2019年09月30日

いよいよ明日から

いよいよ明日は10月1日。明日には消費税率が10%に引上げとなり、同時に軽減税率が導入されます。もう数時間となる深夜から10月1日となるわけですが、実際に10%が適用となるケースは、業界や会社によって運用が異なるようです。ただ、いずれにせよ明日の朝には全て切り替わっているはずです。今晩は価格マスターの切り替えなどで夜間作業となる同業の方も多いのではないかと(皆、頑張りましょう!)。

もはや残り時間が少ないですが、弥報オンラインのこちらの記事が10月1日に向けて準備すべきことという観点でしっかりまとまっていますので、是非ご一読ください。「9月30日の営業終了後にやること」もしっかりとまとめられています。

ここ数日間、色々なお店でどんな変化が表れているのか、注意して観察しているのですが、やはり大手資本(もしくはそのフランチャイズ)ほど、しっかりと対応が進んでいるようです。

2019093001.jpg

こちらは、弥生のオフィスがある秋葉原UDXのファミリーマート。この、お客さまに「商品ごとに申告していただく」というオペレーションが実際にうまく回るかどうかはわかりませんが、しっかりと検討の上、準備はされていることが伝わります。

2019093002.jpg

一方で、今日たまたま目にしたこちらのお店。ラーメン屋さんなのですが、価格改定に伴う準備のため1日半お休みするというのは結構びっくりです(笑)。ただ、ひょっとしたら、原材料をしっかりと吟味して、原価をキチンと算出し、この機会に原価に見合った値付けをしようということかもしれません。さすがに1日半お休みすることをおススメするわけではありませんが、この機会に、しっかりと価格設定を考えることはとても大事だと思います。

仮に10月1日は一旦これまで通りの税込価格で続けるにしても、このままでいいのか、必ず、しっかりと考えていただきたいと願っています。いざ納税の際に「こんなはずじゃなかった」とならないように。
posted by 岡本浩一郎 at 20:07 | TrackBack(0) | 税金・法令

2019年09月27日

消費税の負担(その2)

前回は、事業者は実際には、消費税を負担しない、ただし、資金繰りには大きな影響を与えるとお話をしました。ご質問をいただいたので、もう少し解説したいと思います。消費税を負担するのは、あくまでも最終的な消費者。例えば、下の図の左側のケースのように、課税売上が2,000万円の小売事業者がいるとして、この場合は、現状であれば消費税8%分となる160万円を消費者から受け取って(預かって)いるはずです。預かっている消費税を納付するだけですから、事業者自身が負担しているわけではありません。

2019092701-2.PNG

ただし、実際には、預かっている160万円を丸々納付するわけではありません。前回も少しお話ししたように、仕入の際に支払った消費税額を控除(仕入税額控除)し、その差分を納付することになります。例えば、この事業者の課税仕入が1,200万円だったとすると、その仕入に際し、消費税96万円を払っているはずですから、実際の納付額は、預かった160万円から、既に支払っている96万円を控除し、差分となる64万円を納付することになります。

10月1日から、消費税率が10%になるとどうなるか。上の図の右側のケースとなりますが、課税売上2,000万円は変わらないとして、消費者から預かる消費税は200万円になります。これに対し、課税仕入1,200万円に対し支払っている消費税が120万円になりますから、納税額はその差分の80万円となります。課税売上/課税仕入の額は変わりませんが、納税額が64万円から80万円に1.25倍に増えるということです。

繰り返しになりますが、これはあくまでも預かっている消費税を納付するだけですから、事業者の収益性には影響を与えません。ただし、資金繰りという観点では、いざ納付という際に、あれ手元資金がない、と慌てるケースが多いのが実際です。

さらに、今回は軽減税率が導入される訳ですが、食材の仕入は軽減税率になる一方で、売上は標準税率となる外食では、納税額がさらに増えることになります。

2019092702.PNG

左側はこれまで。先ほどと同様で、課税売上が2,000万円/課税仕入が1,200万円のケースで、納税額は64万円。右側は10月以降で、課税売上が2,000万円/課税仕入が1,200万円は変わらないものの、仕入のうち、600万円が食材の仕入であり軽減税率の対象であるとすると、仕入に際して支払っている消費税額が合計で108万円となるため、納税額は92万円となります。つまりこれまで(64万円)よりも1.44倍に増えることになります。

