2020年04月06日

プランB

4月に入って一週間弱。新型コロナウイルス禍が広がる中、資金繰りの一つの山場である3月末を何とか超えたと思ったものの、4月に入っても事態は好転していません。報道によると明日にも緊急事態宣言が出されるのではということで、事態はむしろ悪化しているようにも見えますし、先の見通しが描けない状況です。

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先週金曜日は友人と行きつけの神田のイタリアンに行く予定だったのですが、状況を鑑みてとりやめ、その代わりに持ち帰りを用意していただきました。持ち帰りで美味しい食事を食べられることになった家族は大喜び。これもお気に入りのお店を支えるひとつの方法かと思います。ちなみに、外食を予定していた友人とは今晩これからリモート飲み会の予定です(笑)。

ただ、事態がまだ長引くだろうという判断のもとで、苦渋の決断をする事業者の方も出てきています。特に飲食業で顕著ですが、当面営業を休止するお店が増えつつあります。制約を受けつつも事業を継続するのをプランAとすると、一旦事業を休止するのはプランBと言えるでしょうか。判断の分かれ道は、営業を継続することによって多少なりともプラスに働くかどうか。特に飲食業の場合には、食材の仕入れがあり、(使いきれない分も含めての)仕入れ > 売上になりかねないため、事業を継続することが傷口を広げることにもなりかねません。

神田のお店も、今日/明日のランチ営業で食材を消費した上で、水曜日から一週間ほど営業を休止するとのこと。周りのお店でも、休業が増えてきたとのこと。本当に苦渋の決断だと思います。ただ、長い目で見れば、ここで出血を一旦抑えるのは有効な選択肢かもしれません。

お店を休むということで、その間は従業員の方には有給休暇をとってもらうという手もありますが、こういった事態を受け、国による最大限の支援体制が用意されています。それが雇用調整助成金。経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業者が、従業員に対して一時的に休業を指示した場合には、従業員の生活を保護するため、休業させた所定労働日について、平均賃金の6割以上の休業手当を支払う必要があります。雇用調整助成金は、この休業手当の支払いに対し、事業者に助成する制度です。制度自体は従前からあるものですが、今回、新型コロナウイルスの影響を受けている事業者については、助成率が最大で9/10(90%)にまで引き上げられています。ただし、1日あたり一人8,330円という金額の上限があります。例えば、平均賃金が10,000円で休業手当を最低限の60%支給した場合には、10,000円×60%×9/10=5,400円の支給額になり、15,000円に対し、80%支給した場合には、計算上は15,000円×80%×9/10=10,800円となりますが実際には金額上限を超えるため8,330円の支給額ということになります。

休業が短く終われば有給休暇の消化でもよいと思いますが、ある程度続くことを考えると、折角国の支援を受けられるのですから、この制度の活用も検討すべきだと思います(雇用調整助成金は支給限度日数は100日となっています)。通常は休業の事前の届け出が必要なのが、今回は事後提出でも構わないのも大きなポイントですね。

もちろん通常通り営業を継続できるのが望ましいとは思いますが、休業によって、仕入れを止め、なおかつ雇用調整助成金で人件費をある程度賄うことによって出血を止めるのも、長い目で見れば有効な選択肢となりうるかと思います。残る大きな費用項目である家賃に関しても、家主と交渉する余地はあるかもしれません(少なくとも支払いを待ってもらう、は交渉してもいいのではないかと思います)。

雇用調整助成金も含め、既に様々な支援策が用意されています。弥生ではこれらの情報を可能な限り網羅したページを作成し、継続的に更新しています。どんな可能性があるのか、一度ご確認頂ければと思います。
posted by 岡本浩一郎 at 19:22 | TrackBack(0) | ビジネス
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