2019年04月25日

暫定対応

今週末からは待望の(?)ゴールデンウィーク。いよいよ平成の終わり、令和の始まりが見えてきましたが、ITの世界ではここに来て一気に雲行きが怪しくなってきました。

個人が利用しているPCはもちろん、企業で利用されている大規模システムに関しても、Windowsベースが多く存在し、これらの「令和」対応はWindows自身の対応に依存します。もともと、Windowsの令和対応は4月中旬頃のWindows Updateで行われると言われていたのですが、今日時点でも更新プログラムは提供されていません。つい先日「26日までの配信開始を目指している」との報道がされましたが、あくまで「目指している」であり、「間に合わない可能性もある」とのこと。

弥生もMicrosoftのパートナーであり、秘密保持義務を課せられているため多くを語れないのですが、令和対応でかなり苦戦をしているようです。改元があること自体は相当前からわかっていましたし、新元号が発表されるのが4/1になることもわかっていましたから、当然入念な準備は進めてきたはず。それがここまで遅れてきているということは、想定していなかった課題が生じたのではないかと思います。これは個人的な推測ですが、「元年」表示、もしくは合字(「~」のように、令和の二文字を一文字として扱えるようにすること)のいずれかで想定外の問題が発生したのではないかな、と。元年表記では改元前から「平成31年」が「平成3元年」と表記されてしまったというトラブルが報道されていますが、数値が期待される個所に文字を表示する処理は、技術的に不可能ではありませんが、正直トラブルのもとだと考えています(このため、弥生ではExcelと同様に1年表記に統一します)。

ただ、慌てる必要はありません。仮に5/1にWindowsの更新プログラムが間に合わないとしても、Windowsが動作しなくなるようなことはありません。また、弥生シリーズに関しても、Windows側での対応と弥生シリーズ自身の対応が組み合わさって初めて「令和」対応がされることになりますが、どちらかが欠けたとしても、引き続き平成として動作するだけであって、業務に支障が出ることはありません(もともと西暦ベースの日付であれば、そもそも何の影響もありません)。つまり、いずれにしても、5/1を境に、日本全国で様々なシステムが突然動かなくなり、といったような状況にはなりませんのでご安心ください(「平成3元年」のように表示がおかしい、といった細かいトラブルはあるでしょうが)。

弥生では、引き続きMicrosoftからの更新プログラムの提供を待って、弥生シリーズの最終検証を行い、順次オンラインアップデートで、対応版の提供を行っていきます。お客さまにおかれましては、Windowsにしても、弥生シリーズにしても、オンラインアップデートで提供されるようになるのを待っていただければ大丈夫です。ただし、何らかの理由でどうしても5/1前に令和対応版を導入する必要があるというお客さまのために、昨日よりプレビュー版としてのダウンロード提供も開始しています。これは、Microsoftの更新プログラムを適用しての最終検証を行っていないため、本来的には弥生の品質ポリシーに反したものであり、できればこういった形での提供は行いたくなかったというのが正直なところです。ただ、今回の経緯を踏まえた上で、お客さまに選択肢を提供するという観点で、あくまで暫定対応としての提供となっています。利用はあくまでもお客さまの自己責任となりますので、その点はご了承いただければ幸いです。

[4/26 16:00追記]

4/26朝よりMicrosoftからの更新プログラムの公開が始まりました。ただし、Windows 10の最新版(バージョン1809)向けは公開されておらず、取り急ぎ出せるものだけ出したという状況のようです。弥生として最終検証に着手していますが、Windows 10 バージョン1809を含め、全ての検証が終わるまでは、弥生シリーズの令和対応版はプレビュー版としての提供となりますのでご了解ください。

昨日お話ししたように、令和対応版でなくても弥生シリーズの基本的な動作に支障はありません。お客さまにおかれましては、Windowsにしても、弥生シリーズにしても、オンラインアップデートで提供されるようになるのをお待ちいただければ幸いです。
posted by 岡本浩一郎 at 10:48 | TrackBack(0) | 弥生

2019年04月22日

AI/SUM 2019

アルトアもそうですが、オンラインレンディングでは、一般的にデータ(アルトアの場合は会計データ)をAIで分析することによって、融資の可否を判断します。今月上旬に開催されたLendIt FinTech USA 2019でも、AIの活用は一つの大きなテーマとなっていました。ただ、イベント全体も落ち着いた感じでしたが、AIに関する議論もやや落ち着いたように感じられました。これは、AIが活用されていないということではなく、むしろAIの活用が当たり前になったということかと思います。

その中で印象に残ったのが、AIについて語る時に、必ず説明可能性(Explainability)について語られるようになったこと。AIの活用が進む中で、意図せぬ形で差別(金融の世界では金融排除)が起きるのではないかが懸念されており、それを避けるために、AIの判断ロジックを説明できることが重視されてきています。例えば、従来の融資において、(当然いいことではありませんが)人種によって融資の可否判断が影響を受けていた場合、その実績を学習したAIは、人種を可否判断に取り込んでしまう可能性があります。

AIというと、約2年前についに碁で人間のチャンピオンに完勝したとして今のブームの火付け役になったのがAlphaGo。AlphaGoが採用しているAIの手法はDeep Learning(深層学習, 以下DL)というものですが、DL(あるいはそのベースであるMachine Learning)はなぜそういった判断がされるのかが外からはわからない、いわゆるブラックボックスになります。碁のような勝負の場合には、勝てばいいので、必ずしも説明可能性は求められませんが、金融の場合はそうはいきません。そういった中で、今回のLendIt FinTech USA 2019では、説明可能性があるDLという技術が注目を集めていました。

もっとも、金融におけるAIはそもそもDLとは限りません。確かに、例えば画像から犬か猫かを判定するなど、構造化されていないデータに関してはDLが威力を発揮します。一方で、構造化されているデータについては、DLでない、よりトラディショナルな統計的アプローチでも十分性能を発揮でき、なおかつ説明可能性を確保できるからです。アルトアの場合は、扱うデータが会計データという構造化されているデータであること、また、説明可能性が必要であるという考えから、統計的なアプローチによるAIを採用しています。

AIといえば、今日から開催されているAI/SUM 2019(アイサム、Applied AI Summit)というイベントで登壇します。AI/SUMは、日本経済新聞社主催のAIを実社会・産業にどう適用するかにスポットをあてた日本最大級のグローバルAIカンファレンス。私は最終日となる4/24(水) 午前9:30-10:15の「AIが金融におけるデジタル革命の潮流を起こす 〜ビジネスを変える〜」というセッションにパネリストとして登壇します。

このセッションでは、金融庁の三輪フィンテック室長をモデレーターとして、実際にサービスを提供している3社および金融機関の有識者で熱くオンラインレンディングについて語ります。AI/SUMは一般チケットが10万円(!)と、私が登壇するセッションのためだけにチケットを買っていただくのは難しいと思いますが、既にチケットを購入済みという方がいらっしゃいましたら、是非当セッションにもご参加いただければ幸いです。
posted by 岡本浩一郎 at 22:28 | TrackBack(0) | アルトア

2019年04月19日

LendIt FinTech USA 2019 (その2)

昨年の2018年が、よく言えば落ち着いた雰囲気だった、悪く言えば、以前ほどの盛り上がりに欠けただけにどうなっているか心配だったLendIt USAですが、今回、2019年は…。

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もっと落ち着いていました(笑)。悪く言えば、さらに盛り上がりに欠けたといってもいいと思います。参加者としても前年よりは減っているように見えました。ただ、色々と見聞きする中で、LendItが盛り上がりに欠けているから、市場として盛り上がりに欠けている、という訳ではないと考えています。

実際に起きているのは、優勝劣敗。数年前までは、市場が急拡大する中で、もうそれなりに確立したプレーヤーもいれば、5匹目、10匹目のドジョウを狙ったプレーヤーもおり、混沌とした状況でした。一方で、ここ数年市場が拡大していく中で、確実に優勝劣敗が進んできています。今回個別に話した人の言葉を借りれば、「お客さま、スケール、ブランドのうち、何かがないと生き残れない、逆に”Me too”プレイヤーは生き残りが厳しくなってきている」ということかと思います。

金融機関の取り組みが進んできたこと、また、異業種ではあっても力をもったプレーヤーも参入してきたことも優勝劣敗を進めていると感じます。JP Morgan ChaseやBank of Americaのような大手金融機関も積極的に取り組んでいる中では、あわよくばというベンチャーは太刀打ちできません。また、特に消費者向け融資に関しては、Goldman Sachsのように、やや畑違いの世界からの参入もありますし、さらには、Appleのような超メジャープレーヤーの参入すら想定の範囲内です(Appleは、それこそGoldman Sachsと組んでクレジットカードを発行するそうですから、融資の一歩手前まで来ています)。

Alternative LendingがMainstreamになり、優勝劣敗が進んでいること。その一つの表れは、呼称でしょうか。以前はAlternative Lendingという呼び方(あるいは手法を表すP2P LendingやBalance Sheet Lendingという呼び方)がされていましたが、今回は、ほぼ全てのセッションで"Online Lending"という呼び方で統一されていました。Alternative Lendingというニッチな市場は着実に成長を続け、今やOnline LendingというMainstream(主流)になりつつあると感じています。
posted by 岡本浩一郎 at 16:01 | TrackBack(0) | アルトア

2019年04月17日

LendIt FinTech USA 2019 (その1)

先週San Franciscoで開催された、LendIt FinTech USA 2019。私は4回目の参加です。

このLendItというカンファレンスが初めて開催されたのが、2013年。一回目の参加者はわずか300人だったそうです。その後、Alternative Lendingという市場の成長とともに、LendItも成長してきました。私が初参加した2016年は、熱気にあふれていました。Alternative Lending業界は急成長の真っ最中、対して金融機関はもはや時代遅れ、FinTechが銀行を駆逐するという勢いがありました。参加者は3,600名。一方で、急成長してきているだけに、近い将来揺り戻しがあるかもしれない、といったことが繰り返し語られていたことが印象的でした。

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実際に2016年にはLending ClubのCEOの辞任など、Alternative Lending市場の急成長のゆがみが露呈した年でもありました。そういったこともあって、どうなっているんだろうと心配しつつ参加した2017年のLendItでしたが、心配は杞憂に終わりました。会場はNew YorkのJacob Javits Centerと大幅にスケールアップし、参加者は5,600名にまで増えていました。全体的なトーンは、昨年は色々あったけれど、それを乗り越えて市場はまだまだ成長しているというもの。

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2017年に最も印象に残ったのがKabbageのCEOが発した“Alternative lending is now a mainstream”というフレーズ。確かに、金融機関からの参加者も大幅に増え、またFinTech vs. 金融機関という対立の構図ではなく、Bank partnershipというFinTechと金融機関のパートナーシップが大きなテーマとなっていました。

2018年はSan Franciscoに戻っての開催。2016年は(それなりに大きい会場ですが)ホテルでの開催だったものが、Moscone Center Westという大きなコンベンションセンターに拡充されました。参加者は5,000名強ということで、前年と同じか若干の減少。

2018年に印象的だったのは、だいぶ落ち着いた雰囲気だったということでしょうか。よく言えば、落ち着いた、ですし、悪く言えば、2016年や2017年に感じたイケイケなエネルギーが減少しているように感じました。これはAlternativeからMainstreamになってきたことと関係しているように思います。実際、全体の参加者は前年と同様に5000名超でも、そのうち金融機関からの参加者が2017年の490名から2018年の1,000名超に倍増しています。金融機関からの参加者が増えると、やっぱり落ち着いた雰囲気になりますね(いい意味でも悪い意味でも、笑)。

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そして2019年。今回はどういった雰囲気だったのでしょうか。続く。
posted by 岡本浩一郎 at 20:28 | TrackBack(0) | アルトア

2019年04月14日

Napa

今年もLendIt FinTech USAに参加してきました。今回は、昨年に引き続きSan Franciscoでの開催。私にとっては、これで4回目の参加になります。LendIt自体は月曜日からなのですが、今回は土曜日に現地入りして、日曜日はゆっくりすることに(日曜日に飛ぶよりも、土曜日に飛んだ方が明らかに航空券が安かった、というのがその理由なのですが、信じてもらえないですよね、苦笑)。今回の内容は、ウィークデイにアップすると顰蹙を買いそうなので、日曜日にアップしておきます。

さて、到着翌日の日曜日は、LendIt常連のOさんがワイン好きということもあって、Oさんにお声がけして日帰りでNapaに行くことに。ご承知のようにNapa Valley(とその隣のSonoma)はワイナリーが星の数ほどあるワイン好きにとっては天国のような場所です(ひょっとして地獄かもしれませんが、その理由は後述)。

実は3年前にも日程の関係で週末をSan Franciscoで過ごすことがあり、その際にもNapaに日帰りで行く機会がありました。その時はレンタカー。私は運転が好きなので、これはこれで楽しかったのですが、帰りの運転もあり、試飲とはいえ、ワインをじっくり飲む訳にはいきません。その時は3人だったため、1人が気を利かせて飲むのを控えてくれ、帰りの運転をお願いすることにしました。

今回は、どうしようかな、と思っていたのですが、Oさんが以前もお願いしたガイドさんがいるということで、日本から参加の7名でチャーターすることに。当日は朝9時前にSan Francisco市内を出発、Napaまでは約1時間ほどの道のりです。

まず1軒目は、OさんのおススメというOdette Estateに。日本には入っていないワイナリーとのことですが、Oさんに言わせれば、カリフォルニアワインの頂点とも言えるOpus Oneよりも美味しいとのこと。さっそく4種類のワインを試飲。どれも美味しい。Oさん大絶賛のものは試飲リストに入っていなかったのですが、お願いしたところ、特別に飲ませてもらえることに。確かに素晴らしいワインでした。黒スグリの香りとか、土の香りといった通な表現をしたいところですが、まったく様にならないのでやめておきます(笑)。

2軒目で日曜日に到着した2人と無事に合流。時間の関係があり、2人には、UBERで空港からNapaまで直接来てもらうことにしていました。2軒目はSilver Oak Winery。こちらでは3種類のCabernet Sauvignonを飲み比べ。試飲なのですが、お替りまで注いでくれる太っ腹ぶり。

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ランチの後は途中合流したUさんが是非行きたいということで。Opus One Wineryへ。私自身は、高くてどうせ買ってかえれないため、あまり気乗りはしなかったのですが、行ってみると実に素晴らしいところでした。試飲したOpus Oneも最高(ここでは1杯だけ)だったのですが、ワイナリーの2階がテラスになっており、そこからの眺めが最高でした。

だいぶ赤を飲んだ、ということで、最後はDomaine Chandonへ。ここは言わずと知れたMoët & Chandonがカリフォルニアに作ったワイナリーで、スパークリングワインが有名です。ここはおそらく、Napaの中でも最も訪れる人が多いワイナリー。ピクニックができるような美しい庭園があるのですが、今回も多くの人でにぎわっていました。こちらではブドウの産地が異なる3種のスパークリングワインを試飲。通常飲む時は、スパークリングワインから始まって白、そしてしっかりした赤に進むのが定石ですが、結構な量の赤を飲んだ後のスパークリングもさっぱりしていてなかなか良いものでした。

4軒目を終えた段階で、3時過ぎ。もう一軒行きたいところでしたが、帰りの道が混むかもということで、早めに帰路に着くことにしました。

結局4軒で、合計13杯の試飲。試飲といっても、有料なので、しっかりした量の1杯。13杯ともなると、かなりいい気分です。特に印象に残った1軒目と4軒目では2本ずつ持ち帰り用に購入。正確に言えば、2軒目や3軒目も惹かれたのですが、毎回買っているととんでもない金額に(特にOpus Oneは試飲も別格のお値段でしたが、持ち帰りも相応な価格です)。チャーター代に、試飲の料金に、持ち帰りの購入に。合算すると、まあ結構な金額です。楽しんでいると、あっという間にお金を使ってしまうのが、天国でもあり、地獄でもある理由(苦笑)。

当日は天気もよく、Napaののどかな景色を目いっぱい楽しむことができました。今回一緒に周った7人4社は、ライバルと言えばライバルですし、新しい融資を日本にもたらすという意味で、同志と言えば同志。特にまだまだ市場を立ち上げようという段階においては、同志という意識の方が強いように思います。そんな同志たちと仕事の話はそっちのけでワイワイできたのは実に楽しい時間でした。

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明けて月曜日からはいよいよLendIt FinTech USA 2019。次回はLendItの様子についてお話ししたいと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 19:40 | TrackBack(0) | パーソナル

