2019年08月29日

懸念点と疑問点(その2)

軽減税率対策補助金は、軽減税率に対応するためのレジや請求書管理システムなどで2019年9月30日(月)までに「導入または改修を終え支払いを完了したものが補助対象」であるとお話ししました。軽減税率に対応するためですから、軽減税率が始まる前、すなわち9月中に導入を済ませましょうというのは、もちろんそうあるべきではあるものの、実際にはかなり無理があると感じています。8月も終わりに近づき、今からレジの契約をしても、9月末までに導入が完了しないケースが考えられますし、ましてや支払いも10月に入る可能性もあります。

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と思っていたところ、上記の要件を緩和するという通達がなされました。「契約等の手続きが完了」していることを条件とする、逆に言えば、導入や支払いが10月以降になっても対象となりうるとのこと。来た、やはり手が打たれたかと思ったのですが、実は肩透かし。読めばわかりますが、この通達はあくまでも軽減税率対応レジのみを念頭に置いて記載されています。実際、弥生でこれまで確認している範囲では、お客さまが自ら購入し導入する請求書管理パッケージ(弥生製品では弥生販売、やよいの見積・納品・請求書が該当)については、本通達の対象外であるとのこと。なおかつなぜそういった差が設けられたのか、その理由も判然としません。

当たり前の話ですが、そもそも事業者間の取引は掛売になることが一般的です。つまり、契約・導入が9月末までであっても、支払いが10月以降となることは一般的に想定しえます。今回に限って9月末までに前倒しで払えばいいではないか、というのは事業者の実態を無視した暴論です。事業者にとって資金繰りは生命線であり、掛売によって支払いを可能な限り遅らせることは当然の常識。補助金のために、わざわざ支払いを前倒しすることは、結果的に中小事業者の資金繰りを悪化させることになります。そもそもこの補助金の目的自体が軽減税率制度の円滑な実施を図ることですから、事業者の資金繰りを悪化させることはまさに本末転倒になります。これは対象がレジであろうが、請求書管理システムであろうが変わりません。

これではあまりに不合理ということで、軽減税率対策補助金のすべての対象製品について、同じような要件緩和がされるよう働きかけをしようと思っています。どういった結論になるのかはわかりませんが、やれるだけのことはやってみようと思っています。
posted by 岡本浩一郎 at 22:58 | TrackBack(0) | 業務
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