2020年06月23日

10年経った弥生(その3)

前回/前々回は、10年前に「10年後の弥生」という記事を書いたことから、この10年間の進化を振り返ってみました。前期(FY19)とその10年前(FY09)で比較すると、売上が2.2倍、利益が2.25倍。また、お客さまの数、パートナーの数、チームメンバーの数についても、売上の成長に見合い、かつバランスが取れた状態で健全な成長を遂げてきたことをお話ししました

これまでは主に数値面での10年間を振り返ってきましたが、数字以上に重要だと考えているのは、新しい取り組みを続けてきたということ。例えば、弥生ドライブ。弥生のお客さまは今でもデスクトップアプリをご利用の方が多いですが、弥生ドライブというクラウドストレージと組み合わせで利用されている方が多くなっています。新型コロナウイルス禍を受け、弥生製品を使ったリモートワークも一般化していますが、これが容易に実現できているのは、この弥生ドライブによってデータがクラウド化されているからです。ちなみにAIを活用して仕訳入力を自動化するスマート取引取込も2014年から。

少し前に弥生の提供する申告ソフトに関しては、既にフローベース(新規のお客さま)では、クラウドアプリを選ぶお客さまの数がデスクトップアプリを選ぶお客さまの数を超えていると書きましたが、クラウドアプリであるやよいの白色申告 オンラインがスタートしたのも2014年(やよいの青色申告 オンラインは2015年)です。

この10年間の中間地点である2014年にリリースが集中しているように見えますが、2014年前後だけ頑張ったという訳ではありません(苦笑)。弥生ドライブは、もともと2003年から存在するデータバックアップサービスをより汎用的な仕組みとして再構築したものです。スマート取引取込の原型は、銀行取引を仕訳データに自動的に変換する仕組み(MoneyLook for 弥生)として、2007年末から提供してきました。先行サービスを発展させ、スマート取引取込ではAIを活用するなど、新しい技術を採用することによって、今を支える新しいサービスが生まれています。

良くも悪くも試行錯誤もあります。弥生オンラインの第一号は、実は2012年にスタートしたやよいの店舗経営 オンラインですが、より汎用的なアプリケーションである弥生会計 オンラインを2015年にリリースしたことに伴い、2017年にサービスを終了しました。

自社でサービスを開発するのではなく、志を同じくする仲間と力を合わせることも経験しました。Misocaは2016年にグループ入り。この7月には正式に合併し、名実ともに一体となります。また、2014年末にオリックスグループ入りしたことを活かし、オリックスの金融の力を活かしたオンライン融資サービス、アルトアを立ち上げたのは2017年末。

こうやって振り返ってみると、色々あった10年間だったと実感します。ただ、ここに書いていないものも含め、全てがうまく行っている訳ではありません。それでも過去を受け継いで粛々と継続するのではなく、新しいことに取り組んでこれたことは大きな成果だと考えています。

全てがうまく行っている訳ではないと書きましたが、実際のところ、まだまだできていないこと、まだまだやるべきことは山ほどあります。それらを書き出すと…、終わらなそうなので止めておきます(笑)。この10年間は一定の成果を得ることはできたと思いますし、最低限の合格ラインはクリアできたと思っています(チーム弥生の皆に感謝)。ただ、弥生の進化であり、真価が問われるのは、むしろこれからの10年間だと感じています。
posted by 岡本浩一郎 at 21:44 | TrackBack(0) | 弥生