2014年10月10日

コンサルと経営者

前回は思わぬ方向に話がそれてしまいましたが、本題に戻って、「コンサル出身者が『プロ経営者』に向かない理由」。

私自身コンサルタント出身者ですが、コンサルタント出身者はプロ経営者になり得ると考えています(そうでないと困ります)。ただ、向いているかどうかでいうと、一般論として向いているとは言えない、とも思います。より正確に言えば、コンサルタントに向いた人と、経営者に向いた人の違いがある、と感じます。新卒や転職などでコンサルタントになり、向いた人はそのままコンサルタントを続けるし、向いていない人は経営者に転向する人もいる。私の場合は後者。

色々とその違いは挙げられると思いますが、大きいと感じるのは、クライアントに対する思い入れだったり、執着。コンサルタントは外部の人間だからこそ提供できる価値を提供します。クライアント社内や業界のしがらみに囚われず、客観的な提言を行う。あまりにもクライアントと一体化してしまっては、コンサルタントならではの価値を提供できなくなります。

また、コンサルタントというのはあくまでも、期間限定のお手伝い。クライアント自身では対処が難しい課題の解決を、期間限定でお手伝いします。ウエスタンのガンマンではありませんが、課題が解決すれば(あるいはその目途が立てば)、クライアントの元を去らなければなりません。敵がやっつけて、めでたしめでたし、これで平和な日々が戻ってくるという時に、その平和な日々にコンサルタント(ガンマン)はいないのです。逆に、危険なのは、クライアントがコンサルタントなしでは成り立たないようにしてしまうこと。つまりクライアントを過度にコンサルタント依存にしてしまうこと。ぶっちゃけ、コンサルティング会社の経営としては、その方がラクではあるのですが、コンサルタントの役割としては邪道です。

つまりコンサルタントはあくまでも外部の人間だし、お付き合いもあくまでも期間限定。これがいいと感じるか、物足りないと感じるか。それがいいと感じるのがコンサルタント向きだし、それでは物足りないと感じるのは経営者向き。プロジェクトが終わって、少し休んだら、全く別のプロジェクトに心機一転挑めるのが、コンサルタント向き。あのお客さまは大丈夫かな、最後までお手伝いしたかったな、もっと極端に言えば、自分でやり遂げたいと思うのが、経営者向き。様々なお客さまの様々なプロジェクトを、それだけ経験が積める、なおかつ、自分ならでは価値を広く提供できる、と思うのが、コンサルタント向き。特定のお客さま向けに、徹底的に価値を提供したいと思うのが、経営者向き。

どちらがいいとか、正しいということではありません。あくまでも志向? 嗜好?の問題。

私の場合は後者でした。コンサルタント時代は、プロジェクトが終わるたびに後ろ髪を引かれる思いをしました。もっと長いスパンでクライアントのお手伝いをしたいとの思いから、一度は自分でコンサルティング会社を起業。でも、最後には、外部ではなく、内部の人間として、そして自分事として、価値を提供したいと思い、弥生の社長というポジションを引き受けました。

経営者に向いている、向いていないというのは、これ以外にもまだ色々なポイントがありますが、コンサルが向いているか、経営者が向いているか、という点においては、やはりクライアントに対する思い入れだったり、執着というのが大きいような気がしています。あくまでも私がそう感じている、ということであり、これが正解という気もないのですが。ただ、周りを見ていると、やっぱりコンサルタントに向いた人はコンサルタントを続けているし、経営者に向いた人はコンサルタントを卒業して、それぞれの道を歩んでいるような気がします。
posted by 岡本浩一郎 at 23:05 | TrackBack(0) | ビジネス
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