2018年02月07日

仮想「通貨」か、仮想「資産」か

半年ほど前に私はビットコインについて懐疑的、と書きましたが、ビットコイン狂騒曲はまだ続いています。

前回書いた際(昨年の9月20日)のビットコインの価格はUS$4,000弱。それが12月には$19,000程度にまで上昇しました。前回は、「分散投資の観点からは、大化けを狙って自分の金融資産の1/100ぐらい(=万が一価値がゼロになっても困らない範囲で)をビットコインに割り当てることはありだと思います。念のためですが、決して推奨するわけではありませんし、私自身はその予定もありませんが」と書きました。実際に私は買っていないのですが、やはり人間ですから、やっぱり買っておけばよかったかな、と少し思ったのも事実。

しかし、12月後半に最高値をつけて以降は乱高下を繰り返しつつも、下落基調となっており、直近では$8,000前後となっているようです。NEMの一件もありますし、中国マネーを引き付けていたTetherの問題が指摘され、またICO(Intial Coin Offering, 仮想通貨を用いた資金調達)に対する規制が厳しくなるなど、市場としてはネガティブな話題が多いように思います。それでも、一気に崩壊していないのは、一定の需要があるからなのでしょう。

私は引き続き、懐疑派、ただやりたい人は自己責任でやればいいというスタンスですが、そもそも仮想「通貨」という表現が、誤解を招いているのではないか、と思っています。仮想通貨という表現はCryptocurrencyという欧米での表現から来ています(直訳すれば暗号通貨でしょうが)。ですから間違っているとは言えないのですが、今の実態は「通貨」ではないと感じます。もともとビットコインは、決済コストが低い、だからこそ次世代の通貨になりうると言われていましたが、ビットコインブームの中で決済コストは上昇の一途で、今や安いとは全く言えない状態です。

冷静に考えれば、これだけ価格が変動してはそもそも通貨としての機能を果しえません。ビットコインがどんどん値上がりするのであれば、買い物に利用してしまってはむしろ損。持ち続けた方がいい。つまり、通貨は基本的にその価値が(一定の時間軸の中では変動しつつも)日々の生活の中では安定しているからこそ通貨として機能するわけです。

そういった意味では、現状のビットコインは、仮想「通貨」というより、仮想「資産」という表現が適切なのではないでしょうか。資産だからこそ、値上がりを期待するわけです。またビットコインには裏付けになる資産は全くなく、あくまでも純粋に需給関係で値段が決まるもの。今日の$8,000は明日の$20,000かもしれないし、明日の$20,000は明後日の$2,000かも(あるいは$200,000かも)しれない。最終的に、日本円やUSドルといったHard Currencyに換わるまでは、あくまでもバーチャルな資産です。

ただ、Hard Currencyになった瞬間に出てくるのが、税金の問題。まさにホットなトピックですが、これについては、今度ふれてみたいと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 18:07 | TrackBack(0) | ビジネス
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