10日ほど前に、弥生の株主がオリックス株式会社から、グローバルな投資会社であるKKRに変わることを発表しました。まずは、オリックスとKKRの間で弥生株式の譲渡に関する契約が締結された段階であり、実際に弥生の株主がKKRに変わるのは来年春の予定です。
このKKRという会社、知っている人は知っている、特にグローバルな金融業界で言えば知らない人はいない存在ですが、その一方で、初耳という方も多いかと思います。「KKR」とググってみると、まず出てくるのはこちらですから、共済が弥生を買収するのか???と思われるかもしれません。私の地元でKKRというと、港の見える丘公園の隣という最高のロケーションにあるこちらになります(笑)。
今回弥生の株主となるKKRの正式名称はコールバーグ・クラビス・ロバーツといい、ニューヨークを本拠とする国際的な投資会社です。Kohlberg, Kravis, Robertsというのは、創業者3名の名前です。この3名によって1976年に創業された、投資ファンドの元祖とも言える歴史のある会社であり、KravisさんとRobertsさんは、今年共同CEOの座からは降りたそうですが、今でも現役なのだそうです。投資ファンドの元祖でもあると同時に、規模としても世界有数。運用資産は今年の9月末時点で4,590億ドル。えーっと、ざっくり50兆円という途轍もない規模ですね。同時に(PEファンド部門)の投資先110社の売上高は合計2,690億ドル、ざっくり30兆円だそうですから、こちらも桁違いです。
KKRは、2006年から日本で活動を開始しており、日本ではPHCホールディングス(元パナソニック ヘルスケア、本年東証一部に上場)や西友などに投資をしています。
弥生は、来年春から、このポートフォリオの一部をなすことになりますが、これはとても光栄なことだと考えています。弥生はかつて(2000年代初頭)は、アドバンテッジパートナーズという日本の投資ファンドが、そして2000年代後半から2010年代前半はMBKパートナーズというアジアの投資ファンドが株主でした(私が弥生の社長に就任したのはこのタイミングです)。ついに今回、舞台はグローバルとなり、真にグローバルな投資ファンドから今後の成長性を評価いただき、投資先として選んでもらったということです。日本、アジア、グローバルときて、さすがに次は宇宙規模の投資ファンドというのはありませんから、投資ファンドをパートナーとしてというのは今回が最後になるのかと思います。
今後については色々な選択肢がありますが、一つのオプションとしては、KKR傘下でさらなる成長を実現した上で、証券取引所への公開を目指すというのがメインのシナリオとなるのかと思います。