やや蛇足ですが、どんな事業者であっても(外食でなくても)、多少は軽減税率対象の経費は発生します。お客さま用にお茶やペットボトルのお水を買うことはほぼどんな事業者でもありますからね。厳密に言えば、額は小さいのですが、これも納税額に影響します。

2019092703.PNG

もう一点注意が必要なのは、移行期の納税額。消費税は、前期の確定消費税額に応じ、中間納付が求められるのですが、当期が8%、翌期が10%となる場合に、中間納付額が過少(実際には10%なのに、前期の8%基準で計算されるため)となるため、結果的に期末での納付税額が膨らむケースがあります。

なお、実際には課税売上が2,000万円の場合には、簡易課税を選んでいるケースも多いと思いますので、上の説明はあくまで一般論として理解いただきたいのですが、いずれにしても、納税額は意外に大きくなるということには注意が必要です。

三たび繰り返しますが、消費税は消費者が負担するものを事業者が変わって納付するだけなので、事業者の収益性には基本的には影響はありません。ただ、資金繰りには大きな影響が出ますので、注意が必要です。もっとも、事業者の収益性には影響がないというのは、消費税率のアップ分を、お客さまに転嫁できてこその話。価格の見直しについてお話ししましたが、税込価格だし、まあ、そのままでいいやとしてしまうと、消費税のアップ分を事業者が負担することになります。先ほどの飲食業の例で言えば、税込価格を変えないでいると、納税額の増加分28万円をお客さまから預かったおカネではなく、自らの利益から捻出することになってしまいます。つまり、収益性に大きな影響があり、なおかつ資金繰りにも大きな影響が出るということです。

納税時にこんなはずじゃなかったと後悔しないためにも、10月1日以降の価格についてどうするのか、しっかりと考えなければなりません。
posted by 岡本浩一郎 at 17:59 | TrackBack(0) | 税金・法令

2019年09月25日

消費税の負担(その1)

消費税というのは様々ある税金の中でも、最も理解が難しい税金なのではないかと思います(それが軽減税率でますます難しくなるわけですが)。

消費税を納めるのは、あくまでも消費者。例えば、私がレストランで食事をして、そのお代が税抜10,000円だったとすると、10月以降は消費税が10%課され、1,000円で合計11,000円支払うことになります。あくまでも消費税を支払っているのは消費者としての私ですが、この時に支払っている先は税務署ではなく、食事をしたレストランであるというのがミソ。納税者である消費者が直接に納付するのではなく、事業者を通じて納付する。だからこそ、間接税と呼ばれます。

いやいや、事業者だって、仕入する時に消費税を支払っているよね。例えば、上記のレストランのケースで食材が3,000円かかっているとして、10月以降は消費税が軽減税率となる8%課され、消費税240円を払っていることになります。確かに支払っている。ただし、これは基本的には支払ったままとはなりません。というのは、上記の消費者から預かった消費税を納付する際に、この240円を差し引いて納付することができるからです。これを仕入税額控除といいます(もちろん店舗の家賃等でその他支払った消費税額も差し引くことができます)。つまり一旦支払っても、後でそれを取り戻すことができるということです。

ということで、事業者は実際には、消費税を負担はしていません。消費者から日々預かっているものを、最終的に納付するだけなので、あくまでも左から右に行くだけのはず。ただ、現実問題として、預かった消費税が便利な運転資金として使われてしまっていることは決して珍しくありません。結果として、いざ事業者が消費税を納付する段になると、おカネがない。そんな中で納付するだけに、重い負担感を感じるのは事実です。

2019092502.png

ここで注意が必要なのは、納付する時の負担感は、税率の変化以上に重くなるということ。例えば、消費税率は2014年4月に5%から8%に変わりましたが、これを機に納付する税額は1.6倍に増えました。今回は、8%から10%に変わるわけですが、納付する税額は1.25倍に増えることになります。8%から10%だと差は2%とそれほど大きくないように思えますが、納付する税額で考えると1.25倍ですから、相当大きなインパクトです。

もちろん、理論上は消費者から預かっているだけ。しかし、実際には事業者の資金繰りに大きな影響を与えます。10月の消費税率引上げに向けて、準備が必要ですが、10月1日を無事に迎えられればいい、だけではなく、その先の納税まで含めてしっかりと備えていく必要があります。
posted by 岡本浩一郎 at 17:28 | TrackBack(0) | 税金・法令

2019年09月20日

「※)は軽減税率(8%)適用商品」

今日は大阪に来ています。9月に入ってから、弥生カスタマーセンターへのお問合せが増えてきましたが、先週からはさらに一段とボリュームが増えています。今日は大阪でカスタマーセンター総会を開催し、今期の振り返りと来期に向けた情報共有を行うのですが、今年は例年とは異なった形での開催となります。例年は一年に一度だけ、営業時間を短縮し、総会を開催しているのですが、今年に関しては、これだけお問合せが集中している中で、営業時間を短縮することはできないと判断し、通常通り17:30までお問合せ対応を継続します。その後ようやく総会を開催ということで、例年よりはだいぶ短めの総会となりますが、その分中身の濃い総会にしたいと思っています。

さて、先週末はDean & Delucaというお店で惣菜を買って、それをつまみながら家で映画を見ました。このお店のお惣菜はとても美味しいのでおススメですが、お値段もまあまあ(クオリティを考えると、外食するよりは安いけれど、というレベル)。まあ、たまの贅沢です。話が逸れましたが、このお店のレシートで気になる表記が。

2019092001.jpg

そう、レシート下部に「※)は軽減税率(8%)適用商品」という表記があります。もちろんまだ軽減税率は導入前ですから、実際に「※)」が付いている明細はないのですが。おそらくレジの消費税10%・軽減税率対応は済んでおり、9月30日夜間に、商品マスターを更新すると、実際に「※)」が付き始めるのではないかと思います。その観点でこのレシートを改めて見ると、消費税の計算の欄が、

外税2対象額 8.00% ¥7,993
外税2 8.00% 639

となっています。おそらく10月以降は標準税率分が外税1となり、

外税1対象額 10.00% 3,000
外税1 10.00% 300
外税2対象額 8.00% 5,000
外税2 8.00% 400
合計 8,700
(内消費税等 700)

という表記になるのではないかと思います。実際には10月1日からとなるわけですが、「※)は軽減税率(8%)適用商品」という表記を見て、これはいよいよ来たな、と実感しました。

とはいえ、これだけしっかりと準備を進めているのはやはり大手だからこそ。イオンにしても、セブンイレブンにしても、10月1日にしっかりと対応してくるのだと思います。

一方で、弥生のお客さまである中小事業者の対応は正直まだまだ。最近は色々なお店に行くたびに、レジが気になってしょうがありません。ただ、見かけるのはほとんどが明らかに複数税率に対応していないだろう旧型レジ。レジはそうそう買い替えるものではありませんからね。現実問題としてレジを買い替えようとしても、もはや納期が10月に間に合わないケースもあると聞きます。

今から10月1日を延期するとなると更なる混乱を招くだけでしょうから、ここまで来たらこのまま進むしかないと思うのですが、当初の混乱はもはや避けえないと思いますし、行政当局としても、当初に関しては色々な面で大目に見るという柔軟な対応をお願いしたいところです。

事業者の方としては、とにかくできるだけ早く準備を進めたいところです。レジを買い替えるというハード面での対応はもちろん、自社の商品/サービスで何が軽減税率の対象になるかを把握する。そして新しい税率での値付けを考えることもしっかりと進めたいところです。明日からは三連休。事業者の場合、三連休だからといってお休みではない(むしろその方が忙しい)ケースも多いのが悩ましいところですが、10月1日まであとわずか、やるべきことをしっかり進めていきましょう。
posted by 岡本浩一郎 at 17:36 | TrackBack(0) | 税金・法令

