2019年08月09日

Facebookバイアス

オリンピック観戦チケットの第一次抽選の結果が発表されたのは、6月20日のこと。私はラッキーにも当選(といっても10競技30枚申し込んで当選は1競技3枚)したのですが、家族でもう一人申し込んでいた分は見事にハズレ。この時点では、家族での当選確率から、全体でも当選確率は1/2ぐらいだったのかなと思っていました。その後Facebookなどでの悲喜こもごもの声を見ていると、どうも1/2(=50%)などではないことが見えてきました。それでも、まあ1/3(=33.3%)ぐらいかな、と。

昨日から急遽行われることになった追加抽選の受付が始まりましたが、これに合わせてようやく第一次抽選の時の数字が公開されました。それによると、512万人が申し込み、96万人が当選したとのこと。つまり当選確率は18.75%だったことになります。想像以上に厳しい戦いだったということがようやく数字面でも確認された訳です。

私がFacebookを見て推測した当選確率は、当選した人の方が「当選した!!」と発信する可能性が高いというバイアスを考慮できていなかったということかと思います。経営者の人の当選確率が高いな、やはり運の強い人が多いのか、なんてことも一瞬思ったのですが、もちろんそんなことはなく、私のFacebook友達の経営者割合が高い(なおかつ経営者は当選した、という自慢好きかも、笑)というバイアスによるものかと思います。

人間は自分の見たい現実を見る、と言われますが、FacebookなどのSNSを見て、それが現実と思ってしまうのは危うさをはらんでいるように感じます。前回のアメリカ大統領選挙でも大きな問題となりましたが、来年に予定される選挙でもさらに大きな問題になるのでしょう。

そういった中で大切なのは、客観的な情報、できれば定量的な情報をもとに判断すること。その意味では、今回の東京オリンピックのチケット販売は色々と問題があると感じます。何せ情報が開示されない。

そもそも今回の東京オリンピックのチケットで全部で何枚あるのでしょうか。公式な発表はされていないようですが、一部メディアでは「招致段階の計画で全体の販売枚数は約780万枚だとしているが、関係者によると、最終的な販売枚数は900万枚超になる見通し」と報道されています。仮に900万枚だとすると、今回追加販売される68万枚を含めても390万枚。まだ半分以上は残っていることになりますが、実際にはどうなのでしょう。

全体が何枚で、第一次抽選で何枚、第二次抽選で何枚の販売を見込んでいるのか、高額であることが話題になっているホスピタリティパッケージにどれぐらいまわされるのか。海外での販売にどれぐらい割り当てる予定なのか。数字が明らかになっていれば、当選の確率がどれぐらいになりうるのかある程度推測ができますし、それに基づいて申し込むかどうかの判断もできます。そういった情報がないまま、終わった後に初めて数字が公開されるのは、なんだか無用に煽られているような気がします。もろもろ調整の余地を残したいなど、数字を明かしたくない理由でもあるのでしょうか。万人から注目されるイベントだけに、できるだけオープンに進めるべきだと思うのですが。
posted by 岡本浩一郎 at 18:44 | TrackBack(0) | その他
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