2021年04月19日

今さらながら? 今だからこそ? インターネットバンキング

先週木曜日で2ヶ月間の確定申告期間が終わり、ちょっとホッとした気分です。確定申告期間中はお客さまにご迷惑をお掛けすることのないよう、全社で臨戦態勢が続きます。ただ今年は昨年に引き続き新型コロナウイルス禍の影響で申告期間が2ヶ月となり、例年よりも長い臨戦態勢となりました。その分無事に終わった解放感もひとしおです。

お客さまも確定申告が終わってホッとされているのではないかと思いますが、来年の申告に向けた仕込みも忘れないようにしたいところです。それはインターネットバンキングの活用。日頃からインターネットバンキングを活用していれば、そのデータを弥生の「スマート取引取込」で取込み、自動で仕訳データとすることができます。

スマート取引取込は2014年から提供している機能(その前身であるMoneyLook for 弥生は2008年)ですが、金融機関からのデータの取り込みに際して「スクレイピング」という技術に依存しており、必ずしも誰にでもおすすめとまでは言えないものでした。スクレイピングというのは、イメージとしては、ロボットがユーザーのIDとパスワードを預かり、ユーザーになりすまし、金融機関のウェブサイトに自動でログインして取引データを取ってくるというものです。技術としては確立したものではあるのですが、万が一セキュリティ上の問題が発生した場合、責任の所在が明確でないという課題があり、また、金融機関のウェブサイトに変更が入るとすぐにデータの取得ができなくなるなど、安定性に課題がありました。

これに対し、2018年から、弥生が金融機関と契約を締結した上で、お互いに合意した方法でデータを取得する「API」接続への切り替えを徐々に進めてきており、現時点では、銀行を中心に大半がこのAPI接続となっています。API接続であれば、弥生がお客さまの金融機関ユーザーIDとパスワードをお預かりする必要はありませんし、仮に何か問題が発生した場合に、どちらがどのように対応するかは契約で明確化されています。また、API接続では予め合意されたインターフェイスでのやり取りですから、スクレイピングと比べ圧倒的に安定しています。

もう一つの進化は銀行の口座明細データから仕訳データに変換する際の仕訳の精度です。前身であるMoneyLook for 弥生の際は辞書方式で、どんなデータが来たらどんな仕訳にするのか、全てお客さまに登録していただく必要がありました。これがスマート取引取込では、こんなデータの場合に、他の弥生ユーザーではこんな仕訳をしていることが多いというAIによる推論の仕組みを導入したことにより、お客さまが自ら辞書に登録する必要はなくなりました。

ただ、正直に言って、当初の推論の精度は今と比べると決して高いものではありませんでした。データの蓄積が十分でないという制約に加え、推論の仕組み自体も、今と比べるとまだまだ原始的でした。もちろん、推論結果が誤っている場合には、お客さまで正しい仕訳に修正していただければ、それを学習するのですが、その最初のカベを超えられず、スマート取引取込の利用を断念されるケースもあったものと思います。

スマート取引取込をリリースしてからもう少しで7年近くなりますが、この間継続的に推論の仕組みの改善を行っており、特にここ2〜3年で、その精度は大きく改善されました(当社比)。改善は今も続いており、今年後半に向けて、推論のさらなる進化も予定しています。

データを取り込む際のAPI接続、そして推論の精度向上。当初は使いたい方にのみ使っていただく機能だったスマート取引取込ですが、今では誰にでもおススメできる機能です。ただ、そんなスマート取引取込ですが、どうしても超えられない制約があります。それは金融機関側でデータを保持している期間のデータしか取り込めないということ。最近では徐々にその期間が延びる傾向にありますが、直近3ヶ月分の明細しか取り込めないということも珍しくはありません。そうなると、来年、申告期を前にして、よし申告の準備をしようと思ってスマート取引取込の設定をしても、1年のうち最後の2ヶ月分しか取り込めないということにもなりかねません。今スマート取引取込を設定し、定期的に取り込んでおけば、来年にはスマート取引取込の力を実感できるはずです。

関連して、もし事業用の口座を分けていないのであれば、この機会に事業用のみに使う口座を開設することもお勧めします。一つの口座を私用と事業用で兼用としている場合、私用の取引についても「事業主貸」「事業主借」勘定で記帳する必要があります。これに対し、事業専用の口座を開設し、私用と完全に分離すれば、事業用の口座の記帳はもちろん必要ですが(もちろんスマート取引取込を活用しましょう)、私用の取引の記帳は必要なくなります。

来年もっとラクをするためにも、(必要に応じて)事業用の口座の開設、インターネットバンキングの契約、スマート取引取込の設定の3点セットの仕込みを是非どうぞ。
posted by 岡本浩一郎 at 19:04 | TrackBack(0) | 弥生