さて、いよいよ3月です。やよいの青色申告 オンラインを利用して、取引の入力から申告書の作成までご紹介するシリーズ、全8回も後半戦に入ります。5回目となる今回から、満を持して申告書を作成していきたいと思います。
その前にちょっと振り返り。このシリーズの1回目では、取引入力の基本となるかんたん取引入力について、そして2回目は外部のサービスと連携し、外部のサービスから銀行などの取引データを取込むスマート取引取込についてご紹介しました。この2つの入力機能を組み合わせれば、ほとんどの場合、入力を完結できるはずです。3回目では、仕訳の入力について、そして、4回目には、弥生データのインポートについてご紹介しました。これらの機能は使う人が使えば便利な機能(でも多くの場合、使わなくても済む機能)という位置付けになります。
これらの機能を駆使して入力を進めて頂いたという前提で、いよいよ今回から申告書の作成に入ります(まだ入力が終わっていないという方は、焦らずに着実に。この先申告書の作成をどのように進めるのか、イメージトレーニングに役立てて頂ければ)。
やよいの青色申告 オンラインでは、申告書の作成に必要な機能は、左側メインメニューの「確定申告」からアクセスします。クリックしてみた画面がこちら。確定申告は、初めてという方はもちろん、経験者の方にとっても、年に一回の作業だけに、何をどのようにすすめるのか戸惑いがち。そんな確定申告を迷うことなくスムーズに進めて頂くために、やよいの青色申告 オンラインでは、何をどのようにすすめるのかというナビゲーションに徹底的に拘っています。
まずこの画面では、申告書の作成までに大きく3ステップ必要なことがわかりますね。Step 1が減価償却費の計算、Step 2が青色申告決算書の作成、Step 3が確定申告書の作成。これを順番に進めていきます。まず減価償却費の計算ですが、固定資産を登録すると、この期の費用として計上される減価償却費を自動で計算してくれます。ただ、昨今はPCも10万円未満で買える時代ですから、固定資産はないというケースも多いかもしれませんね。その場合は、Step 1の画面を開いた上で、すぐに完了をクリックするだけで終わりです。
今回は、Step 2となる青色申告決算書を中心にご紹介したいと思います。青色申告決算書は、確定申告でメインに必要となる確定申告書(Step 3で作成)の付属資料という位置付けとなるもので、事業上の売上や経費などを記載します。Step 2を開始してみると、まず表示されるのがこういった画面です。上部には、Step 2の中で必要な手順が図示されています。(1)から(7)まで、画面の誘導に従って順番に進めていきます。
その下には、作成しようとしている青色申告決算書のイメージが表示されています。イメージをクリックして頂ければ、その時点での青色申告決算書がプレビュー表示されます。
そしてその下が入力エリアです。何をどういう順番で入力するのかは、画面上の案内に従って頂ければ迷うことはありません。まずは自分自身の氏名や生年月日などを入力しますが、やよいの青色申告 オンラインにサインアップした際の情報で埋められるものは既に埋められています。
画面の案内に従って、配偶者や扶養家族などの情報も入力します。この画面上では配偶者の情報(氏名、生年月日)が表示されていますが、これは、配偶者が「いる」と選択した場合にのみ表示されます。必要なのか必要でないのかわからない情報を全て画面に表示すると、項目ばかり増えて混乱のもととなります。やよいの青色申告 オンラインでは、それまでに入力された情報から必要と判断された場合に初めて項目を表示するといった細かい気配りを行っています。
扶養家族と言っても、子供は子ども手当の見合いで扶養控除がなくなったんだっけ? どうすれば?といった場合には、画面上に表示されたヘルプ(ここでは「? 配偶者以外の扶養家族について」)をクリックして頂ければ、その場でヘルプが表示されます。この場合には、「16歳未満で扶養控除が受けられない家族についても、住民税の計算のために確定申告書で申告するので、必ず入力してください」と記載されています。一般的に躓きやすい、迷いやすい項目にはこういったヘルプが用意されています。
ふむふむ、と納得しつつ入力を進めます。こちらは、家事按分(かじあんぶん)。個人事業主の申告では重要なポイントですが、最初は耳慣れない用語です。画面上に説明が表示されていますが「事業とプライベートで共用している設備等にかかった支出は、事業で使用している割合を設定して経費を設定します」、経費を事業とプライベート(家事)に峻別するため「家事按分」と呼びます。
例えば、自宅兼事務所の水道光熱費は、プライベート(家事)で使った分もあれば、仕事(事業)で使った分もありますから、取引として記録された水道光熱費を集計した上で、このうちどれだけ(何%)が事業用なのかを入力します。でも、割合はどう設定すればいいのでしょうか。大丈夫、画面上の「? 家事按分の考え方」というヘルプを参照してみてください。なお、自宅兼事務所の場合には、家賃も家事按分する必要がありますが、これは次の工程(その他の経費)でより詳細に入力するように案内があります。
もうお分かりと思いますが、やよいの青色申告 オンラインでは、画面の案内に従って進めるだけで、青色申告決算書を簡単に作成することができます(次回以降ご紹介しますが、確定申告書も同様です)。売上などの数字は取引の入力を済ませていれば自動で集計されます。それ以外に必要な項目は、画面上で段階的に入力を促します。その際にも、必要となる可能性のある項目を全て一気に表示するのではなく、必要となった項目だけを表示しますから、迷う余地がありません。躓きがちな項目については、ヘルプも完備されていますから、「?」と思ったらヘルプを参照して、その場で疑問点を解消することができます。
こちらは実際に作成された青色申告決算書のプレビューです。これをpdfとしてダウンロードして印刷することができます(これも追ってご説明しますが、電子申告にも対応しています)。
さあ、青色申告決算書はサクッと片付きました。次回は、Step 3であり、本丸である確定申告書に進みたいと思います。