昨年の2018年が、よく言えば落ち着いた雰囲気だった、悪く言えば、以前ほどの盛り上がりに欠けただけにどうなっているか心配だったLendIt USAですが、今回、2019年は…。
もっと落ち着いていました(笑)。悪く言えば、さらに盛り上がりに欠けたといってもいいと思います。参加者としても前年よりは減っているように見えました。ただ、色々と見聞きする中で、LendItが盛り上がりに欠けているから、市場として盛り上がりに欠けている、という訳ではないと考えています。
実際に起きているのは、優勝劣敗。数年前までは、市場が急拡大する中で、もうそれなりに確立したプレーヤーもいれば、5匹目、10匹目のドジョウを狙ったプレーヤーもおり、混沌とした状況でした。一方で、ここ数年市場が拡大していく中で、確実に優勝劣敗が進んできています。今回個別に話した人の言葉を借りれば、「お客さま、スケール、ブランドのうち、何かがないと生き残れない、逆に”Me too”プレイヤーは生き残りが厳しくなってきている」ということかと思います。
金融機関の取り組みが進んできたこと、また、異業種ではあっても力をもったプレーヤーも参入してきたことも優勝劣敗を進めていると感じます。JP Morgan ChaseやBank of Americaのような大手金融機関も積極的に取り組んでいる中では、あわよくばというベンチャーは太刀打ちできません。また、特に消費者向け融資に関しては、Goldman Sachsのように、やや畑違いの世界からの参入もありますし、さらには、Appleのような超メジャープレーヤーの参入すら想定の範囲内です(Appleは、それこそGoldman Sachsと組んでクレジットカードを発行するそうですから、融資の一歩手前まで来ています)。
Alternative LendingがMainstreamになり、優勝劣敗が進んでいること。その一つの表れは、呼称でしょうか。以前はAlternative Lendingという呼び方(あるいは手法を表すP2P LendingやBalance Sheet Lendingという呼び方)がされていましたが、今回は、ほぼ全てのセッションで"Online Lending"という呼び方で統一されていました。Alternative Lendingというニッチな市場は着実に成長を続け、今やOnline LendingというMainstream(主流)になりつつあると感じています。