2019年04月11日

弥生は「1年」

前々回前回と新元号対応についてお話しをしてきました。これまでにお話ししたように、現在提供に向けた準備を進めている新元号「令和」への対応バージョンでなくても、会計ソフトや販売管理ソフトとしての弥生シリーズの基本的な動作には影響ありません(つまり5/1以降、途端に動かなくなることはありません)。そもそも、西暦表示で統一している分には対応バージョンでなくても問題ありません。ただし、行政に提出する書類は和暦表示になるため、対応が必要となりますが、新様式が公開された帳票から、段階的に対応を進めていきます。約60種類の帳票への対応は相当なボリュームになりますが、お客さまの業務に支障がでないよう、しっかりと対応していきます。

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新元号に向けた検討は昨年から進めてきましたが、検討を進めている中で、もう一つの課題が浮上してきました。それは新元号初年度を「1年」(1は半角もしくは全角)と表記するか、「元年」と表記するか。正直に言えば、個人的には、それが論点になるとは全く想定していませんでした。コンピューターで扱う上で、年は数値であることが想定されており、「元」という文字になることは想定されていないからです。もちろん、Wordで文書を書く際には、「令和元年」と入力し、それを出力することは全く問題ないのですが、一定のロジックによって出力を制御する業務ソフトにおいては、「元年」と表示するための専用のロジックをあちこちに埋め込む必要があります。

かつて平成になった際には、できるだけ「元年」で表示すべき、という話もあったようですが、30年前と今では、もはやコンピューターが利用されている範囲が全く異なります。

「元年」で統一するのであれば、まだやりようはあるのですが、「1年」と表記しなければならないケースも存在します。例えば、前々回にご紹介した消費税申告書がそうですが、OCRで読み込む帳票では、年のスペースには当然数値が想定されていますから、「元」と出力すると読み込めなくなってしまいます。また、データとして出力する場合にも、年のスペースには数値が想定されていますから、「元」と出力するとデータを読み込む側で、(最悪の場合)プログラムが落ちることになります。

では、出力する先によって、「元」と「1」を切り替えるか。労力をかければ不可能ではありませんが、その処理にどこまでの意味があるのでしょうか。そもそも弥生会計などの業務ソフトは、業務を効率化するためのもの。弥生は、今ある業務をただそのままシステム化すればいいとは思っていません。いかに業務を合理的にするかを徹底的に考え、それをシステム化すべきだと思っています。仮に、今ある業務をシステム化すればいい、であれば、スマート取引取込(やその出発点となったMoneyLook for 弥生)のような自動化という発想は生まれません。

正直色々と悩んだのですが、弥生では私の判断により、全てを1年の表記に統一することにしました。提供したい機能が色々とある中で、特定の帳票だけで元年と表示させることに労力を使うべきではないと考えましたし、元年と表示させるロジックを組み込むことで、万が一不具合を生んだり、あるいは連携先のシステムで不具合を生むことがあれば、業務効率化に反すると考えたからです。

もちろん全てを1年の表記とすることで問題はないということは、行政にも確認済みです(元年と表記することが望ましい帳票も特に存在しないという確認も行っています)。1年と表記するか、元年と表記するかは、各システムの判断に委ねられており、結果的には、対応は分かれることになりそうです。行政でも、例えば、登記に関する書類は「1年」表記になると聞いています。民間でも、例えばWindowsは「元年」表記をサポートするが、Excelでは「1年」になるそうです。

お客さまによっては、「元年」と表記したいという方もいらっしゃるかとは思います。しかし、弥生は多くの方に使っていただく、良くも悪くも「最大公約数」の仕組み。そして何よりも、業務を効率化し、しっかりと業務を成立させるための道具です。「1年」で統一することをご理解いただければ幸いです。
posted by 岡本浩一郎 at 23:03 | TrackBack(0) | 弥生

2019年04月09日

新元号対応(その2)

前回は、現在提供に向けた準備を進めている新元号「令和」への対応バージョンでなくても、会計ソフトや販売管理ソフトとしての弥生シリーズの基本的な動作には影響がないとお話ししました。西暦表示で統一している分には対応バージョンでなくても問題ありません。

