先週末にようやく正式に発表することができたALT。会社名はALT株式会社。昔は登記する際に、アルファベットの会社名は認められていませんでしたが、平成14年の商業登記規則等の改正によって、アルファベットの入った会社名もokとなりました。ただ、アルファベットの場合、何と読むか一意に定まらないという問題があります。エーエルティー?
正解はアルトです。これがどこから来ているかというと、英語のAlternative(代わりとなる、代替)から。5年ほど前から、米国ではAlternative Financeという言葉が使われるようになってきました。おカネを借りるのは銀行から、資本を集めるのは株式市場からというのを従来型の金融(Traditional Finance)とすると、インターネットを通じてこれまでにない形の資金調達を可能にするのが、代替金融(Alternative Finance)。新しい画期的な商品を生み出すための資金を広く一般から募るCrowd Funding(例えばKickstarter)や、インターネットを通じて資金の借り手と貸し手を結び付けるP2P Lending(例えばLending Club)など。
弥生はオリックスグループ入りする前からAlternative Financeの可能性を探っていましたが、本格的に検討が立ち上がったのが、2015年の末ぐらい。当初はP2P Lendingの事業化を検討していましたが、日本では法令の制約上、P2Pならではのメリットの実現が難しいこともあり、最終的には、今回発表したように、自分自身で融資を行うオンラインレンディング(さらには、与信モデルの金融機関への提供)というビジネスモデルで事業を立ち上げることとなりました。
検討を進めてきたプロジェクト名がProject ALT。このALTがそのまま会社名になったわけです。
しかし、ここまで読んで、「おや、以前言っていたことと矛盾してない?」という方、実にするどい。本ブログを相当ご愛読頂いているようで光栄です。確かに2015年最後のブログ投稿(要はこの頃から検討が本格化していたわけですが)で、「代替手段(Alternative)ではなく、これまでにない新たな価値(New Value)を生み出せるかどうか」と書いています。ちょっと便利になった程度の「もう一つの選択肢」ではダメで、「これまでにない新しい価値」を生み出さなければいけないと。
新たな価値は、生まれた当初は異端であり、傍流です。しかし、それが本当に新しい価値を提供できているのであれば、それはやがて本流になる。弥生であり、ALTは、今はまだ日本に存在していないAlternative Lendingを日本に根付かせ、パートナー金融機関とともに、それをAlternative(傍流)ではなく、Mainstream(本流)にしていきたいと思っています。
実は、ALTという社内はあくまでも仮の名前。サービスを開始するまでに、正式な名称に変更する予定です。では、正式な名称は、というと決まってはいないのですが(苦笑、絶賛募集中です)、それは「新たな価値」を示す名前でないといけないと思っています。