2018年07月26日

キャッシュレス化の光と影

キャッシュレス化を推進すべき(ただし課題は大きい)と書いてきましたが、では、私自身のキャッシュレス度はどうかというと、うーん、キャッシュレス化率は50%ぐらいでしょうか。ただ、一定額以上の支払いはほぼキャッシュレス(クレジットカード)なので、金額ベースで言えばキャッシュレス化率80%ぐらいにはなっているのではないかと思います。

そんな私ですが、先日思わぬことで一日間完全キャッシュレス生活を強いられることになりました。急用で出かけることになったのですが、急用過ぎたこともあって、財布を忘れるという失態(念のためですが、普段はそういったことはありません、笑)。持っているのはiPhoneのみ。気が付いたのは家を出て30分後で既に時間的に引き返せない状態。えーい、何とかなるか、と思ってそのまま出かけました。結論的に言えば、(ほぼ)何とかなりました。その気になれば、キャッシュレスで何とかなるものです。むろん、ちゃんとSuicaが使えるよね、と事前に確認したり、普段よりは少し気を使いましたが。

ただ、実は一つだけキャッシュレスでは何ともならないものがありました。冠婚葬祭に関わるものは、キャッシュレスとはいきません(人から借りるはめになりました)。少し前の日経新聞で「キャッシュレス先進国スウェーデンの光と影」という記事がありましたが、記事にもある通り、キャッシュレス化の影の部分にどう対処するかは大きな課題だと感じます。記事中に「長男のクリスマスのお祝いに日本のお年玉のように現金を渡そうと銀行の窓口に現金を引き出しにいったら、現金が不足していて1クローナ紙幣100枚しかおろすことができなかった。日本円にすると約1,300円」とありますが、銀行にそれだけの現金しかないというのは驚きです。既にキャッシュレス化が進んだスウェーデンとまだまだこれからの日本では状況は異なりますが、「やはり現金でないと」という用途があることは事実かと思います。

結果的に誰かを決済のネットワークから排除することにならないか、というのも、キャッシュレス化で慎重に考えるべきポイントです。上述の記事でも、やはりスウェーデンで「90歳になる祖母も困った経験をした。最近、自分の洋服を買おうとしたら、お店で受け付けてもらえず買い物ができなかったのだ」とありますが、これは当然日本でも起こりうる話です。ある意味近い話としては、最近は中国でキャッシュレス化が進んでいるために、中国を訪問する外国人にはむしろ不便になっているということを聞きます。

あまり話題にはなりませんが、障碍者の方にとってキャッシュレスがどのようなインパクトを持つのかも慎重に考えるべきかと思います。コインは大きさと形で識別がつくようになっていますし、あまり意識することはありませんが、紙幣にも識別マークがついています。

もちろん、今のままがいいと言うつもりはありません。そもそも今のように汎用的に利用できる紙幣が日本で普及したのはせいぜい150年前のこと。今の常識は、ここ150年ほどの常識に過ぎません。お年玉やお祝儀の常識も時代と共に変わっていくでしょう。とはいえ、キャッシュレス化の「光」だけではなく、「影」の部分もキチンと認識し、現実的な対処を考えていくべきだと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 18:16 | TrackBack(0) | ビジネス
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