毎年一回、この時期恒例のイベント。そう、iPhoneをどうするか、です。昨年はこんなことを、一昨年はこんなことを書いています。昨年はだいぶ歯切れが悪かったのですが、結局どうしたかというと…、今でもiPhone 7のまま。うーん、どうしようかなと思っているうちに、年を越してしまい、年を越したら、まあ次でいいか、となってしまいました。理由としてはサイズが大きくなったことを書きましたが、実際問題として、今のiPhone 7で困らないということなのかと思います。
それでは今年はどうするか、というと、うーん、今年も決め手に欠けるんですよねえ。iPhone 7の時はSuicaが使えるようになるという明確な購入動機があったわけですが、昨年のiPhone X/8ではそこまでの購入動機はなく、今回も今ひとつといった感じです。あえて言えば、Dual SIM対応ですかね。私は仕事にせよ、休暇にせよ数日間以上の海外渡航の場合には、現地のSIMを購入するようにしています。それを2号機であるAndroid端末に挿して、メインのiPhone 7はテザリングで接続しています。iPhone 7はSIMロック解除してあるので、海外のSIMを直接iPhone 7で利用することも可能ですが、そうすると日本の番号にかかってきた電話に出れません。そのため、日本のSIMと海外のSIMを併用するために端末2台持ちとなっている訳です。
今回のiPhone XS/XRでは通常のnanoSIMスロットに加え、ソフトウェアで制御されるeSIMという仕組みを備えるため、2つのSIMで同時に待ち受けすることができるそうです。つまり、メインは日本のSIMを挿したつつ、海外渡航先ではeSIMで現地のSIMを利用することができるようになるわけです。ただし、eSIMに対応するキャリアは限られているので、いつもこれでいけるとは限らず、また実際にeSIMをどのように購入し、利用できるのか、まだ不透明な部分があります(日本のキャリアでeSIMに対応したところはありません)。
現行のiPhone 7は購入から2年経ち、バッテリが弱ってきていることもあり、買い替え時期かなとは思います。とは言え、iPhone XSとなると軽く10万円を超える買い物になるので、迷うところです。正直、iPhone新製品の発表に以前ほどワクワクしなくなってきていますし、私の利用用途では、ハードウェアとしてはもう十分だと感じてしまいます。
Appleの強みはハードウェアとソフトウェアの両方を持ち、それらを高度に融合することにより優れた使い勝手を実現すると同時に、両輪で稼ぐことができていること。20年ほど前のほんの一時期だけ、Mac OSを外部に解放し、Mac互換機が生まれたことがありました。しかし、1997年にSteve JobsがAppleに復帰すると、この互換機戦略を転換。以来Appleは、ハードウェアを自社だけで開発することにこだわってきました。それは間違いなくAppleの強みの源泉ではありますが、一方でそれは、売上と利益の両方を維持・拡大するためには、ソフトウェアで稼ぐだけでは不十分で、新しいハードウェアを売り続けなければならないことも意味します。
iPhoneが登場してから、10年以上。これまでは新しいiPhoneは常にワクワクする存在であり、新規のお客さまの獲得にも、既存のお客さまの買い替えにも困らなかった。ただ、ハードウェアとしてのiPhoneの進化が(少なくとも私のような一般的な?ユーザーにとって)飽和しつつあるように見える今、これまでと同じような成長を維持できるのかどうか。あるいは、ハードウェアでの成長にそれなりに見切りをつけて、ソフトウェアやサービスに明確に舵を切ってくるのか。最初は不振と言われたiPhone Xも実際にはそれなりに売れたようですから、まだまだAppleマジックは続くのかもしれませんが、Appleのこれからに注目です。