2019年09月17日

価格の見直し

いよいよ後2週間にせまった消費税率の10%への引上げと軽減税率の導入。弥生のカスタマーセンターでもお問合せ件数が顕著に増えてきています。

2019091701.png

10月1日を前に、改めてしっかりと考えておきたいのは、自社の商品やサービスの価格をどうするか、ということ。わかりやすいのは、消費税率の引上げ分をそのまま価格に転嫁するというもの。もともと税抜きでの価格表示をしている場合には単純明快で、本体価格が1,000円だとして、消費税率が8%の時は、本体価格1,000円+消費税80円、合計1,080円だったものを、消費税率が10%になるのにあわせ、本体価格1,000円+消費税100円、合計1,100円とするというパターンです。もともと、商品の値札を税抜き表示にしている場合は、値札の対応も不要ですし、合計金額に円単位の端数がでやすいという欠点こそありますが、一番一般的な対応方法かと思います。

これに対し、悩ましいのが税込みで価格表示をしている場合。例えば、税込価格で980円という商品があるとすると、これは消費税率8%時は本体価格908円+消費税72円という内訳になります。これを消費税率10%に単純にすると、本体価格はそのままで本体価格908円+消費税90円で998円という価格になります。おそらくもともとの980円という価格設定は、心理的障壁である1,000円を超えたくないということと、10円単位の価格設定にしたいという二つの狙いがあったのではないかと思いますが、前者の1,000円未満は維持できたものの、円単位の価格設定になってしまい、釣り銭が面倒になってしまいます。

逆に980円という税込価格を維持しようとすると、消費税率10%時には、本体価格が891円+消費税89円で合計980円ということになり、本体価格が908円から891円に、17円、率で言って約2%の値引きをしていることになります。たかが2%と言うなかれ。もともと利幅の大きい業種ではそれほど影響は感じないかもしれませんが、(少し古いデータですが)卸売業の平均売上高営業利益率は1.1%、小売業では2.1%ですから、これらの業種では何も考えずに税込価格を維持しようとすると、途端に収支トントンかあるいは赤字に転落しかねないということです。

もちろん色々と検討した結果、税込価格を据え置くということであれば、いいと思うのです。それも経営判断ですから。ただ、何も考えずに、まあどうにかなるだろうという安易な気持ちで税込価格を据え置くというのは避けるべきだと思います。

とはいえ、価格はキリよく10円単位にしたいし、(1,000円といった)大台も超えたくないなといった場合はどうすればいいのでしょうか。この場合は、メリハリをつけるというのも一つの手かと思います。スーパーマーケットでは冷凍食品、ドラッグストアーではトイレットペーパーのように、多少採算度外視でも客寄せのために戦略的な値付けをする商品がありますが、そういった商品は価格を据え置き、一方で、それ以外の商品はしっかりと消費税分を価格転嫁するという考え方です。

中には、うちは免税事業者だから関係ないよ、という方もいらっしゃるかもしれません。免税事業者だから、消費税は関係ないと。これは実は大いなる誤解。確かに、免税業者であれば売上から消費税を納付する必要はないのですが、とはいえ、仕入れ時に消費税を支払っていますよね。そしてその仕入れ時に支払っている消費税額は10月に入ると、基本的には増えるはずなのです。わかりやすいところでは、どんな事業者でも、何らかの水道光熱費がかかっているはずですが、その水道光熱費は消費税率10%がそのまま価格転嫁されるはずです。つまり、コストが増えるということですから、程度は別として、一定程度は売価を調整しないと、利益を圧迫することになります。

どんな事業においても、価格をどうするかは極めて重要。一方で、一度設定した価格をなかなか変えにくいのも事実。だからこそ、このタイミングで、改めて価格をどうするか、しっかりと考えたいところです。
posted by 岡本浩一郎 at 23:24 | TrackBack(0) | 業務

