やよいの青色申告 オンラインを利用して、取引の入力から申告書の作成までご紹介するシリーズ、全8回の3回目です。前々回は、取引入力の基本となるかんたん取引入力について、そして前回は外部のサービスと連携し、外部のサービスから銀行などの取引データを取込むスマート取引取込についてご紹介しました。この2つの入力機能を組み合わせれば、ほとんどの場合、入力を完結できるはずです。実際、やよいの青色申告 オンラインをスタートさせた昨年10月時点では、入力機能はこの2つだけでした。それで十分と言えば十分。
ただ、より多くの方の、より多様な利用方法に対応するために、やよいの青色申告 オンラインでは、10月以降、さらなる入力機能も拡充してきました。その一つが今回ご紹介する仕訳の入力です。
やよいの青色申告 オンラインでは、「取引」という表現と、「仕訳」という表現を意識して使い分けています。取引というのは、事業上で発生したことを、そのまま記録する仕組み。例えば、売上が現金で発生したとか、クレジットカードで通信費を払ったというのが取引。これであれば、事業をされている方は何の違和感もありませんよね。
一方で、仕訳というのは、会計であり、簿記上の仕組みで、いわゆる借方/貸方を意識する必要があります。例えば(借)現金/(貸)売上、(借)通信費/(貸)未払金。コツをつかんでしまえば、実はそれほど難しくはないのですが、この仕訳なるものに取っ付き難さを感じられる方が多いのも事実です。
やよいの青色申告 オンラインは、基本的に、取引で入力できる仕組みになっています。前々回ご紹介したかんたん取引入力も、前回ご紹介したスマート取引取込も、扱うのはあくまでも取引。借方や貸方を意識することなく、事業をする上で発生したことを入力(スマート取引取込の場合は、入力ですらなく、基本的に確認のみ)して頂ければ済む仕組みです。それでありながら、やよいの青色申告 オンラインは65万円の青色申告特別控除を得ることのできる、立派な複式簿記の仕組みです。というのも、取引として入力されたデータを、システムが自動的に仕訳として記録するようになっているから。
今回ご紹介する仕訳の入力は、誰にでもわかりやすい「取引」ではなく、あえて直接「仕訳」として確認/入力するための仕組みです。簿記/仕訳に慣れ親しんだ方(会計事務所の方などプロも含め)には、こちらの方がむしろわかりやすいと感じられるかもしれません。
仕訳は苦手だ、と感じられる方も、この仕訳の入力画面を見て頂ければ、自分が取引として入力したデータが仕訳としてどのように記録されているか、確認することができます。前々回のかんたん取引入力では、売上(原稿料10万円)に対し、源泉徴収が10,210円されている(よって差引89,790円が神田銀行に振り込まれた)という取引を入力しましたが、この取引を仕訳として見てみると、実は、借方が2行(預金と源泉徴収税)として記録されていることがわかります。
あるいは、売掛金の回収の際に振込手数料が840円差し引かれて入金されたという取引をかんたん取引入力で入力することができますが、これも仕訳として見てみると、借方が2行(預金と支払手数料)になっていることがわかります。逆に言えば、こういった仕訳を理解していなくても、取引として入力できるのが、かんたん取引入力ということになります。
実際問題として、仕訳の方がわかりやすいという方を除き、この仕訳の入力機能を利用することは少ないかもしれません。ただ、例えば、8万円のパソコンを、手元の現金30,000円と残りはクレジットカードで支払ったといったケースのように、多少変則的な取引でも(そういう意味ではどれだけ変わった取引であっても)、必ず入力できる汎用性が仕訳の入力の強みかと思います。
なお、仕訳の入力でも、よく使う仕訳を検索することができますので、例えば、上の例の8万円のパソコンを現金とクレジットカードで支払ったという場合でも、パソコンというキーワードで仕訳を検索すれば、それほど迷わずに入力できるようになっています。
かんたん取引入力に代表されるように、やよいの青色申告 オンラインは、簿記や仕訳の知識がなくても、青色申告を完結できることを目指しています。ただ一方で、仕訳の知識があることによって、数字であり、ひいては経営状況について、より理解が深まるのも事実です。普段は取引を入力しながらも、たまには仕訳を確認することによって、徐々に仕訳を理解する、ひいては、自社の経営状況を会計という観点で正確に理解できるようお手伝いをしたいと考えています。