前回は確定申告を早めに終えましょうというお話しをしましたので、今回も「早め」というと同じ話と捉えられるかもしれません。しかし、今回は早めの「備え」の話です。
日本では新型コロナウイルスの感染が爆発的に広がる状況にはなっておらず、感染拡大が比較的抑制されているように見受けられます。ただ、それは様々な活動の抑制によって成り立っているのも事実。東京ディズニーリゾートは結局1ヶ月以上に渡って休園するようで、私が経営者だったらと思うと、本当に目まいがするような状況です(政府からの要請もあったのでしょうが、それにしても本当に勇気のある判断だと思います)。東京ディズニーリゾートのように休園とまではいかず、営業は続けていても、外出を控え、活動を自粛するムードの中で、いつもよりもお客さまが目立って減っているお店も多いのではないかと思います。
事業者にとっては本当に厳しい状況です。なおさら厳しいのは、終わりが見えないということ。1~2週間の集客減であれば、少し頑張れば取り返すこともできるかもしれない。しかし、今回の新型コロナウイルス禍で非常に難しいのは、その終わりが現時点では全く見通せないということです。
そういった中では、最悪の事態、すなわち、現状がこの先も当面は続くという想定で備えるべきです。それも速やかに。事業にとっての血液はキャッシュ(現預金)。帳簿上は黒字であっても、現預金が尽きれば、事業を続けることはできません。仮に今はまだ現預金に余裕があるとしても、この先3ヶ月間、ひょっとしたらもっと長い期間に渡って経済活動の停滞が続いたらどうでしょうか。それでもびくともしない事業者はかなり稀なのではないでしょうか。
もちろん政府も危機感を持っており、現在様々な支援策が講じられています。休日も含めて経営全般について相談できる窓口も用意されていますし、小学校等の臨時休業等により、仕事を休まざるをえなくなった方への支援、あるいは新たにテレワークを導入し、又は特別休暇の規定を整備した中小企業事業主に対する助成金なども用意されています。さらに、まさが今が佳境の個人事業主の所得税/消費税の確定申告についても、申告期限の延長だけではなく、新型コロナウイルス感染症の影響により納税が困難な場合には、納税そのものの猶予制度も用意されています。
様々な支援策があるが故に全体を把握しにくい状況ですが、弥生ではこれらの情報を可能な限り網羅したページを作成し、公開しています。手遅れになる前に、まずはどんな可能性があるのか、一度ご確認頂ければと思います。弥生では今後も情報収集を続け、情報をアップデートしていきます。
弥生も情報発信を続けていきますが、事業者それぞれの個別の事情を踏まえ、最適な方策を一緒に考えてくれるのが、会計事務所です。備えは早めに。顧問の会計事務所にも早めに相談することをお勧めします。