2020年10月13日

API契約完了

既に弥生のウェブサイトで公開していますが、弥生は9月末をもって、弥生の口座連携機能(スマート取引取込)で連携している全ての金融機関とのAPI契約を完了しました。

2018年の銀行法の改正により、金融機関の口座情報を取得する事業者は、電子決済等代行業者として2020年9月末までに金融機関とAPI契約を締結することが義務付けられました。これに伴い弥生は、2018年12月に電子決済等代行業者としての登録を完了し、電子決済代行業者として、金融機関とのAPI契約を行い、従来のスクレイピング連携から、金融機関の預金残高や取引明細を正確かつ安全に取得できるAPI連携への切り替えを進めてきました。

本ブログで金融機関とのAPI接続について初めてお話ししたのが2018年4月のこと。ただ、実際には2017年の半ばには問題意識を持って動き始めていました。問題意識というのは、電子決済等代行業者N社と金融機関N社の間でそれぞれが個別に契約を結ぼうとすると、N対Nという膨大な数の契約交渉が必要になるという、いわゆる「N対N」問題です。N対N問題を回避するためには、電子決済等代行業者と金融機関が議論の出発点として活用できる標準的な契約案が必要です。そこから紆余曲折はありましたが、2017年11月には、全国銀行協会が事務局となるオープンAPI推進研究会が立上り、この場での議論を経て、改正銀行法対応のAPI利用契約の条文例をとりまとめることができました。

こうやって振り返ってみると、ここに至るまでに、実に3年以上という時間を要した訳です。正直時間はかかりましたが、それでも標準形となる条文例があったからこそできたこと。条文例がなく、いまだにN対Nで一から議論をしていたとすると、まだまだ終わる目処は立っていないでしょう。

ただ、実は今回何とか間に合わせた9月末というのは延長された期限です。もともとは法令上、5月末までの契約締結が求められていました。この時点では残念ながら一定数の金融機関との契約締結が間に合わず、一時的にでも口座連携を停止せざるを得ない金融機関が発生しそうだったのですが、新型コロナウイルス禍を受け、ギリギリで期限が延長されたという裏事情があります(これは新型コロナウイルス禍という不幸中の幸いです)。

締結したAPI契約に基づき、現時点で88の金融機関とAPI連携が完了しており、これは弥生会計(デスクトップ/オンライン)の口座連携機能をご利用のお客さまが登録している口座の約90%に当たります。残り50の金融機関に関しては、金融機関側での準備が整い次第順次API連携を進めていきます。

契約締結でも苦労しましたが、ぶっちゃけていうとお金がかかっているのもAPI契約の特徴です。一行一行でかかるコストはそこまで大きくなくても、100行以上と契約を結ぶとなると、年間を通じてかかるコストはウン億円です。これも弥生のお客さまが自動化のメリットを享受するため。これだけの労力とコストをかけて金融機関との口座連携を行っている訳ですから、もっともっと多くのお客さまに口座連携による自動仕訳のメリットを享受していただきたいと思っています。
posted by 岡本浩一郎 at 20:56 | TrackBack(0) | 弥生
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/188023425
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック