2015年03月06日

確定申告書の作成にみる「弥生なら当たり前」

やよいの青色申告 オンラインを利用して、取引の入力から申告書の作成までご紹介するシリーズ、全8回の7回目です。前半の4回では、取引/仕訳の入力についてご紹介しました。後半に入って5回目から申告書の作成にとりかかり、5回目ではまず、青色申告決算書を、そして前回(6回目)には確定申告書を作成しました。青色申告決算書も、確定申告書も、全く初めての方であっても、画面の案内に従って進めるだけで、簡単に作成することができることをご理解頂けたのではないかと思います。

確定申告書は前回作成しましたので、それを印刷して提出して頂ければ、はい終わりとなるわけですが、今回はもう少し突っ込んで確定申告書作成時の「弥生なら当たり前」についてお話ししてみたいと思います。

1. 弥生なら、画面の誘導に従えば大丈夫

これまでご覧頂いたように、やよいの青色申告 オンラインで確定申告書を作成する際には、画面の誘導に従って頂ければ、必要な項目を漏れなく間違えなく記入することができます。

画面の誘導については、これまでもお話ししてきました。どこから始めてどのように進めればいいのかが一目瞭然。ちょっと悩みそうな箇所にはヘルプが用意されています。また、余計な情報を表示して混乱することのないよう、それまでに入力された情報から必要と判断された場合に初めて項目を表示するようになっていることもお話ししました。

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もう一点補足すると、前回お話しした生命保険料控除では、新契約/旧契約という概念があります。ある時点(2011年12月末)までに契約されたものが旧契約、それ以降の契約が新契約となるのですが、普通の方はそういった区別はご存じないですよね。この新契約か旧契約かは、生命保険料の控除証明書にも記載されているのですが、弥生の場合、その保険の契約日(より正確には契約の年)を入力して頂くと、新契約か旧契約かをシステムが自動で判定します(契約の年によって、保険の種類を新契約もしくは旧契約に自動的に切り替えます)。

やよいの青色申告 オンラインなら、専門用語や税金上の特殊なルールを知らなくても、画面の誘導に従えば、大丈夫です。

2. 弥生なら、ちゃんと自動で計算されます

まあ、当たり前のことなんですが…

一例として、第6回目でもふれた医療費控除の計算について見てみましょう。医療費控除は、次のロジックで計算する必要があります。

支払った医療費から、保険金などで補てんされた金額を差し引く
次に、差し引き後の金額から10万円、もしくは、所得の5%のいずれか小さい額を引く

例えば、支払った医療費が160,000円の場合、医療費控除は60,000円になりますが、仮に保険金で補てんされた金額が20,000円だとすると、その額をまず差し引かなければならないので、医療費控除は40,000円になります。また、支払った医療費が160,000円の場合(保険金はなし)でも、所得が150万円の場合は、所得の5%である75,000円を引くことになるので、医療費控除は85,000円になります。

比較的簡単なロジックですが、所得の5%も考慮しなければいけないところが少々面倒ですね。ただ、大丈夫、こういったロジックに基づいて計算するのは、コンピュータが最も得意とするところです。やよいの青色申告 オンラインではこういったロジックをヘルプで確認して頂くことができますが、実際の計算はシステムで自動的に行います。人間がロジックを確認して、自分で計算する必要はありません。

また、こういった計算をする上では、端数の処理に気を付ける必要があります。税金の計算では、原則として納税者に有利になるように端数の処理を行うことになっています(あくまで原則としてであり、個別のルールが明示的に定められているケースもあります)。生命保険料控除などの所得控除において、円未満の端数が出た場合には、その端数は繰り上げることになります(端数を切り上げる = 控除が増えて税額はわずかに減る可能性がある)。

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この画面では端数処理が納税者有利に行われている結果、生命保険料控除が70,000円になっています。これと全く同じ条件で弥生以外で計算した場合69,999円になってしまうことがあります(そもそも全く計算を行わず、自分で計算してくださいという論外なケースもありますが)。端数の計算は、税金の計算に携わる者としては、基礎知識中の基礎知識です。

3. 弥生なら、必要な個所に正しく、整合性を持って反映されます

まあ、これも当たり前のことなんですが…

上でご説明した医療費控除にせよ、生命保険料控除にせよ、記入するのは一ヶ所だけではありません。確定申告書で税金を計算するのは主に1ページ目(第一表)なのですが、この1ページ目に記入される数字の元となる数字を2ページ目(第二表)にも記載しなければなりません。

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例えば、こちらの1ページ目(第一表)では、生命保険料控除として60,000円、生命保険料控除として68,500円と記載されています。これらの数字の元になるのが、2ページ目(第二表)のこちら。2ページ目には、控除額ではなく、その元になる数字(例えば、支払った医療費)を記入する必要があります。当然、これらの数字は整合性が取れている必要があります。

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もちろん弥生なら大丈夫です。上でお話しした通り、元となる数字を入れて頂ければ、そこから所定のロジックで控除額を計算。もちろん、1ページ目(第一表)、2ページ目(第二表)それぞれに正しい数字を埋めてくれます。システムの誘導に従って頂ければ、計算はもちろん、どこにどのように記入するかもシステムが判断してくれるのです。

もう一つの例としては、年少扶養控除。民主党政権時代の子ども手当の影響で、5年ほど前から16歳未満の子供に対する扶養控除がなくなりました。ただ、これを知らずに、控除対象扶養親族として記入してしまうというのはよくある話。

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これは、控除対象扶養親族の欄には記入せず、2ページ目(第二表)の住民税・事業税に関する事項の中で、16歳未満の扶養親族という欄に記入するのが正解です。やよいの青色申告 オンラインでは、まず生年月日を入力して頂いた上で、控除対象扶養親族の欄に記入するのか、16歳未満の扶養親族の欄に記入するのかをシステムで自動制御します。

一般の感覚からすれば、16歳未満であろうがなかろうが、実際問題として扶養しているのであれば、扶養家族です。ただ、確定申告書にはその常識は通用しません。それであれば、その常識と異なる部分をシステムで自動的に処理すれば、お客さまに余計な負担を強いることもありませんし、お客さまが間違ってしまうこともありません。

いかがでしょうか。まあ、何度も書いている通り、会計・申告ソフトとしては当たり前と言えば当たり前の話です。ただ、残念ながらクラウド会計・申告ソフトという新しい市場では、これらは当たり前ではないのです。当たり前が当たり前となるように、本ブログでも以前「当たり前になることを期待」と書きましたが、残念ながら、今でも「弥生なら当たり前」、逆に言えば、「弥生以外では当たり前ではない」のが現実です。

さて、次回はいよいよ最終回。確定申告書も無事に出来上がっていますので、e-Taxで電子申告に挑戦してみたいと思います。確定申告の期限は3/16(月)、週末も残すところ2回です。無事に申告を終えられるよう、そろそろラストスパート!
posted by 岡本浩一郎 at 16:27 | TrackBack(0) | 弥生
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