2023年01月16日

スマート証憑管理

弥生は1/5から、インボイス制度と改正電子帳簿保存法に対応し、業務のデジタル化を促進する新サービス「スマート証憑管理(しょうひょうかんり)」を提供開始しました。このスマート証憑管理は、昨年からベータ版として提供していた「証憑管理サービス」を機能強化し、正式版として提供を開始したものです。

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まずはこのスマート証憑管理の位置付けですが、事業者が受領する、そして発行する証憑を一元管理できる仕組みとなります。事業者は仕入先から、納品書だったり、請求書だったり、あるいは領収書などの証憑を受領します。現在では紙やPDFで受領することがほとんどかと思いますが、今後はデジタルインボイスのようにデジタルデータとして受領することも増えていくでしょう。また事業者は得意先に対し、納品書だったり、請求書だったり、あるいは領収書を発行します。これも現在は紙やPDFが中心ですが、今後はデジタルデータとして発行することも増えていくでしょう。

スマート証憑管理は、これら事業者が受領する、そして発行する証憑を一元管理できる仕組みです。ただ、この際に、画像データではなく、構造化されたデジタルデータとして一元管理できることがポイントです。

約1年前に2022年1月から施行される改正電子帳簿保存法の課題についてお話ししたことがあります。PDFであったり、画面のスクリーンショットを保存しても、これらは構造化されたデータではない(画像のようなもの)ので、このデータを使って後続業務の自動化・効率化を実現することはできません。所詮紙の電子化に過ぎず、事業者にとってメリットがないとお話ししました。

スマート証憑管理は、画像データも保存はしますが、それだけではなく、構造化されたデジタルデータとして一元管理することができます。

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こちらがスマート証憑管理の画面イメージですが、画面右側に請求書の画像データが表示されていることがわかります。ただ同時に、画面中央部で証憑番号や取引日、取引先、登録番号なども表示されています。これは画像データである請求書に含まれる情報のうち、特に重要であり管理が必要な情報(いわばメタデータ)を構造化されたデジタルデータとして管理しているのです。

なぜこれらのメタデータを管理する必要があるのでしょうか。それはそれによって後続の業務が自動化することが可能になるからです。画像データのままであれば、それを人間が画面上で目で確認して、会計処理のために改めて手で仕訳を入力するという処理になります。それは明らかに効率が悪いですよね。それに対し、メタデータが管理されていれば、その情報をもとに、システムで自動で仕訳を生成することが可能になります。次回は、この点についてもう少しお話ししたいと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 20:28 | TrackBack(0) | 弥生