2019年02月26日

記帳編(その1)

先週から始めた所得税確定申告の解説シリーズ。申告期限に向けて、準備編、記帳編、申告書作成編、提出編と順を追って解説していきます。先週(末)で書類の準備が整ったということで、今週は帳簿付けを進めていきたいと思います。

帳簿付けをするといえば、まずは現金出納帳に手書きで記帳して、それを総勘定元帳に転記して、という昔ながらのイメージがあるかもしれません(腕にはもちろんインクが付くのを防ぐための黒い腕カバー、笑)。

これはもちろん過去の話。それこそ昭和の話です。平成の時代は会計ソフト。会計ソフトを利用すれば、現金出納帳でも、預金出納帳でも、仕訳日記帳でも、あるいは振替伝票でも、どの帳簿や伝票からでも入力が可能であり、入力した仕訳は自動的に総勘定元帳に転記されます。入力は一度だけで、その後は自動的に処理がされ、ボタン一つで残高試算表を作成することができます。そう、会計ソフトの中では、はるか昔からワンスオンリー(過去に提出/入力したデータを、再び提出/入力する必要のない仕組み)が実現されている訳です。

ただ、まもなく平成も終わる中で、記帳の常識も変わろうとしています。それは自動での記帳。預金出納帳がわかりやすいですが、預金出納帳を手で入力する際には、その基になっている情報、具体的に言えば通帳がある訳です。ただ、通帳もイマドキの時代、もちろん手書きなどではなく、銀行のシステムでデータとして管理され、出力されています。情報の二重入力をなくすためにはどうすればいいか。それは発生源でデジタル化し、最初から最後までデジタルで完結させること。つまり、銀行からデータとして受け取り、それを会計ソフトが自動で記帳することによって、情報の二重入力がなくなり、業務の圧倒的効率化が実現されます(会計ソフトの垣根を越えて、ワンスオンリーを実現するという表現もできるかと思います)。

弥生でこれを実現する仕組みがスマート取引取込。私の個人の会社でも2年前から活用していますが、一度活用すると、もうない世界には戻れません。以前お話ししたように私の会社は現在は事実上の休業状態ですから、取引の量は最小限。それでも一年分の取引がボタン一つでガッと仕訳として取り込まれるのは本当に便利です。一般的にはもっと取引量がある訳ですから、その効果は絶大です。

もっとも、実は法人で銀行口座の明細の自動取込を活用しているお客さまはまだまだ多いとは言えません。それは法人の場合、一般的にインターネットバンキングの利用に利用料がかかるからです。それに対し、個人(事業主)の場合は、基本的にインターネットバンキングの利用料はありませんから、活用しない理由がありません。

帳簿付けを容易にするためには、事業用の銀行口座、そして事業用のクレジットカードを用意したいもの。現金での取引は最小化し、一方で事業用の銀行口座/クレジットカードをスマート取引取込で自動で記帳されるようにしてしまえば、記帳は圧倒的にラクになるはずです。

ただし、インターネットバンキングからデータを取得する以上、仕訳として取り込めるのは、インターネットバンキングにデータが存在する期間に限定されます。インターネットバンキングにデータが存在する期間がどれだけかは、銀行によりますが、数ヶ月ということも珍しくありません。このため、残念ながら、今からスマート取引取込を使い始めても、昨年分の取引が対象となる今回の申告では活用できないケースも想定されます。とは言え、ここで何もしなければ、結局来年も同じことになりますから、来年に向けてスマート取引取込の設定は是非済ませたいところです。

今回は自動仕訳を活用できないとすると、やはり手入力による帳簿付けを行う必要があります。もっとも、事業をする上では、毎月支払う水道光熱費や賃料、あるいは、毎月請求を行って売上を計上など、発生する取引はかなりパターン化されます。このパターンをうまく活用すれば、手入力での帳簿付けも実は意外に簡単です。次回は、パターン化された取引を効率よく入力する方法を解説したいと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 22:13 | TrackBack(0) | 弥生