2021年05月31日

クラウド型の利用率が25%超え

今年も新型コロナウイルス禍の影響で確定申告の期限が延長され4月15日までとなりました。延長は昨年と同様ですが、昨年は申告期限間近に初の緊急事態宣言は発出されるなど、混迷の中でお客様サポートを何とかやり遂げたのに対し、今年は当初から期限延長もありうるという想定のもとで準備を進めてきたこともあり、比較的落ち着いて対応を継続をし、無事に期限を迎えることができました。

申告期間を乗り切った後にやってくる通知表(笑)として、毎年楽しみにしつつ、ドキドキもしつつ公表を待っているのが、MM総研による「クラウド会計ソフトの利用状況調査」。MM総研は、2016年から毎年確定申告終了時点でのシェア調査を行っていますが、今年は申告期限が延長されたことにより、4月末時点での調査となり、その結果が先週発表されました

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今回の結果は、この通り。弥生はダブルスコア以上と2位以下に大差をつけて、しっかりとNo.1をキープしています。ただし、シェアを大きく伸ばせているかというと、一昨年が57.0%、昨年が56.7%、そして今年が57.0%でしたから、安定していると言えば安定しているし、同時に膠着状態という言い方もできると思います。ここはもう少し伸ばしたいというのが正直なところですが、昨年には2位と3位が交代するという動きもある中で、過半のシェアを安定的に確保できている訳ですから、まずまずの成果とは言えると思います。

競争の激しい市場の中で、弥生がどれだけのシェアを有しているかは弥生の競争力を表す指標として注視しているところですが、この調査でそれ以上に価値があるのは、個人事業主において、どれだけクラウド会計(申告)ソフトが浸透してきているかというデータです。昨年は会計(申告)ソフトを利用されている方のうち、クラウド型が21.3%と20%を超えましたが、今年は、26.3%とジャンプアップし、一気に25%を超えました。ソフトを利用されている個人事業主のうち、4人に1人はクラウド型を選ばれているということです。

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新しい技術が普及する上では、まずごく少数のリスク許容度が高く新しもの好きな人(Innovators)が利用し、その後により冷静に使える技術を見極める人(Early Adopters)が利用するというTechnology Adoption Life Cycleという定説があります。この2つのグループの後にはChasmという「深い溝」があり、これを超えられずに一時の流行りで終わってしまう技術もある一方で、このChasmを超えることができれば、前向きな大衆(Early Majority)での利用が一気に進むと言われています。

技術というよりは、具体的なサービスの話になってしまいますが、数年前に流行った短文投稿型のSNS、マストドンは、Innovatorsには受けたものの、Early Adoptersまでは至らなかったように思います(まだサービスが終わった訳ではないので、今後どうなるかはわかりませんが)。最近で言えば音声チャットのClubhouseは、Innovatorsを超え、Early Adoptersまで至ったように思いますが、最近はちょっと勢いがなく、Chasmを超えられるかどうか、なかなか見通せない状況です。

話を戻して個人事業主市場におけるクラウド会計(申告)ソフトについては、少なくとも昨年には確実にこのChasmを超えたと見ています。Chasmを超えてEarly Majorityでの利用が始まると普及が加速しますが、これは今まさに起きていることです。Early Majorityで利用が始まると課題になるのは、お客さまのサポート。InnovatorsやEarly Adoptersのお客さまはある意味、好きで使うので、何かわからないことや困ったことがあっても、自分で検索するなど自分で解決しようとします。自分で選ぶから、何かあっても自分で解決しようとする訳です。それに対し、Early Majorityは周りも使い始めているし、ということで利用される方が多く、いざという時には頼れる先が必要です。弥生が顧客サポートであり、その中でも(あくまでもお客さまのニーズにあわせてですが)電話でのお問合せ対応に拘っているのはこういったところに理由があります。

いざとなれば安心して頼れるという先があるからこそ、Early Majorityのお客さまが利用するようになっている訳ですし、それは同時に、Early Majorityでの普及が進む中だからこそ、弥生のシェアが安定して高いレベルを維持できているということを意味しています。

ということで今回の通知表はまずまずの結果でした。ただ、まだまだEarly Marjorityでの利用が進み始めたところですし、その後ろにはLate Majorityという層も控えています。今後もより多く方にご利用いただき、結果としていい通知表を受け取れるように、もっともっと頑張らないと!
posted by 岡本浩一郎 at 19:08 | TrackBack(0) | 弥生

