2015年07月03日

難しい判断(消費税率10%)

本ブログで4月1日に、消費税率10%への引上げ延期対応についてお話ししました。元々、2012年8月に成立した2012年改正消費税法では、2014年4月に消費税率5%から8%に、また2015年10月に8%から10%に引上げられることが定められていました。ただし、ご承知の方も多いと思いますが、この法律には景気によって引上げを見直す景気判断条項もありました。

弥生では、2013年10月にリリースした「弥生 14 シリーズ」でこの2012年改正消費税法に対応を行いました。すなわち、弥生 14 シリーズでは、2014年4月からの消費税率8%、また2015年10月からの10%に対応を行いました。

ただ、正直に申し上げて、これは難しい判断でした。それは上記の景気判断条項により、引上げの見直しがありうるため。2014年4月の8%については、2013年10月1日の安倍総理による引上げ決定の発表を待った(10月1日の発表を踏まえて、10月7日に弥生 14 シリーズを正式に発表、そして10月18日に発売を開始するという突貫工事でした)ので大丈夫だったのですが、問題は10%。

一つのオプションとしては、弥生 14 シリーズでは、2014年4月の8%にのみ対応を行い、2015年10月の10%の対応は行わない。ただ、法律上は(景気判断条項はあるものの)2015年10月の10%が明記されているわけですから、なぜ10%対応を行わないのか、お客さまから指摘を受けることは確実でした。おそらく、「弥生は8%と10%で二回儲けるつもりか」というご指摘を頂戴することになるでしょう。実際問題として、実際には10%への対応は行ったのですが、10%への対応を行っていないと誤解されたお客さまから厳しいお言葉を頂き、本ブログで10%への対応は行っています、と説明したこともありました。

もう一つのオプションが、弥生 14 シリーズでは、2014年4月の8%、そして、2015年10月の10%に対応を行う。これは法律で定められた通りの対応です。ただし、懸念は景気判断条項。仮に景気判断条項が発動され2015年10月に10%にならない場合には、再度プログラム対応が必要になります。

難しい判断でしたが、弥生としては後者を選択しました。なぜならばそれが法律に定められた通りだから。前者を選択した場合、弥生としてなぜそうしたのか説明ができません。ただ、この結果、10%引上げの見直しが入った場合のリスクを背負うことになりました。

この不確実性に対しては、「あんしんキャンペーン」で対処を行うことにしました。弥生ではあんしん保守サポートという保守サービスを提供しており、このあんしん保守サポートにご加入中は、常に最新版のプログラムが提供されます。このあんしん保守サポートは通常は有償なのですが、このあんしんキャンペーンでは、弥生 14 シリーズを新規購入されるお客さまには無償で、バージョンアップのお客さまには特別価格で提供することにしました。

このあんしんキャンペーンを利用して頂ければ、後継製品であり、なおかつ2015年10月の消費税率が最終的にどうなろうとも対応を行うことになる弥生 15 シリーズが提供されますので、「あんしん」ということです。同時に弥生としては、あんしん保守サポートを実際に利用いただき、その価値を実感して二年目以降も継続して頂きたいという狙いもありました。

10%が実際にどうなったか。これは皆さまご承知の通り、昨年12月の衆議院選挙で自公両党が勝利し、引上げ延期が「ほぼ」決定。その後、今年3月31日の2015年度税制改正の関連法の国会可決で、2015年10月の引上げの延期、かつ、2017年4月の引上げが正式に決定しました。まさに上記の難しい判断におけるリスクシナリオが顕在化したわけです。

これに対し、弥生 15 シリーズで、2015年10月の引上げの延期、かつ、2017年4月の引上げ対応を行い、4月下旬から提供を開始しました。

ただ、問題は弥生 14 シリーズで留まっているお客さまです。あんしんキャンペーンは凡そ8割程度のお客さまにご利用頂いたのですが、逆に残念ながら、2割程度の方はあんしんキャンペーンを利用されていません。結果として弥生 14 シリーズのままとなっている方が一定数いらっしゃいます。現在、こういったお客さまへのご案内を始めていますが、この際に頂くご意見が、「なんで2015年10月に10%になってしまうのか」というもの。

その答えはまさに今回書いた通り。法律で定められていたからです。法律が定められ、そしてそれが変更になったから発生した問題。経緯をご説明し、一応ご理解は頂けるのですが、正直言ってわかりにくいのは事実かと思います。

それだけに、お客さま、そしてパートナーの皆さんに、弥生がどういう判断で今回の対応を行ったのかをキチンと正確にお伝えできるよう、もっと努力しなければならないと感じています。
posted by 岡本浩一郎 at 20:19 | TrackBack(0) | 弥生
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