2016年01月27日

会計業務 3.0

いよいよ今週金曜日にYAYOI SMART CONNECTの新機能として、スキャンデータ取込をリリースします。先週の発表以来、お客さまや家電量販店の方、会計事務所の方などにご紹介すると、とても好意的な反応が返ってくるのが印象的です。「すごい」「待っていました」と。

スキャンデータ取込が実際にどのように動作するかなど、本ブログでもご紹介させて頂きますが、今日はその前に、スキャンデータ取込を実現する原動力となっている「弥生が目指す世界」についてお話しさせて頂きたいと思います。それは会計業務の第三世代、いわば「会計業務 3.0」です。

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振返ってみると(正直もはや想像することも難しいですが)、会計業務は最初すべてが手作業でした。何か取引があって、領収書などを受け取る。まずは領収書の整理。よくあるのは白紙にペタペタ貼っていくというやり方ですね。これはもちろん手作業。そして会計伝票を手で起票。次に起票された伝票を基に、必要な帳簿(総勘定元帳など)に転記。そして帳簿を手作業(当初はそろばん、その後は電卓でしょうか)で集計。ここまでの手作業を地道に積み重ねて、ようやく自分の事業の現状を表す資料である、試算表ができるわけです。ところが、ここで誰かが、「すいませんこの領収書を忘れていました」となれば、集計は全部やり直しです。これが会計業務の第一世代、会計業務 1.0。

会計ソフトの登場は、会計業務の後工程を自動化することによって、会計業務を第二世代へと進化させました。転記は全て自動で行われますし、集計もボタン一発です。上の例に挙げたような、領収書が後から出てきて青ざめるといったことはもうありません。ただし、領収書の整理は引き続き手作業ですし、伝票を手で起票することはなくなっても、手で会計ソフトに入力する必要はありますから、前工程の業務効率は会計業務 1.0の世界から大きく変わりませんでした。とはいえ、後工程が自動化されるだけでも大きな業務効率化です。弥生会計は、圧倒的No.1の会計ソフトとして、この会計業務 2.0を広く世の中で一般的なものとするために貢献してきたと自負しています。

ただ、会計業務が2.0に進化してから数十年(Windows 95で弥生会計が広く使われるようになってからでも20年)、反省も交えて言えば、そこから再び大きく進化することはできていませんでした。もちろん問題意識がなかったわけではなく、限られた範囲ではありますが、入力を自動化する仕組みを模索してきました。代表例が2007年に提供を開始したMoneyLook for 弥生。これによって、銀行の取引(インターネットバンキングの明細)を取り込んで自動で仕訳に変換することが可能になりました。会計業務の前工程を自動化する時代の幕開けです。

弥生の問題意識と技術の進化がかみ合って、会計業務をさらに進化させる動きが明確化した年が2014年。2014年7月にリリースしたYAYOI SMART CONNECTによって、それまでも実現していた銀行の取引だけではなく、クレジットカードや電子マネー取引、さらには、POSの売上や請求の情報に至るまで自動仕訳が実現しました。

そして、今回提供するスキャンデータ取込によって、既にデータ化されている情報だけではなく、ついに紙までも自動仕訳の対象とすることができるようになりました。さらに、電子帳簿保存制度(スキャナ保存制度)まで利用すれば、紙の原本を廃棄することが可能になりますから、領収書の整理も不要になります。スキャナでどんどん読み込めば、後は画像データとしていつでも参照できるようにシステムが保管してくれます。

これこそが弥生が目指してきた「会計業務 3.0」の世界です。つまり今回のスキャンデータ取込のリリースは、前工程も後工程も自動化された会計業務 3.0の世界の入り口にようやく到達したことを意味します。もっとも会計業務 3.0の世界はまだまだ始まったばかり。データとして取り込める情報をもっともっと広げたいと思っていますし、セキュリティの観点では、もっと安心してご利用頂けるようにしていかなければなりません。また、スキャンデータ取込にはOCRという文字読み取りの技術が活用されていますが、まだまだ100%の精度という訳にはいきません。

本当の意味で、証憑の整理から記帳、試算表/決算書作成までを一気通貫で自動化するためには、会計業務 3.0をもっともっと深化させる必要があります。それによって、お客さま、そして会計事務所を単純作業から解放し、より付加価値の高い業務にシフトできるようにすること。それこそが弥生の目指すものであり、弥生の原動力です。
posted by 岡本浩一郎 at 11:27 | TrackBack(0) | 弥生
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