ビジネスの中でご縁を感じることが多いというのは本ブログでもたまにお話ししていることですが、直近でもこれはご縁だなあ、と感じる出来事が。
この3月から弥生の株主がKKRに変わったということはこれまでにもお話ししてきました。実はKKRの日本代表である平野さんは約20年前から存じ上げています。当時私はBCGから独立し、自分で経営コンサルティング会社を立上げたところでした。当時は、日本でもPEファンドの活動が活発化してきたこともあり、案件としては、PEファンド案件が多かったのですが、記念すべきPEファンド案件の第一号がタワーレコード。平野さんは、そのPEファンド代表、私は投資先のお手伝いをするコンサルタントという関係性でした。当時の私からすると仰ぎ見る存在でしたが、非常に丁重に対応していただいたことをよく覚えています。
ここまでは、まあありうる話。PEファンド業界もここ20年で大きく拡大しましたが、狭い世界といえば狭い世界。平野さんと私がPEファンド代表と投資先の代表として一緒に仕事をするようになるというのは、嬉しいことですが、想定の範囲内ではあります。
ここからご縁が広がっていきますが、KKRは2021年初には楽天とともに西友の主要株主となっています。そしてその西友と言えば、もともとはWalmart傘下(現在でも15%は保有)。Walmartと言えば、前回お話しした通り、今回訪れたArkansas州が地元です。
さらにここから話はつながっていきます。私がタワーレコードのお手伝いをしていた際に、タワーレコードの執行役員をしていたNさんという方がいます。私はNさんと、その直属の部下であったKさんとともに、当時のタワーレコードの基幹システムの総入れ替えという難プロジェクトに取り組んでいました。コンサルタントというのは所詮脇役。その会社のメンバーが牽引しない限りは、何の成果も産めません。そういった意味では、私は、NさんとKさんのお蔭で一定の成果を出すことができました。お二人とは数年に一度はご一緒するのですが、プロジェクトが終わってから15年以上経ち、お客さまというよりは、もはや旧友という感じです。
このNさんとKさんと、4月に久し振りにご一緒する機会がありました。新型コロナウイルス禍が始まって以来ですから、随分ご無沙汰です。その際に近況報告の一環として、近々Arkansasに行くこと、ただ、学生の引率なので、大学寮に泊ることになっており、気が重いことを話したのですが、なんとなんと、Nさんはその大学寮に泊ったことがあるとのこと。
そもそも日本人でArkansasに行ったことがある人は珍しいと思いますし、ましてや大学寮に泊ったことがある人と出会うとは、ほぼ奇跡。
実は、Nさんは少し前まで西友で働いており、その関係でWalmartの地元であるArkansasに行ったことがあるとのこと。世界中の従業員を集めての全社イベントがあったとのことですが、あまりの多くの人が集まるため、地元のホテルでは収容しきれず、University of Arkansasの大学寮に泊ったのだそうです。Nさん曰く、大学寮は全く知らない人と同室ということもあり、やはりキツかったとのこと。
ちなみに、その大学寮がこちら。古い建物ではなく、思ったほどにはキツくはありませんでしたが、何分少なくとも数ヶ月から1年単位で住む前提の大学寮なので、数泊しかしないゲストからすると、クローゼットはあるけどハンガーはないですとか、電気ポットもないので、味噌汁を飲めない(これはWalmartで電気ポットを買いました、笑)ですとか、冷蔵庫がないので毎日ビールを買い出しに行かなければならない(さすがに冷蔵庫は買いませんでした、ちなみに飲酒は自室内で静かにであればokとのこと)、ですとか、椅子が完全にプラスチック(クッションが全くない)で、30分も座っていられないなど、まあまあ大変でした。
まさかこの歳になって大学寮に泊ることになるとは、という感じですが、生徒たちにとっては新鮮な体験であり、喜んでいたので、これもいい経験でしょうか。それにしても、この大学寮に泊ったことのある人が、実は身近にいるとは。本当に世の中はご縁であり、色々なところでつながっているのだな、と思います。