先日、立ち上がったばかりの資金調達ナビのご紹介をしたところ、とてもポジティブなフィードバックをいただいており、嬉しい限りです。資金調達ナビが目指すことは先日もお話ししましたが、その背景にある想いについては、実は二年前にもお話ししたことがあります。
弥生はこれまで長年にわたって、日本の小規模事業者に、会計ソフトを提供し続けてきました。会計ソフトは、事業者の現状を正確に把握するためのツール。いわば物差しです。会計ソフトという物差しを使うことによって、事業の現状を把握し、将来に向けてどういったアクションを取るべきか判断することができます。しかし、一方で、これまでは物差しで測った結果、このままでは資金繰りが苦しくなる、あるいは逆に、今ここで資金を投入して投資すれば事業を大きく成長させられる、といったことがわかっても、それに対して弥生が提供できる打ち手はありませんでした。
今回の取り組みは、測る道具としての物差しを提供するだけではなく、そこから生まれるアクションのための打ち手を提供しようとするものです。弥生は今、事業者のあらゆる悩みにお応えする事業コンシェルジュへの進化を図っていますが、その一環であることは言うまでもありません。
上で言う今回の取り組みは、事業者の方が会計データさえあればオンラインで簡単に融資を受けられる「アルトア」のこと。ご承知のように、アルトアは融資を開始してからもう一年半になります。まだまだ課題はあるものの、着実に前進しています。
上でお話しした想いを弥生側として具体化したのが、今回の資金調達ナビ。弥生としては、特定の資金の出し手(アルトアを含め)に偏ることなく、事業者の方にとって中立的な立場でお手伝いをしたいと思っています。ただ、現時点では、アルトアに関するコンテンツが中心となってしまっているのは事実。もちろん、このままでいいとは思っていません。
弥生自身でも資金調達ナビをしっかりと改善していきますが、資金調達ナビが本当の意味で事業者にとって価値のあるものになるためには、もっと多くの力を集めることが必要です。アルトアは、その仕組みを金融機関に提供することによって、金融機関がアルトアのように利便性の高い融資をできるお手伝いをしようとしています。同時に、金融機関にも資金調達ナビにご参画いただき、資金調達ナビが事業者と金融機関の接点としてお役に立てるようにしていきたいと思います。
もう一つのカギは、弥生のパートナーである会計事務所。会計事務所は普段から顧問先である事業者の資金繰り、そして資金調達の支援を行っています。そこで蓄積された知見を資金調達ナビを通じて、より多くの事業者が活用できるようにしたいと思っています。