2018年03月09日

仮想通貨の確定申告(その2)

前回お話しした通り、仮想通貨を売却又は使用することにより生じる利益については、原則として、雑所得となります。単純に言えば、仮想通貨の売却金額から購入金額(および存在すれば必要経費)を引いて、利益額を算出し、それを雑所得の金額として申告することになります。

例えば、昨年中に1 BTCを500,000円で購入し、その後1,000,000円で売却した場合には、所得(利益)額が1,000,000 - 500,000 = 500,000円となるわけです。ここまではシンプルですね。ただ、何回かに分けて購入した、また、購入したうちの一部のみを売却した、といった場合には、計算は複雑になっていきます。この場合、基本的に移動平均法によって、売却した分に見合う取得費(要は原価)を計算することになります。具体的な計算ロジックは、スモビバで宮原先生が解説していますので、参考にしてみてください。

取得費(原価)を計算する方法には移動平均法の他に、総平均法という方式もあります。いずれもなかなか面倒ですが、実はこの種の計算は株式取引などでも発生します(株式取引の場合、総平均法を用いるとされています)。株式取引やFXなどの場合は、証券会社やFX業者がこういった計算を行い、所定の年間取引報告書を発行してくれるため、通常は自分で計算する必要がありません(さらに株式取引で特定口座を利用している場合には、源泉徴収によって申告分離課税が完了し、確定申告も不要になります)。これも前回のように、仮想通貨が急速に盛り上がった故に、制度が追いついていないという面もあるように思います。

もっとも、仮想通貨の場合には、複数の取引所を併用できる、自分で保管・管理することもできる、モノの購入にも利用できるといった意味で、取引を一元的に把握できる取引報告書を作りにくいという事情もありそうです。そこで今年に入ってから、仮想通貨の申告所得額を計算するためのツールが複数リリースされています。ざっと挙げてみると…


いずれも、取引所から取引履歴を取り込んで、損益計算ができるようになっています。あとは、算出された所得金額を確定申告書に記載すればいいということになります。

本当はこういったツールを利用比較しておススメしたいところですが、残念ながら私は仮想通貨を持っておらず、おススメができる状態にありません…。一つ言えるのは、最終的に申告につながるものですから、キチンと税理士の目が行き届いたサービスの方が確実だと思います。そういった意味で、あえて一つ挙げると、CryptoLinCは私も良く存じ上げている先生が自ら立ち上げた会社ですので、間違いはないだろうと思います。

さて、仮想通貨取引による所得金額が算出出来たところでどうするか、ですが、もちろん会計・申告ソフトをご利用頂いてもいいとは思いますが、残念ながらその必然性はありません。会計・申告ソフトは、帳簿を付けられることに価値がある訳ですが、仮想通貨取引による雑所得は、そこまで求められていませんから。給与所得と仮想通貨取引による雑所得だけという方は、ぶっちゃけ、国税庁が提供する確定申告書等作成コーナーでも十分だと思います。どうしても弥生を使いたいという方(笑)は、「やよいの白色申告 オンライン」でしたら永年無料ですから、宜しければどうぞ。

ただ、特に多額の利益が発生しているという場合には、本当は自ら申告するよりも、税理士に任せた方が安全だと思います。もっとも、さすがに今から依頼して引き受けてくれる税理士はいないと思いますので、一旦自分で出しておき、その後税理士に相談し、必要に応じ修正申告するというリスクマネジメントも必要かもしれません。

さあ、いよいよ申告締切前の最後の週末になります。弥生オンラインのアクセスもこの週末がピークになるのではないかと思います。弥生は皆さまが無事に申告を終えられるよう、全力で応援しています。
posted by 岡本浩一郎 at 16:10 | TrackBack(0) | 税金・法令
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