消費税率の10%への引上げと軽減税率への準備を進めなければならないと書きましたが、ひとまず優先していただきたいのが、キャッシュレス・消費者還元事業への登録です。これは、2019年10月から2020年6月までの期間、本事業に登録済みの中小・小規模事業者で商品・サービスをキャッシュレスで購入すると、基本的に5%分のポイントが還元されるというものです。
ここでいうキャッシュレスとは、最近はやり(というよりもバブルな気もしますが)のQRコード決済ももちろん含まれますが、クレジットカードやSuicaなどの電子マネーでの支払いも含まれます。
誤解されることがありますが、この事業は軽減税率に対する対策事業ではなく、消費税率10%への引上げによる景気悪化を防ぐための施策なので、ポイント還元となる商品・サービスは多岐にわたります(軽減税率のように飲食料品に限られるわけではありません)。7月末で既に登録が済んでいる事業者のリストが公開されていますが、この手の施策への感度が高いのか、いわゆる電気店が多いように見受けられます。もちろん電気店に限られるということではなく、一般的な小売店から飲食店、サービス業までが対象となりえます。
なかには、会計事務所で本事業への登録を済ませたという事例もあるようです(笑)。会計事務所は一般的に毎月の顧問契約で、支払いは口座引落しが多いかと思いますが、場合によってスポットでのコンサル契約の支払いをキャッシュレスとすれば、ポイント還元もありえることになりますね。
ただ、注意が必要なのがポイント還元を受けるためには、事業者側での事前の登録が必要となるということ。実は10月から対象となるためには、7月末までに登録を、と呼びかけられていました。これからの登録で10月に間に合うかどうかはわかりませんが、おそらくこれから駆け込み的に登録が増えるでしょうし、そうなれば登録がずるずると遅れる可能性もありますので、一日も早く登録を済ませてしまうことをお勧めします。
残念ながらこの制度が限られた準備期間の中で進めてられていることもあり、何をどうすればいいのか、情報は十分とは言えません。事業者向けのWebサイトがこちらですが、まだ「よくあるお問い合わせ」も公開されていません。問い合わせ窓口も用意されているようですが、いずれにせよ登録自体は利用している決済事業者を通じてになるということですので、直接決済事業者に問い合わせをするのが手っ取り早いのではないかと思います。対象となる中小・小規模事業者の定義、また還元対象となる商品・サービスに関しても注意が必要なので、ひとまず決済事業者に問い合わせてみることをお勧めします。
現時点でクレジットカード等の支払いを受け付けていない場合は、PaypayやLINE Payなど、この機会に自分でも使ってみてもいいかなと思える決済方法についてまずは調べてみると良いのではないでしょうか。
情報不足は消費者向けも同じで、5%還元というのがクレジットカード利用でこれまで得られていたポイント(ですとかマイル)とは別に5%となるのか、あるいは、それらも込みでの5%となるのか、判然としません。おそらく走りながら色々と明らかになってくるのだと思いますが、この還元事業が期間限定だけに混乱が収束した頃には還元も終わりとならないか少々心配です。