2019年09月13日

一体資産

先月、行きつけのお店で消費税率の引上げと軽減税率導入への準備が進んでおらず、心配だと書きました。このお店は割烹ですから、基本的に外食。外食については、前回お話ししたように、軽減税率の対象とはなりません。ですから少なくとも軽減税率の影響はない…と思いきや、そうではないのです。このお店では、煮豆や栗の渋皮煮(どちらも美味しいですよ)などを持ち帰り用に販売しているのですが、これはテイクアウトの扱いになりますから、軽減税率の対象となり、結果的に軽減税率への対応が必要になるのです。このお店のように、外食のお店でも、テイクアウトがあったり、あるいは出前などがあれば、外食自体は軽減税率の対象にはなりませんが、お店として軽減税率の影響はない、とはならないのです。

2019091301.jpg

我が家はもう何年もこのお店にお節をお願いしています。これがまあ、とんでもなく美味しい(数量限定なので、この記事が発端になって買えなくなると困ります、笑)。お節もテイクアウトですから、基本は軽減税率対象……なのですが、実は対象とならないケースもあります。弥生の消費税改正あんしんガイドでも解説していますが、重箱入りの高級お節は軽減税率の対象外となるケースがあります。

それはなぜか。重箱自体に価値がある場合、飲食料品とそれ以外の物品を組み合わせて「一体資産」として販売しているとされるからです。わかりやすい例が、おもちゃ付きのお菓子ですね。

このお店のお節は、しっかりとした白木の箱に詰めて販売されています。ただ、この箱に資産価値があるかというと、ないという理解でいいかと思います。要は、取っておくのが当然であれば資産価値があるということになりますし、基本的には使い捨て容器として捨てることが前提であれば、資産価値がないということになります。我が家の場合、最初はこの白木の箱を勿体ないと取ってあったのですが、何年かするうちに、結局使わないので、捨てるようになりました。ということは結局資産価値はないということですし、結果的に一体資産ではないということになります。

この点については、消費税の軽減税率制度に関するQ&A(個別事例編)では、「飲食料品の販売に際し使用される包装材料等が、その販売に付帯して通常必要なものとして使用されるものであるときは、その包装材料等も含め『飲食料品の譲渡』に該当します」と解説されています。飲食料品の譲渡に該当するということは、軽減税率の対象となるということです。

ということで、お節を詰めて販売するのに一般的に使用される木の箱であれば、軽減税率対象ですし、それ自体に価値がある豪華な重箱であれば、一体資産として軽減税率の対象外となるということかと思います。この観点で言えば、通販で買うことができるフグ刺しについては、プラスチックの皿に乗ったものであれば軽減税率の対象。それ自体に価値がある有田焼の皿に乗ったフグ刺しは一体資産として軽減税率の対象外となりそうです(そもそも高級食品であるフグが軽減税率対象って、という声もありそうですが…)。

ただし、一体資産だから自動的に軽減税率の対象外となるわけではありません。一体資産であっても、1) 一体資産の価格が少額(税抜1万円以下)のものであり、2) 軽減税率の対象となる飲食料品が主たる要素を占める(2/3以上)場合には、軽減税率の対象となります。ですから、おもちゃ付きのお菓子(税抜1万円以下)については、飲食料品の割合が2/3以上であれば、軽減税率対象である一方で、2/3未満であれば軽減税率対象外となります。具体的に言えば、ビックリマンチョコは軽減税率の対象、一方でミニカー付きのガム(←コンビニで見るとつい車種をチェックしてしまいます)は軽減税率の対象外となるようです。

この記事のために、改めて調べているのですが、実に複雑ですね。実務として、本当にこれが成り立つのか、正直、心配です。
posted by 岡本浩一郎 at 17:18 | TrackBack(0) | 税金・法令

2019年09月11日

テイクアウト

いよいよ10月に迫った軽減税率。前回も軽減税率の対象品について、お話ししました。軽減税率の対象となるのは、飲食料品と新聞。ただし、飲食料品については、酒類は対象外、また外食も対象外です。

ということで外食は対象外なのですが、ここで言う外食とは、店内で飲食する場合。ですから、同じスターバックスでも、そのまま店内で飲食する場合には、外食として軽減税率の対象外となる一方で、テイクアウトする場合には、通常の飲食料品(要はスーパーで缶コーヒーを買うのと同じ)扱いとなり、軽減税率の対象となります。

ただ、基本はテイクアウトだけれども、時間調整で店内で少しだけ休憩がてら飲むことってありますよね。スターバックスでは店内で飲む場合にはマグカップになることもありますが、私は途中で持ち帰ることもあるので、紙カップでお願いすることがほとんどです。この場合は、かなり微妙なのですが、基本的にはお客さまの申告を信じるしかない、ということになります。

フードコートですとか、コンビニのイートインコーナーも微妙です。政府広報によると、「フードコートでの飲食料品の提供は、テーブルやいす等が設置されたスペースに隣接する飲食店が、顧客にその飲食スペースで飲食させるサービスを提供するものであるため、「外食」にあたり、標準税率(10%)の適用対象となります。」とされています。逆に、フードコートから少し離れたベンチで食べた場合は、お店が飲食スペースを用意したわけではないということで、基本的には軽減税率の対象となります。このため、コンビニのイートインコーナーを名目上(?)廃止し、あくまでも休憩スペースです、とする可能性があるとか、ないとか。弥生の本社がある秋葉原UDXには、ファミリーマートが入っており、このファミリーマートにはかなりしっかりとしたイートインコーナー? 休憩スペース?があるのですが、10月以降どうなるのか、興味津々です。

お客さまの混乱を避けるという観点から、店内飲食とテイクアウトで税込の価格を合わせるという動きもあるようです。例えば、店内飲食は本体価格が800円に消費税10%で税込880円だとすると、テイクアウトは本体価格を815円として、これに軽減税率8%の消費税65円を足して税込880円に統一するという方法です。こちらの記事によると、同じ牛丼チェーンでも、すき屋と松屋は税込価格を統一する一方で、吉野家は本体価格を統一し、結果的に税込価格が別になる予定だそうです。

この税込価格統一は一定の理解はできますし、政府としても混乱を避けるという観点で認める模様ですが、個人的には、なんだかなあと思います。店内で飲食しないというのは、お店のリソースを使わないということですから、テイクアウトの価格が安くなるのは理解できるのですが、この価格調整は、逆にテイクアウトの方が本体価格が高くなるので、合理的な説明ができないと思います。本来は、生活に欠かせない物品について、消費税率を低く留め置くという軽減税率の趣旨からすると、同じものなのに、店内飲食とテイクアウトで本体価格を調整するのは、趣旨に反するように思うのですが…。それに、税込価格を統一したとしても、消費税率は実態に合わせて変えなければならないので、結局お客さまに店内飲食か、テイクアウトか聞く必要はあるんですけどね。

正直どうなることやら、というテイクアウト問題ですが、当初の混乱は避けられないように思います。消費者の立場では、少し時間が経てば、すぐに慣れるのかな、と思いますが、販売する側は、最初から実態に合わせて消費税率を変える必要がありますから、まずはどのケースで軽減税率の対象になるのか、しっかり理解して準備することが重要です。
posted by 岡本浩一郎 at 22:53 | TrackBack(0) | 税金・法令

2019年09月09日

軽減税率の対象品

昨晩の台風の直撃は凄かったですね。音がうるさくて寝るどころではありませんでした。実は今日は福岡への出張だったのですが…、6時間かけて何とか根性でたどり着きました。起床したのが5時、風雨がある程度収まったのを確認して家を出たのが7時。ただ、公共交通機関が全て不通ということもあり、羽田までの道路が大渋滞。通常30分で着く距離なのですが、結局2時半もかかりました。羽田空港に着いても、乗員も羽田空港に着けないということで飛行機が出発できず、結局離陸したのは11:00。福岡空港には12:30に着いたのですが、ゲートが空いていないということで、降機できたのは結局13:00。日本の交通インフラは精緻に組み上げられ、運用されているだけに、一旦混乱すると影響が大きく広がることを実感しました。

さて、前回は軽減税率の対象品について、お話ししました。軽減税率の対象となるのは、飲食料品と新聞。ただし、飲食料品については、酒類は対象外、また外食も対象外です。新聞も全てが対象になるのではなく、厳密には、「定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞」となります。

