先週末にようやく正式に発表することができたALT(アルト)。先週末の発表は、大きく2つのポイントがありました。一つ目は、弥生の子会社としてALTを設立し、オンラインレンディング事業を立ち上げるということ。ALTは、お申込みから融資の実行まで、基本的にインターネット上の手続きで完結する仕組みを提供します。これまでの融資と異なり、決算書などの資料提出や金融機関窓口への訪問などの煩雑な事務作業が不要となり、また短期間での融資実行が可能になります。
一方で、ALTは、金融機関からお客さまを奪うことを目的とはしていません。むしろ、お客さまから見ればこれまでにない利便性、同時に、金融機関から見れば圧倒的に融資コストを低減する仕組みを提供することによって、これまでは需要と供給がかみ合わなった小規模事業者向け融資をビジネスとして成立するようにしたいと考えています。実際に、ALTは大手地銀と提携し、金融機関におけるALTが提供する与信モデルの活用も視野に入れています。これが先週末の発表のもう一つのポイント。具体的には、ALTは、千葉銀行、福岡銀行、山口フィナンシャルグループ、横浜銀行(50音順)という大手地銀と業務提携契約を締結しました。ALTが開発し、ALTが実践する新しい与信モデルを活用し、銀行が利便性の高いオンラインレンディングを実現できるように検討を進めていきます。
弥生を母体とするALTが実現したいのは、小規模事業者がこれまでよりも容易に資金を調達できる環境を作ること。まずはこの秋から、ALT自身が融資を行うことによって、その実現を目指します。しかし、ALTだけで日本全国津々浦々の事業者の皆さんの資金ニーズにお応えすることは現実的ではありません。お金を貸すというのは、ひょっとしたら貸したお金が返ってこないかもしれないというリスクをとること。ALT一社でそのリスクをとることはできません。
そのために、ALTは金融機関とのパートナーシップを積極的に構築し、多くの金融機関から利便性の高い融資を受けられる環境を作りたいと思っています。とはいえ、最初から多くの関係者を巻き込んでしまうと、船頭多くして舟山にのぼる、ということになりかねません。そのため、当初はFinTechに対して積極的な取り組みをされている4行(社)と提携し進めていくこととしました。来週には、パートナー金融機関からの最初の出向者もALTに参画する予定です(ワクワク)。
一方で、ごく一部の金融機関と閉じた関係にとどめるつもりはありません。幸いにして先週の発表以来、多くの金融機関からお問合せを頂いています。中期的には、より多くの金融機関とパートナーシップを組むことによって、文字通り日本全国津々浦々で利便性の高い融資を受けられるようにしていきたいと思っています。