2018年10月23日

ムーアの法則

先日ネットで懐かしいものを見つけました。X1turbo。「ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・マイコンたち」という企画の一環ですが、まさに私のPCライフの入り口となった想い出のPCです。以前アスキーでの連載でも書いたこともありますが、私にとってコンピュータの入り口となったのがPC-1251というポケコン。そして初のパーソナル・コンピュータとなったのが、このX1turboという訳です。

X1turboは、TVが見れる、そしてTVの画像とコンピュータの画像を重ねて表示できるなど、まだまだ事務機のイメージの強かったパソコンの常識を覆した存在でした。この記事に登場している実機はそんなX1turboらしく、赤色。ただ、私自身が購入したのは、地味なグレーでした。X1turboが登場したのが記事中にある通り1984年(正確には1984年10月)でしたが、購入したのは1985年の年明け。それまで溜めに溜めたお年玉をはたいての、まさに清水の舞台から飛び降りる思いでの購入でした(モニターとあわせて当時の価格で30万円越えですから、中学生のお買い物としては相当なものです、ただ中学生にとってパソコンにかこつけて自室でTVを見れることのメリットは想像して頂けるかと)。

これだけで終わると芸がないので、ふと思い付いて簡単な計算をしてみました。半導体業界では「ムーアの法則」という有名な法則があります。半導体は1~2年という短期間で性能が2倍に向上するというもの。私が1985年に購入したX1turboのメインメモリは64KB(そうです、「ギガ」でも「メガ」でもなく、「キロ」バイトです)。これが2年に2倍の割合(1年では1.414倍)で増加したとすると、2018年には、じゃじゃーん、5.66GB。最近のPCのメインメモリは少なくとも、2GB、しっかりしたものでは8GBぐらいが相場だと思いますので、5.66GBといえばこの中間ですから、まあだいたい当たっていることになります。

ちなみに、これが1年に2倍のスピードだと、2018年にはなんと524,288GB(524TB)になる計算になります。逆に3年で2倍のスピードだと2018年でいまだに0.13GB(128MB)にしかなっていない計算になります。1年で何倍という計算を30年以上分繰り返すことになりますので、1年では僅かな差が2018年には大きな差を生んでしまう訳です。

そう考えると、30年以上経てそれなりに言い当てている訳ですから、この2年に2倍というムーアの法則は非常に高い予見性を持っていることになります。ただ、1985年に64KB、1986年に90KB…と計算し、毎年、その年の典型的なPCのスペックと比較するとそれなりなずれが生じることもあるため、一定の時間の幅の中で、ある程度の幅を持った予見性があるということかと思います。実際、ムーアの法則で「1年に2倍」なのか、「18ヶ月に2倍」なのか、「2年に2倍」なのかは諸説あるようで、その真相を追ったこの記事もなかなか面白い読み物になっています。
posted by 岡本浩一郎 at 21:01 | TrackBack(0) | テクノロジー
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