2018年11月30日

大きく変わった年末調整

今日で11月も終わり、明日からは12月ということで、いよいよあの業務が待ったなしに迫ってきました。年賀状の準備? いやいや、それもありますが、従業員を雇用している事業者の皆さんに共通する年末の頭痛の種、そう、年末調整です。

準備を始めている事業者では、既に従業員に年末調整に必要な申告書を配布し、記入を進めてもらっているところかもしれません(全体的には12月に入ってから重い腰を上げてという方が多いとは思いますが)。これは例年行っていること…、ではあるのですが、今年は申告書が大きく変わりました。これまでの申告書は2種類。給与所得者の扶養控除等(異動)申告書と給与所得者の保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書。これに対して、今年は3種類に増えました。給与所得者の扶養控除等(異動)申告書、給与所得者の保険料控除申告書、そして、給与所得者の配偶者控除等申告書です。つまり、従来は一つの帳票だった給与所得者の保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書が、保険料控除に関する申告書と、配偶者控除に関する申告書に分離されたのです。

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これは、今年から、配偶者控除の仕組みが大きく変わったから。これまでは、配偶者の所得が一定範囲に収まっていれば、本人の所得によらず配偶者控除が認められてきましたが、今年から、本人の所得によって配偶者控除の金額が変動するように(さらには、本人の所得が1,000万円を超えれば配偶者控除がゼロに)なりました。この計算を行うために、書式として独立したという訳です。細かく見れば、昨年までは、配偶者「特別」控除申告書、つまり配偶者の所得によって変動する配偶者特別控除を計算するためのものだったのが、今年は、配偶者控除(特別でなく)も変動するために、配偶者控除も計算するための配偶者控除「等」申告書になっています。

配偶者控除の仕組みが変わるなんて、聞いていないよ、という方も多いと思いますが、実はこれは一年以上前に決まっていたことです(平成29年度税制改正で決まったので、昨年の春に決まっています)。実は、意識はされていないかもしれませんが、今年に入ってから、毎月のお給料での源泉徴収額はこの変更を既に反映しています。給料はあまり変わっていないのに、源泉徴収の額が増えた、という方は、実は配偶者控除が適用されなくなっていた、ということかもしれません。

次回は、いよいよ12月ということで、従業員側と事業者側それぞれでの年末調整の手続きの注意点についてお話ししてみたいと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 20:06 | TrackBack(0) | 業務
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