2019年09月13日

一体資産

先月、行きつけのお店で消費税率の引上げと軽減税率導入への準備が進んでおらず、心配だと書きました。このお店は割烹ですから、基本的に外食。外食については、前回お話ししたように、軽減税率の対象とはなりません。ですから少なくとも軽減税率の影響はない…と思いきや、そうではないのです。このお店では、煮豆や栗の渋皮煮(どちらも美味しいですよ)などを持ち帰り用に販売しているのですが、これはテイクアウトの扱いになりますから、軽減税率の対象となり、結果的に軽減税率への対応が必要になるのです。このお店のように、外食のお店でも、テイクアウトがあったり、あるいは出前などがあれば、外食自体は軽減税率の対象にはなりませんが、お店として軽減税率の影響はない、とはならないのです。

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我が家はもう何年もこのお店にお節をお願いしています。これがまあ、とんでもなく美味しい(数量限定なので、この記事が発端になって買えなくなると困ります、笑)。お節もテイクアウトですから、基本は軽減税率対象……なのですが、実は対象とならないケースもあります。弥生の消費税改正あんしんガイドでも解説していますが、重箱入りの高級お節は軽減税率の対象外となるケースがあります。

それはなぜか。重箱自体に価値がある場合、飲食料品とそれ以外の物品を組み合わせて「一体資産」として販売しているとされるからです。わかりやすい例が、おもちゃ付きのお菓子ですね。

このお店のお節は、しっかりとした白木の箱に詰めて販売されています。ただ、この箱に資産価値があるかというと、ないという理解でいいかと思います。要は、取っておくのが当然であれば資産価値があるということになりますし、基本的には使い捨て容器として捨てることが前提であれば、資産価値がないということになります。我が家の場合、最初はこの白木の箱を勿体ないと取ってあったのですが、何年かするうちに、結局使わないので、捨てるようになりました。ということは結局資産価値はないということですし、結果的に一体資産ではないということになります。

この点については、消費税の軽減税率制度に関するQ&A(個別事例編)では、「飲食料品の販売に際し使用される包装材料等が、その販売に付帯して通常必要なものとして使用されるものであるときは、その包装材料等も含め『飲食料品の譲渡』に該当します」と解説されています。飲食料品の譲渡に該当するということは、軽減税率の対象となるということです。

ということで、お節を詰めて販売するのに一般的に使用される木の箱であれば、軽減税率対象ですし、それ自体に価値がある豪華な重箱であれば、一体資産として軽減税率の対象外となるということかと思います。この観点で言えば、通販で買うことができるフグ刺しについては、プラスチックの皿に乗ったものであれば軽減税率の対象。それ自体に価値がある有田焼の皿に乗ったフグ刺しは一体資産として軽減税率の対象外となりそうです(そもそも高級食品であるフグが軽減税率対象って、という声もありそうですが…)。

ただし、一体資産だから自動的に軽減税率の対象外となるわけではありません。一体資産であっても、1) 一体資産の価格が少額(税抜1万円以下)のものであり、2) 軽減税率の対象となる飲食料品が主たる要素を占める(2/3以上)場合には、軽減税率の対象外となります。ですから、おもちゃ付きのお菓子(税抜1万円以下)については、飲食料品の割合が2/3以上であれば、軽減税率対象である一方で、2/3未満であれば軽減税率対象外となります。具体的に言えば、ビックリマンチョコは軽減税率の対象、一方でミニカー付きのガム(←コンビニで見るとつい車種をチェックしてしまいます)は軽減税率の対象外となるようです。

この記事のために、改めて調べているのですが、実に複雑ですね。実務として、本当にこれが成り立つのか、正直、心配です。
posted by 岡本浩一郎 at 17:18 | TrackBack(0) | 税金・法令
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