが必ずしも公平ではない、という指摘自体はその通りだと思います。しかしそれであれば、基礎控除を所得控除(所得額から控除する)のではなく、税額控除(税額から控除する)にすればいい話です(あくまでも一つのやり方ですが)。例えば、基礎控除は「基礎」だけに誰にでも認められる、ただし、所得控除ではなく、税額控除(例えば4.8万円)とする。これであれば、シンプルでわかりやすいですよね。

実は今回の平成30年度税制改正の大元となっている与党による平成30年度税制改正大綱では、税額控除方式のメリットを認めています。しかし同時に、「現行の所得控除方式から変更した場合、負担の変動が急激なものとなりかねないことから」見送り、現行の所得控除方式の建て増しである「逓減・消失型の所得控除方式」を採用しています。

この建て増しの最たるものが、平成30年度税制改正で導入が決まった所得金額調整控除。これは、「子育てや介護に対して配慮する観点から」子育て世帯や介護世帯は「負担増が生じないよう措置を講ずる」として生まれた控除。乱暴に言ってしまうと、特定のケース(子育て世帯や介護世帯)に該当する場合の数字の辻褄合わせなので、かなり複雑な条件設定が必要になります。具体的には、「その年の給与等の収入金額が850万円を超える居住者で、特別障害者に該当するもの又は年齢23歳未満の扶養親族を有するもの若しくは特別障害者である同一生計配偶者若しくは扶養親族を有するものの総所得金額を計算する場合には、給与等の収入金額(その給与等の収入金額が1,000万円を超える場合には、1,000万円)から850万円を控除した金額の100分の10相当額を、給与所得の金額から控除する」。

これをすっと理解できる人はいるのでしょうか(苦笑)。上で紹介した「もっと知りたい税のこと」でも、この所得金額調整控除は説明が難しいのか、「措置を講じています」という曖昧な表現に留まっています

会社を運営している中では、様々な業務上のルールが生まれます。そしてそれらがどんどん積み上がっていき、そのうち、誰も何故このルールなのか説明ができなくなっていく。だからこそ、定期的に業務の棚卸を行い、複雑性を排除する必要があります。そうすることによって、担当者が変わっても、会社を安定的に運営できるわけです。複雑な税制をいかに説明するかという努力も大事だとは思いますが、そもそも税制をいかにシンプルにするかという努力が必要なのではないでしょうか。
posted by 岡本浩一郎 at 19:33 | TrackBack(0) | 税金・法令

2018年10月03日

一年後

今から一年後の2019年10月には、消費税率が10%に引き上げられると同時に、軽減税率制度が実施される予定です。既に法律としては成立している訳ですが、これまで2回に渡って延期されてきただけに、来年10月に本当に実施されるのか、現時点ではまだ不透明さが残ります。ただ、現在の経済/政治を取り巻く環境や各種の報道を見る限り、三度目の正直になるように見受けられます。

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最近では、国税庁から消費税軽減税率制度に関するパンフレット(pdf)が事業者に送付されており、いよいよ実施に向けて本格的に動き出したことを感じさせます。

ただ、消費税率10%はともかく、軽減税率に関しては、一年後の実施は、本当にやるの、というのが正直なところ。そもそも軽減税率に関しては、会計業界は猛反対。私も、得られるもの(軽減税率によってもたらされる効果)以上に失うもの(軽減税率を実施することによる社会的コスト)が圧倒的に大きいことから、個人的には明確に反対です。今からでも止めるのは遅くない、と思っています。

とはいえ、法律として定まっている以上、現実から目を背けるわけにはいきません。やる以上は、お客さまの業務に支障が出ないように何とか支えていくしかありません。先述のパンフレットも、率直に言ってわかりにくい。制度自体が複雑なので、どうやっても説明が難しくなってしまうのですが。弥生でも特設サイトで情報提供を行っていますが、どうやってわかりやすくお伝えするか、四苦八苦しています。

色々な事業者の方とお話ししていると、誤解があるな、と思うのは、軽減税率制度は自分には関係ないと思っている事業者の方が多いこと。確かに軽減税率の対象になるのは、主に飲食料品ですから、特に影響を受けるのは、飲食料品を販売する小売業/卸業などが中心になります。一方で、どんな事業者でも、来客時にお出しするために、お茶やお水などを購入していますよね。経費に占める割合は極小だと思いますが、それでもそれらを軽減税率対象として正しく処理しないと、結果として消費税の過少申告になってしまいます。

例えばお茶やお水に年間1万円の経費がかかっているとして、これを軽減税率として正しく処理しないと、200円(10%と8%の差額)だけ消費税を過少申告してしまうことになります。事業者からするとごく少額の消費税であれば、下手に厳密に区分する手間をかけるよりは、多めに払ってしまった方がトータルなコストで言えば安くつく、と考えるでしょう。ただ、実際には、厳密に区分しない限り、少なめに申告することになってしまう訳です。一方で税務署としても、200円消費税が過少ですよ、と追求することがコスト的に合理的かというと、明らかにそうではありませんが、かといって過少申告をよしとするわけにもいきません。

正直に言って、本当にやるの、はともかく、本当に実務として成立するの、というのが軽減税率制度の現状。しかしその実施に向けて残された時間は一年を切りました。お客さまの業務に支障がでないよう、何ができるのか。弥生の実力が問われると感じています。
posted by 岡本浩一郎 at 19:46 | TrackBack(0) | 税金・法令