新聞はそれほど迷う余地はないのですが、飲食料品については、実際はかなり複雑な判断基準になります。例えば、みりん。みりんはどこの家にもある基本の調味料ということで、飲食料品であり、当然軽減税率の対象となるように思えますが、実はみりん(本みりん)は酒税法上の酒類となるため、ビールやワインといった一般的な酒類と同様に、軽減税率の対象外となります。ただ、似たような存在としてみりん風調味料というものがありますが、これは酒類の扱いではないので、軽減税率対象となります。一方でお酒を含む食品として例えばウイスキーボンボンがありますが、これはあくまでも食料品として軽減税率対象となります。

他には、ペットボトルの水と、水道水というのも難解です。ペットボトルの水は飲食料品に該当するので、軽減税率の対象。水道水も、生活に欠かせない物品について、消費税率を低く留め置くという軽減税率の趣旨からすると、当然対象になるように思えますが、定義上、飲食料品に該当しないので、実は軽減税率の対象外となります。水道水はお風呂にも使われますし、必ずしも飲むものではない、と考えればよいのでしょうか。

難解と言えば、栄養ドリンクやサプリメントなども注意が必要です。同じ「飲むもの」や「食べるもの」であっても、医薬品等に該当すると、逆に飲食料品ではないとなり、軽減税率の対象外となります。具体名で言えば、ユンケルリポビタンDは、基本的に医薬品等になるため、軽減税率対象外、一方で、レッドブルオロナミンCは医薬品等に該当しないため、飲食料品として軽減税率の対象となります。

正直、何が何やらという感じですね。とは言え、買う側は、お店で示された税率で買えばいいだけの話。ただ逆に、売る側としては、自分が売っている商品のうち、何が軽減税率となるのか、逆に対象外なのかをしっかりと分別する必要があります。

2019090901.png

ちなみに、日経電子版では今日から、「クイズで分かる軽減税率」という特集記事を掲載していますが、私は10問中7問正解にとどまりました。まあ、正直お恥ずかしい限りなのですが、逆に言えば、それなりにわかっていなければいけないはずの私でも、全問正解とはならない、それだけ複雑な制度ということです(言い訳ですかね、苦笑)。
posted by 岡本浩一郎 at 18:44 | TrackBack(0) | 税金・法令

2019年09月05日

そもそも軽減税率とは

少し前からお話ししている軽減税率対策補助金ですが、購入および導入、さらに支払いの完了が9月30日までとなっている要件の緩和が図られるべきとお話ししました。色々とやり取りはあったのですが、自分で購入・導入する請求書管理システム(C-2型)については、残念ながら要件の緩和の対象外ということになりました。今回の要件緩和は、供給が潤滑に行われていないケースに対処するものであり、供給に問題が発生していないC-2型については、対象外ということでした。

ただし、9月30日の支払い完了について、従前はクレジットカードで支払い、口座引落しが10月になる場合はNGという判断だったのですが、今回、「申請者の銀行口座等からクレジットカードの引落しが補助金の申請期限である2019年12月16日までに完了したものが対象」となり、救われることになりました(こちらの手引き(PDF)のP32参照)。一方で、同じページには、「法人の場合は、法人カード、個人の場合は本人のカードであることとします」ともあり、法人の場合でも従業員が立替払いをすることが一般的なのに対し、あまり実態に即さない要件が入ってしまっているのは残念です。

上記に限らず、かなり細かい決まりがありますので、申請にあたっては、手引きをしっかり読み込むことをお勧めします。しかし、税金を使っての補助金支給だけに、色々と厳しくなるのはわかるのですが、あくまでも達成したいのは、ソフトウェアの導入によって軽減税率の準備を進めることのはずであり、もう少し何とかならないのかなと思います(関係者におかれては、限られた時間の中、最善は尽くしていただいているとは思うのですが)。

