2018年08月08日

流行りと流れ

夏の巡業(カンファレンス/研修キャラバン/個別訪問)で多くの会計事務所の方とお話しする中で印象的だったのが、「クラウド」というキーワードが数年前ほど出てこなかったこと。数年前は、業界をあげてクラウド・ブーム。今すぐにクラウドに取り組まないと、淘汰される、あるいはそこまでいかなくても、出遅れるといった雰囲気がありました。今から振り返ると、ブーム(流行り)でしたし、弥生自身も含めて、結構煽られていたように思います。

誤解のないように補足すると、クラウドというキーワードがそれほど出てこなくなった = クラウドが使われない、ということではありません。むしろ効果がはっきりしたところでは、クラウドは定着したと言えます。

当たり前の話ですが、クラウドは手段であって、目的ではありません。ですから、手段として効果が生みやすい部分ではクラウドが定着し、逆に効果を生みにくい部分ではクラウドでなくてもいいよね、という冷静な判断がされるようになったということかと思います。わかりやすいところでは、会計事務所自身が使う会計ソフトとしては、操作性の観点からクラウドは適さず、使い慣れた弥生会計 AE(会計事務所向けのデスクトップ版弥生会計)という判断が当たり前のようにされるようになりました。

一方で、だからクラウドを使わないということではなく、デスクトップ版弥生会計をご利用の顧問先とは、弥生が提供するクラウドストレージ、弥生ドライブを利用してデータを共有することがごくごく一般的になってきました。また、顧問先がクラウド版弥生会計(弥生会計 オンライン)を利用されている場合には、弥生会計 AEとのデータ共有機能を活用するということがやはり当たり前になってきました。

普及率としてはまだまだこれからですが、これもクラウドならではの機能である自動仕訳(スマート取引取込)も、デスクトップ版弥生会計でも、もちろん弥生会計 オンラインでも普通に使われるようになってきました。

クラウドがあまりキーワードにならない中で、逆にホットなトピックになっていたのが、「人手不足」。人手不足に関しては、東京や大阪では数年前からそれなりに話題になっていましたが、当時は少し地方に行けば、いや、あまり人手不足と感じることはない、とかなり温度差がありました。それに対して、今年は、どこに行っても、どなたとお話ししても、必ず話題になるのが人手不足。

やっかいなのが、人手不足は、残念ながら「流行り」ではなく、避けることのできない「流れ」だということ。みずほ総研の調査レポート(pdf)によれば、2016年時点で日本の労働力人口は6,648万人。この数は年々着実に減少し、約15年後となる2030年には6,000万人を切る(5,880万人)と予測されています。さらにその15年後の2045年には5,000万人を切り(4,942万人)、その15年後の2060年には4,000万人に近付く(4,157万人)とされています。

労働力が着実に減少していくこれからの時代においては、労働力を無駄にはできません。機械ができることは機械に任せ、人間だからできることに注力していかない限り、社会が成立しなくなります。だからこそ、会計業務においても、3.0の世界、自動化の世界に進化せざるを得ない。それは必然の「流れ」です。将来を考える上で向き合うべきは、クラウドという「流行り」ではなく、人口の動態という「流れ」。その事実に多くの会計事務所が気が付き始めています。
posted by 岡本浩一郎 at 20:56 | TrackBack(0) | 弥生
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/184127121
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック