弥生株式会社は今年からオリックスグループの一員ということで(正確には昨年末の12月22日から)、オリックスとはなんぞや、という勉強をしています。
私が新卒で就職活動する際(1990年頃)には、オリックスという社名(1989年に旧社名であるオリエント・リースから社名変更)と、リース会社であること、また、近年プロ野球球団を買収したこと(1988年に阪急ブレーブスを買収)は知っていましたが、真面目に企業研究をすることもなく(スミマセン…)、早々に野村総合研究所への就職を決めてしまいました。
今、改めてオリックスという会社について勉強してみると、実に面白い会社だな、と実感しています。そもそも今回弥生がグループに加わったことからもわかるように、もはやリース会社という定義は相応しくありません。
この年末年始には関連する本を二冊読了しました。一冊は、宮内義彦シニア・チェアマンの日経の名物連載「私の履歴書」(+α)を本にまとめた「"明日"を追う」。日経での連載時にも興味深く読んでいましたが、自分がグループの一員になってから改めて読み返すと色々とより深く考えさせられます。もう一冊は、英語なのですが、David W. Russellという方が書いた"Good Risks"(副題はDiscovering the Secrets to Orix's 50 Years of Success)。Orixという会社自体を知らなかったアメリカ人ジャーナリストがOrixの成功の秘密に迫るという内容です。
オリックスとはなんぞやという命題は、今後オリックスグループの一員として活動していく中で見えてくることも多いでしょうし、それは随時本ブログでお話ししたいと思いますが、今回特にGood Risksを読んだ中で特に印象に残ったことを3点挙げたいと思います。
1) Good Risks
オリックスは、リスクを恐れない。むしろ、事業発展につながる良い(good)リスクは、慎重に、でも賢明に(prudent)に取り組む。宮内シニア・チェアマンは最近もう一冊本を出版されています(私自身はまだ未読)が、そのタイトルがそのまま「グッドリスクをとりなさい! 」ですから、良いリスク、賢明なリスクはむしろ積極的に取りに行くのは、オリックスの根底にあるDNAなのではないかと思います。
私自身が拠り所としている"Risk is not to take, but to manage"、意訳すれば、取らなくて済む、あるいは取るべきではないリスクは取らない一方で、本当に取るべきリスクは果敢に取る、という考え方とも共通する発想なのではないかと思います。
2) 進化し続ける
ではなぜグッドリスクを取るかというと、進化するため。オリックスは、これまでと同じであることを善しとせず、常に進化を続ける。
オリックスは日本におけるリース業の先駆者ですが、そこに留まってはいません。リースが日本でも成功することが分かれば、当然他の会社も参入してくる。そこで激しい競争に晒されるのを黙って甘受するのではなく、一歩先を行って新たな市場やビジネスを開拓する。創業から10年もたたない内からの矢継ぎ早の海外展開、あるいは、リース業から隣に隣に業容を拡大してきた歴史はまさに進化の歴史です。
そしてその進化の一ステップとして、リースや金融からは一見ほど遠い弥生をグループ会社に加えたわけですが、その弥生もやはり継続的な進化を志向しています。弥生も業務ソフトウェアメーカーに留まる事を善しとしていません。業務ソフトを提供して終わりではなく、お客さまの業務であり、事業そのものをお手伝いする事業コンシェルジュへ。今回のオリックスグループ入りによって、この進化を加速し、さらにより確実なものにできると考えています。
3) 失敗から学ぶ
ただ、進化を遂げようとする中で、失敗することもあります。ただ、それが次につながるのであれば、失敗も上等。失敗から学ばず、同じような失敗を繰り返すのではなく、失敗からキチンと学び、それをさらなる進化に活かす。
ちょっとずれてしまいますが、これは私の座右の銘(?)でもある「やらないで後悔するよりは、やって反省」とも通じる部分がありますね。やらなかったことはいつまで経っても後悔は消えない。リスクはあっても、それがグッドリスクであれば果敢に取る。失敗してもキチンと反省して次に活かせば良い。
自分に響くところをピックアップしたらこの3点だったということでもありますが、オリックスと弥生/私自身には大いに共通点があると(勝手ながら、笑)感じています。オリックスグループの一員としての弥生のこれからが益々楽しみになってきました。