ただし、税務署などの行政に提出する帳票に関しては、和暦表示になっているために、弥生シリーズ側での対応が必須になってきます。具体的には、会計・申告ソフト(弥生会計/やよいの青色申告など)で作成する申告書や給与計算ソフト(弥生給与など)で作成する申告書や届出書・報告書などです。

これらの帳票については、一つひとつ対応が必要になりますが、どう対応するのかは、実際に帳票の新様式が公開されないとわかりません。例えば、前回、例としてお話しした消費税申告書には「平成」という文言が多く含まれています。これらをすべて「令和」に置き換えるだけのようにも思えますが、実際には、平成31年4月1日から令和2年3月31日と平成と令和をまたぐ期間が発生しますから、この場合には「自」が平成で、「至」が令和がプリ印刷された(極めて限定された期間しか利用されない)様式が用意されるのか、はたまた元号部分も出力項目とする様式となるのかは、実際に公開されてみないとわかりません。

対応方式は、単純に平成という文字列を令和という文字列で置き換えるだけとは限りません。たとえば、こちら。

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これは、給与所得者の扶養控除等(異動)申告書(いわゆるマル扶)ですが、生年月日の元号部分は、「明・大・昭・平」という選択肢を丸で囲うようになっています。この選択肢が、「明・大・昭・平・令」という5つになるのか、あるいは、この機会に「大・昭・平・令」となるのか。明治生まれでご存命の方もいらっしゃるので、前者になるような気がしますが、まだはっきりしていません。

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似たパターンとしては給与支払報告書があります。ただ、この帳票では、該当する元号の下に印を付けるようになっています。これも「明・大・昭・平・令」という5つになるのか、あるいは、この機会に「大・昭・平・令」となるのか。明治生まれ(少なくとも100歳以上)で給与の支払いを受けている方は相当少ないとは思いますが、ゼロとは言い切れないので、難しいところです。また、帳票によって選択肢が4つ、あるいは5つとばらけるのも望ましくないので、やはり5つの選択肢になるのでしょうか。

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最後にこちらは、被保険者賞与支払届です。この帳票には、「5-500501」や「7-010902」という表記がありますが、これは元号が、5(昭和)や7(平成)のように符号で表されているものです(ですから、「5-500501」は昭和50年5月1日生まれ、「7-010902」は平成1年9月2日生まれとなります)。これまでのパターンからすると、令和は「9」で表すことになるのでしょうか(さらに次の元号は11と二けたになるのでしょうか?)。

このように元号がどう表現されているかは帳票により様々です。弥生では、新様式が公開された帳票から、段階的に対応を進めていきます(約60種類の帳票への対応が必要になる見込みです)。弥生シリーズでは対応していない帳票も含め、存在する帳票の総数は膨大なものになりますから、新様式が新元号(5/1)に間に合わないケースも想定されます。また、新元号になっても、手元にある旧様式で出力するというケースも当然ありえます。こういった場合は、当面の間旧様式でも問題なく受け付けられるようになっており、実務には影響がないように配慮されています。現実問題としては、5/1に一斉に切り替わるということはなく、一定の期間の中で徐々に切り替わっていくことになるのかと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 22:05 | TrackBack(0) | 弥生

2019年04月05日

新元号対応(その1)

4/1にお話ししたように、弥生は今、新元号「令和」への対応バージョンの開発を進めています。もっとも新元号への準備自体は既に進めてきていますから、「令和」に決まったことを受けての確認テストが中心です。

ここで誤解のないようにお話しすると、「令和」となる5/1以降、対応バージョンでないと動かないということはありません。新元号になることは、会計ソフトや販売管理ソフトとしての弥生シリーズの基本的な動作には影響はありません。弥生シリーズは、年表示を「西暦」とするか「和暦」とするかを選べるようになっており(Misocaについては西暦のみ)、西暦を選択して利用している分には、影響はありません。和暦を選んでいる場合には、5/1以降「平成」のままの表示が続いてしまいますが、ソフトの基本的な動作自体に影響はありません。とはいえ、例えば、請求書において5/1以降も「平成」と表示し続けることは望ましくありませんので、早めに対応バージョンにしていただく必要があります。

もちろん、これまで和暦を使用していても、この機会に西暦表示に切り替えることも可能です。個人的には、ビジネスの観点では、この機会に西暦の使用を原則とした方がいいと思っています(色々な見解があると思いますし、あくまでも個人的な見解です、念のため)。

