2020年06月08日

クラウド型の利用率が20%超え

前回は、確定申告期限延長の影響についてお話ししました。期間が延びた分広告宣伝費がオーバーし、さらに緊急事態宣言下でのお問合せ対応に四苦八苦するも、新規ユーザーのサインアップという観点では、前年を大きく超える結果になりました。

ただ、これが市場全体としてどうなのか。弥生が前年を大きく超えたと喜んでいても、他社がそれ以上に伸びていれば意味がありません。これを測るために有効なのが、シェア調査。MM総研では毎年、確定申告期終了時点でのクラウド会計ソフトのシェアを調査、発表しています(この調査は確定申告をされた個人事業主が対象なので、弥生の定義的には、クラウド申告ソフトのシェアとして捉えています)。調査の母数も大きく、また継続的に実施されていることもあり、信頼できる調査として毎年その結果が発表されるのをドキドキしながら待っています(笑)。

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今回の結果は、この通り。弥生はダブルスコア以上と2位以下に大差をつけて、しっかりとNo.1をキープしています。ただし、前年は57.0%だったので、56.7%へとほんのごく僅かに減少。統計上の誤差の範囲ではありますが、シェアは安定しているものの、大きく伸ばすことはできていないという理解になるかと思います。今年は確定申告期間が延長され、ソフトウェアを提供する側にとっては誰にとっても厳しい年でしたから、皆よく頑張っての痛み分けと考えたいと思います(実は昨年までと今年では2位/3位が入れ替わっており、それなりに競争が激しいマーケットであることを物語っています)。

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メーカー間での切磋琢磨は、クラウド利用率の着実な増加にもつながっています。調査初年度である2016年にはクラウド型の利用率は9.2%に留まりましたが、毎年着実に増加し、今回の調査では21.3%と初めて20%を超えました。

弥生の提供する申告ソフトに関しては、既にフローベース(新規のお客さま)では、クラウドアプリ(やよいの青色申告 オンライン/やよいの白色申告 オンライン)を選ぶお客さまの数がデスクトップアプリ(最新製品はやよいの青色申告 20)を選ぶお客さまの数を超えています。一方で、従来からデスクトップアプリを使われている方は、そのままデスクトップアプリを使い続ける方がほとんどです。結果的に、今回の調査のようにある時点での状況を調査すると、デスクトップアプリを使われている方がまだまだはるかに多いものの、クラウドアプリの割合も着実に増加するという構図になっています。今回の調査では、会計ソフトの利用率が前年の32.5%から33.9%に増加していますが、これは従前のデスクトップアプリの市場に加え、クラウドアプリを中心に新たな顧客層を開拓できているという一つの証左かと思います。

来年の確定申告からは、電子申告を行うかどうかで青色申告特別控除の金額が変わるようになります。申告ソフトをしっかり活用して電子申告し、最大限の税メリットを享受する。それが当たり前となるよう、来年に向けてしっかりと準備を進めていきます。
posted by 岡本浩一郎 at 19:44 | TrackBack(0) | 弥生
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