2021年05月28日

事業継続力と競争力を高めるデジタル化

前々回前回2021年版中小企業白書を題材にお話ししてきました。今回の中小企業白書は、中小企業が新型コロナウイルス禍による危機に直面する中で、「危機を乗り越える力」が大きなテーマになっており、デジタル化が「事業継続力と競争力を高める」としています。

実は、今回の中小企業白書で一番ご紹介したいのは、P242にある、事例2-1-9: 株式会社トオセヨという「トランザクションレンディングを活用し、資金繰りに余裕を持たせる企業」の事例です。はい、そうです、トオセヨさんはアルトアのお客さまです。アルトアのオンライン融資サービスは行政機関からも注目されており、今回の中小企業白書でその事例を紹介したいということで、アルトアからご紹介したという経緯があります。

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「そうした中、利用していた会計ソフト「弥生会計」からメールで案内を受けたのが、アルトア株式会社のオンライン融資サービス(以下、「アルトア」という。)であった。申込みに当たっては「弥生会計」の会計データだけ用意すればよく、面談も不要で、金融機関に比べて融資も迅速だという。24 時間インターネット上から申し込めるので、店を閉めた後の夜間の時間を使って利用できるのも大きなメリット。同サービスを活用して手元資金に余裕を持たせることで、本業に集中できるようになった。」

前回は、デジタルで懇親会のあり方を変えたnonpi foodboxというサービスを紹介しつつ、同時に、「誤解のないように申し上げると、何でもかんでもデリバリーすればいいとは思っていません。またデジタルはあくまでも有効なツールであって、全てがデジタルであるべきだとも思いません」とお話ししました。外に食べに行く飲食店がなくなり、全てがデリバリーになってしまったら、それこそ味気のない世界です。飲食店には、普段と違う空間で楽しい時間や美味しいものを共有するという喜びがあります。

もっとも、だからといってデジタルは無縁ということではありません。むしろ、普段と違う空間で楽しい時間や美味しいものを共有するという喜びを最大化するために、デジタルをどう活用するか。トオセヨさんの場合には、お客さまに楽しい時間や美味しいものを提供することに精一杯で、金融機関に相談に行くことも難しかった。そこで24時間インターネット上から申し込めるアルトアを活用したわけです。アルトアであれば、改めて書類を用意する必要もなく、日頃から記帳している会計データさえあればいい。これもデジタルを活用して事業継続力を高めた好例ではないでしょうか。


個人的に残念なのは、行きたい行きたいと思いつつ、新型コロナウイルス禍の影響で未だにトオセヨさんのお店(「満月」)にお伺いできていないこと。そう言っているそばから、緊急事態宣言が延長という報道があり、ため息が出ます。現状の新型コロナウイルス禍の状況を鑑みると、しっかりとした対策が必要であることに異論はありません。ただ、感染者増加に対する直接的な対策である医療体制の強化、また、感染者増加を未然に防ぐワクチン接種になかなか有効な手を打てていない中で、結果的に飲食店を中心として一部の事業者にばかり過大な負担を強いる策が本当に妥当なのかは疑問に感じています。
posted by 岡本浩一郎 at 19:13 | TrackBack(0) | ビジネス

2021年05月26日

危機を乗り越える力

前回2021年版中小企業白書についてお話ししましたが、今回の中小企業白書は、中小企業が新型コロナウイルス禍による危機に直面する中で、「危機を乗り越える力」が大きなテーマになっています。

市場に大きな変化(おそらくは不可逆な変化)が起きている中で、事業のあり方を見直せるかどうか。私が印象に残っているのが、オンライン飲み会用のケータリングです。弥生でも、ここ一年間はHalf Year Meetingや社員総会などで皆が物理的に集まることができていませんし、それに伴ってBeer Bustを開催することもできていません。昨年秋にCS本部総会を開催する際には、ホテルの宴会場を利用できないことは自明だったものの、例年お世話になっているだけに、多少なりとも貢献できればということで、ホテルにせめて食事を気の利いたお弁当のような形で数百人分用意してもらえないか聞いてみました。

私がホテルの経営者であれば、即答でもちろん喜んで、と回答するところですが、実際には、対応できないという返答でした。食べ物だけに食中毒の心配もあり、ホテル外では品質を担保できないという判断だったのかもしれません。ただ、それ以上に、我々はホテルだから、ホテルの中で最高のサービスを提供するのが、我々の仕事というある意味の思い込みがあったのではないでしょうか。