ただし、税務署などの行政に提出する書類に関してはそうもいきません。行政に提出する書類については、原則として和暦表示になっていますから、すべて平成から令和に切り替えていく必要があります。

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例えばこちらは、消費税申告書ですが、嫌になるほど(笑)、平成という文言が入っています。弥生会計からはこの様式通りに白紙に出力することが可能ですが、当然これらすべての「平成」を「令和」に置き換えていく必要があります。こういった書類の「令和」対応については、対応バージョンが必要になってきます。

悩ましいのは、こういった書類は一つひとつ地道に対応が必要になること、また、書類によって対応の方法が様々存在することです。(続く)
posted by 岡本浩一郎 at 18:20 | TrackBack(0) | 弥生

2019年04月03日

弥生へようこそ! 2019

月曜日の4/1、弥生は7名の新卒社員を迎えました。新卒採用担当のSさんは直前までハラハラしていたようですが、昨年10月に内定となった7名が一人も欠けることなく、無事に入社してくれました。圧倒的な「売り手市場」の中で、弥生を選び、そして入社してくれた7名には本当に感謝しています。

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朝一番に入社式を開催し、私が一人ひとりに入社辞令をお渡ししました。表彰状などでよくありますが、複数人にお渡しする際には、「以下同文」となりがちです。ただ、入社式では、繰り返しにはなってもあえて一人ひとり全文を読み上げることにしています。弥生の社員数は700名近く。社員数だけで言えば中小企業とは言えないかもしれません。それでも、一人ひとりがかけがえのない存在。なかでも新卒社員として社会人の一歩を踏み出す時には、一人ひとりにしっかりと向き合うべきだと思っています。

毎年歓迎ランチを開催するのですが、前回お話ししたように、今年は新元号の発表という特別な瞬間を皆で共有する場ともなりました。令和という新しい時代がどのようなものになるのか、まだわかりませんが、今回入社した7名をはじめとした若手メンバーが弥生の中核となっていくことを期待しています。
posted by 岡本浩一郎 at 20:10 | TrackBack(0) | 弥生

2019年04月01日

令和

発表されましたね、新元号「令和」。今日はちょうど11時半からヤヨイヒロバで本日入社の新入社員歓迎ランチだったのですが、皆気もそぞろ。テレビをプロジェクターで投影し、新元号発表と安倍首相による会見をリアルタイムで見つつの歓迎ランチとなりました。

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私自身はビジネスにおける元号使用については否定的な立場なのですが、いざ改元が近付き、また新元号が発表されてみると、元号には世の中のムードを変える力があるんだな、と実感します。平成という一つの時代が終わり、令和という新しい時代が始まる。以前、12月31日が終わったところで、何もなかったように次の1月1日が始まるだけ…と書きましたが、時というとどまることのない流れの中で、終わりと始まりという区切りに意味を見出すのが人間ならでは(元号という意味では日本人ならでは?)、でしょうか。

令和の出典は万葉集だそうですが、中国の古典ではなく、日本の古典(安倍首相の言葉では国書)を典拠としたところに、拘りがありそうです。また、昭和と「和」が被っているのが少々意外でしたが、高度成長の時代である昭和の後半にあやかりたいという狙いがひょっとしたらあるのかもしれません(??)。

新元号「令和」が正式に発表になったということで、弥生シリーズも「令和」への対応を進めていきます。まずは基本的な対応を行ったバージョンをゴールデンウィーク以降順次、オンラインアップデートでご提供します。弥生の最新製品である「弥生 19 シリーズ」をご利用であれば、クリック一つで自動的にアップデートが完了します(お急ぎの場合には、ゴールデンウィーク前にダウンロードしていただくことも可能です)。クラウドアプリケーションである弥生オンラインについては、クリックも不要です。

なお、まずは「令和」での日付入力/出力に対応しますが、個別の帳票については、帳票ごとに様式が固まったものから順次対応を行っていきます。当面は平成のままの表記でも問題ないとされていますが、皆さまの業務に支障がでないよう、順次対応を進めていきます。
posted by 岡本浩一郎 at 18:06 | TrackBack(0) | 弥生