2020年10月15日

奨学金返済支援手当

新型コロナウイルス禍の関係もあり本ブログでお話しする機会を逃していましたが、昨年秋より弥生では、奨学金返済支援手当の支給を開始しています。これは、大学(院)・高専での学業に伴って借り入れた奨学金の返済を会社として支援するというものです。対象者は1等級/2等級の正社員など大学を卒業してからの日が浅い = 奨学金の返済がまだ進んでいない、比較的ジュニアなメンバーとなりますが、最長5年間、奨学金の返済額と同額を会社から支給します。例えば、月々の返済額が2万円だとすると、2万円×12ヶ月×5年間で合計120万円の手当を支給することになります。

この制度を作ったのには、実はちょっとしたきっかけがありました。若手メンバーのYさんは、今どきにしては珍しいクルマ好き。ただ、残念なことに少し前に当て逃げの事故にあってしまったのです。怪我がなかったのは何よりなのですが、お気に入りの愛車(かなりユニークなクルマでした、笑)は全損。悪いことに車両保険に入っていなかったため、金銭的にも全損になったとのこと。新しいクルマを買うのか聞いたところ、奨学金の返済もありますし、将来も考えなければいけないので、クルマは買いませんとのこと。殊勝な顔をしていたことを覚えています。

気になったので人事と相談したところ、確かに最近は奨学金の返済がある人が増えているとのこと。こちらの記事によると、少し古い数字(2016年度)ですが、大学・短大生では2.6人に1人が奨学金を利用しているそうです。奨学金と言えば聞こえはいいですが、結局返済が必要な借金です。地道にでも返済ができればいいですが、過去5年間で奨学金を返済できない故の自己破産が延べ15,000人もなるとのこと。

私自身は幸いにして恵まれた環境にあり、進学する際にお金の心配をする必要はありませんでした。ただ、過去と比べ、大学への進学率が上昇し、大学に行く人が増える中で、奨学金に頼らざるを得ない人が増えているのかと思います。

弥生における給料は基本的に、アウトプットに対する報酬です。このため、昔ながらの企業であるような、住宅手当や配偶者手当といったものはありません。住宅の有無や配偶者の有無で報酬が変わるべきではないと考えており、その原資があるのであれば、本来のアウトプットに対する報酬として支払うべきだと考えているからです。そういった意味では、この奨学金返済支援手当は例外的な扱いです。大学を出て以降の住宅をどうする、配偶者をどうするは本人の意思ですが、大学から背負った借金は必ずしも本人の意思では左右できない部分だと考えているからです。実際にこの制度を利用する人は約50人程度。この制度ができて本当に助かったという声を多くいただいています。

それでも実は日本はまだマシな状況です。アメリカでは学生ローンが社会的な問題になっています。この記事によると、現在4,400万人を超えるアメリカ人が総額1兆5,600億ドル(約170兆円!)を学生ローンで借りているそうです。この額は、アメリカのクレジットカードの合計債務額の1兆2,000億ドルよりも多く(!!)、また自動車ローンの合計債務額よりも約5,210億ドル多い(!!!)のだそうです。

アメリカと比較して比較的廉価に教育を受けられることは日本の良さだと思いますし、多くの方が望む教育を受けられるような社会であるべきだと思います。教育を受けたことによる負担を多少なりともカバーし、機会の均等を実現することを、弥生として応援したいと考えています。
posted by 岡本浩一郎 at 23:26 | TrackBack(0) | 弥生