ホテルには断られましたが、人事総務部で引き受けてくれるところを一生懸命探し、CS本部総会でも社員総会でも、皆が同じ食事をするという経験を共有することができました。最近ではnonpi foodboxというオンライン飲み会に特化したフードデリバリーが好評で、弥生でも各部署のオンライン飲み会で利用するようになっています。このサービスは、デジタルで懇親会のあり方を変えたいい例だと思います。

誤解のないように申し上げると、何でもかんでもデリバリーすればいいとは思っていません。またデジタルはあくまでも有効なツールであって、全てがデジタルであるべきだとも思いません。実際問題として、あくまで私個人の感想ですが、最近は色々な部署でnonpi foodboxを利用するため、私個人としては少々飽き気味です(苦笑)。でも、おそらくまだまだ進化するサービスだと思いますし、その際にデジタルは大きな武器になるでしょう。

一方で、既存のホテルや飲食店が全て駆逐されることもないでしょう。やはり普段と違う空間で楽しい時間や美味しいものを共有するという喜びは絶対的に存在しますから。ただ、これまでもこうやってきたから、と漫然と同じことを続けることが成り立たなくなっていくのだと思います。ホテルやお店に拘るのであれば、空間だったり、雰囲気だったり、あるいは素材の新鮮さだったり、ホテルやお店である「必然性」をよりはっきりと示していかないといけないのだと思います。

そのためにもデジタルは有効な武器になるはずです。デジタルを活用することによって、業務を効率化する、そして時間を「必然性」を示すために使えるようにすることによって。
posted by 岡本浩一郎 at 18:44 | TrackBack(0) | ビジネス

2021年05月24日

2021年版中小企業白書

2021年版中小企業白書が4/23に公表されました。中小企業庁は毎年、中小企業基本法に基づき、中小企業白書を作成し、公表しています。2021年版の特色としては、「新型コロナウイルス感染症が中小企業・小規模事業者に与えた影響や、この危機を乗り越えるために重要な取組として、事業環境の変化を踏まえた事業の見直し、デジタル化、事業承継・M&Aに関する取組等について、豊富な事例を交えながら調査・分析を行いました」とのことです。

中小企業白書は、中小企業の動向を多岐に渡る観点から分析していますが、今回興味深いのは、中小企業が新型コロナウイルス禍による危機に直面する中で、「危機を乗り越える力」(第2部)として、「事業継続力と競争力を高めるデジタル化」(第2章)に着目しているところです。

「新型コロナウイルス感染症の流行は、企業を事業継続の危機にさらすとともに、我が国においてデジタル化の重要性を再認識させた。第2-2-1 図は、感染症流行前後のデジタル化に対する意識の変化を示したものである。これを見ると、全産業では、感染症流行後において『事業方針上の優先順位は高い』若しくは『事業方針上の優先順位はやや高い』と回答する割合が6割を超えている。」(P. 320)

感染症流行前はデジタル化の優先順位が高い/やや高いの割合が46%だったものが、感染症流行後は62%にまで上昇しています。感染症が流行する中で、お客さまにリーチするためのデジタル、また同時に、感染リスクを低減するためのデジタルの必要性が改めて認識されたということかと思います。

ただ、デジタル化というのは、単純にIT化すればいいというものではありません。以前も本ブログでお話ししましたが、業務のあり方は変えずに、媒体だけを電子データにしたのが電子化、一方で、業務のあり方自体も見直すのがデジタル化だと考えています。ただ、昨今は、ITツールを使えばすぐデジタル化、あるいはDX(Digital Transformation)というITベンダーにとって都合のいい使われ方が多いようにも思います。もちろんITを活用すること自体は必要なことですが、事業や業務まで見直さなければ、本当のデジタルの力を引き出したことにはなりません。

もっともこれは中小企業白書もわかっていて、DXには(狭義の)DX・デジタル化(Digitalization)・電子化(Digitization)の三段階があるとしつつ、この白書ではあえてこの3つを全て含むとしています。確かに中小企業においては、まだまだITを活用するところから始めなければならない事業者も多く存在しますからね。ただ弥生としては、ITを使えばよし、ではなく、その先、デジタルを前提として事業や業務まで見直し、競争力を高め、事業継続力を高めるというところまでお手伝いをしていきたいと思っています。

