先月から始めた所得税確定申告の解説シリーズ。準備編、記帳編、そして申告書作成編を終え、いよいよ提出編です。私自身も無事先週末に申告書の準備が整い、今日提出することができました。ホッと一安心。
さて、できあがった申告書を提出するにあたっては、大きく、1) 電子申告、2) 税務署での提出、3) 郵送での提出、という3つの選択肢があります。
イマドキの時代ですから、もちろん電子申告でと言いたいところですが、電子申告ならではの一手間もあり、なかなか電子申告が当然とまでは言い切れないのが現状です。電子申告には、マイナンバーカードとICカードリーダライタが必要。これらは一度準備してしまえば翌年からはラクになる訳ですが、その一度がなかなか越えられないカベとなっています。
もっとも、今年からは、マイナンバーカードが普及するまでの暫定的対応という位置付けで、ID・パスワード方式という選択肢が用意されるようになりました。この方式では、税務署で本人確認を受けた上で発行されるID・パスワードを利用して電子申告が可能になります。しかし残念ながら、このID・パスワード方式は、国税庁が提供している「確定申告書等作成コーナー」で最初から申告書を作成する場合にのみ利用できるということで、やよいの青色申告 19や、やよいの青色申告 オンラインで作成した決算書/申告書データをそのまま活用することができません。
結果的に、やよいの青色申告をご利用の場合には、マイナンバーカード方式のみが利用できることになります。ただ、マイナンバー方式も昨年までとは異なり、e-Taxの開始届出書の提出が不要になっていますので、これまでよりは簡便化されています。
やよいの青色申告 19(デスクトップアプリ)をご利用の場合には、e-Taxソフト(これ自体もデスクトップアプリ)と組み合わせて電子申告を行うことになります。一方で、やよいの青色申告 オンラインをご利用の場合には、e-Taxソフト(Web版)との組み合わせになります。前出の「確定申告書等作成コーナー」も、e-Taxソフトも、e-Taxソフト(Web版)も電子申告を行うための仕組みではあるのですが、それぞれ別物なので、ご注意ください(正直結構紛らわしいですよね)。
もう時間も限られるし、電子申告は来年から、という方は、2) 税務署での提出、3) 郵送での提出という二つのオプションになりますが、税務署での提出を選ぶ積極的理由はないと思います(オフィスの隣が税務署、だったら別ですが)。税務署で提出する場合、その場で提出を証明するための控えに受付印を押してくれるというのがメリットではありますが、郵送での提出の場合でも、控えと返送用の封筒(切手付き)を同封すれば、控えに受付印を押して返送してくれます。税務署までの往復の時間を考えると、郵送の方がよい時間の使い方なのではないかと思います。
なお、上記はあくまでも今回の申告での話。2021年の申告(2020年分の所得の申告)からは、電子申告の場合のみ青色申告特別控除が65万円になる(そうでない場合は55万円に減額)ため、納税額に明確な差がでることになります。それまでにいかに電子申告を当たり前のものとするか、弥生としてもしっかり対応しなければならないと考えています。