さすがに軽減税率対策補助金の話はこれぐらいにして、10月に向けてどういった準備を進めるべきかについてお話しをしていきたいと思います。

10月1日より、消費税率が10%に引き上げられると同時に、軽減税率制度が導入されます。税率の引上げは約5年前の2014年4月にも行われています(5%→8%、この時の引上げは実に17年振り)ので、比較的記憶に新しいところですし、これが原因で極端な混乱が起こることはないでしょう。ただ、問題は軽減税率。海外では普通に存在する制度ですが、日本では初めて。何がどうなって、それに対し何をすればいいのか、さっぱりわからないという方も多いと思いますし、それが故に一定の混乱も想定されます。

そもそも軽減税率とは何でしょうか。弥生の消費税改正あんしんガイドもご覧いただきたいのですが、「軽減税率とは、一般に適用される税率(標準税率)よりも低く設定される税率をいいます」。言葉の定義としてはまあこうなるのでしょうが、なぜそもそもこういった制度が導入されるのか。政府広報によると、「所得の低い方々に配慮する観点から」と書いてありますが、やや漠然としていますね。要は、生活に欠かせない物品について、消費税率を低く留め置くことによって、生活への配慮を行うということかと思います。

このため、軽減税率の対象は、生活に欠かせない物品に限られています。具体的には、飲食料品と新聞ということになります。ただし、飲食料品については、酒類は対象外、また外食も対象外です。酒類にせよ、外食にせよ、生活に欠かせないわけではないということでしょう。その観点でいうと、今の時代に、新聞が生活に欠かせないかというと正直微妙です。まあ、これは色々な力学が働いたのだと思いますが…。ただ、新聞も全てが対象になるのではなく、厳密には、「定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞」となります。ですので、駅で新聞を購入した場合には、軽減税率の対象にはなりません。また電子版も軽減税率の対象外とされています。

まずは概要ということで簡単に書いていますが、具体的にはもっとも複雑です。次回は飲食料品についてもう少し細かく、対象になるもの、対象にならないものを解説したいと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 22:58 | TrackBack(0) | 税金・法令

2019年09月03日

芳根京子さん日経一面デビュー

いよいよ9月。10月1日の消費税率の10%への引上げ、軽減税率の導入までいよいよ一ヶ月を切りました。選挙でも大きな論点にはならず、正式表明もないため、なかなか対策をしなければという切迫感がないままここに至っています。

2019090301.jpg

とはいえ、一ヶ月を切ったということで、遅まきながらメディアでも取り上げられることも増えてきました。日本経済新聞では、昨日・今日と「点検・消費税10%」という特集記事を掲載しています。毎朝、起床後はまず日経を読むのですが、今朝の一面には何か見慣れたものが。写真のキャプションには、「家電量販店の店頭に並ぶ軽減税率対応のレジ」とありますが、そのレジの上に並ぶのは…、そう弥生シリーズです。やよいの見積・納品・請求書弥生販売。よく見れば、弥生のロゴも見えますね。目覚ましい活躍の芳根京子さん(弥生 イメージキャラクター、弥生社内では「弥生ちゃん」と言われています、笑)ですが、日経の一面デビューはさすがに初めてなのではないでしょうか。

確かに家電量販店での販売は勢いがつきつつあります。消費税の影響を受けるのは、弥生シリーズの中でも会計製品と販売管理製品ですが、8月の月間では、それぞれ対前年で150%、170%程度だったものが、先週一週間だけを見ると、190%、220%とかなりのペースになってきています。上述の記事中でも「カシオ計算機の4〜8月のレジ販売が前年同月比で2倍以上に」と書かれています。

とはいえ、これは想定の範囲内。もともとは6月ぐらいからはボリュームが増えるだろうという事前予想に対し、8月に入ってからようやくそれなりに動きが出てきた分、9月末に向けて、そしておそらくは10月も、動きが極端に激しくなるのではないかと思っています。

カスタマーセンターへのお問合せ対応も含め、9月末に向けてどうなるのか、正直戦々恐々ですが、ここでお客さまをしっかりと支えてこそ、やっぱり弥生だよね、という信頼にお応えすることになります。本ブログも、今月は消費税で始まり、消費税で終わることになるかと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 19:02 | TrackBack(0) | 弥生