弥生の考えるDXについては、弥生の公式noteでもお話ししていますので、是非この機会に弥生の公式noteもご覧ください(「スキ」をしていただくと担当者も喜びます)。

完全に蛇足ですが、中小企業白書の「本報告は、閣議決定を経て国会に提出する年次報告であり、表題は元号表記となっているが、本文中の『中小企業の動向』に関する分析に関しては、経済活動において西暦表記が用いられることが多いこと、海外データとの比較が必要となる部分もあること、グラフにおいては西暦表記の方がなじみやすいと考えられることから、原則として西暦表記を用いている」というのに手放しで大賛成です。
posted by 岡本浩一郎 at 21:52 | TrackBack(0) | 業務

2021年05月20日

カンファレンスもハイブリッド

弥生の新しい働き方は、リモートワークとオフィスワークを組み合わせたハイブリッド。つい先日には、東京本社をリモートワークとオフィスワークを組み合わせた新しい働き方に最適化したオフィスとして全面的にリニューアルしました

今年もパートナーである会計事務所向けのカンファレンス、PAPカンファレンスを開催します。そして弥生のカンファレンスもまた、ハイブリッド。オフィスからでも自宅からでも気軽に参加いただけるオンライン開催、一方で、より双方向のコミュニケーションが取れるリアル開催。それぞれにメリットがあると考えているからです。

ということで、全国7会場(東京、大阪、名古屋、福岡、広島、仙台、札幌) + オンライン2回の開催を想定して準備を進めてきました。しかしながら、足元での新型コロナウイルス感染症の広がりを受け、非常に残念ながら、リアル開催のうち5会場(東京、大阪、名古屋、福岡、広島)は、開催を見合わせることとなりました。そういった可能性はあることを承知の上で準備してきた訳ですが、やっぱり残念です。

仙台については、足元では感染拡大が落ち着いていること、また札幌に関しては、足元の状況は正直に言って厳しいのですが、日程的にはまだ先であること、そして何よりも今年営業所を開設したばかりで、双方向のコミュニケーションを重視したいということで、現時点ではリアル開催を予定しています。ただ、これら2会場についても、今後、状況を踏まえ最終的にリアル開催するかどうかの判断を行います。

今回のPAPカンファレンスのテーマは「記帳業務の進化」。昨年秋にリリースした記帳代行支援サービスは、産みの苦しみは相当なものでしたが、結果的には非常に良いサービスとして提供することができたと思っています。既にご利用いただいている会計事務所からも非常にポジティブなフィードバックをいただいています。

オンライン開催は1,000名以上の参加枠を用意していますが、リアル会場での参加を予定していたお客さまがオンラインに移行したこともあり、1回目はもうすぐ定員に達しそうです。是非早めにお申込みいただければと思います。

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ちなみにカンファレンスのご案内では私が旗を掲げておりますが、旗の部分は当然合成です。現場からの要請があれば、何でも応えるのがトップの役割と思いつつも、旗を持っている振りをして写真を撮られるのも、まあ恥ずかしいものです(笑)。
posted by 岡本浩一郎 at 22:28 | TrackBack(0) | 弥生

2021年05月18日

インボイスの便乗商法に注意

2023年10月開始のインボイス制度に向けて、昨年7月に電子インボイス推進協議会(EIPA)を立上げ、活動を進めています。弥生は言い出しっぺということもあり、代表幹事を務めており、私自身も自分の時間の25%ぐらいはEIPAの活動に費やしています。

昨年12月には平井卓也デジタル改革担当大臣を訪問し、Peppol(ペポル)と呼ばれる国際規格をベースとして、日本標準仕様を策定し、日本における電子インボイスの普及を図るべきと提言し、平井大臣からは全面的な賛同をいただけました。今年1月からは、業務ソフトウェアベンダー数社から精鋭が集まり、Peppolをベースとした日本標準仕様について日々議論を行っています(私もほとんどの打合せに参加していますが、本当にいいチームです)。日本標準仕様の完成までにはまだ時間もかかりますが、今年半ばにはもう少し具体的に成果をお示しできるかと思います。

そんな中で、とてもびっくりする、そしてとても悲しい気持ちになる出来事がありました。私はFacebookで様々な税理士の方とやり取りさせていただいているのですが、ある先生がこんな投稿をされていました。

