2018年10月03日

一年後

今から一年後の2019年10月には、消費税率が10%に引き上げられると同時に、軽減税率制度が実施される予定です。既に法律としては成立している訳ですが、これまで2回に渡って延期されてきただけに、来年10月に本当に実施されるのか、現時点ではまだ不透明さが残ります。ただ、現在の経済/政治を取り巻く環境や各種の報道を見る限り、三度目の正直になるように見受けられます。

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最近では、国税庁から消費税軽減税率制度に関するパンフレット(pdf)が事業者に送付されており、いよいよ実施に向けて本格的に動き出したことを感じさせます。

ただ、消費税率10%はともかく、軽減税率に関しては、一年後の実施は、本当にやるの、というのが正直なところ。そもそも軽減税率に関しては、会計業界は猛反対。私も、得られるもの(軽減税率によってもたらされる効果)以上に失うもの(軽減税率を実施することによる社会的コスト)が圧倒的に大きいことから、個人的には明確に反対です。今からでも止めるのは遅くない、と思っています。

とはいえ、法律として定まっている以上、現実から目を背けるわけにはいきません。やる以上は、お客さまの業務に支障が出ないように何とか支えていくしかありません。先述のパンフレットも、率直に言ってわかりにくい。制度自体が複雑なので、どうやっても説明が難しくなってしまうのですが。弥生でも特設サイトで情報提供を行っていますが、どうやってわかりやすくお伝えするか、四苦八苦しています。

色々な事業者の方とお話ししていると、誤解があるな、と思うのは、軽減税率制度は自分には関係ないと思っている事業者の方が多いこと。確かに軽減税率の対象になるのは、主に飲食料品ですから、特に影響を受けるのは、飲食料品を販売する小売業/卸業などが中心になります。一方で、どんな事業者でも、来客時にお出しするために、お茶やお水などを購入していますよね。経費に占める割合は極小だと思いますが、それでもそれらを軽減税率対象として正しく処理しないと、結果として消費税の過少申告になってしまいます。

例えばお茶やお水に年間1万円の経費がかかっているとして、これを軽減税率として正しく処理しないと、200円(10%と8%の差額)だけ消費税を過少申告してしまうことになります。事業者からするとごく少額の消費税であれば、下手に厳密に区分する手間をかけるよりは、多めに払ってしまった方がトータルなコストで言えば安くつく、と考えるでしょう。ただ、実際には、厳密に区分しない限り、少なめに申告することになってしまう訳です。一方で税務署としても、200円消費税が過少ですよ、と追求することがコスト的に合理的かというと、明らかにそうではありませんが、かといって過少申告をよしとするわけにもいきません。

正直に言って、本当にやるの、はともかく、本当に実務として成立するの、というのが軽減税率制度の現状。しかしその実施に向けて残された時間は一年を切りました。お客さまの業務に支障がでないよう、何ができるのか。弥生の実力が問われると感じています。
posted by 岡本浩一郎 at 19:46 | TrackBack(0) | 税金・法令