2019年11月06日

システムトラブル

先週前半はオーストラリア出張でした。月曜日はシドニー、火曜日と水曜日はメルボルン。シドニーでは、中心部から30分ほど離れた郊外での打合せのため、空港でレンタカーを借ります。今回は、朝7時前に到着。入国審査/荷物のピックアップを経て、8時前にはレンタカーの事務所へ。まだ朝早いので、他にはお客さまはいません。ラッキー。

レンタカー会社の会員になっているので、免許証の確認など最低限のやり取りですぐに出発できるはずなのですが、今回は様子が普段と異なります。どうも話を聞いてみると、システムがダウンしているとのこと。こんな時のために、という訳ではないのですが、予約情報を印刷して持参しているため、それを見せると、クルマ自体は用意できている模様。ただ、借り出しの手続きを紙で行う必要があるとのこと。

見ていると、こちらの予約情報を参照しながら、所定の用紙に手で記入していきます。それなりの時間をかけて手書きで書類が出来上がったところで、こちらが確認してサインして手続きは完了。30分はかかったでしょうか。国際線ターミナル、かつ、まだ朝比較的早めの時間ですので、待ちもなく、何とか支障のない時間で手続きを済ませることができましたが、これがピークの時間だったらと思うと、ぞっとします。

ただ、このようなシステムトラブルは決して珍しくはない模様。係員は大変なんだよ、とぼやきつつ、それなりに慣れた感じでしたし、実際に、こんな時のために紙が用意され、それで実際に処理ができていました。

その時に思い出したのが、昨年のオーストラリア出張。深夜便での帰国だったので、街中で夕食を済ませ、夜10時ぐらいに空港に向かおうとした時のこと。タクシーをつかまえると、カードが使えず現金払いになるがいいか、と確認されました。何でもカードの処理センターが止まっているとのこと。そういえば、食事の際にもカードが使えないと言われ、慌ててATMで現金を下ろしたのですが、同じ原因だったようです。

ITが生活のあらゆる面を支えている中で、システムトラブルが与える影響は格段に広がりつつあります。ただ、私自身はシステムを提供する側だからこそ、システムを問題なく運営することの大事さは十分に理解しつつ、そこに完璧さを求めるべきでもないと考えています。なぜならば、完璧さを求めることは、コストの圧倒的な増加につながるからです。コストを2倍投入して、信頼性が2倍に向上するのであれば、それは合理性がありますし、やるべきこと。一方で、信頼性99.9%から信頼性99.99%、さらには99.999%に向上させようとすると、コストは爆発的に増加します。

どれだけのコストをかけて、どこまでの信頼性を要求すべきかは、用途によって異なります。つまり、これが常に正しいという絶対解はありません。ただ、いずれにせよ100%はありえません。そうであれば、やみくもにコストをかけて極限まで100%に近付けることを目指すよりも、100%でないことを前提にバックアップの策を用意したほうが合理的なのではないかと考えています。

この話には余談があります。今回の最終日も深夜便での帰国ということで、やはり10時頃にタクシーで空港へ。今回は、カードも無事使えたのですが、いざ空港に着いてみると、見たこともないような行列になっています。

話を聞くと入出国審査のシステムが全面的にダウンしており、チェックインの手続きができないとのこと。それでもあるところから行列が進み始めました。自分がカウンターにたどり着いたところで聞いたところ、システムでの審査をやめ(システムを切り離し)、人手での確認プロセスに切り替えたとのこと。結果的にいつもよりはだいぶ並ぶ時間は長かったのですが、無事に搭乗することができ、フライトもほぼ予定通りの時間での出発となりました。

もちろんシステムにトラブルがないのが一番。私たち自身も、システムを提供する立場として、トラブルがないように万全を期しています。ただ、100%はあり得ない中で、それでもどれだけコストをかけてでも100%を目指すのか、あるいは、いざという時の代替を考えるのか。日本は100%に拘る傾向が強いと思いますし、それも頭から否定されることではないと思います。一方で、オーストラリアの、問題はあるもの、問題があれば代替手段、という割り切りも一つの考え方なのではないでしょうか。
posted by 岡本浩一郎 at 18:01 | TrackBack(0) | ビジネス