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弊所クライアントに下記のようなメールが届きました。インボイス制度と電子化は関係のないお話しです。ある意味、詐欺メールですので気を付けてください。
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今回、〇〇〇株式会社様へ、新たな税額控除についてのご連絡になります。
2023年から電子での請求書に対して、税額控除されるのはご存知でしたでしょうか?
すでに対策済みの企業様もいらっしゃいますが、まだ対策がお済でない企業様が多かったので、勝手ながらご連絡させていただきました。
ご請求書の電子化がまだでしたら、このままだと適格請求書発行事業者【インボイス制度】に認定されなくなります。その結果、仕入れ税額控除が受けられなくなり、消費税の負担が増してしまいます。

これはこの先生が言われる通り、ある意味詐欺メールです。「2023年から電子での請求書に対して(のみ)、税額控除される」ということはありませんし、「ご請求書の電子化がまだでしたら、このままだと適格請求書発行事業者【インボイス制度】に認定されなくなります」というのも事実ではありません。

事実としては、2023年10月からは法的要件を満たしていれば、電子での請求書でも仕入税額控除は認められるようになりますが、これは紙の請求書に加えて、ということです。また、仕入税額控除ではなく、一定のIT投資に対して税額控除が認められる制度は従前からあります。しかし、それは汎用的な投資促進税制であり、電子での請求書に固有のものではありません。また、この10月から予定されている適格請求書発行事業者としての登録を行わなければ、2023年10月以降、請求書を受領した側が仕入税額控除を受けられなくなります(免税事業者からの仕入税額控除については、一定の経過措置あり)。しかし、請求書の電子化と適格請求書発行事業者として認められるかどうかには一切の関係性はありません。

つまり、部分だけ取れば嘘とは言い切れない部分もありますが、全体としては明らかに誤解を招き、自社のビジネスにつなげようという意思を持ったものです。詐欺的な便乗商法と言っていいかと思います。

EIPAは、日本の事業者が法令であるインボイス制度に確実に対応できるように、そしてそれ以上に、事業者の業務をデジタル化することによって、業務の圧倒的効率化を実現するために、多くの会員が全て手弁当で活動しています。結果的にそれは会員各社のビジネスにとってプラスになることは期待されますが、それはあくまでもお客さまである事業者の皆さまが法令対応ができ、そして業務効率化を実感できて初めて正当化されることだと考えています。

今回のメールの発信者はEIPAの会員企業ではないことは確認していますし、仮にEIPAの会員企業がこのような事実に基づかない便乗商法を行った場合は、会則で定められた除名基準に該当しうるものと考えています。

世の中には様々なビジネスがありますし、ビジネスには基本的には貴賤はないと考えています。しかし、世の中には、人を欺いてまで儲けようとする人たちがいるのはとても残念なことです。ある意味、インボイス制度はそれだけ注目されるものとも言えるのかもしれません。EIPAでは誰もが廉価に電子インボイスを活用し、業務効率化を実現できるように、まずは日本標準仕様の策定に注力しますが、こういった便乗商法を防ぐためにも、電子インボイスに関する正しい広報活動にも力を入れていきたいと考えています。
posted by 岡本浩一郎 at 19:22 | TrackBack(0) | 業務

2021年05月14日

新しくなった21F(その2)

弥生の東京本社はこのゴールデンウィーク中に、リモートワークとオフィスワークを組み合わせた新しい働き方に最適化したオフィスとして全面的にリニューアルしました。緊急事態宣言下ではありますが、所用により水曜日に出社したため、前回、この新オフィスを簡単にご紹介しました。今回は、もう少し丁寧にご紹介したいと思います。

前回もお話ししましたが、今回のリニューアルでは床面積で約半分を抜本的に見直し、残りの半分は従来に近く机が整然と並んだスペースとなっています。抜本的に見直したエリアは、いくつかのスペースにわけて整備されています。

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まずこちらは多目的スペース。「多目的に使える公園のようなスペース」です。固定化された家具がないので、用途にあった形でスペースを作って活用することができます。プロジェクトチームが一堂に会した打合せなどではこの場所を使うことを想定しています(今の環境下ではなかなか難しいですが)。この多目的スペースの窓際には掘りごたつスペースが整備されるはずなのですが、この部分は部材の調達が間に合わず、後日の工事となっています(どこにあるんだっけと探してしまいました、笑)。

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このエリアには、ウッドデッキで、皆で立ってワイワイと議論をするのにもってこいのスペースも整備されています。ウッドデッキの右奥には、従来同様の執務スペースも見えていますね。

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次にこちらはライブラリー。「高さを選べるカジュアルな執務スペース」です。高さも種類も様々な机/椅子が配置されており、その日の気分にあったものを選ぶことができます。右奥にはパーティションで仕切られ集中しやすい座席やブース形式の籠るタイプの座席も用意されています。本当はリラックスできるソファー型の座席もあるはずなのですが、これも今回の工事には間に合わず。

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そしてこちらがカフェ。「休憩にも仕事にも使える居心地のよいカフェスペース」です。窓際には、ラウンジチェアで周りの目を気にせず、空に向かって仕事ができるスペースがありますね。その先にはスカイツリーがよく見えます。ヤヨイヒロバにあったフーズボールのテーブルはこちらに引越済み。ダーツに関しては、まだ設置されていないようですが、どこに行ってしまったのでしょうか(泣)。

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カフェにはこういったカウンター席も。ヤヨイヒロバにももっと小さなカウンター席がありましたが、今回はサイズがだいぶ大きくなっています。

今回は緊急事態宣言下ということもあって、出社人数も少なく、やや閑散とした感じでした。今後徐々に出社する人が増え、もうちょっとざわめき的なものが生まれると、とてもワクワクする楽しい空間になりそうです。

新オフィスは進化するオフィスです。物理的に調達が間に合わなかったため、後日工事というのも多々あります(笑)。ただそれ以前に、まず変えてみようというのが今回のオフィス。思ったよりも活用されるスペースもあるでしょうし、逆に思ったよりも使いにくくあまり使われないというスペースも出てくるかもしれません。そういった経験を経て、必要に応じて手直しをしながら、リモートワークとオフィスワークを組み合わせた新しい働き方に最適化したオフィスを目指していきたいと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 21:21 | TrackBack(0) | 弥生

2021年05月12日

新しくなった21F(その1)

東京での緊急事態宣言が今月末まで延長され、リモートワーク中心の日々が続きます。ただ、今日は、事前から予定されていた対面の打合せがあったため、約2週間振りに出社。既にお話ししているように、弥生の東京本社はこのゴールデンウィーク中に、リモートワークとオフィスワークを組み合わせた新しい働き方に最適化したオフィスとして全面的にリニューアルしました。

今回、リニューアル後の初出社ということで、楽しみにしての出勤となりました。いつものようにエレベーターを降りてオフィスのドアの前に立つと、何やらもう既に雰囲気が違います。ドアの前なので、特に変化はないはずなのですが、ドアのガラス部分がやけに明るい。

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ドアを開けてみるとその理由がわかりました。従前は、机が整然とならぶいかにもオフィスらしい空間だったのですが、机がほとんど取り払われ、かなり開放的な空間になっていました。窓からの光を遮るものが少ないので、ドアの外まで明るい。

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今回のリニューアルでは約半分のスペースを抜本的に見直し、残りの半分は従来に近く机が整然と並んだスペースとなっています。ドアを開けたこの場所は、プロジェクトで集まってディスカッション等に自由に使えるスペースとして、柔軟に活用できるように基本的に机を廃止しています。図面で想像はしていたものの、実際に見てみると想像以上の開放的なスペースです。

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こちらは私のオフィスの前から見た様子。従前はやはり整然と机が並んでおり、その窓側にヤヨイドオリがあったのですが、今回のリニューアルでは「休憩にも仕事にも使える居心地のよいカフェスペース」(笑)になりました。

今回のリニューアルでは全体をいくつかのテーマに分かれたスペースとして整備しています。次回は個々のスペースについてもう少しご紹介してみたいと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 18:13 | TrackBack(0) | 弥生

2021年05月10日

札幌営業所オープン

本日5/10、弥生は新たに札幌営業所を開設しました。場所は日本生命札幌ビル 21Fです、というとあれ、どこかで見たようなと思われるかもしれません。そうです。この1月に札幌カスタマーセンターが日本生命札幌ビル 21Fに移転しましたが、今回、このオフィスの一角に札幌営業所を開設したものです。

2018年4月には広島営業所を、2019年5月には仙台営業所を開設しました(また2018年4月には福岡営業所を拡張移転しています)が、今回の札幌営業所の開設で、弥生の営業拠点としては、東京・大阪・名古屋・福岡・広島・仙台・札幌の全国7拠点体制となりました。

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本来は今日は札幌でささやかながら開所式を催す予定でした。当然ながら私も札幌入りする気満々。東京が緊急事態宣言中というのは懸念ではありましたが、東京からの参加者は全員事前にPCR検査を受けた上で札幌入りする予定でした。しかし札幌でも新型コロナウイルス感染症の拡大傾向にあり、昨日からまん延防止等重点措置の対象となったことから、開所式は泣く泣く延期としました。あくまでも延期ですから、状況が改善した暁には、改めて盛大に(?)開所式を開催したいと思います。

札幌営業所の主なミッションは、北海道の会計事務所の皆さんとのパートナーシップを深めることです。弥生にとって北海道はカスタマーサービスの拠点としてはホームグラウンドですが、会計事務所とのパートナーシップという意味では東京から出張ベースでの関係性構築に留まり、まだまだやるべきことが十分にできていない状態でした。今回の札幌営業所開設により、会計事務所との関係性という意味でもホームグラウンドにしていきたいと思っています。北海道の皆さん、宜しくお願い致します。
posted by 岡本浩一郎 at 21:06 | TrackBack(0) | 弥生

2021年05月06日

リニューアル?

ゴールデンウィークが明けて5/6。弥生の東京本社である秋葉原UDXの21Fが、リモートワーク + オフィスワークのハイブリッドワーク時代に最適化したオフィススペースとしてリニューアルオープンしました。早速本ブログでもご紹介したいところなのですが…、ご承知のように緊急事態宣言が発出中ということで、残念ながら今日もリモートワークです。新しいオフィスの様子は、ゴールデンウィーク中も対応メンバー(主に情報システム部)が逐次Slackで共有してくれたため、想像はできるのですが、やはり本ブログでご紹介するとなると、実際に自分の目で確かめた上でとしたいところです。焦らすようですが(笑)、私の次回出勤日まで少々お待ちください。

その代わりという訳ではないのですが、私のリモートオフィスもこのタイミングでリニューアル。ほんの少しなので、正確にはリニューアルというよりはアップデートです。私のリモートオフィスは本ブログで何回かご紹介していますが、一番最初に登場したのは昨年の4月上旬。この頃はありものをかき集め、とりあえず集中して仕事ができる環境を何とか作った状態。4月下旬には待望のディスプレイが到着し、これで一気に業務効率がアップ(したはず、笑)。

この1月にご紹介した際にはリモートオフィスとして既にほぼ完成形。ただ、実は重要な設備が仮設置のままでした。それは椅子。当初は家に余っていたアントチェア(+クッション)を使っていましたが、やはりお尻に辛いため、一旦はオフィスで使っていた椅子(私物)を持ち帰って使っていました。しかし今後もリモートワークを続ける以上は、自宅用に一生もの(?)を買おうということで、昨年末に発注したものが、ようやくこのゴールデンウィークに納品されました。ショールームの予約が取れるまでに3ヶ月、その後発注してから4ヶ月。実に半年以上かかりました。

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写真に一部だけ写っていますが、Herman Millerのアーロンチェアです。ありがち? そうですよね。実は当初はHerman Millerの別の椅子を買おうと思っていたのですが、ショールームで色々と説明いただいた結果、結局は定番のアーロンチェア(正確にはアーロン リマスタード)に落ち着いてしまったという訳です。定番には定番の理由があるということでしょうか。定番ではありますが、色はミネラルという白っぽい色(実際にはライトグレーという感じです)を選べたのが大きなポイントです(この色のみ米国製になるのも、時間がかかった理由かもしれません)。私のリモートオフィスは寝室にあり、これまでの椅子は良くも悪くも存在感がありましたが、今回はだいぶしっくりと溶け込んでいます。

これで私のリモートオフィスはいよいよ完成形、と言いたいところなのですが、昨年10月に入手したサウンドバー(スピーカー)ヤマハSR-C20Aに新色のホワイトが追加になるとの話。以前リモートオフィスのことをFacebookで投稿したところ、親友のT氏より、「スピーカーも白だったら完璧ですね」という鋭い指摘が入ったこともあり、どうするか迷うところです(笑)。

さあ、椅子も新しくなったということで、ゴールデンウィーク明けも張り切ってアウトプットに努めていきたいと思います。実はちょうど今月は諸々アウトプットをまとめて作成しなければならない(溜めていた、とも言う)月のため、言い訳ができないという意味でちょうどよかったかもしれません(笑)。
posted by 岡本浩一郎 at 19:13 | TrackBack(0) | 弥生